茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記29年12月12日「妊活・冷え性の治療。」

2017-12-12 08:00:33 | 日記

「妊活」のため当院の鍼灸治療を定期的に受けている患者さんから『夫から今年の冬は私の体が去年に比べて温かいと言われました。』と報告を受けました。

当院では「妊活」には「冷え」「お血」「ストレス」の改善が重要と考えていますが、冷え性の原因の一つとしては「腎の温煦作用」の低下が考えられます。温煦作用とは身体を温める働きの事です

この方の場合は手足と腰・お腹の冷えが強く感じられ、腎の気が虚している「腎虚証」として治療していました。

「腎虚証」の中の「腎陽虚」であるため温煦作用、気化作用の低下が起こり腰や膝の軟弱化と冷え、四肢の冷えが起きたようです。

鍼灸では「手足の症状には体幹部を刺し」「体幹部の症状には手足を刺す」というのが基本です。

「冷え」の症状が強く、体幹部と手足の症状が出ているので「本治法」は積聚治療で五臓の気を補い局所は「澤田流太極療法」を使い治療しています。

鍼を刺すと患者さんから「手足がじわ~として来ました。暖かい物が指先に動いていくのが分かります。」と言われます。

背部の腎のツボに鍼と灸をして、更に「ビワの葉温湿布」をすると手足の先まで気血が流れ「ぽかぽか」します。

鍼灸治療は気血水の滞りによる、各種の痛みや冷え性によく効きます。


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壽堂日記29年12月5日「腰痛で足が痺れる?」

2017-12-05 10:18:02 | 日記

『腰痛で足が痺れます。』と患者さんが見えられました。お話を伺うと病院で腰椎の癒着があると診断されたそうです。

病院では痛み止めと湿布が処方されたそうですが、外科的な措置は難しい様です。

伏臥位で背部を軽擦すると腰部の脊椎に数か所突出している部分が観察されます。また肩部は筋肉が固まっていて脊柱起立筋が頸から腰までが厚く固くなり、両方の臀部の筋肉が固く小野寺臀部点に著明な圧痛があり下腿も筋肉の緊張と圧痛が認められました。

痛む場所は坐骨神経の走行ラインと合致している様であり、足の痺れも坐骨神経の症状の様に思えます。

当院では「経絡治療」が確立される前の古流の鍼灸術である「澤田流鍼灸術」と「経絡治療」とを併せて使用して治療しています。

今回は先ず「腎虚証」で証を立て虚している「腎の気」を補い、その後に澤田流鍼灸術を使い肩部と腰部と下腿の凝りを緩め腰陽関と仙骨周りを箱灸で温めた後に脊椎の異常のある部分にビワの葉灸を行いました。

背面で治療を終えて、今度は仰臥位で治療、両足の膝陽関と血海に鍼とお灸をして最後に四関穴に鍼をして経絡の流れを調えました。

患者さんは治療を終えて『腰の痛みが全然違います、足の痺れが無くなりました。』と喜んでお帰りになりました。

 


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