茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記25年10月30日「ドライアイの鍼灸治療。」

2013-10-31 09:04:33 | 日記
目の疲れとドライアイの改善のために鍼灸治療を受けられた方が再来院されました。

一日仕事でパソコンに向かうそうですが、前回治療を受けて如何でしたと伺うと「治療を受けた日はぐっすり朝まで眠れて、翌朝起きると目が明るいのに驚きました。」との事でした。

前回は本治法は「積聚治療」標治法として眼の周囲の経穴を使いました。

今回も同じ治療を行う事として仰向けで接触鍼と脈調整を行い腹診をすると腎のエリアに圧痛と冷えがあり、手足が冷たい。

更にうつ伏せで背部を軽擦すると肩甲間部と頚部が凝っているのが分かります。

今回の証は「腎虚証」として治療を行う事としました。

東洋医学では目は肝に関係が深いとされています。目の疲れやドライアイの原因も肝の変調と捉えることが出来ます。

肝の変調なのに「腎虚証」?と思われるかもしれません。

東洋医学では「肝」と「腎」は肝腎同源と言われ互いに補い合う関係ですので、腎の陰気が弱まると肝の陰気も弱まり、目を滋潤する力が弱まります。

大本の原因である「腎虚証」を本治法で補ってから標地法で目の周りの経穴に鍼をするわけですが、本治法は刺さない接触鍼使い、目の周りは美容鍼用の鍼を用いました。

治療後は手足が暖まり、お腹の冷感も無くなり、頚部・肩部の凝りも緩み、お顔の血色も良くなりました。

背部の治療中に気持ちよく寝息を立てられていましたので、仕事でお疲れと思いました。

今日は鍼灸治療を受けたので良く眠れ、明日起きると目の疲れ、体のの疲れもスッキリしていると思います。

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壽堂日記25年10月22日「線維筋痛症の鍼灸治療(3)」

2013-10-23 05:47:59 | 日記
「線維筋痛症」の具体的な治療について書いてみたいと思います。

下半身の「冷え」、上半身の「のぼせ」とそれに伴う「痛み」に悩まされている患者様が来院。「気」を降ろす治療を受けたいとの事でした。

去年の夏に熱性の病をされてから「冷えのぼせ」と「体中の痛み」の症状に悩まされ、多くの病院で診察を受けられたそうですが、最近「線維筋痛症」と診断名されたそうです。

東洋医学では「上実下虚」あるは「上盛下虚」と呼ぶ症状ですが体の中で陰陽のバランスが崩れることで起きます。

先ず患者さんを仰向けで診察すると、顔面紅潮して目が充血、手足の先が冷たく、顎関節のこわばり、手指のこわばりがあり、指標を調べると

天柱・扶突・肩井・曲池・孔際・手三里・血海・陰陵泉・陽陵泉等に圧痛が見られ、触診すると気・血・水の流れが緩慢となり凝滞している感じを受けました。

ACR(アメリカリウマチ学会)の線維筋痛症の分類基準の9対18箇所の内11箇所に該当する部分に圧痛がある事と全身の広い範囲に疼痛がある事から「線維筋痛症」と診断名が着けられたことが納得できました。

治療としては、最初に腹部に接触鍼をして体表部の気を調えます。その後に先ほどの指標を確認すると圧痛の減少が見られました。

続いて脈調整を行い、腹診をすると臍の周囲に瘀血が認められ、腎のエリアに圧痛があり、更に肝のエリアにも反応がありましたので「腎虚証」として「積聚治療」で治療をする事としました。

伏臥位で背部に接触鍼を行い指標を確認すると天柱・天髎・志室・胞肓・環跳に圧痛が見られましたので、その箇所の圧痛を指標として、背部兪穴に「腎虚証」の手順に従い鍼を落としていくと、患者さんから「気が下がって来ました。」と報告がありました。

