茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記27年10月29日「一週間で逆子を治す・その成果は?」

2015-10-29 08:35:52 | 日記

当院では鍼灸による「不妊治療」を施術しておりますが、妊娠に係る、つわり、浮腫み、逆子など様々な症状も治療しております。

今月出産予定の方がお見えになり『一週間で逆子を治してほしい。』とのご希望がありました。一週間以内に治らないと「帝王切開」になるとお医者さんに言われたそうです。

「逆子の灸」として一般的なのは「至陰」の灸です。足の小指の爪の外側に据えるのですが、今回は灸熱緩和紙を使い両足の「至陰」に直接灸で行いました。

お灸を据えると『体が暖まりました、手まで暖かくなりました。身体が冷えていたんですね。』との事でした。

「逆子」の原因は様々ありますが「冷え」が原因の一つではないかと考えられています。

今回は「至陰」の直接灸でしたが、棒灸を使用したり、鍼を刺すこともあります。

また経穴も「至陰」+「三陰交」・「至陰」+「足三里」あるいは「至陰」+「三陰交」+「臍返しの灸」などを組み合わせ症状に応じて治療しております。

本当は毎日お灸をするのが良いのですが、通院するのが難しいとい言うので自宅で出来る台座灸をお渡しして、旦那様にして貰う様にお願いしました。

結果として逆子は一週間で治り、このたび無事に御出産を迎えられました。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記27年10月27日「手汗がすごい?」

2015-10-27 06:16:07 | 日記

『手汗が凄いので鍼で何とかなりませんか?』と患者さんがご相談に見えられました。

生理学的には手掌の発汗は皮膚表面に分布している汗腺(エクリン腺)から行われ、汗腺は交感神経によって支配されており、交感神経が亢進すると発汗んが盛んになります。

発汗は視床下部の体温調節中枢により統御されている「温熱性発汗」と大脳皮質によって統御されている「精神性発汗」があります。

ご相談の内容から手汗は「精神性発汗」ではないかと思われます。

 

東洋医学的に「汗」を考えますと「汗」は五液の中の一つで「発汗」は「心」の機能を反映するものとされています。

また「腎」は「水を主る」とされ、水分代謝の異常に深く係わりがあり「腎」は「津液」を主り全身の水分代謝を調節しています。

ここでいう「心」と「腎」は西洋医学的な臓器の「心臓」「腎臓」とは異なります。

人体の正常な水分を「津液」と総称しますが、「汗」も「津液」に含まれます。また「衛気」は体表を循行する「気」で汗腺の開閉を調節しています。

「心」の気が減退した場合に

①衛気の減退は発汗過度をもたらし。

②気の固摂作用の低下は多汗をもたらし。

③衛気の運行失調による、衛気の供給不足も発汗過度をもたらします。

何をしなくても、汗が出るのは、汗を止める気力が弱い事を示しています。

ご相談された方のお体を拝見すると、背部の「魄戸穴」「心兪穴」付近の凝りが顕著で精神的なストレスが交感神経の亢進を起こしているのではと思われます。

治療方針としては気・血・津液の過不足を調え、循行を良くし、寧心安神作用の鍼を行うと過度な発汗は治まると考えられます。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記27年10月25日「不育症・逆子の灸。」

2015-10-25 06:39:31 | 日記

当院で「不育症」の治療をしていた方から『お蔭様で無事生まれました。』とご連絡を頂きました。

逆子で「逆子の灸」を施術したので案じておりましたが、三回の施術で逆子が直り無事ご出産されたとの事、心よりお喜びを申し上げます。

当院では「不妊症」の鍼灸治療を行っておりますが『不育症の治療もしていますか?』とお問い合わせ頂くことがあります。

「不育症」の鍼灸治療も行っておりますのでご相談ください。

 「不育症」とは聞きなれない言葉ですが「不育症」は単一の診断名ではなく、複数の病態を含みます。

 厚生労働科学研究班 では、

 「妊娠はするけれど2 回以上の流産・死産もしくは生後1週間以内に死亡する早期新生児死亡によって児が得られない場合」

 つまり、22 週以前の流産を繰り返す反復流産、習慣流産 に加え、死産・早期新生児死亡を繰り返す場合を含めて「不育症」と定義しています。

 これらの事例の約半数は偶発的流産で、特別な治療を行わなくても次回妊娠予後は良好ですが、残りの半数に凝固異常や夫婦の染色体異常や、子宮形態異常などの共通のリスク因子が認められることがあります。

