茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記26年12月13日「冷え・のぼせと肩こり?」

2014-12-13 07:45:45 | 日記

今日も寒いですね。

当院は女性の患者様が多く、この時期は「冷え・のぼせ・肩こり」の治療に見えられる方が増えます。。

鍼灸治療で「冷え・のぼせ」の治療が出来るの?と思われるかも知れませんが、出来ます!

「冷え・のぼせ」の症状は、顔面や頭にのぼせ感や全身の火照り、そして下半身の冷感などですね。

上半身に陽の気が集まることで顔面や頭にのぼせや・肩こりや下半身の冷えが起きる訳です。


西洋医学では「冷え・のぼせ」は自律神経失調症や更年期障害などが原因とされていますが、東洋医学では「上熱下寒」と言い、「心」と「腎」のバランスの失調による「心腎不交」によって起こるとされています。

「心」と「腎」の間で陰陽の遣り取りをして、体内の気血のコントロールをしていますが、内因や外因により気血が滞り、「腎水」が不足して、「心陽」が亢進した状態のことを「心腎不交」と言います。

更年期障害は「血の道」とも呼ばれ女性の「冷え・のぼせ」は「お血」による物が殆どです。


当院では本治法で治療した後に、標治法で治療する事が多いのですが、具体的に使用する経穴としては腎兪・心兪・太谿・大陵・太衝・神門などを使用します。

鍼で虚している臓の気を補い、昇っている気を下げることで「冷え・のぼせ・肩こり」の状態を改善することができます。


当院では本治法は積聚治療という、刺さない鍼を使用し、接触鍼と言う「気を補う」手技を使い、その後背部にある兪穴に優しく鍼を当て「気血」を動かし「冷え」を取る治療をしております。

刺す鍼に抵抗のある方も安心して治療を受ける事が出来ます。

 


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壽堂日記26年12月12日「寒邪と腰痛と膝痛?」

2014-12-12 07:40:00 | 日記

「膝痛」の患者さんが夕方お見えになりました。

60歳代男性で「腰椎ヘルニア」の病歴を持ち、「膝痛」があり両足の血行が悪く常に足先が冷たい状態です。

1まず最初に脈診をしますと腕も冷たく筋肉も硬く脈は全体的に「沈」の状態です。

2腹診をしますと腎のエリアに圧痛が顕著なため本治法は「腎虚証」として「積聚治療」としました。

3治療を開始し、体を軽擦すると頸部から腰部まで凝りが強く、上実下虚の症状です。丁寧に鍼をして行くと徐々に凝りが緩んで行きます。

本治法後に腰陽関に箱灸とビワの葉温灸、殿圧と下肢の外殷門・風市・委中・裏陽陵泉・承山・崑ロンに置鍼、鍼と灸の治療により両足の血行が改善、「膝痛」が軽減したのを確認後、再び伏臥位での治療に移りました。


4両側の寒府・血海・足三里に置鍼、、膝眼・膝蓋骨周囲をネパール棒灸で温補しました。
 ネパール棒灸は温補作用が強く灸痕が出来ないので私は「膝痛」には必ず使用する事にしていますが、煙が凄いので換気設備のある治療室以外では不向きかも知れません。

寒府は澤田流の独自穴で膝下一切の病を主治する経穴ですね。

治療終了後、患者様から「膝の痛みが軽くなった、こんな気持ちの良い鍼は初めて。」と喜ばれました。
「腎の気」が弱まった所に寒さが足先から膝まで昇ってきたのが今回の「膝痛」の原因の様です「膝痛」は鍼灸治療で軽減出来ます。 


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壽堂日記26年12月11日 「左の足先が痺れる?」

2014-12-11 08:00:54 | 日記

前回「右の足の先が痺れる。」と言う患者さんがお見えになりましたがその方の紹介で今度は「左の足の先が痺れる。」患者さんがお見えになりました。

問診すると『左足の指先から脹脛・大腿・臀部に電気が走る様な痛みと痺れ、頸から肩・腰の凝りが強く、右足の脹脛も痛み、また臍の下の恥骨結合の上縁部に痛みがある。』との事です。

触診すると左足の膝上に硬結があり足全体が氷の様に冷たく、色も紫色で筋肉が硬い状態です。また腹部も冷たい状態でした。痛む場所は経絡的には膀胱経・神経的には坐骨神経の走行ラインと合致している様です。

恥骨結合の上縁部は任脈上の曲骨穴と呼ばれるツボがありますが「腎のエリア」となります。腎が虚していると此処に痛みが出ることが多いようです。

腹診して曲骨穴付近の圧痛が顕著であるので今回は「腎虚証」として治療を進めて行く事としました。

腹部接触鍼・脈調整をして背面部に丁寧に鍼をしていくと、徐々に頸・肩・腰の筋肉と足の筋肉が緩んで来ます。手足も暖かくなって来ました。

基本治療を終えて督脈上の腰陽関に箱灸とビワの葉灸をしながら、臀部と下腿の坐骨神経のラインを意識して鍼をすると患者さんから『足が暖まって来ました。暖かい物が足先に流れて行きます。』との事。

