茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記27年8月30日「鍼灸治療で子宮内が綺麗になる?」

2015-08-30 07:24:22 | 日記

女性の患者さんがお見えになり、「生理痛が辛いので体調を調える為に鍼灸治療を受けておきたい。」と言う事で定期的に鍼灸治療を受ける事になりました。

当院では「婦人科系」の症状は、刺さない鍼を使用する「積聚治療」で治療しております。

刺さない鍼で本当に効果があるのかと思われるかもしれませんが効果が出ます。

お体を拝見して四診で証を立てると今回は「腎虚証」でした。特に子宮付近の経穴を押すと痛みがあり、冷感があります。

推察するに「冷え」と「瘀血(おけつ)」が生理痛が辛い原因と思われます。

生理の際に子宮内の古血が完全に排出されずそれが「瘀血(おけつ)」となり「冷え」の原因となっているのですね。

瘀血(おけつ)とは血の運行が緩やかになり、血が臓腑や経絡に鬱滞すると生じます。また外傷などにより経脈から離れた血がすぐに消散あるいは排出されない場合に生じます。

治療自体は「不妊症」の治療と同様の手順を踏んで行いますが、背部の兪穴に鍼先を当て、あくまでも刺入せずにゆっくりと気が至るのを待っていると患者から『足先に血が流れる感じがします。子宮内の溜まっていた物が外に流れだして行く感じがします。』と教えてくれました。

患者さんの中には『腰に鍼をすると響きが子宮を通りお腹まで届きます。』という方もおられます。

今回は「不妊症」の治療ではありませんでしたが、生理痛は「冷え」と「瘀血」が原因である処は「不妊症」と同じですし、鍼灸刺激で「子宮内を綺麗にする」「全身の陰陽バランスを調える」「子宮の気血水の流れを調える」と言う治療方針も同じです。

治療された患者さんが再度来院されたのでその後を伺うと『生理痛が今回は軽く済みました。』との事です。

定期的に鍼灸治療を受けて「陰陽バランス」「気・血・水」の流れを調えることは「生理痛」の緩和や「不妊症」の治療に非常に有効であると考えます。

婦人科系の症状でお悩みの方は一度「鍼灸治療」をお試しください。


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壽堂日記27年8月29日「むち打ち症・外傷性頸部症候群(TCS)」の鍼灸治療。」

2015-08-29 06:29:25 | 日記

整形より転院の「むち打ち症」の患者さんの症状が全快したので本日にて治療終了としました。


当院で治療開始時は、頚部・肩背部の筋肉ががガチガチで酷い頭痛に悩まされていたのがスッキリと解消しました。

「むち打ち損傷」の治療で鍼灸治療と思われるかも知れませんが、「頸椎症」や「むち打ち症」には鍼がとても効果的です。


整形・整骨などで行う、牽引は頸の椎骨動脈が「むち打ち」の衝撃で折れ曲がっているときやヘルニアでは、牽引によって頸椎を引き伸ばし、椎骨動脈を真っ直ぐにしたり、椎間板内を陰圧にしてヘルニアを引っ込めたりします。「むち打ち損傷」=外傷性頸部症候群(TCS)の治療について、ケベックWAD(むち打ち症関連障害)重症度分類では頸椎牽引は他の治療法との併用を推奨しております。


治療についてお医者さんの指示に従うのは当然ですが、頸椎牽引・物理療法(温熱、マッサージ、低周波)の他に鍼灸治療も選択肢に入れておくと良いと思います。 

交通事故による「むち打ち損傷」ではありませんが、スポーツ傷害による「頸椎症」で何十年も辛い症状に悩まされていた方が、当院で鍼灸治療を受けられ良くなっていく例を間近で見ても鍼灸治療は「外傷性頸部症候群(TCS)」の治療に非常に有効であると思います。

