茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年3月31日「頚椎症の治療もしています?」

2016-03-31 06:01:24 | 日記

当院では「頚椎症」の治療をしています。病院で治療を受けているが結果が思わしくないと鍼灸治療を受けに来られる方もおられます。

今日は「頸椎症と関連痛」の治療について当院の治療例を御紹介したいと思います。

頸椎症とは頸椎の変形(椎間板、椎間関節、Luschka関節、椎体縁のどの狭小や骨棘の形成など)に伴い、その周囲の神経、血管(脊髄、洞神経、後枝内側枝、神経根、椎骨動脈、頸部交換神経などに)障害を合併する疾患です。

当院では頸椎症の中の関連痛型と神経根症状を鍼灸の適応症として治療しております。同じ頸椎症でも脊髄症型、バレー症状型については専門医での診察をお勧めしております。

当院では頸肩背部の痛みや凝り、また上肢の痛みや痺れで来院される患者様が多く、鍼灸治療で一定の効果を上げております。

では具体的に治療例に従って御紹介いたします。
患者様は40代男性、学生時代にスポーツで転倒、以来20年に渡り
頸肩部、背部の疼痛、凝り感、圧迫感、頸椎の運動制限とそれに伴う放散痛に悩まされ、最近は上肢の疼痛、痺れ、脱力感などの症状が出現されたとのことで来院されました。

受傷当時、整形外科を受診されC4ヘルニアとの診断だったそうですが、通院せず年数が経ってしまったそうです。

1まず最初にタオルの上から頸部、肩背部、脊柱起立筋を軽く擦って体の状態を診ると、左側の板状筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋、肩甲挙筋、脊柱起立筋の緊張が分かります。

2触診するとC4付近の後頸部痛と肩背部、肩甲間部の肩中兪・肩外兪・曲垣・へい風・じゅ兪・天宗・肩貞・の凝りと痛みが著明でした。

3鍼が初めてと言うことなので、一番鍼(太さ0.16mm)を使用する事しました。

4具体的な治療(筋に対するアプローチ)
筋緊張および圧痛硬結部へ鍼管を使い刺入後、置鍼としました。
患者様に聞くと、刺入したことも分からなかったとの答えでした。
経穴名で言えば、
天柱 :頭半棘筋・頭板状筋・僧帽筋
へい風:僧帽筋・棘上筋
曲垣 :僧帽筋・棘上筋
肩外兪:僧帽筋・肩甲挙筋
肩中兪:僧帽筋・肩甲挙筋 
天宗 :棘下筋
じゅ兪:棘下筋
肩貞 :小円筋・大円筋
完骨 :胸鎖乳突筋・頭板状筋
などを使い、さらに背部の菱形形筋上の附分、魄戸、膏肓も使用しました。
曲垣・肩外兪・肩中兪・附分、魄戸、膏肓は頸横動脈が走っており、風池は深部に椎骨動脈が走行しております。
上記の場所に置鍼することにより、筋肉の緊張、硬結が緩むのみならず、血管が拡張する作用により頸部頭部の症状が改善します

風池は深部に椎骨動脈が走行しておりますので刺鍼に注意が必要ですが、深刺でない事と、鍼が細いことから危険性はありません。

治療経過ですが、週2回の治療を一ヶ月続けたところ、当初、青黒かった顔色も正常なピンク色となり、頸部・肩部・背部の筋の緊張硬結も他覚的、自覚的に改善し上肢の症状もなくなり、患者さまからも「最近髪の色艶が良くなった。」との報告がありましたので治療終了としました。

上記に上げた治療・経穴名は局所治療であり、局所治療の前提として本治治療を行っております。


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壽堂日記28年3月23日「刺さない鍼によるがんの疼痛緩和。」

2016-03-23 08:48:58 | 日記

当院には現代医学でがんの治療を受けておられる方が定期的に「刺さない鍼とお灸とビワの葉灸」の治療にお見えになります。

お話を伺うとCTで見る腫瘍の影がとても小さくなり、病院のドクターが首をかしげていたと言う事でした。

抗がん剤の使用後に腫瘍が小さくなるのは現代医学的にはエビデンスがあり抗がん剤の効果と理解できるが、抗がん剤使用の数週間後に更に小さくなるのは理由が分からないと言う事なのです。

抗がん剤治療の効果と免疫力の回復によるものでしょうか?当院としては患者さんの病状が良くなる事はとても喜ばしいことです。

また病院で漢方薬の処方を受け服用を始められてから体調も良いと言う事です。患者さんのお話では近年は現代医学の病院でも漢方を取り入れるところが増えているとの事でした。

「ことぶき堂鍼灸院」ではがんの患者さんに疼痛緩和を目的として新鮮なビワの生葉を使用した「鍼灸治療+ビワの葉温灸」の治療を行っております。

鍼灸については米国では米国食品医薬品局(FDA)が鍼灸の効果を認めており。がん治療では、主に以下の症状の管理に用いられています
• 痛み。
• 疲労。
• 化学療法により生じる吐き気と嘔吐。
• 体重減少。
• 不安。
• 抑うつ。
• 不眠。
• 食欲不振。
• ドライマウス。
• ほてり。
• 神経障害。
• 便秘と下痢。
 がん患者さんを対象とする場合、鍼灸は主に従来療法(標準治療)に追加する形で使用されます。

残念ながら鍼灸で「がん」が治ることはありませんが抗がん剤の副作用の緩和やQOLの維持に有効です。

当治療院では鍼灸治療で体全体の「気」の流れを調え、「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用することで自律神経系や内分泌系(ホルモン系)を調整し、体内活動を活性化してストレスに対する抵抗力を強め自己免疫力を高める治療を行っております。