 統計上では毎年妊娠される方のうち、数万人は不育症の可能性があります。

 妊娠初期の流産の原因の大部分( 約80%) は、胎児( 受精卵) の偶発的な染色体異常とされていますが、流産を繰り返す場合には、その他に、流産のリスクが高まる「リスク因子」を有することがあります。さまざまなリスク因子がありますが、リスク因子がある場合でも、100% 流産するわけではないので、「原因」ではなく「リスク因子」と表現されています。

 反復・習慣流産(不育症) のリスク因子には、夫婦の染色体異常に加えて、妻側の要因として、子宮形態異常、内分泌異常、凝固異常、母体の高齢年齢、ストレスなどが考えられています。

 「不妊症」「不育症」でお悩みの方は現代医学の治療と共に東洋医学的な治療を受ける事も一つの選択肢であると考えます。

当院では妊娠から出産まで「母体となる女性の身体造りと健康管理」をお手伝いいたします。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記27年10月23日「がんの疼痛緩和と内臓下垂の治療。」

2015-10-23 06:57:24 | 日記

がんの疼痛緩和のため「鍼灸+ビワの葉温灸」の治療を受けに初診の方が見えられました。

お話を伺うと、痛みで眠れない、全身の倦怠感と疲労感、内臓下垂が特に辛いと言う事でした。

 

「痛み」というものを、東洋医学では「気」であると考えます。

気血が阻滞すると痛みが発生する事を「不通則痛」と言い。

気・血・精の不足などで臓腑・経絡が滋養されないと痛みが発生する事を「不栄則痛」と言います。

つまり東洋医学では「気」の異常が「痛み」であると考えます。

東洋医学に対して西洋医学では「痛み」は感覚神経の異常、あるいは神経の異常興奮だという考え方があります。


内臓下垂と云うと胃下垂、子宮下垂、子宮脱、脱肛など様々な症状がありますが、東洋医学的には内臓下垂は脾の気の減退による昇挙作用の衰えが原因と考えられています。

脾は昇清作用を主り、臓腑が下に下がらない様に脾気が働くのですが脾の気が虚しているため内臓を支えきれず、内臓下垂が起きると考えられています。

がんで胃の手術をされているとの事なので「脾胃の気」が衰えている事が内臓下垂の要因の一つと思われます。

全身の倦怠感と疲労も、脾胃が悪い為に「後天の精」が十分に補充できないのと、長患いの「諸虚労損」が原因の一つと思われます。

今回はリンパ節の廓清も受けられている為、刺さない鍼による全身治療と漢方成分配合のお灸とビワの葉温灸により、脾胃の気を補い、虚労のツボにお灸をして全身の気血を流す治療を行いました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壽堂日記27年10月18日「鍼灸+ビワの葉温灸・がんの疼痛緩和。」

2015-10-18 06:50:24 | 日記

「ことぶき堂鍼灸院」ではがんの患者さんに疼痛緩和を目的として新鮮なビワの生葉を使用した「鍼灸治療+ビワの葉温灸」の治療を行っております。

「鍼灸治療+ビワの葉温灸」は抗がん剤治療の副作用を緩和する効果があると考えます。


びわの葉の薬効は科学的にも、下記のような効果確認されています。

①白血球の活動を活発にし、免疫力を高める
②赤血球や血小板などの血液成分の働きが旺盛になる
③血液を弱アルカリ性にする
④グローミューを再生・強化する

グローミューというのは、動脈と静脈を結んでいる毛細血管のバイパスの役割をするもので、全身のいたるところに存在し、このグローミューがしっかりとしていることで、血行が良くなり体の隅々まで酸素を送り、組織のガス交換を促進させ、新陳代謝を活発にさせます。

生活習慣の乱れやストレス、老化などでこのグローミューが萎縮したり消失したりすると、血行が妨げられて、体全体の代謝活動が損なわれ色々な病気が発生する下地を作ることになります。

また鍼灸については米国では米国食品医薬品局(FDA)が鍼灸の効果を認めており。がん治療では、主に以下の症状の管理に用いられています
• 痛み。
• 疲労。
• 化学療法により生じる吐き気と嘔吐。
• 体重減少。
• 不安。
• 抑うつ。
• 不眠。
• 食欲不振。
• ドライマウス。
• ほてり。
• 神経障害。
• 便秘と下痢。
 がん患者さんを対象とする場合、鍼灸は主に従来療法(標準治療)に追加する形で使用されます。

残念ながら鍼灸で「がん」が治ることはありませんが抗がん剤の副作用の緩和やQOLの維持に有効です。

当治療院では鍼灸治療で体全体の「気」の流れを調え、「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用することで自律神経系や内分泌系(ホルモン系)を調整し、体内活動を活性化してストレスに対する抵抗力を強め自己免疫力を高める治療を行っております。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする