茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記26年3月26日「不妊症の治療・高プロラクチン血症の鍼灸治療。」

2014-03-28 07:06:36 | 日記
ことぶき堂鍼灸院では東洋医学の伝統的な考え方に基づいた「不妊治療」を施術しております。

当院では不妊症の原因の多くは「冷え」と「お血」と「ストレス」と考えております。

本日は鍼灸治療による「不妊治療」を受けに「高プロラクチン血症」と診断された方が治療を受けに来られました。

鍼による「不妊治療」を受けておられる患者様から「プロラクチンの数値が減少しました。」との報告を受ける事が良くあります。

西洋医学的な「高プロラクチン血症」の治療をしていないのに今まで一度も下がった事がないプロラクチンの数値が減少したと言うことは鍼灸治療の効果ですよね。

検査したお医者さんも不思議がっていたそうですが、鍼灸治療でプロラクチンの数値は改善します。

プロラクチンとは「乳汁分泌ホルモン」とも呼ばれる脳下垂体前葉から分泌されるホルモンで、生殖、排卵、妊娠、授乳などと深い関係があります。

プロラクチンは授乳をつかさどっており、乳腺を刺激して乳汁の分泌を促し、授乳期に排卵を抑制し次の妊娠を抑える作用があります。

しかし、授乳期でないにもかかわらずプロラクチンというホルモンの値が高いと、妊娠していないのに乳汁が分泌されたり無月経、月経不順、無排卵月経、黄体機能不全など不妊や流産の原因になることがあります。

具体的には、授乳期以外のプロラクチンの血中濃度の正常値は15ng/ml以下ですが、この値より高いと「高プロラクチン血症」が疑われます。

そしてプロラクチンというホルモンは心理的なストレスの影響を受けやすい事が知られています。

強いストレスにより、プロラクチンが過剰に分泌されることが原因の機能性不妊には、ストレスを緩和できる鍼灸治療は、とても有効なのです。

当院の「不妊治療」は刺さない鍼を用いた「積聚治療」で行います。

鍼を体直接刺さないので痛みはありませんし鍼が始めての方も安心して治療を受けられます。

「積聚治療」による「不妊治療」の具体的な治療例については当院のHPに書きましたので興味のある方はご覧ください。

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壽堂日記26年3月24日「花粉症の鍼。」

2014-03-24 12:22:56 | 日記
今日は天気も良く暖かいですね。

花粉も沢山飛んでいる様です。しばらく花粉症の方にはつらい季節が続きますね。

私も花粉症なのですが、鍼灸を使った「花粉症」の治療についてご紹介したいと思います。

本当は本治法による治療をしてから行うと一層効果が出るのですが、今回は手軽な円皮鍼の治療としました。

今日の配穴は
 印堂・迎香・合谷・足三里・孔最
の5穴です。
 耳穴でも効果があるのですが、今回は東洋医学的な理論の経穴を使ってみました。

花粉症は鼻アレルギーなのですが、東洋医学的に考えると、鼻は肺に関係にする臓腑です。

経絡的には鼻には陽明経が流れており、その陽明経は脾胃を支配しています。また太陽経も関係しています。

東洋医学的な考え方では花粉症に関係の深い臓腑は「肺」と「脾」と「胃」であるといえます。

では、なぜ花粉症になると鼻水が出るのでしょうか?

鼻水が出るのは、胃にある水が熱によって動かされるためです。熱は外に出て行こうとする性質と上に昇る性質があります。

しかし、体力が無く陽気が不足していると熱を充分に発散する事が出来ず、そのために上焦に熱が多くなってしまいます。

上焦に熱が滞留し、熱が外に出て行こうとして「鼻炎=花粉症」が起こります。

その時に水が動かされて鼻水が出るわけですね。クシャミは熱による刺激のが原因であり、目のかゆみは熱が停滞するのが原因です。

今日の配穴の
 印堂・迎香・合谷・足三里・孔最
について見ていくと、

東洋医学の取穴原則の一つである近部取穴にあたるのが印堂・迎香です。
本当は印堂ではなく上星を使いたいところですが、貼りやすさを考えて印堂としました。

印堂は眉間の中央に位置し鼻根の上方にあり、督脈の経気を刺激し鼻を通す作用があります。
陽明経に熱が多くなって、督脈に溢れ停滞するため鼻の症状が現れるわけですから、印堂を使い督脈の経気を刺激し鼻を通します。

迎香は鼻翼の傍らにあり陽明経の邪気を清泄する作用があります。この2つの経穴を併用すると上下から鼻を挟み込んで経気の流れを良くする働きが強化されます。

東洋医学の取穴原則の一つである遠部取穴にあたるのが合谷・足三里・孔最です。

合谷は手陽明大腸経の原穴であり、「四総穴」の一つで、「面目」つまり顔面部の病を主治する代表的な経穴です。遠位取穴の中の循経取穴にあたりますが、考え方としては「痛みや病変のある場所と経絡で結ばれている経穴を使って治療する方法であり、経絡の通る所は病巣から遠く離れた経穴でも経絡で結ばれていれば治療の効果があると言うことです。

足三里は足陽明胃経の合土穴であり、「四総穴」の一つですが、疎通経絡・調和気血などの作用があります、

「迎香」が手陽明大腸経と足陽明胃経の交会穴であるため、上に「迎香」下に「足三里」を使う事により一上一下の作用により鼻を通す作用は強化されます。

孔最は鼻を支配する手太陰肺経のげき穴であり、肺経の気血が最も深く集まるツボです。作用は清熱解表、宣肺平喘などですが、急性症状に効果があります。

手太陰肺経と手陽明大腸経は表裏関係にあり、大腸経の合谷と肺経の孔最を組み合わせて使うと内熱の症状に効果があります。

今日の治療は全て円皮鍼を貼ってみました。

治療の効果としては、透明な鼻水とクシャミ、目の痒みがすぐに止まりました。
花粉症の人に鍼灸治療はお勧めです。

 

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壽堂日記26年3月18日「五十肩の治療で肌が艶々。」

2014-03-19 08:05:14 | 日記
五十肩の治療を受けている患者さんがお見えになりました。

患者さんから「治療を受けた翌日に仕事に行ったら同僚から『今日は肌の色艶が良いね。』と言われました。」とお話がありました。

頸部や肩部が凝っていると、頭部や顔面部の血流が悪くなり、酸素や栄養の補給、老廃物の回収機能が落ちます。

鍼で頸部や肩部の凝りを解し血流を高め、全体治療で陰陽バランスを調え臓腑の働きを高めると美容効果も期待できます。

この患者さんは顔面部に鍼をしていませんが、より美容効果を希望される方には当院では「北川式美顔鍼」による美容鍼の施術を行っております。

「全体治療」後に「北川式美顔鍼」を施術するのがスタンダードなコースとなります。

美容鍼のお客様の多くは「私は体の具合が悪い所はありません。」「美容鍼に来たのに何故体に鍼をするのですか?」と質問されます。
しかし良く話しを伺うと、肩こり・頭痛・冷え性などの症状をお持ちの方が多いのです。

美容鍼の前になぜ全体治療をするのかというと、美容鍼の前に全体治療を行うことにより、美容鍼の効果が一層高まり持続するからです。

鍼灸治療の基本的な考え方として「本治法」と「標治法」という考え方があります。
体の不調の原因となる「元=本」を治してから「標=表れている症状」を治すという考え方です。

当院では「本治法」で体の全体の陰陽バランスを調え、「標治法」でお顔に鍼を刺させて頂いております。

「東洋医学」では、五臓の状態が顔に表れると言う考え方があり「東洋医学」では「顔は五臓の鏡」といわれます。

具体的には、肝の働きが悪いと、瘀血と言われる目の下のくまが出来たり、脾の働きが悪いと顔色が黄色く萎びて見えたり、肺の働きが悪いと吹き出物・肌荒れが起きたり。腎の働きが悪いと顔色が煤けた様に黒くなったり、浮腫んだりします。

 当院では、お客様のお顔に鍼を刺すだけでなく、症状の元となっている五臓の調子を整えることで、お客様の美と健康をサポートしてまいります。

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壽堂日記26年3月16日「前立腺肥大症の鍼灸治療。」

2014-03-16 07:47:32 | 日記
「前立腺肥大症」の方から鍼灸治療についての問い合わせがありました。

鍼灸治療は「前立腺肥大症」に効果があります。

東洋医学的には「前立腺肥大症」は「二陰の病」に含まれ「腎の病症」の一つとされています。

「二陰」とは前陰が生殖器と小便口を指し、後陰とは肛門を意味していますので「前立腺肥大症」は前陰の病ですね。

「前立腺肥大症」の方は腎虚証であることが多いので「腎虚証」について簡単に説明してみたいと思います。

「腎虚証」とは「腎」が虚している状態のことですが東洋医学の「腎」と西洋医学での「腎臓」とは異なります。

東洋医学では「腎」は
①精を蔵する
②津液を主る
③骨を主る
④髪に反映する
⑤耳と二陰に開竅する
⑥液は唾である
⑦志は恐驚である
⑧納気を主る
⑨腎は五臓の本
⑩腎は先天の本
⑪腎は腰の府
とされています。

具体的に例を挙げると、腎の気が弱まると頻尿・尿閉・生殖器関係の異常・慢性疲労・体温低下・月経異常・不妊症・ED・浮腫・腰痛・腰膝のだるさ・耳鳴り・難聴・白髪・脱毛などの症状が起きることがあります。

