茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記29年3月28日「刺さない鍼+ビワの葉温灸によるガンの疼痛緩和。」

2017-03-28 08:50:04 | 日記

当院に現代医学でがんの治療を受けておられる方が定期的に「刺さない鍼とお灸とビワの葉灸」の治療にお見えになります。

お話を伺うとCTで見る腫瘍の影がとても小さくなり、病院のドクターが首をかしげていたと言う事でした。

抗がん剤の使用後に腫瘍が小さくなるのは現代医学的にはエビデンスがあり抗がん剤の効果と理解できるが、抗がん剤使用の数週間後に更に小さくなるのは理由が分からないと言う事なのです。

抗がん剤治療の効果と免疫力の回復によるものでしょうか?当院としては患者さんの病状が良くなる事はとても喜ばしいことです。

また病院で漢方薬の処方を受け服用を始められてから体調も良いと言う事です。患者さんのお話では近年は現代医学の病院でも漢方を取り入れるところが増えているとの事でした。

「ことぶき堂鍼灸院」ではがんの患者さんに疼痛緩和を目的として新鮮なビワの生葉を使用した「鍼灸治療+ビワの葉温灸」の治療を行っております。

鍼灸については米国では米国食品医薬品局(FDA)が鍼灸の効果を認めており。がん治療では、主に以下の症状の管理に用いられています
• 痛み。
• 疲労。
• 化学療法により生じる吐き気と嘔吐。
• 体重減少。
• 不安。
• 抑うつ。
• 不眠。
• 食欲不振。
• ドライマウス。
• ほてり。
• 神経障害。
• 便秘と下痢。
 がん患者さんを対象とする場合、鍼灸は主に従来療法(標準治療)に追加する形で使用されます。

残念ながら鍼灸で「がん」が治ることはありませんが抗がん剤の副作用の緩和やQOLの維持に有効です。

当治療院では鍼灸治療で体全体の「気」の流れを調え、「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用することで自律神経系や内分泌系(ホルモン系)を調整し、体内活動を活性化してストレスに対する抵抗力を強め自己免疫力を高める治療を行っております。


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壽堂日記29年3月25日「鍼灸治療+ビワの葉温灸の効果は?」

2017-03-25 10:38:18 | 日記

ことぶき堂鍼灸院では新鮮なビワの生葉を使用した「鍼灸治療+ビワの葉温灸」の治療を行っております。

患者さんのご家族から『ビワの葉温灸を受けさせたいのですがどの様な治療をしていますか?』とのお問い合わせを頂きました。

「ビワの葉温灸」と書きましたが、当院では「電気式のビワの葉温灸器」、ビワの生葉を使用し棒灸を使用した「ビワの葉灸」ビワの生葉を使用した「ビワの葉温こんにゃく湿布」の三種類の「ビワの葉療法」を行っています。

件数的には全体治療後にビワの生葉を使用した「ビワの葉温こんにゃく療法」を受けられる患者さんが多数を占めます。

それには理由があります。最初に鍼を使用し「全体治療」で虚している臓の「気」を補うのですが、当院の接触鍼を主体とした治療を受けると肌の層理(=毛穴)が開きます。

「ビワの葉こんにゃく温湿布」はビワの葉が肌に直接触れる面積が大きく、またお灸ほど熱くない為、点では無く面で開いた毛穴から「ビワの生葉」の有効成分が熱によってじんわりと体内深く浸透します。

温める部位は「腎臓」「肝臓」が多いですが「疼痛緩和」の場合は痛みや凝りがある場所にも行います。

当治療院では腰痛・坐骨神経痛・肩こりから前立腺肥大・前立腺炎・膀胱炎など幅広い症状の方に鍼灸と「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用した治療を行います。

びわの葉の薬効は科学的にも、下記のような効果確認されています。

①白血球の活動を活発にし、免疫力を高める
②赤血球や血小板などの血液成分の働きが旺盛になる
③血液を弱アルカリ性にする
④グローミューを再生・強化する

グローミューというのは、動脈と静脈を結んでいる毛細血管のバイパスの役割をするもので、全身のいたるところに存在し、このグローミューがしっかりとしていることで、血行が良くなり体の隅々まで酸素を送り、組織のガス交換を促進させ、新陳代謝を活発にさせます。

