茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記25年6月26日「腎虚証と肩こり・冷えの鍼灸治療。」

2013-06-27 07:22:33 | 日記
今日は本格的な梅雨の雨が降っていますね。

当院は女性の患者様が多く、今日も「肩こり・冷えのぼせ」の治療をしました。

鍼灸治療で「冷えのぼせ」の治療が出来るの?と思われるかも知れませんが、出来ます!

「冷えのぼせ」の症状は、顔面や頭にのぼせ感や全身の火照り、そして下半身の冷感などですね。

西洋医学では「冷えのぼせ」は自律神経失調症や更年期障害などが原因とされていますが、東洋医学では「上熱下寒」と言い、「心」と「腎」のバランスの失調による「心腎不交」によって起こるとされています。

「心」と「腎」の間で陰陽の遣り取りをして、体内の気血のコントロールをしていますが、内因や外因により気血が滞り、「腎水」が不足して、「心陽」が亢進した状態のことを「心腎不交」と言います。

更年期障害は「血の道」とも呼ばれ女性の「冷えのぼせ」は「お血」による物が殆どです。

当院では本治法で治療した後に、標治法で治療する事が多いのですが、具体的に使用する経穴としては腎兪・心兪・太谿・大陵・太衝・神門などを使用します。

今回は腹診すると、心窩部と曲骨上際に圧痛があり「証」は「腎虚証」で治療を行いました。

当院では本治法は積聚治療という、刺さない鍼を使用し、接触鍼と言う「気を補う」手技を使い、その後背部にある兪穴に優しく鍼を当て「気血」を動かし「冷え」を取る治療をしております。

刺す鍼に抵抗のある方も安心して治療を受ける事が出来ます。

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壽堂日記25年6月16日「坐骨神経痛による腓腹筋と大腿前面の痛み。」

2013-06-17 07:47:18 | 日記
全国各地で空梅雨と言う便りですが、ここ茂原では梅雨空が続きます。

梅雨空が続くと体の中の気血水の流れが滞り各種の痛みが生ずることがあります。

本日は「坐骨神経痛」の患者様が来院されました。一ヶ月余り調子が悪く、立つことも出来ないそうです。
腰から足先まで痺れ、大腿の前面の筋肉も痛く、夜間になると下腿の後面の筋(腓腹筋)が攣り痛くて堪らないとの事でした。

今回は症状が強いので治療は「澤田流太極療法」を採用しお灸を主として鍼は置鍼しパルス治療・びわの葉温灸・ネパール棒灸・MT温灸を組み合わせて治療しました。

治療穴は澤田流基本穴に木下晴都先生の「坐骨神経痛」で大腿前面に疼痛がある場合の手技を加えて丁寧に温補し気血水の流れを調えました。

治療後に患者様が「とても足が軽い!ほら片足で立てる。」と喜んで頂きましたが、片足で立つのは程ほどにお願いしますね。

画像は当院で使用するネパール棒灸とびわの生葉です。比較で並べてある通常の棒灸に比べると太さの違いが良く分かりますね。

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壽堂日記25年6月10日「老人性の浮腫の治療。」

2013-06-11 05:36:58 | 日記
90歳女性、下肢の浮腫みがひどいと言う事で、出張治療を依頼されました。

下肢を拝見すると、下肢が冷たく、足の裏が紫色で、押した指の跡が消えない、足が二倍ぐらいに腫れ足首が無い状態でした。

話をご家族から伺うと三月から殆ど寝たきりと言う事でした。

治療は澤田流基本穴をベースとして灸を主として使用し、腎兪・太谿・湧泉・復溜・水分など水分代謝の経穴を加え、下肢にパルス治療をして、最後にリンパドレナージをしました。

治療を終えると腫れていた足首がスッキリして皺が出来てきました。治療前はパンパンに腫れあがり皺もありませんでした。

冷たかった下肢も温まり柔らかくなり。紫色だった足の裏もピンク色に変わりました。

ご家族に自宅でできる浮腫防止の体操を指導して来ましたが。老化は足から始まります。

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壽堂日記25年6月4日「刺さない鍼による腎虚症の治療。」