気が下がるに従い、痛みも和らいできたそうです。

治療を終える頃には指先と顎のこわばりも緩み、手足も温まり、顔面紅潮も改善して目の充血も治まって来ました。

「線維筋痛症」は病の原因が不明で治療は難しいものがありますが、東洋医学では「証」によって治療するので西洋医学の診断名が付かない場合や治療方法が分からないでも「証」に従い治療することが出来ます。

「線維筋痛症」の患者さんは現代医学と東洋医学の併用を試してみては如何でしょうか。








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壽堂日記25年10月16日「線維筋痛症の鍼灸治療(2)」

2013-10-17 08:43:57 | 日記
先日「線維筋痛症」の治療について書きましたがその続きです。

「線維筋痛症」はその名の通り「痛み」が主症状となる病気ですが、東洋医学では病因や病証が異なると「痛み=疼痛」の性質も異なると考えます。

「線維筋痛症」の痛みは、多くは「錐で刺したような痛み」や「重く感じられて痛む」です。

「錐で刺したような痛み=刺痛」は「血瘀」によく見られます。

「血瘀」とは血液の運行が緩慢になったり停滞して起こる病的な状態を言いますが、「血瘀」は「瘀血」を形成する原因にもなります。

「血瘀」が起こる原因としては、寒邪や痰濁が経脈を凝滞停滞させたり・熱邪が血液を粘稠にしたり・気虚による推動作用の低下や・気滞による血行の失調などが考えられます。

「血瘀」が生ずると、臓腑や経絡の局部の気の流通が阻害され、疼痛が起こります。

また「重く感じられて痛む=重痛」は「湿証」によく見られます。

患者さんによると「雨の日や、今回のような台風の時は起き上がれない位に痛む。」と言う事ですので、体内の「湿邪」が痛みに影響していると考えられます。

「湿」とは陰性の邪気のことで、人体の下部を犯しやすく、浮腫が下肢に出やすく、頭や体が重く四肢がだるくなり、湿邪が関節に滞ると、関節が痛み腫れるなどします。

また「湿」は、脾と胃を犯しやすく、消化吸収の能力を損ない、気・血・水の中の水=津液を運ぶ機能が悪くなると、下痢、尿量減少、腹水、水腫などの症状が現れます。

鍼灸で「線維筋痛症」を治療する際は「気不痛即痛」と言う基本的な考えがありますが、その他に「痛みの性質」「血瘀の原因」「湿」なども含めて治療をイメージすることが必要とされます。

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壽堂日記25年10月13日「線維筋痛症の鍼灸治療(1)」

2013-10-13 10:05:26 | 日記
最近「線維筋痛症」の患者さんを治療したり治療の相談を受ける事が多くなりました。

「線維筋痛症」の治療について東洋医学的な立場から少し考えてみたいと思います。

「線維筋痛症」とは全身の広い範囲で強い痛みがある病気で、今のところ原因は不明とされています。

それ故に治療方法も確立されておらず、現代医学では対症療法的な鎮痛剤やステロイド剤が使用される事もありますが、副作用を心配されたり、鎮痛効果があまり効かないと等と相談されます。

東洋医学は現代医学と病に対するアプローチ方法が異なる為に現代医学では原因不明とされる病でも治療方法が用意されている事があります。

東洋医学の最大の特徴は、身体を構成するものを気・血・水と呼ばれる三種のものに分けて考えることです。

「気」とは人体を構成する物質で、絶えず動いて全身を巡るエネルギーの様な物です。

「血」とは脈中を流れる赤い液状物で生命活動を維持する基本物質であり血液とほぼ同じですが、血液の流れも含む概念です。

「水」とは人体の正常な水分の総称で「津液」とも呼ばれています。

東洋医学では気・血・水のバランスが崩れると病になると考えますが、特に気は「気不通即痛」と言われ「気が通じなくなると痛む。」と東洋医学の古典「黄帝内経」に記述されています。