生活習慣の乱れやストレス、老化などでこのグローミューが萎縮したり消失したりすると、血行が妨げられて、体全体の代謝活動が損なわれ色々な病気が発生する下地を作ることになります。

当治療院では鍼灸治療で体全体の「気」の流れを調え、「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用することで自律神経系や内分泌系(ホルモン系)を調整し、体内活動を活性化してストレスに対する抵抗力を強め自己免疫力を高める治療を行っております。


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壽堂日記29年3月19日「東洋医学的な不妊症の治療とは?」

2017-03-19 07:27:12 | 日記

「ことぶき堂鍼灸院」では東洋医学的な人体観に基づき鍼灸による「不妊症」治療を行っております。

当院で鍼灸による「不妊症」の治療を受けている患者さんから「妊娠反応が出ていたので病院で診察を受けて妊娠の確認が出来ました。心音も確認しました。」と連絡を頂きました。

鍼灸治療で母体となる女性の体調を管理・調えることは妊娠するのに非常に重要な要素です。

卵巣・子宮の存在する骨盤腔の中の血流を良くすることは当然のことながら、生殖に関係するホルモンの分泌を調え、消化器系の機能を調える事が卵の発育には欠かせません。

現代の様なストレス社会において、人は常にストレスに曝されています。ストレスは気・血・水の流れの変調をもたらします。

ストレスが不妊症の原因となるのは「ストレスによってホルモンバランスが崩れる。」のが原因で、実はストレスに対抗するホルモンを分泌する器官と、生殖活動を行う際に必要となるホルモンを分泌する器官は同じことが多いのです。

モントリオール大学のハンス・セリエ教授が提唱した「ストレス学説」によれば、過度のストレスにさらされると人間の体は防衛反応として視床下部にある自律神経の中枢が興奮を起こし、副腎髄質がホルモンを分泌して「防衛行動=緊急反応」をとります。

妊娠に必要な性腺刺激ホルモンも、この視床下部を通して分泌されています。

そのため、ストレスへの防衛行動が優先されて、生殖活動に必要なホルモンが十分に分泌されない場合があります。そうなると、ストレスで妊娠しづらくなり、その不妊によってさらにストレスが溜まると言う悪循環になります。

不妊症の改善に、ストレス解消が欠かせないのはその様な理由があるからです。

鍼灸治療は気・血・水の流れ・陰陽バランスを調える治療であり、また自律神経の興奮を鎮静化させる効果があります。

東洋医学では肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。

肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれ肝はストレスが影響を与えやすい臓腑であると考えられます。

肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・お血が出現します。

女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、血という形で滞った悪い血が溜まってきます。

このお血の状態が進むと、軽い症状としては頭痛・肩凝り・月経前のイライラ・めまい・足の冷えとして現れます。

鍼灸を用いて、経脈上のツボを刺激することによって女性が本来持っている力を引出し、卵巣と子宮の機能が高まると、妊娠し易い体質へと改善されていきます。

また黄体機能不全、卵巣過剰刺激症候群などのホルモンのバランスの崩れには、東洋医学が非常に効果的です。


当院では東洋医学だけに全てを頼るのではなく、症状によっては現代医学との併用が有効と考えます。

当治療院では鍼灸治療により不足している五臓の気を補い、「ストレス」「お血」「体の冷え」を治療し妊娠し易い体を造ることを目標とし治療をしております。


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壽堂日記29年3月15日「不妊症の治療・胚移植をする前後の鍼灸治療は効果がある?」

2017-03-15 07:07:24 | 日記

当院で不妊治療をされている方から「胚移植」をされるので移植の前と後の鍼灸治療の予約を受けました。

当院では刺さない鍼を使用する「積聚治療」で不妊症の治療を施術しております。

「胚移植」の直前と移植後に鍼灸治療を受けると妊娠率や出産に至る確率が高まる事はよく知られており「胚移植」前後に治療を受けられる患者さんは多いのです。

この元になった研究はアメリカのメリーランド大学医学部統合医療センターの研究員らの調査で「体外受精時の胚移植の前後に鍼治療を受けることで、その後の妊娠率や出産に至る確率が高まることが明らかになった。」と報告されています。

