茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記29年8月30日「腰から臀部・足先まで痺れる。」

2017-08-30 06:56:03 | 日記

当院のある外房地域では今が稲刈りの最盛期です。「早生」の収穫は終わり、これから「晩生」の収穫なのだそうです。

『腰から臀部・足先まで痛みが走り痺れて足が床に突けない。』と患者さんが来院されました。

診察すると、右腰の大腸兪付近から右臀部の上髎、右胆経ラインに沿って反応があり、脊柱起立筋・大殿筋・腓腹筋などが固くなっており、触るだけで足先に電撃が走るそうです。

これらの痛みの原因は右腰の大殿筋にあるようです。大殿筋が固くなり、大坐骨孔から出てくる神経を圧迫しているようです

「何時ごろから痛み始めましたか?」と伺ったら『一週間前から。』とのことです。お仕事が忙しくて治療に来る時間が取れなかったそうです。

痛みが強く腹臥位になれないので今回は側臥位で澤田流太極療法を用い鍼とお灸併用、基本穴に加えて大腸兪・上髎・風市・委中・陽陵泉・承山・跗陽に鍼をしてからお灸をして、経絡に沿って温灸器をかけたところ

『痛みがすごく楽になりました。来 た時と全然違います、足が床に突けます。』との事です。

時間が取れたら治療を受けに来られるという事です。お大事にしてください。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記29年8月28「妊活・不育症とストレス。」

2017-08-28 09:17:03 | 日記

当院では東洋医学的な考え方に基づき「妊活」「不妊症」「不育症」の鍼灸治療を行っております。

当院では「不妊症」「不育症」のいずれも「体の冷え」と「ストレス」と「瘀血」が大きく影響していると考えています。

西洋医学的には「女性不妊」の主な原因といわれているのが、「子宮筋腫・子宮内膜症」「卵管障害」「排卵障害」「高プロラクチン血症」「黄体機能不全」などです。

「不育症」では「染色体異常」「子宮異常」「内分泌異常」「凝固系異常」「免疫異常」など様々な原因があげられています。

また、西洋医学でも要因として不妊症・不育症の原因といわれているのが「体の冷え」と「ストレス」です。

体が冷えていたり、ストレスで緊張していたりすると、体は委縮し、血液の循環が悪くなってしまいます。

その結果として、子宮内の血流が滞ったり免疫力の低下やホルモンバランスが崩れるなどの、変化が起こってしまうのです。

「不育症とストレス」の関係についてですが

「ストレス状態」の時に視床下部から神経伝達物質としてセロトニンが多く分泌され、その刺激によりプロラクチンの分泌が促進されます。

プロラクチンは子宮内の免疫細胞を活性化させ、その結果として免疫伝達物質が放出され、胎盤組織における血管細胞の障害を引き起こし、凝固系が活性化し、微小血栓形成による虚血が起き、胎児死亡が引き起こされることがあります。

また「ストレス状態」の時に、女性ホルモンの分泌が低下すると、細胞免疫が活性化してナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化されます。

アドレナリンの分泌亢進でもナチュラルキラー細胞(NK細胞)は活性化されます。

NK細胞が活性化すると子宮内の血管内胎児細胞が障害されその結果として胎盤内腔が高圧となることもあります。

「不育症とストレス」は密接な関係があります。西洋医学的な治療を受けつつ東洋医学で「体の冷え」と「ストレス」と「瘀血」の改善を図る事も治療の選択肢の一つでは無いかと考えます。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記29年8月26日「妊活・全身に気が流れるのを感じる?」

2017-08-26 08:10:57 | 日記

「妊活」の治療を受けに患者さんが見えられました。

今回は生理痛と前頭部痛が特に辛いと言う事でした。アスピリンを服用されている為刺す鍼は使えません。

当院では刺さない鍼を使用する「積聚治療」と言う手技で治療しますので抗凝結薬を服用されている方でも安全に治療できますが、頭痛は刺せると治療効果が高いのですが、ここは一つ工夫してみましょう。

通常の通りに腹診すると子宮周りの血流が滞っている感じがします。頭痛も上実下虚が原因かと思われます。

最初に「本治法」で治療をした後に漢方成分入りのお灸で治療をすると、

『あんなに辛かった生理痛と頭の痛いのが治りました。治療を受けていると全身を気が流れる感じがして、特にお腹にお灸をすると暖かい物が足先まで流れて行くのが分かりました。これが気ですか?』

『前回の治療の時も気が流れるのを感じましたが、今日は一段と良くわかります。』

『先生が気功を流しているのかと思いました。』との事でした。

東洋医学は「気」の概念に基づく治療ですが鍼灸治療は「気功術」ではありません。鍼灸治療は患者さんの体の中の「気」を動かし冷えを取り症状が改善することを目的します。

刺さない鍼を使い「気」を動かす手技であるから一層そんな感じがするのかもしれません。

 何回か鍼灸治療を受けると体の中の「気」の流れを感じ取る事が出来る様になる患者さんが居られますが、「気」を感じ取れなくても治療の効果は出ますのでご安心ください。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記29年8月23日「肩凝りと夏バテと胃疾患の関係。」

