茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記26年12月6日「むち打ち損傷の鍼灸治療」

2014-12-06 07:27:54 | 日記

当院では交通事故による「むち打ち損傷」の自賠責保険による鍼灸治療を行っております。

「むち打ち損傷」の治療で鍼灸治療と思われるかも知れませんが、「頸椎症」や「むち打ち症」には鍼がとても効果的です。

整形・整骨などで行う、牽引は頸の椎骨動脈が「むち打ち」の衝撃で折れ曲がっているときやヘルニアでは、牽引によって頸椎を引き伸ばし、椎骨動脈を真っ直ぐにしたり、椎間板内を陰圧にしてヘルニアを引っ込めたりします。

「むち打ち損傷」=外傷性頸部症候群(TCS)の治療について、ケベックWAD(むち打ち症関連障害)重症度分類では頸椎牽引は他の治療法との併用を推奨しております。
治療についてお医者さんの指示に従うのは当然ですが、頸椎牽引・物理療法(温熱、マッサージ、低周波)の他に鍼灸治療も選択肢に入れておくと良いと思います。 

交通事故による「むち打ち損傷」ではありませんが、スポーツ傷害による「頸椎症」で何十年も辛い症状に悩まされていた方が、当院で鍼灸治療を受けられ良くなっていく例を間近で見ても鍼灸治療は「外傷性頸部症候群(TCS)」の治療に非常に有効であると思います。

患者様個々の症状に合わせて治療するのが、なにより重要です。

当院では熟練の手技と鍼と灸のみで、常に患者さんの傍らに付き添い治療いたします。

頑固になった「むち打ち損傷」の症状は、なかなか簡単にほぐれたり、治ったりするものではありません。

1治療方針
当院では「むち打ち損傷」=外傷性頸部症候群(TCS)の治療について、ケベックWAD(むち打ち症関連障害)重症度分類により治療計画を作成しております。 
GradeⅡまでは鍼灸治療を併用するのが非常に効果的です。GradeⅢ以上は外傷性頸髄・神経根損傷にカテゴライズされておりますので当院ではGradeⅡまでの外傷性頸部症候群(TCS)の治療を行っております。

2受傷機序
効果的な治療をするには「むち打ち損傷」の受傷機序について考えて治療することが非常に重要です。


まず 、追突衝撃により、体幹が前上方に投げ出される様な力がかかり、頭部は慣性によりその場に残るため、相対的に上位頸椎は屈曲位、下位頸椎は伸展位となり、その後に全頸椎が伸展位を取るという、頸椎椎間関節への圧迫負荷による障害を受けます。


さらに、上位頸椎後方を支えている後頭下筋群や、大小後頭神経等の軟部組織も急激な屈曲に伴う過伸展に大きなダメージを受けます。

当院の「むち打ち損傷」の治療ではこの受傷機序を前提に患者様の体を診ながら適切な場所に治療いたします。

3治療内容
受傷機序から、まず「後頭下筋群」に対する治療を行います。


後頭骨と頸椎からは様々な神経が出ています、大後頭神経・小後頭神経・大耳介神経・頸横神経・顔面神経などが代表的な物ですが、こうした神経は筋肉が痙攣すると圧迫されおかしくなります。


これらの神経の根部を締め付けているのは、上頭斜筋・後頭直筋 ・大後頭直筋・下頭斜筋などになりますので、これらの筋肉を緩めて神経の圧迫を取り除くため、その筋肉に対してアプローチいたします。


次に「頸部浅層筋」に対する治療を行います。僧帽筋・胸鎖乳突筋 ・頭半棘筋・頭板状筋・頭最長筋などは急性期の筋痛が改善した後も、凝り感が続く場合が多く、その場合は緊張や循環の改善を目的として「頸部浅層筋」に対するアプローチをいたします。


当院では、ごく細い鍼を使用し筋肉を緩め、頸部の血流を改善する治療を行い、さらに円皮鍼を使用し鍼の効果を持続させる治療をしております。なぜ鍼で痛みが軽減し、筋肉が緩み、血行が良くなるのかは、以前当院のブログで御紹介したのでそちらを御覧下さい。


当院では土日も開院しておりますので、安心して治療に専念出来ます。


当院では個々の患者様に合わせた治療計画を考え、早期回復、早期職場復帰を目指し治療しております。

多くの方が事故後、当初は痛みがそれほどで無かったとしても、運が悪く示談後の1~6ケ月後に症状が出てくるケースもありますので、まずは少しの痛みだけだったとしても、示談前にしっかりとした鍼灸治療を受けられることを当院では強くお勧めしております。