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壽堂日記28年3月19日「腰痛の治療もしています。」

2016-03-19 07:17:17 | 日記

当院で「美顔鍼」とか「不妊症」の治療を受けている方から『ことぶき堂鍼灸院では腰痛の治療もしていますか?』と聞かれることがあります。

知り合いに「腰痛」でお悩みの方がいて当院を紹介したいと言う事です。

当院は鍼灸治療と北川式美顔鍼とビワの葉温灸の治療院なので「腰痛」の治療もしています。

「美顔鍼」とか「不妊症」の場合は「本治法」が刺さない鍼で気を操作する「積聚治療」なので腰痛系の治療をしていないと思われているようですが、腰痛の治療もしております。

当院の「腰痛」治療について以前のブログからご紹介してみたいと思います。

 

坐骨神経痛の急患が来院、痛くて痛くて堪らないとの事でカルテを書くのも苦しそうでした。

話を伺うと、左の腰から左足先まで痛みが激しく、大腿の後ろ側の痛みが一番強いそうです。

当院に来る前に市内の病院でMRIを撮り「坐骨神経痛」の診断が出たそうですが、治療は飲み薬しか処方してもらえず、痛みに余り効果がないとの事でした。

そこで最後の手段で藁にもすがる思いでネットで鍼灸院を探し出したのが当院でした。

四診すると「坐骨神経」の走行ラインに反応が出ています。
当院では「積聚治療」と「澤田流太極療法」の異なる治療法を用いるのですが、今回は痛みが強いので「澤田流太極療法」を用いて治療をしました。

使用する経穴は「澤田流の基本穴」と木下春都先生の腰痛の経穴を使い、腰部にびわの葉温灸を行いました。

鍼は初めての患者様でしたが鍼を刺すと患者さんが「体の中をクラシックが流れる様な感じがする。」と感嘆の言葉をもらしました。

実に芸術的な表現ですね。腰に刺した鍼が足先まで響き気持ちがいいとの事でした。

鍼を刺された所が心地よく「こんなに気持ちが良いのは久しぶり。こんなことなら早く鍼に来れば良った。」との事でした。

鍼の治療中に良くお眠りになって居たので本当に気持ちが良かったのでしょう。

右の腰に鍼を刺すと左の足先に響くそうですから、鍼の刺激が体質に会うのでは思います。

腰の痛みはクラシックの響きと共に消え、治療を終えると「緑の森の中に居る様に気持ち良いと。」感想を話して呉れました。

治療後は全身の筋肉が緩み大変眠いと仰るので、運転に気を付けて帰る様にお願いいたしました。





 


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壽堂日記28年3月17日「美容鍼は花粉症にも効く?」

2016-03-17 05:14:51 | 日記

当院では「北川式美顔鍼」による美容鍼の施術をいたしております。

この時期は花粉症の方も美顔鍼を受けに見えられますが施術後に『鼻の通りが良くなりました、美容鍼は花粉症にも効果があるんですね。』と驚かれます。

鍼灸治療は「花粉症」にも有効です。「ことぶき堂鍼灸院」では基本的には本治法で治療、その後に標治法で「花粉症」の鍼灸治療をしています。


考え方として「花粉症」は鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)ですから、抗アレルギーの治療をすれば良いわけですが、鍼灸治療としては自律神経機能の調整を目的とした鍼をします。


本治法により体の「冷え=精気の虚」を補えば「花粉症」症状は緩和するのですが、当院では更に標治法で「印堂」「上星」「迎香」「合谷」などの経穴を使用し頭目を清利、鼻腔を宣通させます。

当院の美容鍼は「本治法」後に「標治法」でお顔に鍼をいたしますが、「印堂」「上星」「迎香」「合谷」などの経穴も使用しますので「美顔効果」と併せて「花粉症」に対して頭目を清利、鼻腔を宣通させる効果もあります。


「美容鍼」の施術でありますが「花粉症」の強い方には東洋医学的に鼻と関係の深い臓腑は「肺」となりますので、肺経を用いて「山根(奇穴)」「魚際」「孔最」「上星」などを使う事もあります。

 


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壽堂日記28年3月15日「顔の筋肉が凝っています?」

2016-03-15 07:15:12 | 日記

女性の方から「頸凝り肩こりが酷く、頭が痛く、顔の筋肉が凝っていて、寝ていると顎の関節が痛いです。」と相談を受けました。

腹診すると胃の付近が硬く冷たく、体の深部の冷えが伺われます。

今回は先ず「脾虚証」として本治法を行い、その後に局所治療を行う事にしました。本治法を行い「虚している」「脾気」を補うだけで、症状が改善するはずです。

治療するに従い、身体の上部に昇っていて「頸凝り・肩こり・頭痛」を引き起こしていた「気」が下り、気血水の流れが調えられ、症状が改善して来ました。

本治法の後は頭部に「四神聡」をして、その後に顔面に鍼を軽く刺します。顔面の鍼は美容鍼用の物を使用しましたが患者さんから「その鍼は全然痛く無いですけど美容用の鍼ですか?」と質問されました。

当院で使用する美容鍼は北川先生が国内メーカーと開発された高品質の鍼でとても鋭く、刺される時の痛みは殆どありません。

お顔に鍼を刺してしばらくすると患者さんから「顔が暖かくなって来ました。」と報告がありました。治療前は白く冷たかったお顔に赤みが差してきて、凝りが緩み血流が回復して来たのが確認できます。

最後に顎関節に刺さない鍼を当て、筋の凝りを緩めて終了です。

治療後に患者さんから「口角が上がる様になりました、こんなに顔の筋肉が凝っていたんですね。」と感想を頂きました。

鍼灸で全身の気の流れを調え顔の筋肉を緩めたので今晩は良く眠れると思います。


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