茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記25年5月28日「鍼を刺すと体の中をクラシックが流れる。」

2013-05-28 22:13:00 | 日記
坐骨神経痛の急患が来院、痛くて痛くて堪らないとの事でカルテを書くのも苦しそうでした。

話を伺うと、左の腰から左足先まで痛みが激しく、大腿の後ろ側の痛みが一番強いそうです。

当院に来る前に市内の病院でMRIを撮り「坐骨神経痛」の診断が出たそうですが、治療は飲み薬しか処方してもらえず、痛みに余り効果がないとの事でした。

そこで最後の手段で藁にもすがる思いでネットで鍼灸院を探し出したのが当院でした。

四診すると「坐骨神経」の走行ラインに反応が出ています。
当院では「積聚治療」と「澤田流太極療法」の異なる治療法を用いるのですが、今回は痛みが強いので「澤田流太極療法」を用いて治療をしました。

使用する経穴は「澤田流の基本穴」と木下春都先生の腰痛の経穴を使い、腰部にびわの葉温灸を行いました。

鍼は初めての患者様でしたが鍼を刺すと患者さんが「体の中をクラシックが流れる様な感じがする。」と感嘆の言葉をもらしました。

実に芸術的な表現ですね。腰に刺した鍼が足先まで響き気持ちがいいとの事でした。

鍼を刺された所が心地よく「こんなに気持ちが良いのは久しぶり。こんなことなら早く鍼に来れば良った。」との事でした。

鍼の治療中に良くお眠りになって居たので本当に気持ちが良かったのでしょう。

右の腰に鍼を刺すと左の足先に響くそうですから、鍼の刺激が体質に会うのでは思います。

腰の痛みはクラシックの響きと共に消え、治療を終えると「緑の森の中に居る様に気持ち良いと。」感想を話して呉れました。

治療後は全身の筋肉が緩み大変眠いと仰るので、運転に気を付けて帰る様にお願いいたしました。






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壽堂日記25年5月27日「不妊症の原因は冷え・お血・ストレス。」

2013-05-27 03:24:42 | 日記
当院では東洋医学の立場から鍼灸による不妊治療を行っております。

不妊治療もそれぞれの患者様のご希望に合わせたオーダーメイドの治療計画を患者様と打ち合わせて作成しております。

不妊治療とい言っても「タイミング法」から「人口受精」「体外受精」など様々なパターンがあり夫々の最適な治療計画を立てて治療に臨んでおります。

「ことぶき堂鍼灸院」では多くの不妊症の患者様を治療させて頂いておりますが、全ての患者様に言えることは「冷え」「お血」そして「ストレスによる症状が強い」と言うことです。

ストレスはホルモンの分泌に影響を与えます。高プロラクチン血症や黄体機能不全もストレスが原因である事が多く、子宮内膜症やお血もストレスを緩和することで子宮の機能が高まり改善されます。

四診で患者様のお体を拝見すると「舌は白色または暗赤色」であり、腹診するとお腹が硬かったり冷感がしたりして「冷え」や「お血」の症状が出ており、さらに夏でも手足が冷たく、頭がのぼせ肩がこる等のいわゆる「上実下虚」の方が多く、肩甲骨間の筋肉が緊張しています。

舌が白色は「体の冷え」暗赤色は「お血」を示しますが「肩甲骨の間」の緊張はストレスを示します。

肩甲骨の間には精神活動と関係が深い「魄戸」「心兪」「神堂」「巨闕兪」「身柱」などがありストレスが強いと凝りや圧痛などの諸症状が出ます。

不妊症治療する上で、重要となるのがこのストレスです。不妊症でお悩みの女性は、精神的なストレスが溜まりやすくなっています。

不妊症には、「冷え」「お血」などの様々な原因がありますが、ストレスも大きな原因となります。

現代のようなストレス社会では、日常生活の中でストレスを感じることが多く、それが不妊の原因となる場合も多いのです。

ストレスが不妊症の原因となるのは「ストレスによってホルモンバランスが崩れる。」のが原因で実はストレスに対応する体内の器官と、生殖活動を行う際に対応する器官は実は同じことが多いのです。

モントリオール大学のハンス・セリエ教授が提唱した「ストレス学説」によれば、過度のストレスにさらされると人間の体は防衛反応として視床下部にある自律神経の中枢が興奮を起こし、副腎髄質がホルモンを分泌して「防衛行動=緊急反応」をとります。

妊娠に必要な性腺刺激ホルモンも、この視床下部を通して分泌されています。

そのため、ストレスへの防衛行動が優先されて、生殖活動に必要なホルモンが十分に分泌されない場合があります。そうなると、ストレスで妊娠しづらくなり、その不妊によってさらにストレスが溜まると言う悪循環になります。

