茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記26年10月30日「不育症」

2014-10-30 06:41:09 | 日記

当院では「不妊症」の鍼灸治療を行っておりますが「不育症の治療もしていますか?」とお問い合わせ頂くことがあります。

「不育症」の鍼灸治療も行っておりますのでご相談ください。

 

「不育症」は単一の診断名ではなく、複数の病態を含みます。

 

厚生労働科学研究班 では、

 

「妊娠はするけれど2 回以上の流産・死産もしくは生後1 週間以内に死亡する早期新生児死亡によって児が得られない場合」

 

つまり、22 週以前の流産を繰り返す反復流産、習慣流産 に加え、死産・早期新生児死亡を繰り返す場合を含めて「不育症」と定義しています。

 

これらの事例の約半数は偶発的流産で、特別な治療を行わなくても次回妊娠予後は良好ですが、残りの半数に凝固異常や夫婦の染色体異常や、子宮形態異常などの共通のリスク因子が認められることがあります。

 

統計上では毎年妊娠される方のうち、数万人は不育症の可能性があります。

 

妊娠初期の流産の原因の大部分( 約80%) は、胎児( 受精卵) の偶発的な染色体異常とされていますが、流産を繰り返す場合には、その他に、流産のリスクが高まる「リスク因子」を有することがあります。さまざまなリスク因子がありますが、リスク因子がある場合でも、100% 流産するわけではないので、「原因」ではなく「リスク因子」と表現されています。

 反復・習慣流産(不育症) のリスク因子には、夫婦の染色体異常に加えて、妻側の要因として、子宮形態異常、内分泌異常、凝固異常、母体の高齢年齢、ストレスなどが考えられています。

 

現代医学の治療と共に東洋医学的な治療を受けにお見えになる患者様もおられます。

当院では妊娠から出産まで「母体となる女性の身体造りと健康管理」をお手伝いいたします。

 


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壽堂日記26年10月29日「東洋医学的な不妊治療とは?」

2014-10-29 07:52:29 | 日記

鍼灸による「不妊症の治療」についてお問い合わせがありました。

「ことぶき堂鍼灸院」では東洋医学的な人体観に基づき鍼灸による「不妊症」治療を行っております。

治療内容は患者さん一人一人のオーダーメイドですが、基本となる東洋医学的な考え方をご紹介したいと思います。


現代の様なストレス社会において、人は常にストレスに曝されています。ストレスは気・血・水の流れの変調をもたらします。

鍼灸治療は気・血・水の流れ・陰陽バランスを調える治療ですから、鍼灸治療は全ての人に効果があるといっても過言ではありません。



では具体的に「不妊症」の治療において鍼灸治療はどのような効果を持つのでしょうか。

東洋医学において、大きく分けて肝・脾・肺・腎の4つが、妊娠に影響すると言われています。

昔から、「腎は精を貯蔵する『作強の官』(生命エネルギーの強さを作り出すもの)と呼ばれ、人体の生命活動を維持する基本的な栄養物資である精を貯蔵し、五臓六腑の要求に応じて随時その精を供給し、それらの健全な働きを維持しているといわれています。

そして、全身に精力を与え、粘り強さや根気を生み出すとされています。

腎は、生殖用の精も貯蔵しています。

生殖用の精が不足すると、妊娠ができない様々な症状となって出てきます。
男の精と女の精が合体し、胎児の腎気となり妊娠が成立します。受精した時点で胎児の腎気の強弱が決まっていて、これが持って生まれる「先天の気」です。

腎の力は成長と同時にその力も高まっていきます。

中国の古典医書『黄帝内経』という書物の中では、腎気の年齢的消長を次のように述べています。

 女子では、「七歳で腎気の働きが活発化し、歯が生え替わり、髪も長くなる。14歳で天癸が充満し、任脈と衝脈の流通が増進し、月経が始まる。
21歳で体格は頂点に達し、28歳で筋骨は充実して引き締まり、毛髪は最も長く豊かになる。しかし、35歳になると陽明経脈の機能が衰え、白髪が進行し、49歳で任脈が空虚になり、月経が停止する」

 最近CMで見かける女子は7年ごとに節目を迎えるとの出典はこの『黄帝内経』の記載です。

生殖能力において腎は非常に大切であり、どんなに年齢が若くても、生活環境や食生活などで腎の力が不足して来ると、生殖能力が衰え、次第に卵巣機能や子宮機能が低下し、無排卵や無月経、子宮内膜が薄くなり、着床しにくいなどの症状が出てきます。

また肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。

肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれています。肝はストレスが影響を与えやすい臓腑であると考えられます。

つまり肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・お血が出現します。

女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、血という形で滞った悪い血が溜まってきます。

このお血の状態が進むと、軽い症状としては頭痛・肩凝り・月経前のイライラ・めまい・足の冷えとして現れます。


鍼灸を用いて、経脈上のツボを刺激することによって女性が本来持っている力を引出し、卵巣と子宮の機能が高まると、妊娠し易い体質へと改善されていきます。

また黄体機能不全、卵巣過剰刺激症候群などのホルモンのバランスの崩れには、東洋医学が非常に効果的です。
当院では東洋医学だけに全てを頼るのではなく、症状によっては西洋医学との併用が有効と考えます。

