茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年1月27日「踵が痛くて歩けない?」

2016-01-27 08:42:47 | 日記

先週末『踵が痛くて歩けません。鍼灸で治療できますか?』と患者さんがお見えになりました。

診察すると数十年前に骨折の経験があり、足首から踵骨までが硬く太く、足の痺れがあり、腎経の然谷付近の圧痛が著明で、何年も前から痛くて数メートル歩くのも辛いということです。

「踵の痛み」の鍼灸処方は多くありますが、鍼灸が初めてと言う事なので、浅鍼で治療する事とし「崑崙・太谿・大鐘・承山」に鍼をした後に四畔(しはん)と然谷にお灸をして治療を終え、様子を見てもらう事にしました。

その後連絡を頂き、治療後に痛みが和らいだので、しばらく鍼灸治療を続けてみたいと言う事でした。

今回は腎の気が虚しているところに、ここ数日の寒さが影響して、痛みが増悪したようです。

 


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壽堂日記28年1月26日「がんの疼痛緩和と内臓下垂。」

2016-01-26 06:06:12 | 日記

がんの疼痛緩和のため「鍼灸+ビワの葉温灸」の治療を受けに患者さんが見えられました。

お話を伺うと、痛みで眠れない、全身の倦怠感と疲労感、内臓下垂が特に辛いと言う事でした。

 

「痛み」というものを、東洋医学では「気」であると考えます。

気血が阻滞すると痛みが発生する事を「不通則痛」と言い。

気・血・精の不足などで臓腑・経絡が滋養されないと痛みが発生する事を「不栄則痛」と言います。

つまり東洋医学では「気」の異常が「痛み」であると考えます。

東洋医学に対して西洋医学では「痛み」は感覚神経の異常、あるいは神経の異常興奮だという考え方があります。


内臓下垂と云うと胃下垂、子宮下垂、子宮脱、脱肛など様々な症状がありますが、東洋医学的には内臓下垂は脾の気の減退による昇挙作用の衰えが原因と考えられています。

脾は昇清作用を主り、臓腑が下に下がらない様に脾気が働くのですが脾の気が虚しているため内臓を支えきれず、内臓下垂が起きると考えられています。

がんで胃の手術をされているとの事なので「脾胃の気」が衰えている事が内臓下垂の要因の一つと思われます。

全身の倦怠感と疲労も、脾胃が悪い為に「後天の精」が十分に補充できないのと、長患いの「諸虚労損」が原因の一つと思われます。

今回はリンパ節の廓清も受けられている為、刺さない鍼による全身治療と漢方成分配合のお灸とビワの葉温灸により、脾胃の気を補い、虚労のツボにお灸をして全身の気血を流す治療を行いました。


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壽堂日記28年1月18日「逆子の灸は本当に効く?」

2016-01-18 08:16:37 | 日記

当院では鍼灸による「不妊治療」を施術しておりますが、妊娠に係る、つわり、浮腫み、逆子など様々な症状も治療しております。

この中でも「逆子の灸」は有名ですね。

当院でも「逆子の灸」を施術しております。

出産予定の方がお見えになり『一週間で逆子を治してほしい。』とのご希望を受けた事もありました。

『一週間以内に逆子が治らないと「帝王切開」になります。』とお医者さんに言われたそうです。

「逆子の灸」として一般的なのは「至陰」の灸です。

足の小指の爪の外側に据えるのですが、灸熱緩和紙を使い両足の「至陰」に直接灸で行います。

お灸を据えると『体が暖まりました、手まで暖かくなりました。身体が冷えていたんですね。』との事でした。

「逆子」の原因は様々ありますが「冷え」が原因の一つではないかと考えられています。

今回の例は「至陰」の直接灸でしたが、棒灸を使用したり、鍼を刺すこともあります。

また経穴も「至陰」+「三陰交」・「至陰」+「足三里」あるいは「至陰」+「三陰交」+「臍返しの灸」などを組み合わせ症状に応じて治療しております。

本当は毎日お灸をするのが良いのですが、通院するのが難しいとい言うので自宅で出来る台座灸をお渡しして、旦那様にして貰う様にお願いしました。

結果として逆子は一週間で治り、無事に御出産を迎えられました。

 


