当院では「妊活・不妊症治療」を施術しております。
当院の「妊活・不妊症治療」の目標は「母胎を妊娠し易い状態に改善すること。」です、基本的に「積聚治療」で体全体を治療するので、その日の体調により「証」がことなります。
「症」と「証」の違いですが、文字で説明いたしますと、
「症・症候」とは頭痛・肩凝り・腰痛・不妊症など患者様の訴える具体的な病的な状態、自覚的な症状を言います。
「証」とは、望診・聞診・問診・切診と呼ばれる診断方式(四診といいます)によって、患者さんが表す具体的な病状から、どの経絡が変動し、その経絡が「虚しているか」「実しているか」を判断し治療方針を決定することを言います。
そして治療方針を決定することを「証を立てる」と言います。
「積聚治療」の場合「証」は「肝虚証」「心虚証」「脾虚証」「肺虚証」「腎虚証」の五種類があり、その証を決定するために「腹診」を用います。(腹部に「五臓」の状態が現れるという考えは東洋医学の古典『難経』16難に書かれています。)
一例をあげますと「不妊症」の症状がある場合「腹診」によって腹部の脾のエリアに圧痛・硬いしこり・動脈の異常な拍動がある場合は、「不妊症」の原因が「脾の気の虚」であると考え「脾虚証」として「証を立て」脾虚の治療方式に従い鍼灸治療を行います。
治療により「脾の虚」が補われると経絡の変動が調整され、脾のエリアの圧痛・硬いしこり・動脈の異常な拍動が解消し、同時に「不妊の症状」も改善されて行きます。
今回は「脾虚証」の例をあげましたが「脾」という臓腑は「胃」とペアになっており、「脾・胃」は東洋医学では「後天の精」を食物から生成する重要な器官です。
西洋医学的に言えば「食物から栄養を摂取し生命活動に必要なエネルギーを供給する工場」ですので、この臓器の不調によりエネルギー不足で体の「冷え」が起き、体が「冷え」ていることが原因で「不妊症」などの症状が出ていると考えます。
母胎の環境を調え妊娠し易い体に改善するためには、総合的な体力向上が必要ですので、一回の治療で「不妊症」が全て改善と言うわけには行きません。少しずつ着実に母胎の状態を調えていくことが妊娠するために必要です。