東洋医学的には「線維筋痛症」の患者さんの場合も体の中の気の異常が痛みを引き起こしているのではないかと考えることが出来ます。

私の治療院では先ず「積聚治療」を用いて「本治法」で治療してから「標治法」で治療しておりますが、具体的な治療については後日といたします。

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壽堂日記25年10月9日「全体治療+北川式美顔鍼。」

2013-10-10 05:51:24 | 日記
週末に結婚式を控えられていお客様が「美容鍼」を受けに来られました。

当院では「北川式美顔鍼」による美容鍼の施術を行っておりますが、「全体治療」後に「北川式美顔鍼」を施術するのがスタンダードなコースとなります。

「美顔鍼」の料金の中に「全体治療」の料金も入っておりますのでご安心ください。

美容鍼のお客様の多くは「私は体の具合が悪い所はありません。」「美容鍼に来たのに何故体に鍼をするのですか?」と質問されます。
しかし良く話しを伺うと、肩こり・頭痛・冷え性などの症状をお持ちの方が多いのです。

美容鍼の前になぜ全体治療をするのかというと、美容鍼の前に全体治療を行うことにより、美容鍼の効果が一層高まり持続するからです。

鍼灸治療の基本的な考え方として「本治法」と「標治法」という考え方があります。
体の不調の原因となる「元=本」を治してから「標=表れている症状」を治すという考え方です。

当院では「本治法」で体の全体の陰陽バランスを調え、「標治法」でお顔に鍼を刺させて頂いております。

「東洋医学」では、五臓の状態が顔に表れると言う考え方があり「東洋医学」では「顔は五臓の鏡」といわれます。

具体的には、肝の働きが悪いと、瘀血と言われる目の下のくまが出来たり、脾の働きが悪いと顔色が黄色く萎びて見えたり、肺の働きが悪いと吹き出物・肌荒れが起きたり。腎の働きが悪いと顔色が煤けた様に黒くなったり、浮腫んだりします。

 当院では、お客様のお顔に鍼を刺すだけでなく、症状の元となっている五臓の調子を整えることで、お客様の美と健康をサポートしてまいります。

今日のお客様は目の下のくま・肌のくすみ・ほうれい線の改善がご依頼でした。

東洋医学的に診断して証を立てると今回は「脾虚証」となり全体治療は「脾虚証」で進めることとしました。

「脾虚証」は詳細にみれば「脾虚肝実お血証」となります。

この証は「右脇下のお血」と「下腹部のお血」が原因となる場合があり、女性は「下腹部のお血」が多く、「月経不順」「産後の不摂生」などが原因となり「下腹部お血」があると冷えのぼせ・頭痛・ノイローゼ・血の道症・月経不順などの各種婦人病・蕁麻疹などの各種皮膚病などになりやすくまた目の病気はお血が関係していることが多いのです。

また「下腹部お血」のある人はシミが多く顔面が赤黒くニキビが出やすくなります。

目の下のくま、肌のくすみなどは「肝実お血証」が原因であることが多いのです。ですから「ただ顔に鍼を刺すだけ」では期待する効果が出にくいのです。

「肝実お血証」なのに何故「脾虚証」で治療するのかと言えば「肝」が実することにより相克関係にある「脾」が虚しているからです、東洋医学では「先ず補ってから寫す」というのが原則にあり「脾虚肝実お血証」の場合も「脾」を補してから「肝」を寫す事になります。

全体治療後「美容鍼」は「北川式美顔鍼」で施術し、短鍼を使い鍼管を使わず二指推鍼法でお顔に30本刺して置鍼しました。

「全体治療+美容鍼」を終えますと、目の下のくま、肌のくすみ改善されが、お肌が白くなり透明感が増しました。

お客様も「肩こりがスッキリ、目が開くようになり、視界が明るい、体がぽかぽかする。」とのことでした。
美容鍼の効果も満足してお帰りになりました。

当院では美容鍼は「全体治療+美容鍼」で初回4000円、二回目以降10000円ですがお得な回数券もご用意しております。

是非「ことぶき堂鍼灸院」で「全体治療+美容鍼」の効果を体験してみてください。

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