茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年6月28日「男性も美容鍼で美活しませんか。」

2016-06-28 06:51:49 | 日記

「白髪と眼の下のクマと顔の筋肉が固いのが気になる」と男性の方が「北川式美顔鍼」を受けに見えられました。

最近、美容鍼を受け「美活」する男性も増えました。

美容鍼といっても施術の方式として「全体治療+美容鍼」と「美容鍼」単独の二種類のスタイルがあります。

「全体治療+美容鍼」の施術をするところは少ないようですが当院では「美容鍼」の前に「積聚治療」による全体治療を行い、その後に「北川式美顔鍼」による施術を行うのがスタンダードとなります。

美容鍼の前に全体治療を行うことにより、体全体の気・血・水の流れを調えると、美容鍼の効果と持ちが違います。

今回は「白髪と眼の下のクマと顔の筋肉が固いこと」が気になるということでした。お体を拝見すると頸・肩・背中の凝りが強く感じられました。


「東洋医学」では、五臓の状態が顔に表れると言う考え方があり「顔は五臓の鏡」といわれます。

具体的な例を挙げますと、
・肝の働きが悪いと「瘀(お)血」と言われる目の下のくまが出来たり。
・脾の働きが悪いと顔色が黄色く萎びて見えたり。
・肺の働きが悪いと吹き出物・肌荒れが起きたり。
・腎の働きが悪いと顔色が煤けた様に黒くなったり、浮腫んだり、髪が白髪になったりします。

当院ではお客様の顔に鍼を刺すだけの美容鍼ではなく、根本にある様々な症状の「本」となっている五臓の状態を調える「本治法」により治療し、その後に顔に鍼をする「標治法」により五臓の失調でお顔に生じた症状を改善するのを基本としております。

美容鍼のお客様の多くは「私は体の具合が悪い所はありません。」「美容鍼に来たのに何故体全体に鍼をするのですか?」と質問されます。
しかし良く話しを伺うと、肩こり・頸凝り・頭痛・冷え性などの症状をお持ちの方が多いのです。


眼の下のくま、肌のくすみなどは「肝実お血証」が原因であることが多く、浮腫み、白髪は「腎虚証」であることが多いようです。

根本にある様々な症状の「本」となっている五臓の状態を調える「本治法」を事前に行うことが大切で「ただ顔に鍼を刺すだけ」では期待する効果が出にくいのです。

当院では「肝実お血証」の場合は「脾虚証」で治療する事が多いですね。

何故かと言えば「肝」が実することにより相克関係にある「脾」が虚しているからです、東洋医学では「先ず補ってから寫す」というのが原則にあり「脾虚肝実お血証」の場合も「脾」を補してから「肝」を寫す事になります。

全体治療で頸・肩・背中の凝りを緩めた後に「美容鍼」は「北川式美顔鍼」で施術し、短鍼を使い鍼管を使わず二指推鍼法でお顔に30本を刺して置鍼しました。

顔に鍼をして暫くすると「顔が温かくなってきました。」との事、顔の筋肉が緩み始めた証拠です。


「全体治療+美容鍼」を終えますと、肌のくすみ、眼の下のクマが改善され、顔の筋肉が緩み、口角も上がるようになり、眼も開くようになり、お肌が白くなり透明感が増しました。

白髪は頭皮への血流を増やし栄養状態を良くすることで髪質が改善しますが、直ぐに効果が出るものではありません。


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壽堂日記28年6月24日「頭痛が酷くてたまらない?」」

2016-06-24 06:23:34 | 日記

『頸・肩・背中・腰が痛く、酷く頭痛がします。』と患者さんがお見えになりました。

「そんなに一度に沢山の症状に対応できる?」と思われるかも知れませんが、最初に「本治法」で病の大本を治療し、その後に「標治法」で局所に鍼と灸をすれば症状は改善します。

鍼灸治療は慢性の痛みや凝りの緩和に良く効きます。

今回お体を拝見すると頚部と肩部の凝りが著明で頭痛は頚と肩の凝りにより頭部への気血の流れが阻害された事が原因では無いかと思われました。

現代医学的には、「頭痛」は「筋収縮性頭痛」の締め付けられるような痛みと、「血管性頭痛」の拍動性のズキンズキンとした痛みに分けられます。
その中で「血管性頭痛」の中の「偏頭痛」は女性に多く男性の4倍に上るというデータがあります。
慢性の頭痛でお悩みの女性の方も多いのではないかと思います。

東洋医学的には「頭痛」は痛む部位によって関連する経絡があり、当院では経絡の流れを考えて治療いたします。
簡単に示しますと
側頭部痛:少陽経頭痛 (関連する経絡は、胆経・三焦経)
前頭部痛:陽明経頭痛 (関連する経絡は、胃経)
後頭部痛:太陽経頭痛 (関連する経絡は、膀胱経)
頭頂部痛:けつ陰経頭痛(関連する経絡は、肝経)
となります。