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壽堂日記26年12月4日「冷え症とは?」

2014-12-04 07:30:59 | 日記

12月に入り各地から雪の便り届き始めました。

治療院の患者さんにも「冷え症」を訴える方が多くなりました。

「不妊治療」の方は「冷え症」が多いのですが「冷え症」の方は一般的に虚弱体質で貧血の人、胃腸が弱い人、骨盤内臓器の疾患があるとおこりやすく、骨盤内に充血(お血)があるとこの「冷え」の傾向が助長されます。


東洋医学的に「冷え症」を捉えると、冷えの原因は陽虚・血虚・お血・寒湿などです。


気の温く作用・血の温養作用が低下する事により、気血の流れが不足し「冷え」となると考えられています。


東洋医学には気の概念があり、真気(正気)の作用の一つが、温く作用(臓腑器官などの組織を暖め、体温を保持する働き)となます。


実際の治療は当院では「冷え症」はまず本治法を用いて治療します。

本治法により治療すると体が温まって来ます。その後に必要に応じて標治法を用いて治療します。


「冷え症」に対する特効穴もありますが、「気」を補い、「冷え症」を治療するには最初に本治法を行う事が必要です。

「冷え症」を本治法で治療すると、体が段々温まってくる訳ですが、証を間違えると温まりません。

比較的若い女性に多い「冷え症」の原因は「お血」「血虚」が多いのですが、
①お血による冷え症は「脾虚肝実お血」「肺虚肝実お血」
②血虚による冷え症は「肝虚陰虚」「肝虚陽虚」
に分類されます。

治療の原則は虚に対しては補法を行い、実に対しては寫法を行います。

当院では東洋医学的な治療方針に基づき本治法を用いて治療、その後に標治法・ビワの葉温灸で治療しております。

治療が終わると体の中からポカポカしてきますので「冷え症」にお悩みの方は是非お試しください。

 


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壽堂日記26年12月2日「東洋医学的な不妊治療とは?」

2014-12-02 06:48:21 | 日記

今日は寒気が入り強風が吹いています。風邪・寒邪に注意して体を冷やさないようにご注意ください。

「ことぶき堂鍼灸院」では東洋医学的な人体観に基づき鍼灸による「不妊症」治療を行っております。

私は「不妊症」の原因の多くは「冷え」と「瘀(お)血」と「ストレス」が関係していると考えています。

治療内容は患者さん一人一人のオーダーメイドですが、基本となる東洋医学的な考え方をご紹介したいと思います。


現代の様なストレス社会において、人は常にストレスに曝されています。ストレスは気・血・水の流れの変調をもたらします。

鍼灸治療は気・血・水の流れ・陰陽バランスを調える治療ですから、鍼灸治療は全ての人に効果があるといっても過言ではありません。

では具体的に「不妊症」の治療において鍼灸治療はどのような効果を持つのでしょうか。

東洋医学において、大きく分けて肝・脾・肺・腎の4つが、妊娠に影響すると言われています。

昔から、「腎は精を貯蔵する『作強の官』(生命エネルギーの強さを作り出すもの)と呼ばれ、人体の生命活動を維持する基本的な栄養物資である精を貯蔵し、五臓六腑の要求に応じて随時その精を供給し、それらの健全な働きを維持しているといわれています。

そして、全身に精力を与え、粘り強さや根気を生み出すとされています。

腎は、生殖用の精も貯蔵しています。

生殖用の精が不足すると、妊娠ができない様々な症状となって出てきます。
男の精と女の精が合体し、胎児の腎気となり妊娠が成立します。受精した時点で胎児の腎気の強弱が決まっていて、これが持って生まれる「先天の気」です。

腎の力は成長と同時にその力も高まっていきます。

中国の古典医書『黄帝内経』という書物の中では、腎気の年齢的消長を次のように述べています。

 女子では、「七歳で腎気の働きが活発化し、歯が生え替わり、髪も長くなる。14歳で天癸が充満し、任脈と衝脈の流通が増進し、月経が始まる。
21歳で体格は頂点に達し、28歳で筋骨は充実して引き締まり、毛髪は最も長く豊かになる。しかし、35歳になると陽明経脈の機能が衰え、白髪が進行し、49歳で任脈が空虚になり、月経が停止する」

 最近CMで見かける女子は7年ごとに節目を迎えるとの出典はこの『黄帝内経』の記載です。

生殖能力において腎は非常に大切であり、どんなに年齢が若くても、生活環境や食生活などで腎の力が不足して来ると、生殖能力が衰え、次第に卵巣機能や子宮機能が低下し、無排卵や無月経、子宮内膜が薄くなり、着床しにくいなどの症状が出てきます。

また肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。

肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれています。肝はストレスが影響を与えやすい臓腑であると考えられます。

