茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記31年1月29日「メニエール病の鍼灸治療。」

2019-01-29 07:51:59 | 日記

「メニエール病」の治療についてお問い合わせをいただきました。

現代医学的には「メニエール病」は、内リンパ液の生産と吸収のバランスが崩れることで起こり、内リンパ液の過剰生産により、音を伝える「蝸牛」、平衡感覚を司る「半規管」「耳石器」に内リンパ液が溜まって腫れ上がる「内リンパ水腫」が原因だと考えられています。

内リンパ液の過剰生産の原因は不明ですが、一般的には、ストレス、疲労、あるいは睡眠不足などが引き金になって起こることが多い様です。また神経質とか凡帳面な人に多く見られます。

東洋医学的には耳は「腎」と密接な関係があります。「腎の気」が衰えると難聴や耳の閉塞感が起こります。

当院では最初に「本治法」で体全体の気血水の流れを調え、虚している臓の気を補います。補う気は「腎の気」であったり「脾の気」であったりと四診の結果による「証」で変わります。

頭部の症状ですが足に「メニエール病」の特効穴があり、また「標治法」で耳・頸部・肩部・顔面部に鍼を刺します。

耳・顔面部の鍼は「美容鍼」用の鍼を使用しますので痛くありません。

当院で「メニエール病」の治療を受けている方々は皆様、症状が安定しており「メニエール病」には鍼がよく効効きます。


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壽堂日記31年1月26日「頭痛には鍼が良く効く?」

2019-01-26 07:52:52 | 日記

「頭痛」には鍼灸治療がよく効きます。

今日は「頭痛」の鍼灸による治療について、当院の治療例をご紹介してみたいと思います。


現代医学的には、「頭痛」は「筋収縮性頭痛」の締め付けられるような痛みと、「血管性頭痛」の拍動性のズキンズキンとした痛みに分けられます。
その中で「血管性頭痛」の中の「偏頭痛」は女性に多く男性の4倍に上るというデータがあります。
慢性の頭痛でお悩みの女性の方も多いのではないかと思います。

では当院の治療例をご紹介しましょう。

患者様は50代女性、激しい頭痛で眠れないほど、薬を飲んでも効果がないと言うことで来院されました。


東洋医学的には「頭痛」は痛む部位によって関連する経絡があり、当院では経絡の流れを考えて治療いたします。
簡単に示しますと
側頭部痛:少陽経頭痛 (関連する経絡は、胆経・三焦経)
前頭部痛:陽明経頭痛 (関連する経絡は、胃経)
後頭部痛:太陽経頭痛 (関連する経絡は、膀胱経)
頭頂部痛:けつ陰経頭痛(関連する経絡は、肝経)
となります。

また「頭痛」をもたらす原因として、肝陽上亢・痰濁・瘀血・気血両虚・腎虚などが考えられます。

診察の結果左側の片頭痛で側頭部の胆経ラインの圧痛が激しく少陽経頭痛として、自律神経の調節、血管運動の安定を治療方針とし,

全体治療(本治法)+局所治療(標治法)をする事としました。

具体的な使用穴は
・百会
・四神聡
・和りょう(三焦経)
・頭維
・陽白(胆経)
・脳空(胆経)
・天柱
・風池(胆経)
・陽陵泉(胆経)
・合谷
・太衝
として顔面部は美容鍼用の15mmの鍼を使用し浅刺として置鍼しました。
和りょうに刺しただけで、「頭痛がすっと抜けるように軽くなりました。」鍼も痛く無く、「清涼感が気持ちいい。」との感想でした。

最後に合谷・太衝の二穴に鍼をして「捜風理痹」し「行気血」させ経絡の通りを良くして治療終了としました。合谷・太衝の二穴は「四関穴」と呼ばれ肝陽上亢による頭痛によく効きます。


鍼灸治療は「頭痛」には即効性がありますので、慢性の頭痛にお悩みの方はぜ是非ご相談ください。


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壽堂日記31年1月25日「鍼灸治療+ビワの葉温灸の効果は?」

2019-01-25 07:50:45 | 日記

「ことぶき堂鍼灸院」では自家栽培の新鮮なビワの生葉を使用した「鍼灸治療+ビワの葉温灸」の治療を行っております。

季節は寒中ですがビワの葉は青々としてエキス成分を沢山含んでいます。

当院ではビワの生葉を使用した「ビワの葉温こんにゃく湿布」の「ビワの葉療法」を行っています。

全体治療後にビワの生葉を使用した「ビワの葉温こんにゃく療法」を受けられる患者さんが多数を占めます。

それには理由があります。最初に鍼を使用し「全体治療」で虚している臓の「気」を補うのですが、当院の接触鍼を主体とした治療を受けると肌の層理(=毛穴)が開きます。

「ビワの葉こんにゃく温湿布」はビワの葉が肌に直接触れる面積が大きく、またお灸ほど熱くない為、点では無く面で開いた毛穴から「ビワの生葉」の有効成分が熱によってじんわりと体内深く浸透します。

