茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記27年5月31日「白髪・腰痛と美容鍼?」

2015-05-31 07:43:22 | 日記

美容鍼を受けて見たいとお客様がお見えになりました。

『白髪と肌の色艶が気になる。』と言うことでした。

東洋医学では

・肝の働きが悪いと「瘀(お)血」と言われる目の下のくまが出来たり。
・脾の働きが悪いと顔色が黄色く萎びて見えたり。
・肺の働きが悪いと吹き出物・肌荒れが起きたり。
・腎の働きが悪いと顔色が煤けた様に黒くなったり、浮腫んだり、髪が白髪になったりする。

と考えられています。

またお話を伺うと慢性の腰痛持ちとの事でした。腹診すると「腎エリア」に顕著な反応があり「腎虚証」の状態であると思われます。

腎は「腰の府」とも言われ、腎の気が弱まると「腰痛」が出やすくなります。、

「腎は精を貯蔵する『作強の官』(生命エネルギーの強さを作り出すもの)と呼ばれ、人体の生命活動を維持する基本的な栄養物資である精を貯蔵し、五臓六腑の要求に応じて随時その精を供給し、それらの健全な働きを維持しているといわれています。

白髪や肌の色艶が悪い事、腰痛も大本は「腎の気」が虚している事が原因と考えられます。

当院では美容鍼の前に全体治療で虚している臓腑の気を補うことから始めます。今回は「腎の気」を補うことから始めました。

美容鍼の効果を十分に引き出すためには、大本の原因となる、虚している臓腑の気を補うことが重要ですね。

 


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壽堂日記27年5月26日「腰から足先まで痺れる?」

2015-05-26 06:42:05 | 日記

「腰から足先まで痺れて痛くて歩けない。」と患者さんがお見えになりました。

整形外科で診察を受け「骨に異常は診られない。」との事で痛み止めと貼り薬を処方され、電気針を受けたそうですが、針がとても痛く我慢出来なかったそうです。

治療方針は「痛みは少なく、軽度な刺激で効果を出す。」事ですね。

当院では先ず「本治法」は刺さない鍼を使用する「積聚治療」で行い、必要に応じて「標治法」として局所に鍼を刺すことがありますが、鍼管を使用しますので痛みは殆どありません。

今回は触診すると脊柱起立筋が頸部から腰部まで緊張しており大臀筋も硬く凝っています、最初に丁寧に「本治法」の「積聚治療」を行うと筋肉の凝りがとても良く取れました。

その後に鍼管を使用して臀部と下肢に鍼を刺入しましたが、『今、足に刺しました。』と言ったところ『刺したことが全然分かりませんでした。痛くない鍼もあるんですね。』と驚いていました。

鍼は痛いと誤解があるようですが、鍼は痛くありません。電気針も上手く使うと、とても効果があるのですが、電気針の刺入深度が深すぎたりパルスの設定が悪いと痛みが出る事があります。

当院でも「電気針」を使う事がありますが、今回は使いませんでした。

治療を終えると『先ほど迄は痛くて履けなかった靴下が履けるようになりました。』との事でした。

鍼は痛みに良く効きます。


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壽堂日記27年5月21日「全体治療+北川式美顔鍼。」

2015-05-21 07:53:48 | 日記

お客様から「ことぶき堂鍼灸院」では何故「美顔鍼」の前に「全体治療」を行うのか質問を受けました。

美容鍼といっても施術の方式として「全体治療+美容鍼」と「美容鍼」単独の二種類のスタイルがあります。

「全体治療+美容鍼」の施術をするところは少ないようですが当院では「美容鍼」の前に「積聚治療」による全体治療を行い、その後に「北川式美顔鍼」による施術を行うのがスタンダードとなります。

美容鍼の前に全体治療を行うことにより、体全体の気・血・水の流れを調えると、美容鍼の効果と持ちが違います。

今回は「目の下のクマ」が気になるということでした。

「東洋医学」では、五臓の状態が顔に表れると言う考え方があり「顔は五臓の鏡」といわれます。

具体的な例を挙げますと、
・肝の働きが悪いと「瘀(お)血」と言われる目の下のくまが出来たり。
・脾の働きが悪いと顔色が黄色く萎びて見えたり。
・肺の働きが悪いと吹き出物・肌荒れが起きたり。
・腎の働きが悪いと顔色が煤けた様に黒くなったり、浮腫んだり、髪が白髪になったりします。

