茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記8月30日「むち打ち症の鍼灸治療。」

2012-08-30 20:41:44 | 日記
整形より転院の「むち打ち症」の患者さんの症状が全快したので本日にて治療終了としました。
当院で治療開始時は、頚部・肩背部の筋肉ががガチガチで酷い頭痛に悩まされていたのがスッキリと解消しました。

「むち打ち損傷」の治療で鍼灸治療と思われるかも知れませんが、「頸椎症」や「むち打ち症」には鍼がとても効果的です。
整形・整骨などで行う、牽引は頸の椎骨動脈が「むち打ち」の衝撃で折れ曲がっているときやヘルニアでは、牽引によって頸椎を引き伸ばし、椎骨動脈を真っ直ぐにしたり、椎間板内を陰圧にしてヘルニアを引っ込めたりします。「むち打ち損傷」=外傷性頸部症候群(TCS)の治療について、ケベックWAD(むち打ち症関連障害)重症度分類では頸椎牽引は他の治療法との併用を推奨しております。
治療についてお医者さんの指示に従うのは当然ですが、頸椎牽引・物理療法(温熱、マッサージ、低周波)の他に鍼灸治療も選択肢に入れておくと良いと思います。 

交通事故による「むち打ち損傷」ではありませんが、スポーツ傷害による「頸椎症」で何十年も辛い症状に悩まされていた方が、当院で鍼灸治療を受けられ良くなっていく例を間近で見ても鍼灸治療は「外傷性頸部症候群(TCS)」の治療に非常に有効であると思います。

患者様個々の症状に合わせて治療するのが、なにより重要です。

当院では熟練の手技と鍼と灸のみで、常に患者さんの傍らに付き添い治療いたします。

頑固になった「むち打ち損傷」の症状は、なかなか簡単にほぐれたり、治ったりするものではありません。

1治療方針
当院では「むち打ち損傷」=外傷性頸部症候群(TCS)の治療について、ケベックWAD(むち打ち症関連障害)重症度分類により治療計画を作成しております。 
GradeⅡまでは鍼灸治療を併用するのが非常に効果的です。GradeⅢ以上は外傷性頸髄・神経根損傷にカテゴライズされておりますので当院ではGradeⅡまでの外傷性頸部症候群(TCS)の治療を行っております。

2受傷機序
効果的な治療をするには「むち打ち損傷」の受傷機序について考えて治療することが非常に重要です。
まず 、追突衝撃により、体幹が前上方に投げ出される様な力がかかり、頭部は慣性によりその場に残るため、相対的に上位頸椎は屈曲位、下位頸椎は伸展位となり、その後に全頸椎が伸展位を取るという、頸椎椎間関節への圧迫負荷による障害を受けます。
さらに、上位頸椎後方を支えている後頭下筋群や、大小後頭神経等の軟部組織も急激な屈曲に伴う過伸展に大きなダメージを受けます。当院の「むち打ち損傷」の治療ではこの受傷機序を前提に患者様の体を診ながら適切な場所に治療いたします。

3治療内容
受傷機序から、まず「後頭下筋群」に対する治療を行います。
後頭骨と頸椎からは様々な神経が出ています、大後頭神経・小後頭神経・大耳介神経・頸横神経・顔面神経などが代表的な物ですが、こうした神経は筋肉が痙攣すると圧迫されおかしくなります。
これらの神経の根部を締め付けているのは、上頭斜筋・後頭直筋 ・大後頭直筋・下頭斜筋などになりますので、これらの筋肉を緩めて神経の圧迫を取り除くため、その筋肉に対してアプローチいたします。
次に「頸部浅層筋」に対する治療を行います。僧帽筋・胸鎖乳突筋 ・頭半棘筋・頭板状筋・頭最長筋などは急性期の筋痛が改善した後も、凝り感が続く場合が多く、その場合は緊張や循環の改善を目的として「頸部浅層筋」に対するアプローチをいたします。
当院では、ごく細い鍼を使用し筋肉を緩め、頸部の血流を改善する治療を行い、さらに円皮鍼を使用し鍼の効果を持続させる治療をしております。なぜ鍼で痛みが軽減し、筋肉が緩み、血行が良くなるのかは、以前ブログで御紹介したのでそちらを御覧下さい。
当院では土日も開院しておりますので、安心して治療に専念出来ます。
当院では個々の患者様に合わせた治療計画を考え、早期回復、早期職場復帰を目指し治療しております。