こ の報告は欧米4ヶ国で実施された1366名の女性を対象に、体外受精時の胚移植の前後に、伝統的な鍼治療を受けた女性のグループ、にせの鍼治療を受けた女 性のグループ、そして、何も施されなかった女性のグループのその後の成績を比較したところ、伝統的な鍼治療を受けたグループは他のグループに比べて、妊娠 した割合が65%、そして、出産に至った割合が2倍であることが分かったそうです。

体外受精時の胚移植の前後の鍼治療は、その後の妊娠率や出産率を向上させることがデータで裏づけたられた訳ですね。

鍼灸治療が不妊治療に有効であることを示す各国の論文としてはその他に代表的なものとして

・胚移植日にはり治療を行うと体外受精、顕微受精の妊娠率を上昇させる。
 273例を研究対象とし、はりを行わない群では22%の妊娠、はり治療群では36%の妊娠率であり、はり治療群が妊娠率が高かった。(アメリカ生殖医学学会誌2006年 デンマークでの研究結果)

・体外受精と顕微授精例の黄体期には、はり治療を行うと、はり治療群に妊娠率が高かった。
 225例を対象とした、はりを行わなかった群では13.8%、行った群では28.4%の妊娠率ではり治療群に妊娠率が高かった。
(アメリカ生殖医学学会誌2006年 ドイツでの研究結果)

・体外受精例にハリ治療を3回行い、ハリ治療群に妊娠率が高かった。
228例を対象に、HMG(排卵誘発剤)注射時、採卵前、採卵直後にハリを行い。行わない群では23%、ハリ治療群では31%の妊娠率で、ハリ治療群に妊娠率は高かった。
(アメリカ生殖医学学会誌2006年 オーストラリアから研究結果)

などがありますし、国内でも同様な研究成果が報告されています。

鍼治療がどのようなメカニズムで不妊治療の成功率を高めるのかはよく分からないとしていますが、ストレス緩和の効果も大きいのではないかとされています。

ストレスを受けることで、人の気血水の流れが変調します。

胚移植の前後の気血の流れの変調は、胚が着床し、妊娠が継続することに、何らかの影響を及ぼしていると考えられます。

体外受精を受ける女性にとって、胚移植の前後に鍼灸治療を受けて、気血の流れを調え、ストレスを緩和することはとても大切です。

当院では体外受精の胚を戻す前と後に鍼灸治療を受けることをお勧めしております。


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壽堂日記29年3月14日「疼痛緩和ケア・足底痛。」

2017-03-14 09:15:03 | 日記

先日電話で「足底痛」の治療についてお問い合わせがありました。

実際に診察していないので東洋医学の一般的な考え方を述べますが「気不通即痛」と言われ「気が通じなくなると痛む。」と考えられています。

「疼痛」が「経絡が疎通しないことによる痛み」であるならば「経絡を疎通させる」ことで痛みは軽減すると考えられます。

「足底痛」の治療も「通ずればすなわち痛まず」の目的を念頭に治療すれば良いと考えます。

先ず「本治法」で虚している気を補い「標治法」を加えて治療する方法があります。

「標治法」で足底に鍼を刺すこともあります、足底の最も痛い処を「阿是穴」として使用する方法で「痛をもって兪となす」と古典に述べられている方法です。近傍に刺して経気の疎通を良くして「通ずればすなわち痛まず」を実現させる方法です。

あるいは「百会穴」に鍼をする方法もあります。「百会穴」は頭頂部にある督脈の要穴ですが、ここに鍼をすることで経絡を疎通させ「通ずればすなわち痛まず」の目的を達成することが出来ます。

また「支正穴」と「飛揚穴」の二穴を使用して捻挫や挫傷で経筋が傷ついた場合の四肢の太陽経上の痛みを軽減することが出来ます。

「飛揚穴」は足太陽膀胱経の絡穴で経気はここから飛んで足少陰腎経に向かいます。「飛揚穴」は太陽経の経気を宣通し舒筋活絡・止腫止痛などの作用を持っています。

*舒筋とは筋肉の動きを伸びやかにすることです。

「足底痛」の治療も様々な治療方法があります。患者さんに一番適した治療法を見つけることが重要です。

 


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