茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記30年2月21日「がんの疼痛緩和ケア・鍼灸とビワの葉温灸。」

2018-02-21 07:33:22 | 日記

鍼灸とビワの葉温灸による「がんの疼痛緩和」の問い合わせを受け治療いたしました。治療による疼痛緩和の効果が良く『大変楽になりました。』との言葉を頂きました。

当院では「鍼灸」「ビワの葉温灸」と各種療法を組み合わせ、「がんの疼痛緩和ケア」を行っております。

鍼灸は疼痛だけでなく、抗癌剤の服用による吐き気・食欲不振・倦怠感など様々な症状の緩和に効果があります。

お問い合わせに中に鍼による播種を心配される方が居られましたが、当院では刺さない鍼を使用する「積聚治療」と言う手技で全体治療(本治法)を行いますので鍼による播種の心配はありません。

当院では本治法の後に、お灸で「虚労」や「補胃益脾」などの配穴を用いて食欲を増進させ「元気」を増す治療をして、その後に「ビワの葉温灸」を行います。

当院で使用する「ビワの葉」は院長が茂原市で自ら育てているビワの木から採取する無農薬の葉です。

「虚労」とは、東洋医学で「極度に疲労した状態」をいいます。

またここで言う「元気」とは気の種類である、元気(げんき)=正気(せいき)、宗気(そうき)、衛気(えき)、神気(しんき)、の中の「元気」の事です。

「元気」の源は「胃気」であるとされており、「胃気」を補うことでしか「元気」を増すことは出来ません。

「虚労」治療の配穴例としては「五華の灸」などが有名ですが身柱・膏肓・膈兪を五角形に結びお灸をします。

また「補胃益脾」は膏肓・気海・関元・足三里・内関などにお灸をします。

「元気」を増すお灸をすると患者さんから『お灸は怖いと思っていましたが、とても気持ちが良い物ですね。』と言われます。当院では漢方成分を配合したモグサを使用してお灸をしていますが、お灸の熱が染み透るととても気持ちが良いそうです。

鍼灸治療は「がんの疼痛緩和」のためアメリカ国内では広く行われており、米国食品医薬品局(FDA)は、アメリカ国内におけるがん治療での鍼灸の使用を承認しています。

鍼灸を行うことで、神経細胞、下垂体、脳各部に身体的反応が起き、これらの反応が起きることで、様々な身体機能を調節する蛋白やホルモ ン・脳内化学物質を体が分泌するようになります。

このようにして、鍼灸を行うことで、血圧や体温に効果が現れ、免疫系の機能を活発化させるとともに、エンドルフィンのように、体が本来持っている痛み止め成分を分泌させます。

国民の二人に一人が生涯に一度はがんになる時代ですので治療院に来院される患者さんの中にもがんの体験者はおられ、術後の疼痛緩和・体調管理・化学療法の症状の緩和など様々な理由で治療を受けに来られます。

当院では患者さんお一人お一人に合わせた治療を行っております。


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壽堂日記30年2月9日「脊椎すべり症・腰椎癒着と足の痺れの鍼灸治療。」

2018-02-09 14:53:33 | 日記

『腰が悪く足がしびれ歩けません。』と患者さんがお見えになりました。整形外科で薬を処方されている訳ですが、痛み止めだけだそうです。

「痛み止め」で痛みは軽減されますが足の痺れは改善されない様です。

腹診すると腸骨内側の下腹部に圧痛点があり、大腿前面・大腿外側・下腿外側に圧痛点があります。

腰神経叢のL2~L4の神経は大腿内側から前面の筋肉を支配しているので腰から何らかの影響が来ていると考えられます。

背部を診察すると脊椎のL2・L3・L4が少し飛び出しており臀部の筋肉が固く太陽膀胱経に沿って圧痛点があります。

視診・触診した限りでは脊椎が癒着した後にすべり症を起こしたように見受けられます。

治療としては腎虚証として先ず「本治法」を行い「虚している腎の気を補い」体全体の気血の流れを調えます。

その後に澤田流鍼灸術を用いて「補助治療」を行います。

癒着している腰椎に鍼を刺すのでは無く伏臥位で膀胱経の二行線に軽く鍼とお灸をしてからL2・L3付近をビワの葉温灸でじんわりと温めて、臀部と大腿・下腿の膀胱経のラインに鍼とお灸をして更に仰臥位で外側広筋・大腿直筋・前脛骨筋の経穴に鍼とお灸をして気血の流れを調えました。

東洋医学では「不通即痛」と言われ気血の流れが滞ると痛みが生ずると考えられています。

全体の気血の流れを調える治療をしたところ痛みが和らぎ、足の痺れが良くなり、ゆっくりですが歩けるまでに回復しました。

外因として今年の寒さも体に影響を与えている様です。

 


 


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壽堂日記30年2月6日「逆子の灸その後。」

2018-02-07 06:46:41 | 日記

先月末「逆子の灸」を施術した患者さんから『今日病院に行って検査を受けたら逆子が直っていました。』と嬉しい連絡がありました。

当院では「逆子の灸」を施術しております。

この患者さんは3月出産予定の方で『逆子をお灸で直してほしい。』とのご希望でした。

ご自宅で市販の貼るタイプのお灸を「至陰」にしても熱さが感じられないと云うのです。

『逆子が治らないと「帝王切開」になります。』とお医者さんに言われたそうです。

「逆子の灸」として一般的なのは「至陰」の灸です。

足の小指の爪の外側に据えるのですが、今回は灸熱緩和紙を使い両足の「至陰」に直接灸で行いました。

お灸を据えると『お灸の熱さが分かりました。体が手まで暖かくなり足の裏にも汗を掻いています。身体が冷えていたんですね。』との事でした。

「逆子」の原因は様々ありますが「冷え」が原因の一つではないかと考えられています。

今回は一回だけの治療で直りました。使用穴も「至陰」の直接灸だけでしたが、棒灸を使用したり、鍼を刺すこともあります。

また使用する経穴も週数や状態に応じて「至陰」+「三陰交」・「至陰」+「足三里」あるいは「至陰」+「三陰交」+「臍返しの灸」などを組み合わせ症状に応じて治療しております。

 


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