茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年8月28日「腰痛・臀部から足先まで痛みが走る?」

2016-08-28 06:06:40 | 日記

『腰から臀部・足先まで痛みが走り痺れて足が床に突けない。』と患者さんが来院されました。

診察すると、右腰の大腸兪付近から右臀部の上髎、右胆経ラインに沿って反応があり、脊柱起立筋・大殿筋・腓腹筋などが固くなっており、触るだけで足先に電撃が走るそうです。

これらの痛みの原因は右腰の大殿筋にあるようです。大殿筋が固くなり、大坐骨孔から出てくる神経を圧迫しているようです

「何時ごろから痛み始めましたか?」と伺ったら『一週間前から。』とのことです。お仕事が忙しくて治療に来る時間が取れなかったそうです。

痛みが強く腹臥位になれないので今回は側臥位で澤田流太極療法を用い鍼とお灸併用、基本穴に加えて大腸兪・上髎・風市・委中・陽陵泉・承山・跗陽に鍼をしてからお灸をして、経絡に沿って温灸器をかけたところ『痛みがすごく楽になりました。来 た時と全然違います、足が床に突けます。』との事です。

当院は土日も通常営業しておりますので、時間が取れたら治療を受けに来られるという事です。お大事にしてください。


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壽堂日記28年8月25日「全身に気が流れるのを感じる?」

2016-08-25 06:52:42 | 日記

不妊症の治療を受けに患者さんが見えられました。

今回は生理痛と前頭部痛が特に辛いと言う事でした。アスピリンを服用されている為刺す鍼は使えません。

当院では刺さない鍼を使用する「積聚治療」と言う手技で治療しますので抗凝結薬を服用されている方でも安全に治療できますが、頭痛は刺せると治療効果が高いのですが、ここは一つ工夫してみましょう。

通常の通りに腹診すると子宮周りの血流が滞っている感じがします。頭痛も上実下虚が原因かと思われます。

最初に「本治法」で治療をした後に漢方成分入りのお灸で治療をすると、

『あんなに辛かった生理痛と頭の痛いのが治りました。治療を受けていると全身を気が流れる感じがして、特にお腹にお灸をすると暖かい物が足先まで流れて行くのが分かりました。これが気ですか?』

『前回の治療の時も気が流れるのを感じましたが、今日は一段と良くわかります。』

『先生が気功を流しているのかと思いました。』との事でした。

東洋医学は「気」の概念に基づく治療ですが鍼灸治療は「気功術」ではありません。鍼灸治療は患者さんの体の中の「気」を動かし冷えを取り症状が改善することを目的します。

刺さない鍼を使い「気」を動かす手技であるから一層そんな感じがするのかもしれません。

 何回か鍼灸治療を受けると体の中の「気」の流れを感じ取る事が出来る様になる患者さんが居られますが、「気」を感じ取れなくても治療の効果は出ますのでご安心ください。


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壽堂日記28年8月24日「不育症とストレスの関係は?」

2016-08-24 06:41:17 | 日記

当院では東洋医学的な考え方に基づき「不妊症」「不育症」の鍼灸治療を行っております。

当院では「不妊症」「不育症」のいずれも「体の冷え」と「ストレス」と「瘀血」が大きく影響していると考えています。

西洋医学的には「女性不妊」の主な原因といわれているのが、「子宮筋腫・子宮内膜症」「卵管障害」「排卵障害」「高プロラクチン血症」「黄体機能不全」などです。

「不育症」では「染色体異常」「子宮異常」「内分泌異常」「凝固系異常」「免疫異常」など様々な原因があげられています。

また、西洋医学でも要因として不妊症・不育症の原因といわれているのが「体の冷え」と「ストレス」です。

体が冷えていたり、ストレスで緊張していたりすると、体は委縮し、血液の循環が悪くなってしまいます。

その結果として、子宮内の血流が滞ったり免疫力の低下やホルモンバランスが崩れるなどの、変化が起こってしまうのです。

「不育症とストレス」の関係についてですが

「ストレス状態」の時に視床下部から神経伝達物質としてセロトニンが多く分泌され、その刺激によりプロラクチンの分泌が促進されます。

プロラクチンは子宮内の免疫細胞を活性化させ、その結果として免疫伝達物質が放出され、胎盤組織における血管細胞の障害を引き起こし、凝固系が活性化し、微小血栓形成による虚血が起き、胎児死亡が引き起こされることがあります。

また「ストレス状態」の時に、女性ホルモンの分泌が低下すると、細胞免疫が活性化してナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化されます。

アドレナリンの分泌亢進でもナチュラルキラー細胞(NK細胞)は活性化されます。

NK細胞が活性化すると子宮内の血管内胎児細胞が障害されその結果として胎盤内腔が高圧となることもあります。

「不育症とストレス」は密接な関係があります。西洋医学的な治療を受けつつ東洋医学で「体の冷え」と「ストレス」と「瘀血」の改善を図る事も治療の選択肢の一つでは無いかと考えます。


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壽堂日記28年8月21日「全体治療+北川式美顔鍼の効果は?」

2016-08-21 06:37:17 | 日記

当院は「北川式美顔鍼」の治療院です。

先日「北川式美顔鍼」を受けて見たいとお見えになったお客様が再来院されました。

前回の美容鍼を受けた翌日にお友達から「肌の透明感が増して色が白くなった。」と言われたそうです。

ご自分でも美顔鍼の効果を実感して定期的に美顔鍼を受ける事としたそうで、美顔鍼の回数券をご購入いただきました。

一口に美容鍼といっても施術の方式として「全体治療+美容鍼」と「美容鍼」単独の二種類のスタイルがあります。

「全体治療+美容鍼」の施術をするところは少ないようですが当院では「美容鍼」の前に「積聚治療」による全体治療を行い、その後に「北川式美顔鍼」による施術を行うのがスタンダードとなります。