当治療院では鍼灸治療により不足している五臓の気を補い、「ストレス」「お血」「体の冷え」を治療し妊娠し易い体を造ることを目標としております。





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壽堂日記26年10月25日「膝が痛くて歩けない?」

2014-10-25 08:00:38 | 日記

「膝が痛くて歩けない。」と言う方から問い合わせの電話を頂きました。

以前から足が痺れていて、先月から症状が悪化して歩くことが出来ず。病院で膝のレントゲンを撮影したが異常は診られなかった言うのです。

念のため「ヘルニアの持病をお持ちですか?」とお訊ねすると、長年の腰痛持ちで病院で治療を受けたが慢性化して治らないと言われたそうです。

電話では詳しくは分かりませんので来院して診察すると、

痛いのは膝の後面の内部と下腿の脛骨神経支配の筋肉(大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋)上殿神経支配の大腿筋膜張筋であることが分かりました。

さらに脊柱を拝見すると腰椎から仙骨(L4~S1)の生理曲線が失われ脊柱の突起が手に触れることが出来ず、椎間が詰まった感じがします。

 

膝関節の後面の内部は坐骨神経が走行しており脛骨神経は坐骨神経の枝でL4~S3から神経根が出ています。

また上殿神経はL4~S1から神経根が出ています。

坐骨神経と上殿神経は何れも仙骨神経叢(L4~S4)に属する神経で脊柱の異常が神経根を圧迫して症状が出ている様です。

大本の原因が腰のヘルニアにあるのであれば膝のレントゲンを撮っても異常は分かりません。

病院で「腰は診てもらいましたか?」と伺うと、「触っても呉れませんでした。」との事です。

治療法としては先ず腎虚証で「本治法」を行い、「標治法」で仙骨神経叢と上殿神経と坐骨神経の走行上に鍼をして、最後にL4~S1上にビワの葉温灸をして終了としましたが、治療を終えると「少し良くなりました。」との事です。

慢性化したヘルニアを治療するには少し時間がかかります。

 

 


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壽堂日記26年10月20日「鍼灸治療でプロラクチンの数値が改善した?」

2014-10-20 06:27:58 | 日記

当院で「不妊治療」を受けておられる患者さんから「プロラクチンの数値が減少しました。」との報告を受けました。

鍼灸治療以外の「不妊治療」を受けておらず、現代医学的な「高プロラクチン血症」の治療をしていないのに今まで一度も下がった事がない数値が減少したそうです。

検査したお医者さんは不思議がっていたそうですが、鍼灸治療でプロラクチンの数値は改善します。



プロラクチンとは「乳汁分泌ホルモン」とも呼ばれる脳下垂体前葉から分泌されるホルモンで、生殖、排卵、妊娠、授乳などと深い関係があります。

プロラクチンは授乳をつかさどっており、乳腺を刺激して乳汁の分泌を促し、授乳期に排卵を抑制し次の妊娠を抑える作用があります。

しかし、授乳期でないにもかかわらずプロラクチンというホルモンの値が高いと、妊娠していないのに乳汁が分泌されたり無月経、月経不順、無排卵月経、黄体機能不全など不妊や流産の原因になることがあります。


具体的には、授乳期以外のプロラクチンの血中濃度の正常値は15ng/ml以下ですが、この値より高いと「高プロラクチン血症」が疑われます。

そしてプロラクチンというホルモンは心理的なストレスの影響を受けやすい事が知られています。



強いストレスにより、プロラクチンが過剰に分泌されることが原因の機能性不妊には、ストレスを緩和できる鍼灸治療は、とても有効なのです。




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壽堂日記26年10月18日「不妊症とストレスの関係は?」

2014-10-18 08:21:17 | 日記

当院では不妊症の原因の多くは「冷え」と「瘀(お)血」と「ストレス」であると考え鍼灸による不妊症の治療に取り組んで居ります。

今日はストレスと不妊症の関係について簡単に説明してみたいと思います。

四診で不妊症の患者様のお体を拝見すると「舌は白色または暗赤色」であり、腹診するとお腹が硬かったり冷感がしたりして「冷え」や「瘀(お)血」の症状が出ており、さらに夏でも手足が冷たく、頭がのぼせ肩がこる等のいわゆる「上実下虚」の方が多く、肩甲骨間の筋肉が緊張して凝っています。

舌が白色は「体の冷え」暗赤色は「お血」を示しますが「肩甲骨の間」の緊張はストレスを示します。



肩甲骨の間には精神活動と関係が深い「魄戸」「心兪」「神堂」「巨闕兪」「身柱」などの経穴がありストレスが強いと凝りや圧痛などの諸症状が出ます。

不妊症を治療する上で、重要となるのがこのストレスです。不妊症でお悩みの女性は、精神的なストレスが溜まりやすくなっています。

不妊症には、「冷え」「瘀(お)血」などの様々な原因がありますが、ストレスも大きな原因となります。



現代のようなストレス社会では、日常生活の中でストレスを感じることが多く、それが不妊症の原因となる場合も多いのです。



ストレスが不妊症の原因となるのは「ストレスによってホルモンバランスが崩れる。」のが原因で、実はストレスに対抗するホルモンを分泌する器官と、生殖活動を行う際に必要となるホルモンを分泌する器官は同じことが多いのです。

モントリオール大学のハンス・セリエ教授が提唱した「ストレス学説」によれば、過度のストレスにさらされると人間の体は防衛反応として視床下部にある自律神経の中枢が興奮を起こし、副腎髄質がホルモンを分泌して「防衛行動=緊急反応」をとります。

妊娠に必要な性腺刺激ホルモンも、この視床下部を通して分泌されています。

そのため、ストレスへの防衛行動が優先されて、生殖活動に必要なホルモンが十分に分泌されない場合があります。そうなると、ストレスで妊娠しづらくなり、その不妊によってさらにストレスが溜まると言う悪循環になります。

不妊症の改善には、ストレス解消が欠かせません。

当院は鍼灸治療で気血水の流れを調え「冷え」「瘀(お)血」「ストレス」を改善し妊娠しやすい母体を創る事を目指しております。


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