2017-08-23 08:19:18 | 日記

頸凝り・肩凝り・背痛・腰痛の患者さんが来院されました。

問診しますと猛暑続きなので冷たい物の飲みすぎで胃の調子も悪く夏バテとのことです。

肩甲間部が凝るというので触診してみると、肺兪から厥陰兪・心兪・膈兪付近が反応があり、また脊柱上の至陽に圧痛があり、左側が反応が強くでました。

肩凝りはいろいろな原因で起こりますが、胃疾患が原因で肩こりが起こる場合があり、その場合は左側に反応が出るのが特徴とされています。

なぜかと言うと(菱形筋)や腕の筋肉(上腕二頭筋)など左側の筋肉と胃の筋肉がつながっており、胃が疲れたりするとそれらの筋肉が強張り、血行不良をおこしたりして肩こりが起きます。

また胃の疲れのひどい方などは胃に繋がっている背骨の動きが悪くなっていてその辺りの骨を押すと痛みを発生したりします。

これもその背骨付近の筋肉が強張っているために起こる現象です。

また、左肩凝りの原因は胃痛だけではなく心臓、膵臓、胆嚢が原因の場合があります。

左胸から左肩まで痛みや凝りが出る場合には、狭心症や心筋梗塞の恐れがあります。

左側の背中側から肩が凝るようであれば、膵臓や胆嚢が弱っている可能性もあります。

前かがみになると痛みが和らぐ様であれば、膵臓の恐れがあります。

患者さんが病院に検査に行かれるというので是非とも受診するようにお勧めしました。

今回は腹診すると心と腎と脾のエリアに圧痛があり特に「脾」のエリアの圧痛が顕著なため「脾虚証」で全体治療をして背部では胃の症状に著効がある「胃の六つ灸」をして肩部に鍼と灸をしてMT温灸器を経絡に沿って掛けました。

胃が原因の肩凝りは胃を治さなければ改善されません。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記29年8月22日「がんの疼痛緩和ケアと元気の出る鍼とお灸。」

2017-08-22 07:28:15 | 日記

当院では「鍼灸」「ビワの葉温灸」と各種療法を組み合わせ、「がんの疼痛緩和ケア」を行っております。

鍼灸は疼痛だけでなく、抗癌剤の服用による吐き気・食欲不振・倦怠感など様々な症状の緩和に効果があります。

お問い合わせに中に鍼による播種を心配される方が居られましたが、当院では刺さない鍼を使用する「積聚治療」と言う手技で全体治療(本治法)を行いますので鍼による播種の心配はありません。

当院では本治法の後に、お灸で「虚労」や「補胃益脾」などの配穴を用いて食欲を増進させ「元気」を増す治療をして、その後に「ビワの葉温灸」を行います。

「虚労」とは、東洋医学で「極度に疲労した状態」をいいます。

またここで言う「元気」とは気の種類である、元気(げんき)=正気(せいき)、宗気(そうき)、衛気(えき)、神気(しんき)、の中の「元気」の事です。

「元気」の源は「胃気」であるとされており、「胃気」を補うことでしか「元気」を増すことは出来ません。

「虚労」治療の配穴例としては「五華の灸」などが有名ですが身柱・膏肓・膈兪を五角形に結びお灸をします。

また「補胃益脾」は膏肓・気海・関元・足三里・内関などにお灸をします。

「元気」を増すお灸をすると患者さんから『お灸は怖いと思っていましたが、とても気持ちが良い物ですね。』と言われます。当院では漢方成分を配合したモグサを使用してお灸をしていますが、お灸の熱が染み透るととても気持ちが良いそうです。

鍼灸治療は「がんの疼痛緩和」のためアメリカ国内では広く行われており、米国食品医薬品局(FDA)は、アメリカ国内におけるがん治療での鍼灸の使用を承認しています。

鍼灸を行うことで、神経細胞、下垂体、脳各部に身体的反応が起き、これらの反応が起きることで、様々な身体機能を調節する蛋白やホルモ ン・脳内化学物質を体が分泌するようになります。

このようにして、鍼灸を行うことで、血圧や体温に効果が現れ、免疫系の機能を活発化させるとともに、エンドルフィンのように、体が本来持っている痛み止め成分を分泌させます。

国民の二人に一人が生涯に一度はがんになる時代ですので治療院に来院される患者さんの中にもがんの体験者はおられ、術後の疼痛緩和・体調管理・化学療法の症状の緩和など様々な理由で治療を受けに来られます。

当院では患者さんお一人お一人に合わせた治療を行っております。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする