茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記27年12月26日「鍼灸は免疫系を活性化する?」

2015-12-26 07:00:09 | 日記

当院では鍼灸によるがんの患者さんに疼痛緩和ケアを行っております。

患者さんから『鍼灸は免疫作用を高めますか?』と質問されました。

鍼灸施術の治療的作用の中には「鎮痛作用」「防衛作用」「免疫作用」があります。

「鎮痛作用」は内因性モルヒネ様物質あるいは下行性抑制などの機序により、鎮痛作用が発現するとされています。

「防衛作用」とは白血球や大貪食細胞などを増加させて、各種疾患の治癒機能を促進させ、生体の防御機能を高めるとされています。

「免疫作用」とは免疫能を高める作用ですが、鍼刺激による免疫系への影響は神経系、内分泌系および免疫系の応答による末梢の反応に加えて、中枢の関与による相補的な効果と考えられています。

血液中の生体防御機構として働く補体系、肥満細胞、プロスタグランジン、サイトカイン、B細胞、T細胞、リンパ球に対するβーエンドルフイン、NK細胞など様々な要素がありますが、鍼刺激により血中へのT細胞やNK細胞の移行が促進することが動物やヒトで報告されています。

鍼灸刺激による免疫系への作用は自律神経を介した作用である可能性が示唆されています。

自律神経は免疫組織に分布しており、免疫組織の血管を支配する事により組織内の血流を調節する関接作用と、免疫担当細胞に直接作用する働きがあります。

鍼灸治療は鍼・灸により自律神経系、内分泌系、免疫系に刺激を与え生体の恒常性維持機構の賦活を導きだす治療法とされています。

ですから鍼灸で直接がんが治癒することは残念ながらありませんが、免疫系が活性化することで体調が良くなることはあります。


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壽堂日記27年12月20日「むち打ち損傷の鍼灸治療。」

2015-12-20 06:34:14 | 日記

交通事故で「むち打ち損傷」になられた方からお問い合わせを頂きました。

当院では交通事故による「むち打ち損傷」の自賠責保険による鍼灸治療を行っております。

「むち打ち損傷」の治療で鍼灸治療と思われるかも知れませんが、「頸椎症」や「むち打ち症」には鍼がとても効果的です。

整形・整骨などで行う、牽引は頸の椎骨動脈が「むち打ち」の衝撃で折れ曲がっているときやヘルニアでは、牽引によって頸椎を引き伸ばし、椎骨動脈を真っ直ぐにしたり、椎間板内を陰圧にしてヘルニアを引っ込めたりします。

「むち打ち損傷」=外傷性頸部症候群(TCS)の治療について、ケベックWAD(むち打ち症関連障害)重症度分類では頸椎牽引は他の治療法との併用を推奨しております。

治療についてお医者さんの指示に従うのは当然ですが、頸椎牽引・物理療法(温熱、マッサージ、低周波)の他に鍼灸治療も選択肢に入れておくと良いと思います。 

交通事故による「むち打ち損傷」ではありませんが、スポーツ傷害による「頸椎症」で何十年も辛い症状に悩まされていた方が、当院で鍼灸治療を受けられ良くなっていく例を間近で見ても鍼灸治療は「外傷性頸部症候群(TCS)」の治療に非常に有効であると思います。

患者様個々の症状に合わせて治療するのが、なにより重要です。

当院では熟練の手技と鍼と灸のみで、常に患者さんの傍らに付き添い治療いたします。

頑固になった「むち打ち損傷」の症状は、なかなか簡単にほぐれたり、治ったりするものではありません。

1治療方針
当院では「むち打ち損傷」=外傷性頸部症候群(TCS)の治療について、ケベックWAD(むち打ち症関連障害)重症度分類により治療計画を作成しております。 
GradeⅡまでは鍼灸治療を併用するのが非常に効果的です。GradeⅢ以上は外傷性頸髄・神経根損傷にカテゴライズされておりますので当院ではGradeⅡまでの外傷性頸部症候群(TCS)の治療を行っております。

2受傷機序
効果的な治療をするには「むち打ち損傷」の受傷機序について考えて治療することが非常に重要です。


まず 、追突衝撃により、体幹が前上方に投げ出される様な力がかかり、頭部は慣性によりその場に残るため、相対的に上位頸椎は屈曲位、下位頸椎は伸展位となり、その後に全頸椎が伸展位を取るという、頸椎椎間関節への圧迫負荷による障害を受けます。

さらに、上位頸椎後方を支えている後頭下筋群や、大小後頭神経等の軟部組織も急激な屈曲に伴う過伸展に大きなダメージを受けます。当院の「むち打ち損傷」の治療ではこの受傷機序を前提に患者様の体を診ながら適切な場所に治療いたします。

3治療内容
受傷機序から、まず「後頭下筋群」に対する治療を行います。


後頭骨と頸椎からは様々な神経が出ています、大後頭神経・小後頭神経・大耳介神経・頸横神経・顔面神経などが代表的な物ですが、こうした神経は筋肉が痙攣すると圧迫されおかしくなります。


これらの神経の根部を締め付けているのは、上頭斜筋・後頭直筋 ・大後頭直筋・下頭斜筋などになりますので、これらの筋肉を緩めて神経の圧迫を取り除くため、その筋肉に対してアプローチいたします。


次に「頸部浅層筋」に対する治療を行います。僧帽筋・胸鎖乳突筋 ・頭半棘筋・頭板状筋・頭最長筋などは急性期の筋痛が改善した後も、凝り感が続く場合が多く、その場合は緊張や循環の改善を目的として「頸部浅層筋」に対するアプローチをいたします。


当院では、ごく細い鍼を使用し筋肉を緩め、頸部の血流を改善する治療を行い、さらに円皮鍼を使用し鍼の効果を持続させる治療をしております。なぜ鍼で痛みが軽減し、筋肉が緩み、血行が良くなります。


当院では土日も開院しておりますので、安心して治療に専念出来ます。


当院では個々の患者様に合わせた治療計画を考え、早期回復、早期職場復帰を目指し治療しております。

多くの方が事故後、当初は痛みがそれほどで無かったとしても、運が悪く示談後の1~6ケ月後に症状が出てくるケースもありますので、まずは少しの痛みだけだったとしても、示談前にしっかりとした鍼灸治療を受けられることを当院では強くお勧めしております


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壽堂日記27年12月19日「「鍼灸+ビワの葉温灸・がんの疼痛緩和治療。」

2015-12-19 06:15:54 | 日記

「ことぶき堂鍼灸院」ではがんの患者さんに疼痛緩和を目的として新鮮なビワの生葉を使用した「鍼灸治療+ビワの葉温灸」の治療を行っております。

「鍼灸治療+ビワの葉温灸」は抗がん剤治療の副作用を緩和する効果があると考えます。


びわの葉の薬効は科学的にも、下記のような効果確認されています。

①白血球の活動を活発にし、免疫力を高める
②赤血球や血小板などの血液成分の働きが旺盛になる
③血液を弱アルカリ性にする
④グローミューを再生・強化する

グローミューというのは、動脈と静脈を結んでいる毛細血管のバイパスの役割をするもので、全身のいたるところに存在し、このグローミューがしっかりとしていることで、血行が良くなり体の隅々まで酸素を送り、組織のガス交換を促進させ、新陳代謝を活発にさせます。

生活習慣の乱れやストレス、老化などでこのグローミューが萎縮したり消失したりすると、血行が妨げられて、体全体の代謝活動が損なわれ色々な病気が発生する下地を作ることになります。

また鍼灸については米国では米国食品医薬品局(FDA)が鍼灸の効果を認めており。がん治療では、主に以下の症状の管理に用いられています
• 痛み。
• 疲労。
• 化学療法により生じる吐き気と嘔吐。
• 体重減少。
• 不安。
• 抑うつ。
• 不眠。
• 食欲不振。
• ドライマウス。
• ほてり。
• 神経障害。
• 便秘と下痢。
 がん患者さんを対象とする場合、鍼灸は主に従来療法(標準治療)に追加する形で使用されます。

残念ながら鍼灸で「がん」が治ることはありませんが抗がん剤の副作用の緩和やQOLの維持に有効です。

当治療院では鍼灸治療で体全体の「気」の流れを調え、「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用することで自律神経系や内分泌系(ホルモン系)を調整し、体内活動を活性化してストレスに対する抵抗力を強め自己免疫力を高める治療を行っております。


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壽堂日記27年12月17日「乳癌手術後の疼痛緩和ケア。」

2015-12-17 06:57:54 | 日記

「乳癌の手術後の疼痛に悩まされている。」と患者さんが見えられました。

当治療院では「疼痛緩和ケア」を施術しております。

鍼と灸は痛みの軽減に非常に効果があり特に「がんの術後の疼痛緩和」には非常に有効です。

患者さんは「乳癌」の手術歴があり、手術した側の胸肋部から背中・上肢まで痛みが広がり、肩こりが酷く頭が痛いと言う事です。


「乳癌の術後の疼痛」に悩まされている患者さんは非常に多いのではと思います。

ご本人は「転移」の可能性を心配されて「病院」での精密検査を受けたそうですが異常なしと言われたそうです。

今回は鍼灸治療としては刺さない鍼を使用する「積聚治療」を用いて「本治法」を行い、身体の「陰陽バランス」の回復を目的とした治療を行いました。

痛みは「不通則痛」と言われ「気」が滞ると起こります。特に手術などの痕が瘢痕化したりすると気血水の流れが悪くなり痛みが起こりやすいのです。

治療の最後にMT温灸器とビワの葉温灸を使い気血水を優しく全身に流すと、「痛みが棘を抜く様に消えていく。頭痛も良くなりました。」と感想を伝えてくれました。

当院では鍼灸治療+温灸器+ビワの葉温灸を併用して「疼痛緩和」の治療効果を高めています。


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壽堂日記27年12月16日「冷え症で夜眠れない?」

2015-12-16 06:23:55 | 日記

12月も中旬になり朝晩冷え込む様になりました。

今回来院された方は「腰痛」と「冷え性」が酷く夜眠れないと言うご相談でした。

この方の「冷え性」は夏場でも夜足先が冷たくて眠れない程で、触診したら手足の先が氷の様に冷えていました。
「腰も足先から冷えが昇ってくる感じです。」とのことで、触るととても冷たく凝っています。

今回の患者さんの「腰痛」の原因は「冷え」が原因ですね。
具体的には五臓の気が虚しているのが原因で、今回は腎の気が虚している「腎虚証」とし証を立て治療しました。

鍼灸では「手足の症状には体幹部を刺し」「体幹部の症状には手足を刺す」というのが基本です。

今回は「冷え」の症状が強く、体幹部と手足の症状が出ているので「本治法」は積聚治療で五臓の気を補い局所は「澤田流太極療法」を使い治療してみました。

鍼を刺すと患者さんから「手足がじわ~として来ました。暖かい物が指先に動いていくのが分かります。」と言われました。

今回の症は「腎虚証」で取りましたので、背部の腎のツボに鍼と灸をして、更に「ビワの葉温湿布」をすると「腰がとても温まり痛みが治まりました。」と言われました、治療を終えると手足の先まで気血が流れ「ぽかぽか」との事でした。

鍼灸治療は気血水の滞りによる、各種の痛みや冷え性によく効きます。


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