茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記26年4月27日「疲労回復・元気が出る鍼。」

2014-04-28 06:13:43 | 日記
新年度が始まりもう直ぐ一ヶ月、入学、就職、転勤などで環境が変わりそろそろ疲れが出てくる頃ですね。

今日は『元気が出る鍼をして欲しい。』と患者さんがお見えになりました。

「元気が出る鍼」は東洋医学的な考え方として補胃益脾・補益気血・強腎壮陽などの種類があり患者さんの体の状態で治療方針がことなります。

今日の患者さんは頭痛・目眩・倦怠・食欲不振・不眠などの症状があり四診して脾虚証で治療しました。

脾虚証で本治法を行い補助治療で補益気血を図ることとし「虚労」治療の配穴を使いました。

「虚労」とは過労のため肉体が衰弱し、精神の困憊した状態の事でストレス・働き過ぎ・過飲過食・SEX・病後の失調で陰陽・気血・臓腑の機能低下を起こしたものを言います。

今日の配穴は
・気海
・関元
・膏肓
・足三里
・内関
棒灸で穴内に熱が染み透るように行いました。

治療すると患者さんから『熱が染みてきて気持ちい良いです。元気が湧いてきます。』との感想があり治療後は『元気が出ました。』とスッキリとした顔でお帰りになりました。

当院はGW中も通常営業しております。休んでも疲れが抜けないと感じている方は鍼灸治療をお試しください。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記26年4月25日「不妊症(黄体機能不全)と鍼灸治療。」

2014-04-25 06:10:47 | 日記

当治療院では鍼灸による不妊症の治療を行っております。

「黄体機能不全」と診断され当院で治療をしていた患者さまから『妊娠しました。』と嬉しい報告がありましたので今日は「黄体機能不全」の方の不妊症の治療についてお話してみたいと思います。

当院では不妊症の原因は「冷え」と「お血」と「ストレス」と考えております。

「不妊症」は様々な原因があり、男性不妊も増加しておりますがそのその中にストレスが原因であるケースが増えています。

「黄体機能不全」は女性不妊の中では代表的な物で女性不妊の10%が「黄体機能不全」によるものと言われております。

「黄体機能不全」とは、黄体からのホルモン分泌が不十分になったり、黄体の存続期間が短縮する症状のことで不妊症の原因となります。

「黄体」は卵巣で卵胞が排卵したあとに変化して作られる器官で、プロゲストロン(黄体ホルモン)を分泌し子宮内膜を厚くし、受精卵の着床や妊娠の維持に重要な役割を果たしています。

「黄体機能不全」の原因は未だ明確にはわかっておりませんが、卵巣機能は間脳視床下部、脳下垂体という性機能を主る脳中枢により調節されており、これらの中枢が性周期の適切な時期に適切なホルモンを分泌することにより、卵巣における排卵やホルモンの分泌が正しく行われます。

したがって間脳視床下部、脳下垂体の機能異常があると「黄体機能不全」となることがあり。また中枢に異常がなくても卵巣自体の異常のために卵胞から黄体への移行が不完全になることもあります。
「黄体機能不全」は原因が多岐にわたります。

西洋医学では「黄体機能不全」の治療の主流は黄体ホルモン(プロゲストロン)の補充が一般的な様です。

当院では原因が多様な「黄体機能不全」の「不妊症」について東洋医学の伝統的な四診を用いて患者様に合わせた鍼灸治療を行っております。

「黄体機能不全」を東洋医学的な観点から捉えると
・体の冷え
・精神的なストレス
・自律神経の変調
などが深く影響している場合が多くみられ、鍼灸治療による「体の冷え」「精神的なストレス」の軽減が「黄体機能不全」の改善に効果があります。

西洋医学と東洋医学を上手に併用すれば「黄体機能不全」の患者様の妊娠率を高めることが出来ます。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記26年4月24日「自律神経失調症と鍼灸。」

2014-04-24 07:26:09 | 日記
患者さんから「自律神経失調症」に鍼灸は効果がありますか?とお問い合わせがありました。

WHO(世界保健機関)で鍼灸療法の有効性を認めた病気には

【神経系疾患】では 神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
が挙げられており、「自律神経失調症」も含まれています。