つまり肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・お血が出現します。

女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、血という形で滞った悪い血が溜まってきます。

このお血の状態が進むと、軽い症状としては頭痛・肩凝り・月経前のイライラ・めまい・足の冷えとして現れます。


鍼灸を用いて、経脈上のツボを刺激することによって女性が本来持っている力を引出し、卵巣と子宮の機能が高まると、妊娠し易い体質へと改善されていきます。

また黄体機能不全、卵巣過剰刺激症候群などのホルモンのバランスの崩れには、東洋医学が非常に効果的です。
当院では東洋医学だけに全てを頼るのではなく、症状によっては西洋医学との併用が有効と考えます。

当治療院では鍼灸治療により不足している五臓の気を補い、「ストレス」「お血」「体の冷え」を治療し妊娠し易い体を造ることを目標としております。





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壽堂日記26年12月1日「不妊症治療・黄体機能不全と鍼灸治療。」

2014-12-01 07:28:14 | 日記

今日は「黄体機能不全」の不妊治療について簡単にお話ししたいと思います。

女性のからだには、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)が、大きく作用しています。

この2つの女性ホルモンのうち、基礎体温を高温状態にするのが黄体ホルモンです。黄体ホルモンは成熟した卵子が排卵された後の、残された卵胞が「黄体化」して分泌されるようになります。

「黄体機能不全」とは黄体が十分に機能せず、排卵後に子宮内膜を妊娠に適したで維持しておくための黄体ホルモンの分泌が不足している状態のことでです。

「黄体機能不全」があると排卵後、正常より短い日数で子宮内膜が維持しきれなくなって頻発月経や不正出血を起こしたり、着床困難による不妊の原因になったりします。

「黄体機能不全」の原因としては次のような事が考えられます。
①卵胞の発育や排卵後の黄体への変化がうまくいっておらず、十分な量の黄体ホルモンを放出できない。

②脳下垂体からのFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)の分泌が不十分。

③卵巣に問題があり、FSH・LHに正常に反応して卵胞の発育・排卵が行えていない。

④黄体ホルモンは十分に分泌されていても、子宮内膜の感受性が悪いと、黄体ホルモン不足と同様の状態になることがあります。

黄体機能不全の診断基準は
•高温期の持続 9日以内
•高低の温度差 0.3度以内
•子宮内膜の厚さ 8mm以内
•プロゲステロン 10ng/ml未満
であり、以上の条件に該当する時は「黄体機能不全」が疑われます。

当院では東洋医学的な立場から不妊症の原因は「冷え」「お血」「ストレス」と考え治療を進めています。

「黄体機能不全」の原因もその根底には「冷え」「お血」「ストレス」があると考えます。

現代のようなストレス社会では、日常生活の中でストレスを感じることが多く、それが不妊の原因となる場合も多いのです。

ストレスが不妊症の原因となるのは「ストレスによってホルモンバランスが崩れる。」のが原因で実はストレスに対応する体内の器官と、生殖活動を行う際に対応する器官は同じことが多いのです。

モントリオール大学のハンス・セリエ教授が提唱した「ストレス学説」によれば、過度のストレスにさらされると人間の体は防衛反応として視床下部にある自律神経の中枢が興奮を起こし、副腎髄質がホルモンを分泌して「防衛行動=緊急反応」をとります。

妊娠に必要な性腺刺激ホルモンであるFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)も、この視床下部を通して分泌されています。

そのため、ストレスへの防衛行動が優先されて、生殖活動に必要なホルモンが十分に分泌されない場合があります。そうなると、ストレスで妊娠しづらくなり、その不妊によってさらにストレスが溜まると言う悪循環になります。

不妊症の改善には、このストレスの解消が欠かせません。当院は鍼灸治療で気血水の流れを調え「冷え」「お血」「ストレス」を改善し妊娠しやすい母体を創る事を目指しております

黄体機能不全は「冷え」「生活改善」「ストレス」などが原因であることが多く鍼灸治療がとても効果があります。

鍼灸による不妊治療は「黄体機能不全」だけではなく多くの症状の不妊症に効果があります。

当院の不妊治療は「積聚治療」と言われる流派の治療法で「刺さない鍼」を使用する「接触鍼」という技法を使います。鍼により「気」を動かす治療法で「基本治療」では体に刺すことはありませんので、鍼を刺されることに抵抗がある方でも安心して治療を受ける事が出来ます。

当院では「不妊治療」の患者様には鍼灸治療を受け易くするため専用の「ハッピーチケット」をご用意しております。

これから西洋医学の「不妊治療」を始めようと思っている方、東洋医学の考え方に基ずく「不妊治療」を併せて受けると西洋医学と東洋医学の協力により、妊娠の可能性が高まりますので選択肢の一つとしてお試しください。






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