茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年11月9日「お灸とビワの葉灸だけのがんの疼痛緩和ケア。」

2016-11-09 08:39:42 | 日記

当院では鍼灸とビワの葉温灸を併用した「がんの疼痛緩和ケア」を行っております。

病院でがんの治療を受けている患者さんから『今日はお灸だけで治療して欲しい。』と御要望がありました。

放射線治療などで一時的に血小板が減少して血液凝固作用が衰えている事と播種を心配されているご様子です。

私の治療院では患者さんを「積聚治療」という治療法で治療していますが、この治療法の特徴は鍼を体に刺入しないことです。鍼先を皮膚に押し当てるだけで「気」を動かし「病」を治療します。

鍼灸技術的には「接触鍼」と言われるものですが、鍼を刺さないので、出血する事はありません。

今回は「鍉(てい)鍼」と云われる鍼を使用しましたが、形状は先が丸い金属製の棒状をしており、素材は純金で出来ています。

なぜ「刺さない鍼」で病気が治療できるのかを簡単に説明して見たいと思います。

「刺さない鍼=接触鍼」でなぜ「病」が治るのか、それについては「気」と云う物の理解が欠かせません。

「気」は東洋医学の根幹をなす重要な考え方で、広い意味で人体は「気」そのものです、人間の身体は「気の重層構造」になっていて、「気」の機能が過剰になると、そこにアンバランスを生じ「万病」が生じると考えます。

「気の重層構造」の人体に鍼灸治療を行うことは「気」そのものに鍼灸をすることです、「気」の調和により万病を治すというのが鍼灸治療の大原則です。

「接触鍼」は体表の気に直接触れて治療する技法です、体表には衛気と言う気が流れていますが、その衛気を通じて、経絡の気、臓腑の気、正気、元気、陰陽の気を動かすことで「気」の過不足を調整したり正しい働きに戻すことにより「病」を治療することができるのです。

鍼灸治療と言いますと「刺す鍼=刺入鍼」というイメージが強いのですが、「接触鍼」だけを使用する流派や「接触鍼」「刺入鍼」を使い分ける流派も数多くあり、私の治療院では「本治法」は「接触鍼」で行い、「標治法」は「刺入鍼」も使いますが、今回は「接触鍼」と「漢方成分入りのお灸」「ビワの葉温灸」だけで症状の緩和をいたしました。


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