当院の「前立腺肥大症」の具体的な治療については先ず「積聚治療」で虚している「腎の気」を補い、それから標治法で治療しますが直接「前立腺」に鍼を刺すことはありませんのでご安心ください。

標治法では関元・中極・曲骨・殷門・風市等の反応のある経穴を使用し、ビワの葉灸を併用するとより効果が出ます。


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壽堂日記26年3月8日「鍼灸による不妊治療と胚移植。」

2014-03-09 06:34:26 | 日記
来週「胚移植」を受けられる予定の患者さんが来院され、当院の刺さない鍼を使用する「積聚治療」による「不妊治療」を体験されました。
今回は鍼の治療を受けたことが無いので「胚移植」本番前の体験と言う事でした。

当院では鍼灸による「不妊治療」を行っておりますが、体外受精のケースでは胚移植の前後に鍼灸治療を受けると妊娠率がアップします。

アメリカのメリーランド大学医学部統合医療センターの研究員らの調査で「体外受精時の胚移植の前後に鍼治療を受けることで、その後の妊娠率や出産に至る確率が高まることが明らかになった。」と報告されています。

この報告は欧米4ヶ国で実施された1366名の女性を対象に、体外受精時の胚移植の前後に、伝統的な鍼治療を受けた女性のグループ、にせの鍼治療を受けた女性のグループ、そして、何も施されなかった女性のグループのその後の成績を比較したところ、伝統的な鍼治療を受けたグループは他のグループに比べて、妊娠した割合が65%、そして、出産に至った割合が2倍であることが分かったそうです。

体外受精時の胚移植の前後の鍼治療は、その後の妊娠率や出産率を向上させることがデータで裏づけたられた訳ですね。

 ここで当院の「不妊症治療」の考え方をご紹介したいと思います。

 現代のストレス社会において、人それぞれ気・血・水の流れの変調は必ずあります、ですから鍼灸治療は全ての人に効果があるといっても過言ではありません。

 東洋医学において、大きく分けて肝・脾・肺・腎の4つが、妊娠に影響すると言われています。
実際に不妊治療を受けている人を診察すると、特に肝・腎の力が不足している人が多く見られます。

 昔から、「腎は精を貯蔵する『作強の官』(生命エネルギーの強さを作り出すもの)と呼ばれ、人体の生命活動を維持する基本的な栄養物資である精を貯蔵し、五臓六腑の要求に応じて随時その精を供給し、それらの健全な働きを維持しているといわれています。そして、全身に精力を与え、粘り強さや根気を生み出すとされています。

 腎は、生殖用の精も貯蔵しています。生殖用の精が不足すると、妊娠ができない色々な症状となって出てきます。
 男の精と女の精が合体し、胎児の腎気となり妊娠が成立します。受精した時点で胎児の腎気の強弱が決まっていて、これが持って生まれる「先天の気」です。

 腎の力は成長と同時にその力も高まっていきます。中国の古典医書『黄帝内経』という書物の中では、腎気の年齢的消長を次のように述べています。
 女子では、「七歳で腎気の働きが活発化し、歯が生え替わり、髪も長くなる。14歳で天癸が充満し、任脈と衝脈の流通が増進し、月経が始まる。21歳で体格は頂点に達し、28歳で筋骨は充実して引き締まり、毛髪は最も長く豊かになる。しかし、35歳になると陽明経脈の機能が衰え、白髪が進行し、49歳で任脈が空虚になり、月経が停止する」
 最近CMでよく見る女子は7年ごとに節目を迎えるとの出典はこの『黄帝内経』の記載です。

 つまり、生殖能力において腎は非常に大切であり、どんなに年齢が若かくても、生活環境や食生活などで腎の力が不足して来ると、生殖能力が衰え、次第に卵巣機能や子宮機能が低下し、無排卵や無月経、子宮内膜が薄くなり、着床しにくいなどの症状が出てきます。

 肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。
 肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれています。
 つまり肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・お血が出現します。

 女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、血という形で滞った悪い血が溜まってきます。このお血の状態が進むと、軽い症状としては頭痛・肩凝り・月経前のイライラ・めまい・足の冷えとして現れます。

 鍼と灸を用いて、腎経・肝経のツボを刺激することによって、女性が本来持っている力を再び取り戻すと、卵巣と子宮の機能が高まり、妊娠しやすい体質へと改善されていくわけです。

 卵巣機能不全などのホルモンのバランスの崩れには、東洋医学が非常に効果的です。しかし東洋医学だけに全てを頼るのではなく、症状によっては西洋医学との併用が有効と考えます。

当院では鍼灸治療により不足している五臓の気を補い、「体の冷え」を治療し妊娠しやすい体質に改善をいたします。


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