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壽堂日記28年1月14日「ヘルニア・腰痛の鍼灸治療。」

2016-01-14 10:07:16 | 日記

現在治療中の患者さんに「巨大ヘルニア」の腰痛患者さんが居られます。

病院で片側性の巨大ヘルニアと診断され、入院・手術を勧められたそうですが、腰椎ブロックの処置中に拒絶反応が出て処置が中止となり、主治医から観血的な手術を勧められたそうですが、手術をしても、今の足の痺れは治らないと説明され当院に来院されました。

鍼灸治療を開始して2回目ですが、背部腰部を擦診すると、腰部の感じが変化し、最初は力が無く、ゼリー状のグニャグニャした感じを受けたのが、やや乾いて締まった感じがします。

明らかに「巨大ヘルニア」は縮小していると思われます。

患者さんに確認すると『治療を受けて翌日に痛みが和らぎました。治療する前は痛くて眠れなかったのが、今は全然痛く無い』と云う事でした。


巨大ヘルニアが脱核している右の足先の感覚が鈍いのは残っていますが、症状は快方に向かっていると思います。
手術しても大きなリスクがあるヘルニアが2回の鍼灸治療でこんなに良くなることもあります。


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壽堂日記28年1月11日「頭痛に鍼は良く効く?」

2016-01-11 07:23:05 | 日記

「頭痛」には鍼灸治療がよく効きます。

今日は「頭痛」の鍼灸による治療について、当院の治療例をご紹介してみたいと思います。


現代医学的には、「頭痛」は「筋収縮性頭痛」の締め付けられるような痛みと、「血管性頭痛」の拍動性のズキンズキンとした痛みに分けられます。
その中で「血管性頭痛」の中の「偏頭痛」は女性に多く男性の4倍に上るというデータがあります。
慢性の頭痛でお悩みの女性の方も多いのではないかと思います。

では当院の治療例をご紹介しましょう。

患者様は50代女性、激しい頭痛で眠れないほど、薬を飲んでも効果がないと言うことで来院されました。


東洋医学的には「頭痛」は痛む部位によって関連する経絡があり、当院では経絡の流れを考えて治療いたします。
簡単に示しますと
側頭部痛:少陽経頭痛 (関連する経絡は、胆経・三焦経)
前頭部痛:陽明経頭痛 (関連する経絡は、胃経)
後頭部痛:太陽経頭痛 (関連する経絡は、膀胱経)
頭頂部痛:けつ陰経頭痛(関連する経絡は、肝経)
となります。

また「頭痛」をもたらす原因として、肝陽上亢・痰濁・瘀血・気血両虚・腎虚などが考えられます。

診察の結果左側の片頭痛で側頭部の胆経ラインの圧痛が激しく少陽経頭痛として、自律神経の調節、血管運動の安定を治療方針とし,

全体治療(本治法)+局所治療(標治法)をする事としました。

具体的な使用穴は
・百会
・四神聡
・和りょう(三焦経)
・頭維
・陽白(胆経)
・脳空(胆経)
・天柱
・風池(胆経)
・陽陵泉(胆経)
・合谷
・太衝
として顔面部は美容鍼用の15mmの鍼を使用し浅刺として置鍼しました。
和りょうに刺しただけで、「頭痛がすっと抜けるように軽くなりました。」鍼も痛く無く、「清涼感が気持ちいい。」との感想でした。

最後に合谷・太衝の二穴に鍼をして「捜風理痹」し「行気血」させ経絡の通りを良くして治療終了としました。合谷・太衝の二穴は「四関穴」と呼ばれ肝陽上亢による頭痛によく効きます。


鍼灸治療は「頭痛」には即効性がありますので、慢性の頭痛にお悩みの方はぜ是非ご相談ください。


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