当院ではお客様の顔に鍼を刺すだけの美容鍼ではなく、根本にある様々な症状の「本」となっている五臓の状態を調える「本治法」により治療し、その後に顔に鍼をする「標治法」により五臓の失調でお顔に生じた症状を改善するのを基本としております。

美容鍼のお客様の多くは「私は体の具合が悪い所はありません。」「美容鍼に来たのに何故体全体に鍼をするのですか?」と質問されます。
しかし良く話しを伺うと、肩こり・頸凝り・頭痛・冷え性などの症状をお持ちの方が多いのです。


目の下のくま、肌のくすみなどは「肝実お血証」が原因であることが多く、「ただ顔に鍼を刺すだけ」では期待する効果が出にくいのです。

当院では「肝実お血証」の場合は「脾虚証」で治療する事が多いですね。

何故かと言えば「肝」が実することにより相克関係にある「脾」が虚しているからです、東洋医学では「先ず補ってから寫す」というのが原則にあり「脾虚肝実お血証」の場合も「脾」を補してから「肝」を寫す事になります。

全体治療後「美容鍼」は「北川式美顔鍼」で施術し、短鍼を使い鍼管を使わず二指推鍼法でお顔に30本を刺して置鍼しました。

「全体治療+美容鍼」を終えますと、肌のくすみ、目の下のクマが改善され、お肌が白くなり透明感が増しました。



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壽堂日記27年5月17日「湿度が高いと腰が痛い?」

2015-05-17 06:58:48 | 日記

「腰痛」の患者さんがお見えになりました。

前回台風が来てから腰が痛くて歩けないと言う事でした。

病院に行ったところ「貼り薬」を処方されただけで、原因の説明もなくリハビリもして貰えず、一向に良くならないのでマッサージに行かれたそうですが捗々しくないそうです。

東洋医学的には大気中の水分=湿が「湿邪」となり体調の変化を起こすと考えられています。「湿邪」は関節部に留まり気血の流れを悪くします。

気血が滞ると痛みが生じます。東洋医学の言葉に「不通即痛(ふつうそくつう)」と言う言葉があり「血や気が通じていなければ即ち痛みが出てくる。」という意味です。

今回は澤田流太極療法を使用して治療してみました。澤田流の基本穴の他に腰陽関に灸とビワの葉温灸、殿圧と下肢の外殷門・風市・委中・裏陽陵泉・承山・崑崙に置鍼して、腰部から下腿の気血の流れを良くし、体全体の気血の流れを調える事をイメージして治療してみました。

治療後患者さんが『あ、起き上がれるようになりました! 鍼ってよく効きますね。』と満足して頂けたようです。

 


 


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壽堂日記27年5月14日「疲労回復・元気の出るお灸?」

2015-05-14 06:06:26 | 日記

新年度が始まり1か月余り、そろそろ疲れが出る時期ですね。

治療院に『元気が出る鍼をして欲しい。』と言う患者さんがお見えになりました。

「元気が出る鍼」は東洋医学的な考え方として補胃益脾・補益気血・強腎壮陽などの種類があり患者さんの体の状態で治療方針がことなります。

今回の患者さんは頭痛・目眩・倦怠・食欲不振・不眠などの症状があり四診して脾虚証で治療しました。

脾虚証で本治法を行い補助治療で補益気血を図ることとし「虚労」治療の配穴を使いました。

「虚労」とは過労のため肉体が衰弱し、精神の困憊した状態の事でストレス・働き過ぎ・過飲過食・SEX・病後の失調で陰陽・気血・臓腑の機能低下を起こしたものを言います。

今回の配穴は
・気海
・関元
・膏肓
・足三里
・公孫・内関
漢方成分入りの棒灸で穴内に熱が染み透るように行いました。

治療すると患者さんから『熱が染みてきて気持ちい良いです。元気が湧いてきます。』との感想があり内関穴にお灸をすると『熱が気持ちが良くストレスが抜けていく感じがします。』とのことでした。

公孫・内関の組み合わせは八総穴と言われ胃腸や心疾患の症状にとても効果があります。


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