2013-06-05 05:03:22 | 日記
腹部の痛み・肩凝り・頸凝り・ばね指等の諸症状の患者様が来院。

左足の付け根のリンパを切除しているので刺す鍼はNGとの事でした。

当院では刺さない鍼を使用する「積聚治療」を行うので鍼は当てるだけで刺入する事は無いことを説明して「積聚治療」で治療を開始しました。

当院は全体治療として「澤田流太極療法」と「積聚治療」の二種類の治療法を症状により使い分ます。

抗凝血薬を服用しておられる患者様も多く、刺す鍼がダメと言う場合は刺さない「積聚治療」で治療を行います。

具体的な治療としては脈診・腹診後に腹部接触鍼をして脈調整を行いました。

脈調整は左の大陵を使用しましたが患者さまから「そこを刺すと左の足の小指がぴくぴくします。」と報告を受けました。確かに小指がぴくぴく動くのが見えます。刺すと言っても鍼先を皮膚に当てるだけで刺さっつている訳ではありません。経絡を利用して手首の刺激により気が足先まで流れたと言う事です。

腹診は腎の領域に圧痛が顕著なため「腎積腎虚証」として第一方式で治療を開始、背部接触鍼後に背部兪穴に鍼先を当て静かに摩り下ろして気が動くのを待ちました。

鍼の効果は刺さる深さに影響されるものではありません。深ければ効果があるというのでは無いのです。

皮膚に当てるだけでも気が動けば治療効果は出ます。

背部兪穴の治療を終えると腹部の痛み・肩凝り・頸凝り・ばね指等の諸症状が改善して来ました。

そこで再び仰臥位になっつて頂き先ほどの腹部の腎積を確認すると硬さはとれ腹部のピリピリ感も治まっつていたので、最後に右復溜に鍼先を当て静かに摩り下ろすと患者から「左足に響きます、不思議な感じです。」と報告がありました。

刺さない鍼でも気を動かし「冷え」を取ることで症状を治療することが出来ますので、鍼は刺すからと敬遠されている方是非当院の刺さない鍼による治療を体験してください。





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壽堂日記25年6月2日「刺さない鍼による不妊治療(脾虚証)」

2013-06-03 07:02:54 | 日記
不妊症の患者様が来院。

手足が冷たく、左側の肩こり・背中のこり、左季肋部の圧痛と左中注付近の圧痛が気になるとの事。

当院では「不妊症」の治療には刺さない手技の「積聚治療」を使います。今回も「積聚治療」で治療を開始。

腹部接触鍼後に脈診し左大陵に鍼を軽く当て脈調整を行うと。「左足先まで響きが走ります。」との事です。
「痛いですか?」と尋ねると「とても気持ちが良い。」との答えでした。

腹診に移ると、左季肋部が詰った感じがして、左中注付近に圧痛がある。

今回は「脾積脾虚証」として第一方式を採用、背部接触鍼をすると腰陽関付近に違和感がある。

「ここ痛いですか?」と尋ねると「実は昨日その部分がとても痛くて。」との事でしたので、印を付けて、健側右で膀胱経上の施術を開始、右の土の領域に鍼を当てると「左側の背中の凝っている処に響きます。」「左の肩にも響きが届いています。」との事でした。

「痛いですか。」と尋ねると「痛くありません。響きが気持ちが良いです。反対に刺しているのに左に響くのがとても不思議です。」との事でした。

さらに木の領域に鍼をすると「左の季肋部に響きます。」との事でした。

膀胱経に火・土・水・木の五行区分に従い鍼を当て丁寧に摩り下ろしながら体の変化を見ていると。

凝っていた肩と背中の筋肉が緩んで着ましたので伏臥位の最後に「腰陽関」に箱灸をすると圧痛が消えたので、再度仰臥位で腹診、左中注の圧痛はかなり解消していましたが、手足を使用する残積処理を実施、右「三陰交」に鍼を当て気を動かすと今度は「左の膝がピリピリします。」とのことです。

次に右「足三里」に鍼を当て静かに摩り下ろすと「左の季肋部と臍の下に響きます。」との事でした。

手足を使用する残積処理を終えると手足も暖まり、肩こり・背中のこり、左季肋部の圧痛と左中注付近の圧痛が軽減していたので今回は治療終了としました。

「積聚治療」の鍼は肌に当てるだけで刺入しませんが、鍼の効果は刺す深さに影響されません。鍼灸による「不妊治療」を受けてみたいが刺す鍼に抵抗がある方は当院に是非ご相談ください。




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