美容鍼の前に全体治療を行うことにより、体全体の気・血・水の流れを調えると、美容鍼の効果と持ちが違います。美容鍼も全身の治療が大切です。

「東洋医学」では、五臓の状態が顔に表れると言う考え方があり「顔は五臓の鏡」といわれます。

具体的な例を挙げますと、
・肝の働きが悪いと、お血と言われる目の下のくまが出来たり。
・脾の働きが悪いと顔色が黄色く萎びて見えたり。
・肺の働きが悪いと吹き出物・肌荒れが起きたり。
・腎の働きが悪いと顔色が煤けた様に黒くなったり、浮腫んだり、髪が白髪になったりします。

当院ではお客様のお顔に鍼を刺すだけの美容鍼ではなく、根本にある様々な症状の「本」となっている五臓の状態を調える「本治法」により治療し、その後に顔に鍼をする「標治法」により五臓の失調でお顔に生じた症状を改善するのを基本としております。

美容鍼のお客様の多くは「私は体の具合が悪い所はありません。」「美容鍼に来たのに何故体全体に鍼をするのですか?」と質問されます。
しかし良く話しを伺うと、肩こり・頭痛・冷え性などの症状をお持ちの方が多いのです。

今日のお客様は目尻のしわ・肌のくすみ・ほうれい線の改善がご依頼でしたが冷え性・肩こり・頸凝りも気になると言うことでした。

東洋医学的に診断して証を立てると今回は「脾虚証」となり全体治療は「脾虚証」で進めることとしました。

「脾虚証」は詳細にみれば「脾虚肝実お血証」となります。

こ の証は「右脇下のお血」と「下腹部のお血」が原因となる場合があり、女性は「下腹部のお血」が多く、「月経不順」「産後の不摂生」などが原因となり「下腹 部お血」があると冷えのぼせ・頭痛・ノイローゼ・血の道症・月経不順などの各種婦人病・蕁麻疹などの各種皮膚病などになりやすくまた目の病気はお血が関係 していることが多いのです。

また「下腹部お血」のある人はシミが多く顔面が赤黒くニキビが出やすくなります。

目の下のくま、肌のくすみなどは「肝実お血証」が原因であることが多いのです。ですから「ただ顔に鍼を刺すだけ」では期待する効果が出にくいのです。

「肝実お血証」なのに何故「脾虚証」で治療するのかと言えば「肝」が実することにより相克関係にある「脾」が虚しているからです、東洋医学では「先ず補ってから寫す」というのが原則にあり「脾虚肝実お血証」の場合も「脾」を補してから「肝」を寫す事になります。

全体治療後「美容鍼」は「北川式美顔鍼」で施術し、短鍼を使い鍼管を使わず二指推鍼法でお顔に30本を刺して置鍼しました。

「全体治療+美容鍼」を終えますと、目尻のしわ、肌のくすみが改善され、お肌が白くなり透明感が増しました。

お客様も「肩こりがスッキリ、目が開くようになり、視界が明るい、体がぽかぽかする。」「美容鍼も全身の治療が大切なんですね。」「とても気持ち良くこのまま寝たい。」とのことでした。



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壽堂日記28年8月18日「自宅で出来る養生灸。」

2016-08-18 06:11:30 | 日記

8月もお盆を過ぎ連日の猛暑で、何となく体の調子が悪い、体が重怠いと言う方が多いのではと思います。


よく慢性疲労に効くと言う機能食品の広告をネットでも見かけますが、鍼と灸も慢性疲労に効果があります、東洋医学は養生法の宝庫ですから「未病を治す」というのは古医書「霊枢」の有名な言葉です。

慢性疲労が蓄積すると五臓の陰陽バランスが崩れ免疫力が落ちてきて病気になりやすくなります。
薬店に行くと台座がついたお灸が売っていますが今日は家庭で出来る養生灸について少しお話してみたいと思います。


免疫力を落とす原因の一番はストレスです。慢性疲労の患者さんを治療していると、肩背部の凝りや痛みが強い方殆どです。
それはその部分に人の精神活動をつかさどる経穴が集中しているためです。精神活動は五志と呼ばれそれぞれ五臓に配当されているのですが、仕事をしたり勉強をしたり緊張状態に長く置かれていると五志を主どる部分の経穴が凝るという現象が起きるのです。

当院では慢性疲労の患者さんにはお灸で、気を補います。よく使うのは「五華の灸」と言う身柱・膏肓・膈兪の経穴を使います。身柱は督脈上にあり一穴、他は左右に2穴あり、計五穴となります。お灸をい置いた形が五角形なので「五華の灸」とよばれます。
身柱はちりげの灸で有名な経穴で小児の病はこれと関元で治ると古来からいわれてきました。
あるいは「胃の六灸」膈兪・肝兪・脾兪の左右6穴を使ったりします。この経穴の組み合わせは胃腸の調子を調え後天の精の供給を助け疲労を回復させます。
元気を出すには脾と胃の経絡を調えるのが重要ですから胃経の足三里と脾経の三陰交にお灸をするのも良いですね。

背中に五華の灸をしていると、気持ち良くて眠ってしまう患者さんが殆どです、交感神経の興奮を緩和するためであろうかと思いますが、治療を終えて起こしますと皆様スッキリした顔をされていますね。


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