 ※WHO(世界保健機関)で鍼灸療法の有効性を認めた病気については当院のHPをご覧ください。

確かに鍼灸は「自律神経失調症」に効果があるのですが、ただ体に刺すだけの鍼では「自律神経失調症」を治療することは難しいと思います。

東洋医学的な人体観に基づき経絡的な治療を行う事で「自律神経失調症」の治療を行う事ができますが、純粋に東洋医学的な鍼灸治療をする治療院は余り多くはないようです。

当治療院は東洋医学的な人体観に基づく経絡治療を行う鍼灸専門治療院です。

ここで簡単に自律神経について説明すると。

自律神経には「交感神経系」と「副交感神経系」の二つの神経が存在します。

全身のほとんどの器官はこの二つの神経系がバランス良く働くことで適正に保たれています。

呼吸・血液循環・消化吸収・排泄・生殖・内分泌など、自分の意志ではコントロールできない部分のシステムを調整し、生命維持に必要な体内循環を整えるのが自律神経の役割です。

こうした自律神経がうまく機能しなくなった状態が「自律神経失調症」です。

自律神経をコントロールする中枢は視床下部という脳の一部です。

ここは同時にホルモンの分泌中枢の役目もあるため、急激なストレスを受けて自律神経のバランスが崩れると、成長ホルモンや性ホルモンなどのホルモン分泌にも影響がでてきます。

また反対に、更年期に生じる、急激なホルモンバランスの変化は「のぼせ(ホットフラッシュ)・火照り・冷え・不眠・精神不安」などの自律神経失調症状をもたらすことにもなります。

鍼灸やマッサージなどの外的刺激は、過緊張状態に陥った自律神経の働きを和らげることが出来ます。

さらに、皮膚刺激を通して脳の視床下部にも良い影響を与えて、ホルモン分泌のバランスを整えることにもつながります。

最近の研究では、「気持ちいい」という快刺激が脳内のβエンドルフィン等の神経ペプチドの分泌を活性化させ、自律神経の機能を正常化させる働きがあることが分かっています。

鍼やお灸の気持ちの良い治療を受けた後、眠くなったり、ふぅっと楽になるのは、治療の気持ちよさがβエンドルフィンを活性化させ、自律神経の働きを効果的に和らげるからだと思われます。

「自律神経失調症」は、目眩・肩こり・冷え性・不眠症・下痢・便秘・食欲不振やどの場所が悪いかはっきり分からない「不定愁訴」などの症状を一緒に伴っている場合が多くみられます。

当院の鍼灸治療では、各患者さんがその時に抱える具体的な症状に合わせて、柔軟に対応・治療していたしております。

鍼治療で治癒を期待することは症状によっては難しいですが、週に1回でもコンスタントに通院していただくことによって、数ヵ月後には効果が現れてくるように思われます。

また、より早く、より良好な回復を目指すために、日常生活におけるちょっとした工夫やアドバイスをお伝えすることもあります。 愁訴のない、心地の良い暮らしが出来るようサポートさせていただいております。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記26年4月23日「刺さない鍼による不妊症の治療。」

2014-04-23 10:23:17 | 日記
当院では「不妊治療」の患者さんに「刺さない鍼」を使用する「積聚治療」で治療をしております。

「積聚治療」は「気」を動かすことで「冷え=精気の虚」を取ることを目指す治療法で専用に開発された銀製の先端が丸い鍼を使用し、治療で体内に鍼が刺さる事はありません。鍼先を皮膚に押し当てるだけで「気」を動かし「冷え」を取り「病」を治療します。

鍼灸技術的には「接触鍼」と言われるものですが、「刺さない鍼=接触鍼」でなぜ「病」が治るのか、それについては「気」と云う物の理解が欠かせません。

「気」は東洋医学の根幹をなす重要な考え方で、広い意味で人体は「気」そのものです、人間の身体は「気の重層構造」になっていて、「気」の機能が過剰になると、そこにアンバランスを生じ「万病」が生じると考えます。

「気の重層構造」の人体に鍼灸治療を行うことは「気」そのものに鍼灸をすることです、「気」の調和により万病を治すというのが鍼灸治療の大原則です。

「接触鍼」は体表の気に直接触れて治療する技法です、体表には衛気と言う気が流れていますが、その衛気を通じて、経絡の気、臓腑の気、正気、元気、陰陽の気を動かすことで「気」の過不足を調整したり正しい働きに戻すことにより「病」を治療することができるのです。