患者様個々の症状に合わせて治療するのが、なにより重要です。

当院では熟練の手技と鍼と灸のみで、常に患者さんの傍らに付き添い治療いたします。

頑固になった「むち打ち損傷」の症状は、なかなか簡単にほぐれたり、治ったりするものではありません。

1治療方針
当院では「むち打ち損傷」=外傷性頸部症候群(TCS)の治療について、ケベックWAD(むち打ち症関連障害)重症度分類により治療計画を作成しております。 
GradeⅡまでは鍼灸治療を併用するのが非常に効果的です。GradeⅢ以上は外傷性頸髄・神経根損傷にカテゴライズされておりますので当院ではGradeⅡまでの外傷性頸部症候群(TCS)の治療を行っております。

2受傷機序
効果的な治療をするには「むち打ち損傷」の受傷機序について考えて治療することが非常に重要です。
まず 、追突衝撃により、体幹が前上方に投げ出される様な力がかかり、頭部は慣性によりその場に残るため、相対的に上位頸椎は屈曲位、下位頸椎は伸展位となり、その後に全頸椎が伸展位を取るという、頸椎椎間関節への圧迫負荷による障害を受けます。
さらに、上位頸椎後方を支えている後頭下筋群や、大小後頭神経等の軟部組織も急激な屈曲に伴う過伸展に大きなダメージを受けます。当院の「むち打ち損傷」の治療ではこの受傷機序を前提に患者様の体を診ながら適切な場所に治療いたします。

3治療内容
受傷機序から、まず「後頭下筋群」に対する治療を行います。
後頭骨と頸椎からは様々な神経が出ています、大後頭神経・小後頭神経・大耳介神経・頸横神経・顔面神経などが代表的な物ですが、こうした神経は筋肉が痙攣すると圧迫されおかしくなります。
これらの神経の根部を締め付けているのは、上頭斜筋・後頭直筋 ・大後頭直筋・下頭斜筋などになりますので、これらの筋肉を緩めて神経の圧迫を取り除くため、その筋肉に対してアプローチいたします。
次に「頸部浅層筋」に対する治療を行います。僧帽筋・胸鎖乳突筋 ・頭半棘筋・頭板状筋・頭最長筋などは急性期の筋痛が改善した後も、凝り感が続く場合が多く、その場合は緊張や循環の改善を目的として「頸部浅層筋」に対するアプローチをいたします。
当院では、ごく細い鍼を使用し筋肉を緩め、頸部の血流を改善する治療を行い、さらに円皮鍼を使用し鍼の効果を持続させる治療をしております。なぜ鍼で痛みが軽減し、筋肉が緩み、血行が良くなるのかは、以前ブログで御紹介したのでそちらを御覧下さい。


当院では土日も開院しておりますので、安心して治療に専念出来ます。
当院では個々の患者様に合わせた治療計画を考え、早期回復、早期職場復帰を目指し治療しております。

多くの方が事故後、当初は痛みがそれほどで無かったとしても、運が悪く示談後の1~6ケ月後に症状が出てくるケースもありますので、まずは少しの痛みだけだったとしても、示談前にしっかりとした鍼灸治療を受けられることを当院では強くお勧めしております。


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壽堂日記27年8月24日「不妊治療の患者さんから妊娠したとの連絡がありました。」

2015-08-24 10:17:56 | 日記

当院で「不妊症」の鍼灸治療を受けている患者さんから『妊娠の陽性反応が出ました。』とのご連絡を頂きました。心からお慶びを申し上げます。

 

「ことぶき堂鍼灸院」では東洋医学的な人体観に基づき鍼灸による「不妊症」治療を行っております。

現代西洋医学的な「不妊症」治療を受けている方から『東洋医学的な不妊治療も受けて見たい。』と相談を受ける事が増えました。


治療内容は患者さん一人一人のオーダーメイドですが、基本となる東洋医学的な考え方をご紹介したいと思います。


現代の様なストレス社会において、人は常にストレスに曝されています。ストレスは気・血・水の流れの変調をもたらします。

鍼灸治療は気・血・水の流れ・陰陽バランスを調える治療ですから、鍼灸治療は全ての人に効果があるといっても過言ではありません。


では具体的に「不妊症」の治療において鍼灸治療はどのような効果を持つのでしょうか。

東洋医学において、大きく分けて肝・脾・肺・腎の4つが、妊娠に影響すると言われています。

昔から、「腎は精を貯蔵する『作強の官』(生命エネルギーの強さを作り出すもの)と呼ばれ、人体の生命活動を維持する基本的な栄養物資である精を貯蔵し、五臓六腑の要求に応じて随時その精を供給し、それらの健全な働きを維持しているといわれています。

そして、全身に精力を与え、粘り強さや根気を生み出すとされています。

腎は、生殖用の精も貯蔵しています。

生殖用の精が不足すると、妊娠ができない様々な症状となって出てきます。
男の精と女の精が合体し、胎児の腎気となり妊娠が成立します。受精した時点で胎児の腎気の強弱が決まっていて、これが持って生まれる「先天の気」です。

腎の力は成長と同時にその力も高まっていきます。

中国の古典医書『黄帝内経』という書物の中では、腎気の年齢的消長を次のように述べています。

 女子では、「七歳で腎気の働きが活発化し、歯が生え替わり、髪も長くなる。14歳で天癸が充満し、任脈と衝脈の流通が増進し、月経が始まる。
21歳で体格は頂点に達し、28歳で筋骨は充実して引き締まり、毛髪は最も長く豊かになる。しかし、35歳になると陽明経脈の機能が衰え、白髪が進行し、49歳で任脈が空虚になり、月経が停止する」

 最近CMで見かける女子は7年ごとに節目を迎えるとの出典はこの『黄帝内経』の記載です。

生殖能力において腎は非常に大切であり、どんなに年齢が若くても、生活環境や食生活などで腎の力が不足して来ると、生殖能力が衰え、次第に卵巣機能や子宮機能が低下し、無排卵や無月経、子宮内膜が薄くなり、着床しにくいなどの症状が出てきます。

また肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。

肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれています。肝はストレスが影響を与えやすい臓腑であると考えられます。

つまり肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・お血が出現します。

女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、血という形で滞った悪い血が溜まってきます。

このお血の状態が進むと、軽い症状としては頭痛・肩凝り・月経前のイライラ・めまい・足の冷えとして現れます。


鍼灸を用いて、経脈上のツボを刺激することによって女性が本来持っている力を引出し、卵巣と子宮の機能が高まると、妊娠し易い体質へと改善されていきます。

また黄体機能不全、卵巣過剰刺激症候群などのホルモンのバランスの崩れには、東洋医学が非常に効果的です。


当院では東洋医学だけに全てを頼るのではなく、症状によっては現代医学との併用が有効と考えます。

当治療院では鍼灸治療により不足している五臓の気を補い、「ストレス」「お血」「体の冷え」を治療し妊娠し易い体を造ることを目標とし治療をしております。



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壽堂日記27年8月20日「鍼灸・がんの疼痛緩和ケア。」

2015-08-20 07:15:00 | 日記

抗がん剤治療を受けて先週退院された方が「疼痛緩和ケア」にお見えになりました。

お医者さんから手術不能、転移ありと言う事で告知され「TS-1」を処方され鎮痛剤も服用されているそうですが、夜間痛が強いため来院されました。

痛む場所は前面部は肋骨下縁から胃の入り口(=中脘)付近、背面部は脊柱から胆兪付近と言う事でした。

治療方法は最初に接触鍼を丁寧に行い、本治は刺さない鍼を使用する「積聚治療」を順治で行い、標治法として胆兪・中脘・腹哀を漢方成分入りの棒灸で雀啄後、ビワの葉温湿布で肝臓、腎臓をゆっくりと温めました。

「積聚治療」は「気の操作」を目的とした手技で体内に鍼を刺すことはしませんので播種を心配されている方やリンパ節を切除された方も安心して受けられます。

患者さんから

『鍼とお灸は怖いと思っていましたが、ビワの葉の温かさが辛いところに染み透るのがとても気持ちが良いです。』

との御感想を頂きました。

米国では米国食品医薬品局(FDA)が鍼灸の効果を認めており。鍼灸により様々な疾患が治療されています。

がん治療では、主に以下の症状の管理に用いられています
• 痛み。
• 疲労。
• 化学療法により生じる吐き気と嘔吐。
• 体重減少。
• 不安。
• 抑うつ。
• 不眠。
• 食欲不振。
• ドライマウス。
• ほてり。
• 神経障害。
• 便秘と下痢。
 がん患者さんを対象とする場合、鍼灸は主に従来療法(標準治療)に追加する形で使用されます。

