茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記29年1月30日「子供を抱いて腰を痛めた。」

2017-01-30 07:14:40 | 日記

当院で「不妊症の治療」を受け妊娠・出産された方から、『夫が子供を抱いて腰を痛めたので鍼で治療をして下さい。』と依頼を受けました。

診察をしてみると腰だけでなく腕・肩もコリコリで、全身の筋肉が張っています。お子さんを抱くのは腕・肩も使いますよね。

全身の筋肉を緩めるためには体全体の気血の巡りを良くする事が重要です。まずは「積聚治療」で精気の虚を補い、気血の流れを調えました。

その後に標治法として腰椎と仙骨に箱灸を行い、ビワの葉温湿布でじんわりとビワの葉の成分を浸透させ最後にMT温灸器を使い経絡に沿って温灸マッツサージすると全身の筋肉が緩み腰の痛みが和らぎました。

お子さんは生後3か月で7kgあるとの事です。嬉しい重みですね。


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壽堂日記29年1月28日「踵が痛くて堪らない?」

2017-01-28 07:07:57 | 日記

『踵が痛くて足を床に着くことが出来ません。鍼灸で治療できますか?』と患者さんがお見えになりました。

診察すると数十年前に骨折の経験があり、足首から踵骨までが硬く太く、足底が氷の様に冷えており、足の痺れもあり、腎経の然谷付近の圧痛が著明で、何年も前から痛くて数メートル歩くのも辛いということです。

「踵の痛み」の鍼灸処方は多くありますが、鍼灸が初めてと言う事なので、本治法は「積聚治療」の腎虚証で腎の気を補い、標治法は澤田流鍼灸術を使用して「崑崙・太谿・大鐘・承山」に鍼をした後に四畔(しはん)と然谷にお灸をして治療を終え、様子を見てもらう事にしました。

治療後には症状が改善し『足を床に着けることが出来ます。』と喜んで頂きました。

今回は腎の気が虚しているところに、ここ数日の寒さが影響して、痛みが増悪したようです。


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壽堂日記29年1月17日「足先が痺れ膝が痛い?」

2017-01-17 08:52:49 | 日記

『右足の先が痺れて膝も痛い。』と言う患者さんがお見えになりました。

触診すると『右足の指先から脹脛(ふくらはぎ)・太もも・臀部に電気が走る様な痛みと痺れ、膝の痛みと左足の脹脛(ふくらはぎ)も痛み、また下腹部(臍の下の恥骨結合の上縁部)に痛みがある。』との事です。

診察すると右足の膝上に硬結があり両足先が氷の様に冷たく、右足・左足とも筋肉が固く凝っている状態です。

痛む場所は坐骨神経の走行ラインと合致している様であり、坐骨神経の症状の様に思えます。

恥骨結合の上縁部は任脈上の曲骨穴と呼ばれるツボがありますが東洋医学の腹診では「腎のエリア」となります。

腎が虚していると此処に痛みが出ることが多いようです。腎の気が虚している事が経絡を通して足先まで影響を与えている様です。

また大地の冷気が足先から膝を経由して少陰腎経を通り恥骨結合まで上って来ているようです。

今回は腹診して曲骨穴付近の圧痛が最も顕著であるので「腎虚証」として治療を進めて行く事としました。

腹部接触鍼・脈調整をして背面部に丁寧に鍼をしていくと、徐々に背面と足の筋肉が緩んで来ます。足も暖かくなって来ました。

基本治療を終えて督脈上の腰陽関に箱灸をしながら、臀部と下腿の坐骨神経のラインを意識して鍼をすると患者さんから『足に何かしていますか?足がジュワージュワーとして暖かい物が流れて行きます。』との事。

「鍼をしています。」と答えると『鍼を刺したのに全然気が付きませんでした。』と答えが返って来ました。

鍼をすることで体全体の気血の流れが良くなり、冷えていた足先に気や血流が回復するのでジュワージュワーと感じるのですね。

鍼は痛いと思われ勝ちですが、鍼管を使い細い鍼を刺すと痛みも無く、刺された事に気が付かない事も多いですね。

今度は「腰陽関」にお灸をして熱をじんわり浸透させます。「腰陽関」は下肢の疾患に効果があり、神経痛・関節炎・膝痛・下肢麻痺等の他に腰部と下肢の冷感に効きます。

背面で治療を終えて、今度は仰臥位で治療、右足の膝陽関と血海に鍼とお灸、膝陽関も膝関節炎・外側大腿皮神経痛・下腹部の冷え込みを治する名穴とされ腰陽関と膝陽関は響きあう関係と言われています。

膝陽関にお灸をすると患者さんから『そこ気持ち良いですね。』と感嘆の言葉が漏れました。

今回の足先の痺れは冷えと坐骨神経が直接の原因の様でしたがその根本には「精気の虚」があります。

患者さんは治療を終えて『足の痺れが無くなり温まりました。』と喜んでお帰りになりました。


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壽堂日記29年1月16日「頭痛・肩こり・冷え?」

2017-01-16 07:20:10 | 日記

朝寒い日が続いていますね。頭痛・肩こりの症状が酷いと患者さんがお見えになりました。

『強い頭痛で仕事が手につかない、妊娠を希望しているので薬を飲みたくない。』鍼灸で治らないかと言う事でした。

体を診察すると手足の先が冷たく、お腹もおへその下がヒンヤリしています。圧痛は曲骨上が一番強く出ています。

冬のこの時期は頭痛・肩こり・頸凝り・冷え症を同時に訴える方が多いです。

これには理由があります。体を陰陽バランスで捉えると陰の気が弱まることで体の上部に陽の気が昇り、上部に気が充満することで頭痛・肩凝り・頸凝りを引き起こすのです。

ですから大本の原因である「冷え=精気の虚」を補い陰陽バランスの崩れを調えると「頭痛」「肩こり」「頸凝り」も改善します。

今回は本治法で「腎虚証」で治療すると、頸部・肩部の凝りも緩み始め体が段々温まって来ました。

その後に標治法で頭の痛いところに鍼をして治療を終えましたが、治療後は『全然頭が痛く無い!』と感心していました。

頭痛に鍼はよく効きます。


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壽堂日記29年1月13日「冷え・のぼせの鍼灸治療。」

2017-01-13 08:13:01 | 日記

寒中に入り寒い日が続きますね。

「冷え・のぼせ」を治療して欲しいと女性の患者さんが来院されました。

症状的には、顔面が紅潮・頭痛・肩凝り・背部痛・腰痛・手足の冷え等でした。

主訴は「冷え・のぼせ」で頭痛・肩凝り・背部痛・腰痛は「上実下虚」の症状と思われました。

この症状は、気が体の上部に昇ることで、気が充満した部分で頭痛・肩凝り・背部痛等が起き、気が虚した下部で虚痛が起きていると考えられます。

その根本は「冷え=精気の虚」が原因であると考えられます。

脈診したところ、脈は遅脈で左の脈が全体的に沈み、陽気不足、虚寒で新陳代謝が衰えていることも伺えました。

鍼の治療で、精気の虚を補い、気を下げる治療を行ったところ「冷え・のぼせ」の症状が治まり、体も温まり、全身の筋肉の凝りも緩みました。

治療後に患者さんから『冷え・のぼせの症状で西洋医学のお医者さんに行っても、病気では無いと言われますが、鍼灸だとちゃんと治療して症状も改善するのが本当にありがたいです。鍼灸治療を受ける事が出来て良かった。』と言われましたが、治療家としては有難いお言葉ですね。


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