不妊症の改善には、ストレス解消が欠かせません。当院は鍼灸治療で気血水の流れを調え「冷え」「お血」「ストレス」を改善し妊娠しやすい母体を創る事を目指しております。

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壽堂日記25年5月25日「寝汗・冷え性の鍼灸治療。」

2013-05-26 06:43:56 | 日記
五月も半ばを過ぎて、夏の様な天気の日も増えましたね。

今日は「寝汗と冷え性」が辛いと30代の女性が来院されました。

お話を伺うと「寝汗と冷え性と左下腹部が脹る。」という事でした。何時からですかと質問すると「生理を終えた三日前から。」と言うことでした。

東洋医学的に考えると「寝汗=盗汗」は「陰虚」の症状です。左下腹部の硬結は瘀血の腹症で「小腹急結」と言われます。

診察すると手足が冷たく、腹診すると左下腹部の硬結が一番圧痛が強く今回は「積聚治療」の「脾積脾虚証」で治療することとしました。

仰臥位での治療を終え、伏臥位で背部を軽擦すると腰陽関の付近が肌に力が無く浮腫んでいる感じがして押すと圧痛があります。

背面を「脾積脾虚証」第一方式で治療を開始、膀胱経2行線の火領域で鍼をすると「左の季肋部に響きが届いています。」と患者様が教えてくれました。

順番通りに膀胱経に鍼をして最後に督脈の腰陽関に箱灸を使用しました。

腰陽関に箱灸を置くと「暖かくて気持ちいが良い、足先に暖かい物が流れていきます。」と患者様が教えてくれました。

腰陽関は下肢の疾患や腰部および下腹部の冷感に効果があり、この穴に圧痛があるときは、小骨盤腔の臓器または下肢に障害がある場合が多いのです。

腰陽関に陽気を入れると寒気を散じて、下肢に陽気を導き陰陽交易して体の陰陽バランスを平衡状態に戻すことが出来ます。

腹部の治療を終え三陰交に鍼をすると「左の季肋部に響きます。」との事でした。

治療全てを終えると手足も温まり左下腹部の硬結も柔らかくなりました。

今回は生理の時の瘀血が原因で「冷え」が強くなったのが原因の様です。寝汗は暑いから出るだけでは無いと言うことですね。

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壽堂日記25年5月12日「母の日と不妊治療。」

2013-05-13 04:27:54 | 日記
5月12日は「母の日」でしたね。

当院では日曜日は通常しております。

日曜日に多い患者様は「不妊治療」の患者様で、定期的に鍼灸治療を受けることで「妊娠しやすい体を造る。」体質改善を目的としております。

当院で「不妊治療」に用いるのは「積聚治療」と呼ばれる治療方法で、その最大の特徴は腹証によりどの経絡が虚しているのかを判断し、背部を五行に区分して腹証に従い背部兪穴を治療します。

不妊症の原因の多くは「冷え」と「お血」と「ストレス」です。「不妊症」治療を受ける患者様は骨盤腔の中の状態が腹部に投影されますので「お血・冷え」がある場合は臍下や曲骨周囲に圧痛があることが多く「ストレス」がある場合は胸骨季肋部に圧痛があります。

「腹診」の範囲は胸骨季肋部から恥骨結合上際までとなりますが、効果的な治療の為には正確な「腹症」を得ることが重要で「積聚治療」では腹部接触鍼・脈調整後に腹部の触診を行い「証」を決めます。

「積聚治療」は使用する鍼にも特徴があり「積聚鍼」という銀製の先が丸い鍼を用い、皮膚に刺さることはありません。
鍼は軽く皮膚の表面に置くだけです。

それは鍼の効果は刺入れる深度に影響されないという考え方に基づくものです。

この接触鍼という技法で上層の気から徐々に下層の気を動かして「冷え=精気の虚」を取るのが「積聚治療」です。

「不妊治療」を受けてみたいが刺す鍼に抵抗がある方は「刺さない鍼」を使用する当院の「不妊治療」を是非お試しください。


当院は千葉県鍼灸マッツサージ師会会員・積聚会会員の治療院です。

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壽堂日記25年5月7日「不妊治療と腰陽関と下腹部の冷え。」

2013-05-08 08:05:59 | 日記
GWを終えて、「不妊治療」を受けておられる患者様が帰国されました。

本日は肩こりが辛いと言うことで、体を軽擦すると左の肩部の心兪・厥陰兪付近凝りが強く、腰部も志室付近がかなり凝っている感じで、陽関付近が力がない感じで、押すと圧痛がありました、さらに腹部の冷感と足先の冷えもあります。

当院では「不妊治療」は刺さない鍼を使用する「積聚治療」で行いますが、腹部接触鍼後に心包経の原穴である大陵で脈調整を行うと患者様から「鍼をしているところから、肋骨の下のいつも詰まる感じがするところに響きがします。グルグルと言う感じが良い感じです。」
とお話がありました。

腹部の圧痛は腎の領域の圧痛が顕著なため「腎積腎虚証」として治療を進めていく事としました。

背部の治療に移り接触鍼後に背部兪穴に丁寧に鍼を摩り下ろしていくと肩部の心兪・厥陰兪付近凝りと志室付近の凝りが緩んで来ました。
患者様も静かな寝息を立ててお休みの様です。

鍼の治療を終えて督脈上のお灸の治療に移りました。使うのは漢方薬成分配合の棒灸です。

先ほどから気になる「陽関」の丁寧に棒灸の熱を加えると「気持ち良いです。足先まで温かい物が流れて行きます。」と患者様の感想でした。
先ほど冷たかった足先が、ぽかぽかになりました。

陽関は下肢の疾患や腰痛に効く経穴ですが、腰部および下腹部の冷感に治療する経穴でもあります。一般にこの穴に圧痛があるときは小骨盤
腔の臓器に障害がある場合が多く、この穴に陽気を加えて陽をここより入れると、寒気を散らして下肢に陽気を導くことが出来ます。

背部の治療を終えて最後に復溜に軽く鍼をしましたが、治療前の下腹部の圧痛・冷感もすっかり解消し、お腹もふっくら柔らかく温かい、足はホカホカとなりました。

不妊治療で重要なことは女性の体の「冷え」を取ること「骨盤腔内の血流を良くしてお血」を取ること「ストレス」を改善してホルモンの分泌のバランスを調えることです。

あなたも伝統の鍼灸治療で体質改善に努め妊娠しやすい体を造りませんか。

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