残念ながら鍼灸で「がん」が治ることはありませんが抗がん剤の副作用の緩和やQOLの維持に有効です。


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壽堂日記27年8月17日「全体治療+北川式美顔鍼の効果は?」

2015-08-17 06:35:17 | 日記

先日「北川式美顔鍼」を受けて見たいとお見えになったお客様が再来院されました。

前回の美容鍼を受けた翌日にお友達から「肌の透明感が増して色が白くなった。」と言われたそうです。

ご自分でも美顔鍼の効果を実感して定期的に美顔鍼を受ける事としたそうで、美顔鍼の回数券をご購入いただきました。

一口に美容鍼といっても施術の方式として「全体治療+美容鍼」と「美容鍼」単独の二種類のスタイルがあります。

「全体治療+美容鍼」の施術をするところは少ないようですが当院では「美容鍼」の前に「積聚治療」による全体治療を行い、その後に「北川式美顔鍼」による施術を行うのがスタンダードとなります。

美容鍼の前に全体治療を行うことにより、体全体の気・血・水の流れを調えると、美容鍼の効果と持ちが違います。美容鍼も全身の治療が大切です。

「東洋医学」では、五臓の状態が顔に表れると言う考え方があり「顔は五臓の鏡」といわれます。

具体的な例を挙げますと、
・肝の働きが悪いと、お血と言われる目の下のくまが出来たり。
・脾の働きが悪いと顔色が黄色く萎びて見えたり。
・肺の働きが悪いと吹き出物・肌荒れが起きたり。
・腎の働きが悪いと顔色が煤けた様に黒くなったり、浮腫んだり、髪が白髪になったりします。

当院ではお客様のお顔に鍼を刺すだけの美容鍼ではなく、根本にある様々な症状の「本」となっている五臓の状態を調える「本治法」により治療し、その後に顔に鍼をする「標治法」により五臓の失調でお顔に生じた症状を改善するのを基本としております。

美容鍼のお客様の多くは「私は体の具合が悪い所はありません。」「美容鍼に来たのに何故体全体に鍼をするのですか?」と質問されます。
しかし良く話しを伺うと、肩こり・頭痛・冷え性などの症状をお持ちの方が多いのです。

今日のお客様は目尻のしわ・肌のくすみ・ほうれい線の改善がご依頼でしたが冷え性・肩こり・頸凝りも気になると言うことでした。

東洋医学的に診断して証を立てると今回は「脾虚証」となり全体治療は「脾虚証」で進めることとしました。

「脾虚証」は詳細にみれば「脾虚肝実お血証」となります。

この証は「右脇下のお血」と「下腹部のお血」が原因となる場合があり、女性は「下腹部のお血」が多く、「月経不順」「産後の不摂生」などが原因となり「下腹部お血」があると冷えのぼせ・頭痛・ノイローゼ・血の道症・月経不順などの各種婦人病・蕁麻疹などの各種皮膚病などになりやすくまた目の病気はお血が関係していることが多いのです。

また「下腹部お血」のある人はシミが多く顔面が赤黒くニキビが出やすくなります。

目の下のくま、肌のくすみなどは「肝実お血証」が原因であることが多いのです。ですから「ただ顔に鍼を刺すだけ」では期待する効果が出にくいのです。

「肝実お血証」なのに何故「脾虚証」で治療するのかと言えば「肝」が実することにより相克関係にある「脾」が虚しているからです、東洋医学では「先ず補ってから寫す」というのが原則にあり「脾虚肝実お血証」の場合も「脾」を補してから「肝」を寫す事になります。

全体治療後「美容鍼」は「北川式美顔鍼」で施術し、短鍼を使い鍼管を使わず二指推鍼法でお顔に30本を刺して置鍼しました。

「全体治療+美容鍼」を終えますと、目尻のしわ、肌のくすみが改善され、お肌が白くなり透明感が増しました。

お客様も「肩こりがスッキリ、目が開くようになり、視界が明るい、体がぽかぽかする。」「美容鍼も全身の治療が大切なんですね。」「とても気持ち良くこのまま寝たい。」とのことでした。




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