また「頭痛」をもたらす原因として、肝陽上亢・痰濁・瘀血・気血両虚・腎虚などが考えられます。

今回は後頭部痛という事なので、太陽経頭痛 (関連する経絡は、膀胱経)と考えられます。東洋医学では膀胱経は腎経と表裏関係にあります。

腹診で証を「腎虚証」と判断し「本治法」で頭部に昇った気を下げる治療を行った後に天柱・風池・四神聡・百会・四白・太陽などに鍼をして、ビワの葉温灸を腎の場所に当て「腎温補」をしました。

頭部に昇った気を下げる治療は今回は「逆治」を用いました。

治療後は頸凝り・肩凝り・背中の凝り・頭痛も治まり、眼が開くようになり、赤かった顔色も白くなりました。「頭痛」には鍼灸治療がよく効きます。

「痛み」というものを、東洋医学では「気」であると考えます。気血が阻滞すると痛みが発生する事を「不通則痛」と言い。気・血・精の不足などで臓腑・経絡が滋養されないと痛みが発生する事を「不栄則痛」と言います。

つまり「気」の異常が「痛み」であると考えます。

鍼灸治療+ビワの葉温灸で治療後は痛みと凝りが和らぎ頭痛も治まりました。今回は梅雨時の気候の変化で気血が阻滞、気・血・精の不足などで痛みと凝りが起きたようです。


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壽堂日記28年6月23日「本当に刺さりません?」

2016-06-23 06:51:02 | 日記

当院は刺さない鍼を使用する「積聚治療」という流派に属し刺さない鍼を使用して患者さんを治療しています。

先日患者さんの付き添いの方から『本当に体に刺さないのですか?』と質問を受けました。

通常の鍼治療には豪鍼という刺入する鍼を用います。刺す鍼はどうしても「痛い」と言うイメージを伴いますね。

「刺さない鍼」と言っても「積聚治療」で使用する鍼の形状は体に刺入する豪鍼と殆ど変わりません。

5センチ離れると「豪鍼」との違いは判りません。違いは鍼先の形状が尖っておらず先端が丸く加工され「てい鍼」と同じ形をしていることで先端が丸いため体には刺さりません。

「てい鍼」の画像を上げてありますので参考として下さい。

私たちの流派ではこの鍼を「積聚鍼」と呼んでおり、材質は銀製でデイスポ(使い捨ての鍼)です。

「積聚鍼」は「てい鍼」をイメージして作成された「積聚治療」専用の鍼で、「てい鍼」は古医書の「霊枢」に経脈の気を調節する鍼との記述があり、気血の調整がその主な働きです。

治療家の手技が熟練すると「てい鍼」という「刺さない鍼」で「刺す鍼」と同等以上の効果を発揮することができます。

 

どんな治療法か、腰痛の治療を例に説明して見ます。

上でも書きましたが「積聚治療」の最大の特徴はその使用する鍼にあります、専用に開発された「積聚鍼」という銀製の鍼一本で基本治療(=本治法)と補助治療(=局所治療)を行います。


①最初に望診・聞診・問診・切診を行います。


②主訴の腰痛以外に顔が赤く上実しており。中府・孔最・太衝の圧痛と頸部の凝りと下肢の冷えが著明でした、それを指標として「気を動かして冷えを取る」治療を行います。


③まず腹部の観察をして、硬結、圧痛、冷え、熱感、肌の色艶などを観察し、その後腹部に接触鍼を行い、腹部の浅い気を調えます。


④脈診をして虚脈に補法の鍼をして脈状を調えます。今回は肺が虚していたので、太淵を使用し脈を調えました。脈調整の間に上逆していた気が下がってきたと患者さんから答えがありましたので気が動いたと判断し、脈調整を終了し次の段階に移ります。


⑤脈を調えた後に、腹診をして証を立てます。昨日は曲骨上の圧痛が一番強かったので「腎積腎虚」と証を立て治療方針を立てます。


⑥証を立てた後に背面になって貰い、積聚治療の手順に従い、背部兪穴に鍼を軽く当て、気がいたるのを待ちます。鍼は深く刺すことはありません。


⑦鍼を背部の兪穴に当てる程度の刺激ですが、兪穴から仙骨まで響くと患者さんから報告があったので、背部は兪穴四穴のみとし督脈上の圧痛点である命門上に箱灸による灸を置き、頸部に凝りが残っているので委中に鍼を軽く当て、頸部の凝りに意識を置き鍼を操作すると頸部の凝りが緩 んで来ると同時に、足先を確認、足先まで暖かくなってきたと患者さんが報告するのを触って確認し、仰臥位に戻り、曲骨上の圧痛が消えているのを確認し、最 後にベット上に体を起こして貰い、気の最終調整の為「肩井穴」に鍼をして治療終了としました。


治療の結果、腰痛は勿論、上逆と足の冷えも改善されています。


「積聚治療」は刺さない鍼なので、刺す鍼に抵抗がありる方でも安心して治療を受ける事ができます。


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壽堂日記28年6月22日「がんと鍼灸治療+ビワの葉灸。」

2016-06-22 06:34:25 | 日記

現代医学でがんの治療を受けておられる方が定期的に「鍼とお灸とビワの葉灸」の治療にお見えになります。

当院に通院されるようになって一年経過しました。その間に病院で抗がん剤治療を受けられておられました。

今回お話を伺うとCTで 見る腫瘍の影が画像上で判別できない位とても小さくなり、病院のドクターから『寛解状態にある。』と説明されたそうです。

ご承知の様に「治癒」と「寛解」は異なります。

「寛解」は病気による症状が好転または、ほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態を指します。

「寛解」は抗がん剤治療の効果と免疫力の回復によるものと思われます。当院としては患者さんの病状が良くなる事はとても喜ばしいことです。

「ことぶき堂鍼灸院」ではがんの患者さんに疼痛緩和を目的として新鮮なビワの生葉を使用した「鍼灸治療+ビワの葉温灸」の治療を行っております。

「鍼灸治療+ビワの葉温灸」は抗がん剤治療の副作用を緩和する効果があると考えます。


びわの葉の薬効は科学的にも、下記のような効果確認されています。

①白血球の活動を活発にし、免疫力を高める
②赤血球や血小板などの血液成分の働きが旺盛になる
③血液を弱アルカリ性にする
④グローミューを再生・強化する

グローミューというのは、動脈と静脈を結んでいる毛細血管のバイパスの役割をするもので、全身のいたるところに存在し、このグローミューがしっかりとしていることで、血行が良くなり体の隅々まで酸素を送り、組織のガス交換を促進させ、新陳代謝を活発にさせます。

生活習慣の乱れやストレス、老化などでこのグローミューが萎縮したり消失したりすると、血行が妨げられて、体全体の代謝活動が損なわれ色々な病気が発生する下地を作ることになります。

また鍼灸については米国では米国食品医薬品局(FDA)が鍼灸の効果を認めており。がん治療では、主に以下の症状の管理に用いられています
• 痛み。
• 疲労。
• 化学療法により生じる吐き気と嘔吐。
• 体重減少。
• 不安。
• 抑うつ。
• 不眠。
• 食欲不振。
• ドライマウス。
• ほてり。
• 神経障害。
• 便秘と下痢。
 がん患者さんを対象とする場合、鍼灸は主に従来療法(標準治療)に追加する形で使用されます。

残念ながら鍼灸で「がん」が治ることはありませんが抗がん剤の副作用の緩和やQOLの維持に有効です。

当治療院では鍼灸治療で体全体の「気」の流れを調え、「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用することで自律神経系や内分泌系(ホルモン系)を調整し、体内活動を活性化してストレスに対する抵抗力を強め自己免疫力を高める治療を行っております。


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壽堂日記28年6月20日「夜横になると足が痛くて眠れない?」

2016-06-20 08:11:43 | 日記

「夜横になると、足が痛くて眠れない。」と患者さんが見えられました。

余りに痛くて夜通し足を冷やしたり揉んでいたそうです。

「どこが一番痛いですか?」と質問すると、右下腿の外側が痛いとのこと。

経絡的には胆経のライン上の風市付近が痛むと言う事ですね。

更に探って行くと右下腿の裏側の正中線の委中・殷門・承扶にも反応があります。経絡的には太陽膀胱経のラインになります。


殷門・承扶・委中と言うと坐骨神経の走行に合致します。小野寺臀部点を試しに押すと「ああそこを押されると、電気が足先まで走ります。」との事でした。

小野寺殿部点付近は中殿筋で上殿神経支配ですね。その興奮が坐骨神経に影響を与え、足の痛みを生じさせている様です。


小野寺殿部点というと胃潰瘍・十二指腸潰瘍の圧痛点として有名ですが、食べ過ぎなどの胃もたれでも反応が出ることがあります。


今回は「澤田流太極療法」の基本穴と足に刺入する鍼を用いて治療しました。

患者さんが「刺された鍼の所がジュワー・ジュワーとして気が流れる不思議な感じがします。」と感じを話してくれます。

梅雨時は気血の流れが変調し易いので体調管理に注意が必要です。


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