腰陽関は下肢の疾患に効果があり、神経痛・関節炎・膝痛・下肢麻痺等の他に腰部と下肢の冷感に効きます。

背面で治療を終えて、今度は仰臥位で治療、右足の膝陽関と血海に鍼とお灸、膝陽関も膝関節炎・外側大腿皮神経痛・下腹部の冷え込みを治する名穴とされ腰陽関と膝陽関は響きあう関係と言われています。

今回の足先の痺れは冷えと坐骨神経が原因の様でした。

頸から肩・腰の凝りと張りは「陰虚により制御出来ない陽の気が体の上部に集まったのが原因で虚している陰の気を補うと改善します。」患者さんは治療を終えて『頸と肩の凝りと足の痺れが無くなり体が暖まりました。』と喜んでお帰りになりました。

これから冬の寒さが到来しますので皆さま「冷え」に御注意ください。


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壽堂日記26年12月8日「背中の凝りと張り・寒邪?」

2014-12-08 07:10:57 | 日記

背中全体の張りと凝りが辛いと患者さんがお見えになりました。喉も痛いと言うのですが寒邪が原因ではないかと思われます。

四診すると手足の先が冷たく、頸部の凝りもあります。

腹診すると臍の周りに硬結があり、若干の表熱があります。

今回は「脾虚証」として刺さない鍼を使用する「積聚治療」で「本治法」を行いました。腹部に接触鍼をすると徐々に足先が暖まってきます。

背中を軽擦して状態を観察すると、頸部から腰部まで脊柱起立筋が緊張していて、痞根の付近の硬結が強く感じられます。

痞根は奇穴と呼ばれる経穴で背中の張りを緩める効果があり、また背中が凝るときに反応が強い場所でもあります。

先ず背部に「脾虚証」で基本治療を行うと徐々に脊柱起立筋が緩んで来ました。患者さんも気持ち良さそうに寝息を立てています。

「標治法」として喉が痛いと言うので大椎穴にお灸をしました。大椎穴は喉の近位治療の意味もありますが手を暖める効果もあります。

その後は痞根穴にお灸をすると背中全体が緩んで来ました。

今回は最後に「脾虚証」なので仰臥位で三陰交と足三里に鍼をして治療は終了です。

 


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壽堂日記26年12月7日「右足の先が痺れる?」

2014-12-07 10:00:10 | 日記

右足の先が痺れると言う患者さんがお見えになりました。

問診すると『右足の指先から脹脛・大腿・臀部に電気が走る様な痛みと痺れ、左足の脹脛も痛み、また臍の下の恥骨結合の上縁部に痛みがある。』との事です。

触診すると右足の膝上に硬結があり足全体が冷たく、筋肉が硬い状態です。痛む場所は坐骨神経の走行ラインと合致している様です。

恥骨結合の上縁部は任脈上の曲骨穴と呼ばれるツボがありますが「腎のエリア」となります。腎が虚していると此処に痛みが出ることが多いようです。

腹診して曲骨穴付近の圧痛が顕著であるので今回は「腎虚証」として治療を進めて行く事としました。

腹部接触鍼・脈調整をして背面部に丁寧に鍼をしていくと、徐々に背面と足の筋肉が緩んで来ます。足も暖かくなって来ました。

基本治療を終えて督脈上の腰陽関に箱灸をしながら、臀部と下腿の坐骨神経のラインを意識して鍼をすると患者さんから『足に何かしていますか?足がジュワージュワーとしています。』との事。

「鍼をしています。」と答えると『鍼を刺したのに全然気が付きませんでした。』と答えが返って来ました。

鍼は痛いと思われ勝ちですが、鍼管を使い細い鍼を刺すと痛みも無く、刺された事に気が付かない事も多いですね。

腰陽関は下肢の疾患に効果があり、神経痛・関節炎・膝痛・下肢麻痺等の他に腰部と下肢の冷感に効きます。

背面で治療を終えて、今度は仰臥位で治療、右足の膝陽関と血海に鍼とお灸、膝陽関も膝関節炎・外側大腿皮神経痛・下腹部の冷え込みを治する名穴とされ腰陽関と膝陽関は響きあう関係と言われています。

膝陽関にお灸をすると患者さんから『そこ気持ち良いですね。』と感嘆の言葉が漏れました。

今回の足先の痺れは冷えと坐骨神経が原因の様でした。患者さんは治療を終えて『足の痺れが無くなりました。』と喜んでお帰りになりました。

これから冬の寒さが到来しますので皆さま「冷え」に御注意ください。


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