温める部位は「腎臓」「肝臓」が多いですが「疼痛緩和」の場合は痛みや凝りがある場所にも行います。

当治療院では腰痛・坐骨神経痛・肩こりから前立腺肥大・前立腺炎・膀胱炎など幅広い症状の方に鍼灸と「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用した治療を行います。

びわの葉の薬効は科学的にも、下記のような効果確認されています。

①白血球の活動を活発にし、免疫力を高める
②赤血球や血小板などの血液成分の働きが旺盛になる
③血液を弱アルカリ性にする
④グローミューを再生・強化する

グローミューというのは、動脈と静脈を結んでいる毛細血管のバイパスの役割をするもので、全身のいたるところに存在し、このグローミューがしっかりとしていることで、血行が良くなり体の隅々まで酸素を送り、組織のガス交換を促進させ、新陳代謝を活発にさせます。

生活習慣の乱れやストレス、老化などでこのグローミューが萎縮したり消失したりすると、血行が妨げられて、体全体の代謝活動が損なわれ色々な病気が発生する下地を作ることになります。

当治療院では鍼灸治療で体全体の「気」の流れを調え、「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用することで自律神経系や内分泌系(ホルモン系)を調整し、体内活動を活性化してストレスに対する抵抗力を強め自己免疫力を高める治療を行っております。


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壽堂日記31年1月22日「鍼灸と便秘。」

2019-01-22 08:27:45 | 日記

前回「潰瘍性大腸炎」の治療について書きましたが、本日は「便秘」についてです。

大腸関係の不調は下痢と便秘が多いわけですが、東洋医学では問診の際に「二便を問う。」のが基本となります。

排便作用はただ消化した食物のカスを排泄するだけでなく身体の「気」の巡りの良し悪しを見る重要な情報であり身体の「気力」を測る目安となります。

便意はあるが排便無力で大便が硬または軟である者は「気虚」による便秘であることが多く、便秘に四肢の冷えと夜間の頻尿などを伴うものは「腎陽虚」による便秘であることが多いとされます。

「気力」を補うためには当院では「積聚治療」の基本治療を丁寧に行い、補助治療として仙骨部の督脈の経穴にお灸をします。

必要に応じて澤田流「神門」・木下便通穴や大横・章門・腹結の経穴を使用することがあります。

治療すると翌日にお通じがあることが多いようです。

 


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壽堂日記31年1月21日「前立腺肥大と冷え。」

2019-01-21 07:27:09 | 日記

昨日は大寒でした。一年で一番寒い季節ですね。

前立腺肥大が原因の浮腫と頻尿の患者様を治療しました。

前立腺肥大は多くの男性が経験する症状ですね。当院でも前立腺肥大の相談を受けることがあります。


尿は東洋医学的に「気の概念」として考えれば身体の熱を調節するもので、身体に尿が溜まると身体の熱が吸い取られて身体が「冷え」ます。

さらに尿を排出するためには、一定の「気」の力が必要です。

尿の排出に障害がある方は、身体の「冷え」が強く、「気」の力が出せないため、水分が身体に残り「浮腫」となる と考えられます。

前立腺肥大など器質的な異常は特に「精気の虚」が強く「冷え」が強いと言えます。

大寒だから「冷え」と思われるかもしれませんが、ここで云うところの「冷え」は「精気が虚している状態」という事で「cold」とか「poor blood circulation」とは異なります。

今回の患者様は「冷え」がかなり強く、「陽虚」と考えられ、曲骨上の圧痛が著明であるため「腎虚証」で治療を行いました。

「腎」は東洋医学では精を蔵するとされ、腎の気が衰えると元気が無くなり、活動が低下したり、身体が冷えたり、生殖能力が低下したり、老化現象が生きたりします。

また腎気の固摂作用が低下すると腎気不固となり漏れ出る症状が出たりします。さらに腎は津液を主るとされ全身の水分代謝を調節していますが腎気が衰えると浮腫、尿閉、頻尿、下痢などの異常が起きることがあります。

今回は刺さない鍼を使用する「積聚治療」で気を動かす治療を「腎虚症」の本治法で行いましたが、背部の膀胱経2行線を治療した段階で足の浮腫が取れて来まし たので「冷え」が取れて来たと判断し、督脈上の命門上に箱灸をして、最後に右足の照海の圧痛 が残ったので、補助治療で左太谿を巨刺して反応を見ると、右足の照海の痛みが緩解、曲骨上の圧痛も消失していたので今回は治療 終了としました。


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