多くの方が事故後、当初は痛みがそれほどで無かったとしても、運が悪く示談後の1~6ケ月後に症状が出てくるケースもありますので、まずは少しの痛みだけだったとしても、示談前にしっかりとした鍼灸治療を受けられることを当院では強くお勧めしております。

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壽堂日記8月29日「首の筋違いの鍼灸治療。」

2012-08-30 11:55:39 | 日記
朝一番で「首が廻らないとい。」と言う患者様が来院、昨晩から違和感があったが、今朝起きたら首が固まり廻らなくなっていたとのことでした。
昨日の行動を話してもらうと、少年野球の監督をしていて、クロスプレーを指導する際に自らやって見せたそうですが、その時に痛めたようです。
証としては「腎虚証」でしたが全体的な鍼のほかに「標治法」として首・肩・腕に鍼をして丁寧に温灸器で経絡上をトリートメントして治療終了としましたが、終了後開口一番「あ!首が廻る。」と驚いていました。痛みが治まり筋肉が緩んでも、数日は自愛的に過ごされる様にお願いいたしました。
鍼灸治療は首こり・頚椎症・むち打ち症・五十肩にとても効果があります。当院では「むち打ち症」交通自賠責保険による治療も取り扱っております。「むち打ち症」で鍼灸治療を受けて見たい方は0475ー22-8900までお問い合わせください。

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壽堂日記8月24日「腎虚証による冷えのぼせと不眠。」

2012-08-25 08:43:21 | 日記
「不眠症」と「冷えのぼせ」の症状の患者さんが来院、切診すると下顎骨下縁と烏口突起・曲池・陰谷・三陰交・公孫に圧痛、左側の圧痛が強い。

「積聚治療」で治療を開始、腹部に接触針を行い。再度圧痛を確認、下顎骨下縁と烏口突起・曲池の痛みはほぼ解消、上気していた顔色も収まってくる。

接触針後は左側陰谷・三陰交・公孫の痛みのみ少し残る。

脈調整に右大陵を使用後、腹診で証をたてる。

右天枢と曲骨上の痛みが強く、曲骨上は飛び上がるほど。

今回は「腎虚証」第四方式にて治療する事として、背中に接触針を実施後、膀胱経2行線、脊際に針をし、督脈上の施灸を行う。

施灸に突然いびきをかき始めたので、治療目的はほぼ達成として、起こすのは心苦しかったが、再度仰臥位となって貰い、曲骨上の痛みを確認
痛みが解消していたので治療完了とし、患者さんは次回の予約をして帰られました。

今回の「不眠症」と「冷えのぼせ」の症状も「腎虚証」が原因となって起きたもので「本」である「腎虚証」を直せば「標」であ「不眠症」と「冷えのぼせ」の症状も直るわけです。

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壽堂日記8月21日「不妊治療(冷えのぼせ)の鍼灸治療。」

2012-08-22 07:51:22 | 日記
今日も暑かったですね。太陽光線が肌をじりじりを焼く様な感じでした。
そんな暑い中「不妊治療」のお客様が来院されました。

不妊症の原因の一番は「冷え」二番は「お血」です、「お血」とは古い血が滞ることです。「お血」も「冷え」の原因になります。
「冷え」とは「精気の虚」のことで、猛暑で「冷え」が改善されることはありません、逆に「猛暑による疲労」で「精気の虚」が強くなり
「冷え」が強くなることが考えられます。
元々「精気」は「陰」の性質を持つものですから、夏場で「陽の気」が盛んになりやすく「陰虚陽盛」になりやすい季節です。

今回のお客様は20代女性、既婚、子供無し、生理痛が辛いといと言うことで来院されました。
症状として、生理が始まると痛みで、何も手につかないと言う訴えで、下腹部から腰にかけて引き攣るように痛み、冷えのぼせ・頭痛・肩こり・腹痛・腰痛・生理痛という症状でした。

腹診をすると、脾の領域、腎の領域に圧痛硬結、臍周囲の冷感が見られました。
特に左下腹部の硬結が著明で、東洋医学的には「小腹急結」と云う「お血」の腹証でした。

今回は腎虚症として「積聚治療」第4方式で治療しました。
腹部接触鍼をすると腹部の引き攣れ感が改善、脈調整は大陵を使用、臍周りの硬結は軽減しました。
最後に残った左下腹部の硬結を「積」として腎積腎虚症として治療を進める事としました。
背部接触鍼を行うと、腰部志室付近が冷たくざらざらとした感じを受けます。

何回か背部接触鍼を行うと、ざらざら感が減少、健側を右に取り、右背部膀胱経2行線に4穴、一行線に2穴、最後に督脈上に灸、命門上に箱灸を行いました。膀胱経一行線の腎兪を治療中「足先が温まってきました。」と報告してくれました。
命門上の箱灸をすると、お客様は「腰がポカポカして気持ち良い、お腹の痛い所に届く感じがして、お腹も温かい、痛いのが治まった。」と感想を述べられました。
仰向けになって頂いて、再度お腹を診ますと、左下腹部の硬結と痛みがとれて、腹部全体がふっくらとして暖かくなっています。
冷えのぼせと生理痛も引き攣れ感も治まったので今回は治療終了としました。

今回の鍼は積聚治療用に開発された、先の丸い積聚鍼を使用し、刺入はしませんでした。積聚治療は鍼法は接触鍼が基本なので鍼を刺入する事に抵抗感がある方でも安心して治療を受けることが出来ます。

当院の不妊治療は「母胎を妊娠し易い状態に改善すること。」を目的としております。お客様の症状で、腎虚症で治療するのか脾虚症その他の虚症で治療するのかは変化しますが、根本の「冷え=精気の虚」を治すということは変わりありません。
不妊症・婦人科の症状で悩みの方は一度鍼灸治療を受ける事をお勧めいたします。

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壽堂日記8月20日「むち打ち症の鍼灸治療。」

2012-08-21 07:08:00 | 日記
夕方仕事を終えて「むち打ち症」の患者様が来院。一日パソコン仕事をして、冷房で冷やされ「首が回らない」と云います。
急性の炎症を起こしているとき以外は患部を冷やすことは好ましくありません。

今日の治療は冷えて堅くなった筋肉をほぐすことから始めました。
「むち打ち症」の治療も基本は「本治法」で行いますが、原因が外傷であることがはっきりしているため、患部に治療する「標治法」も欠かすことが出来ません。
当院では「標治法」は頚部の凝っている筋肉に細い鍼を浅く刺し、「軸策反射」を利用して頸部の筋肉の血管を拡張させ「発痛物質」を洗い流し頭部の気血の流れをスムーズにさせます。
その後お灸・温灸器を使用して経絡の流れに沿って頚部・肩背部をトリートメントします。

今日の患者様は「来たとき回らなかった頚が回る様になりました。」と満足して帰られました。

「むち打ち症」の場合は三ヶ月以内に治療を終了するのが目安ですが、牽引と電気だけでは緩解するのは難しいと思います。
「むち打ち症」の治療を受けていて、治りが気になる方は「正規な国家資格」を持った鍼灸院で治療を受けるのも選択肢の一つであると思います。

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