ここで一例をあげて不妊症の治療について説明して見たいと思います。

先ず問診を丁寧にします。
今回ご紹介する患者さんは問診すると不妊症の他に肩凝り、腰痛、上肢痛、肩背部痛、心下部の張痛、足の冷え等の症状を訴えられました。

脈診したところ、脈は遅脈で全体的に沈。中府、尺沢、孔最、内関、魚際に圧痛。

腹部を擦診したところ、左季肋部に圧痛、臍周りに硬結、右曲骨上の圧痛が一番強い状態でした。

臍周りの硬結は瘀血ですね。

治療は最初に腹部に「接触鍼」をして、腹部の最も浅い気を補います。鍼は刺さりません、患者さんも「全然痛く無いです。」と言うことでした。

次に脈診をして脈調整を行います、今回は肺経の原穴である左太淵に鍼をしましたが、鍼は先を当てる程度で刺入せず、静かに気がいたるのを待ちます。

すると患者さんが右太淵の付近がビリビリすると言うのです。左太淵の刺激が反対側の刺激が右太淵に届いたと言うことです。
これは「気」が動いたと言うことです。

その後一番大切な証を立てるため、腹診します。

腹部の「接触鍼」と脈調整を行った結果、右季肋部と臍周りの圧痛と硬結は解消しました。

左曲骨上の圧痛・硬結が残ったので「腎虚証」として治療を進めることとします。

伏臥位で背部を軽擦すると肩甲骨の間が硬く筋の緊張が診られストレスの強さが伺われます。
ストレスは内分泌系に影響し妊娠に必要なホルモンの分泌を悪くします。

背部で全体に接触鍼をして左肩の肩井、天宗の凝り、左志室、左殿圧の圧痛が著明のため、その部分を指標として、鍼を右の背部の兪穴に当てて治療していくと、患者様から「右に鍼を当てているのに左に響きます。」とのことで段々指標の部分の凝りが緩んできます。

さらに右の心の領域に鍼をすると右の水の領域の志室に響きが伝わり、右の水の領域の腎兪に鍼をすると患者さんが「これとてもお腹に響きいい感じです。」とのことでした。

背部の治療を終えると、患者さんが「肩が楽になりました、腰が張っていたのが緩んできました。」と教えてくれました。背部の治療もツボに鍼先を当てるだけで刺入はしませんでした。

背部の鍼を終えた後に、督脈上の命門に箱灸をして温めると患者さんが「冷たかった左足の親指まで温かくなりました。お腹もホカホカです。」と教えてくれました。

背部の治療を終了した段階で肩凝り、腰痛、上肢痛、肩背部痛の症状は改善しましたので、再度仰臥位で腹部を確認すると、先ほどの左曲骨上の圧痛、硬結はほぼ無くなっていましたが、最後に残った硬結に意識を置き腎経の復溜に鍼を当て、患者さんに圧痛、硬結の変化を見て貰いながら鍼を操作すると「痛みが無くなりました。」教えてくれたので今回は治療終了としました。

不妊症の原因は「冷え」と「瘀血」と「ストレス」です。鍼灸治療と言いますと「刺す鍼=刺入鍼」というイメージが強いのですが、「気に概念」の基づき「刺さない鍼」だけで治療する事も可能です。

当治療院では刺す鍼を敬遠している女性も「刺さない鍼」ですからを安心して治療を受けて頂くことが出来ます。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記26年4月22日「メニエール病・目眩と鍼灸。」

2014-04-22 17:05:02 | 日記
ことぶき堂鍼灸院ではメニエール病・目眩(めまい)の鍼灸治療を行っています。

現代医学的にはメニエール病は、内リンパ液の生産と吸収のバランスが崩れることで起こり、内リンパ液の過剰生産により、音を伝える「蝸牛」、平衡感覚を司る「半規管」「耳石器」に内リンパ液が溜まって腫れ上がる「内リンパ水腫」が原因だと考えられています。

内リンパ液の過剰生産の原因は不明ですが、一般的には、ストレス、疲労、あるいは睡眠不足などが引き金になって起こることが多い様です。また神経質とか凡帳面な人に多く見られます。

さて東洋医学的に捉えれば「耳」は腎に関係が深いとされ、腎の異常(腎虚)は症状として耳に反映され耳鳴り、難聴など耳に関係するトラブルが起こり易くなります。

また耳に絡む経絡として身体の外側を走行する三焦経・胆経・小腸経があり耳疾患の治療に応用することができます。

メニエール病・目眩をさらに東洋医学的に考えると
①心脾の気血が不足したため気血が上部に昇らず脳を栄養できない場合

②肝腎の陰精が欠乏して肝陽が上亢し脳に昇って清竅を掻き乱す場合

③脾胃が損傷して痰濁が中焦の流れを阻害し、脳に清竅が昇らずそのために目眩が起こる場合
などが考えられますが、いずれの場合でも内耳に異常が出る背景には陰虚(=精気の虚)があります。

当院の治療は先ず虚している臓腑を判断してその陰虚(=精気の虚)を補い、その後に補助治療として四神聡・風池・完骨・大椎・内関・神門・足三里・申脈を使用して治療効果を高めています。

鍼灸治療はストレスの緩和にとても効果がありますので、目眩・メニエール病にお悩みの方は是非鍼灸治療を受けられることをお勧めします。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする