茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記26年12月19日「疲労回復・元気の出るお灸?」

2014-12-19 05:58:21 | 日記

師走に入り忙しいですね。

治療院に『元気が出る鍼をして欲しい。』と言う患者さんがお見えになりました。

「元気が出る鍼」は東洋医学的な考え方として補胃益脾・補益気血・強腎壮陽などの種類があり患者さんの体の状態で治療方針がことなります。

今回の患者さんは頭痛・目眩・倦怠・食欲不振・不眠などの症状があり四診して脾虚証で治療しました。

脾虚証で本治法を行い補助治療で補益気血を図ることとし「虚労」治療の配穴を使いました。

「虚労」とは過労のため肉体が衰弱し、精神の困憊した状態の事でストレス・働き過ぎ・過飲過食・SEX・病後の失調で陰陽・気血・臓腑の機能低下を起こしたものを言います。

今回の配穴は
・気海
・関元
・膏肓
・足三里
・公孫・内関
漢方成分入りの棒灸で穴内に熱が染み透るように行いました。

治療すると患者さんから『熱が染みてきて気持ちい良いです。元気が湧いてきます。』との感想があり内関穴にお灸をすると『熱が気持ちが良くストレスが抜けていく感じがします。』とのことでした。

公孫・内関の組み合わせは八総穴と言われ胃腸や心疾患の症状にとても効果があります。


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壽堂日記26年12月18日「不妊治療・足先に気が流れる?」

2014-12-18 07:09:25 | 日記

不妊症の治療を受けに患者さんが見えられました。

今回は生理痛と前頭部痛が特に辛いと言う事でした。アスピリンを服用されている為刺す鍼は使えません。

当院では刺さない鍼を使用する「積聚治療」と言う手技で治療しますので抗凝結薬を服用されている方でも安全に治療できますが、頭痛は刺せると治療効果が高いのですが、ここは一つ工夫してみましょう。

通常の通りに腹診すると子宮周りの血流が滞っている感じがします。頭痛も上実下虚が原因かと思われます。

最初に「本治法」で治療をした後に漢方成分入りのお灸で治療をすると、

『あんなに辛かった生理痛と頭の痛いのが治りました。治療を受けていると全身を気が流れる感じがして、特にお腹にお灸をすると暖かい物が足先まで流れて行くのが分かりました。これが気ですか?』

『前回の治療の時も気が流れるのを感じましたが、今日は一段と良くわかります。』

『先生が気功を流しているのかと思いました。』との事でした。

東洋医学は「気」の概念に基づく治療ですが鍼灸治療は「気功術」ではありません。鍼灸治療は患者さんの体の中の「気」を動かし冷えを取り症状が改善することを目的します。

刺さない鍼を使い「気」を動かす手技であるから一層そんな感じがするのかもしれません。

 何回か鍼灸治療を受けると体の中の「気」の流れを感じ取る事が出来る様になる患者さんが居られますが、「気」を感じ取れなくても治療の効果は出ますのでご安心ください。


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壽堂日記26年12月17日「全身治療+北川式美顔鍼。」

2014-12-17 05:11:32 | 日記

先日「北川式美顔鍼」を受けて見たいとお見えになったお客様が再来院されました。

前回の美容鍼を受けた翌日にお友達から「肌の透明感が増して色が白くなった。」と言われたそうです。

ご自分でも美顔鍼の効果を実感して定期的に美顔鍼を受ける事としたそうで、美顔鍼の回数券をご購入いただきました。

一口に美容鍼といっても施術の方式として「全体治療+美容鍼」と「美容鍼」単独の二種類のスタイルがあります。

「全体治療+美容鍼」の施術をするところは少ないようですが当院では「美容鍼」の前に「積聚治療」による全体治療を行い、その後に「北川式美顔鍼」による施術を行うのがスタンダードとなります。

美容鍼の前に全体治療を行うことにより、体全体の気・血・水の流れを調えると、美容鍼の効果と持ちが違います。美容鍼も全身の治療が大切です。

「東洋医学」では、五臓の状態が顔に表れると言う考え方があり「顔は五臓の鏡」といわれます。

具体的な例を挙げますと、
・肝の働きが悪いと、お血と言われる目の下のくまが出来たり。
・脾の働きが悪いと顔色が黄色く萎びて見えたり。
・肺の働きが悪いと吹き出物・肌荒れが起きたり。
・腎の働きが悪いと顔色が煤けた様に黒くなったり、浮腫んだり、髪が白髪になったりします。

当院ではお客様のお顔に鍼を刺すだけの美容鍼ではなく、根本にある様々な症状の「本」となっている五臓の状態を調える「本治法」により治療し、その後に顔に鍼をする「標治法」により五臓の失調でお顔に生じた症状を改善するのを基本としております。

美容鍼のお客様の多くは「私は体の具合が悪い所はありません。」「美容鍼に来たのに何故体全体に鍼をするのですか?」と質問されます。
しかし良く話しを伺うと、肩こり・頭痛・冷え性などの症状をお持ちの方が多いのです。

今日のお客様は目尻のしわ・肌のくすみ・ほうれい線の改善がご依頼でしたが冷え性・肩こり・頸凝りも気になると言うことでした。

東洋医学的に診断して証を立てると今回は「脾虚証」となり全体治療は「脾虚証」で進めることとしました。

「脾虚証」は詳細にみれば「脾虚肝実お血証」となります。

この証は「右脇下のお血」と「下腹部のお血」が原因となる場合があり、女性は「下腹部のお血」が多く、「月経不順」「産後の不摂生」などが原因となり「下腹部お血」があると冷えのぼせ・頭痛・ノイローゼ・血の道症・月経不順などの各種婦人病・蕁麻疹などの各種皮膚病などになりやすくまた目の病気はお血が関係していることが多いのです。

また「下腹部お血」のある人はシミが多く顔面が赤黒くニキビが出やすくなります。

目の下のくま、肌のくすみなどは「肝実お血証」が原因であることが多いのです。ですから「ただ顔に鍼を刺すだけ」では期待する効果が出にくいのです。

「肝実お血証」なのに何故「脾虚証」で治療するのかと言えば「肝」が実することにより相克関係にある「脾」が虚しているからです、東洋医学では「先ず補ってから寫す」というのが原則にあり「脾虚肝実お血証」の場合も「脾」を補してから「肝」を寫す事になります。

全体治療後「美容鍼」は「北川式美顔鍼」で施術し、短鍼を使い鍼管を使わず二指推鍼法でお顔に30本を刺して置鍼しました。

「全体治療+美容鍼」を終えますと、目尻のしわ、肌のくすみが改善され、お肌が白くなり透明感が増しました。

お客様も「肩こりがスッキリ、目が開くようになり、視界が明るい、体がぽかぽかする。」「美容鍼も全身の治療が大切なんですね。」「とても気持ち良くこのまま寝たい。」とのことでした。




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壽堂日記26年12月15日「膝が痛くて歩けない?」

2014-12-15 07:03:43 | 日記

朝晩の冷え込みが強くなると膝痛の患者さんが増える傾向があります。先日も「膝が痛くて歩けない。」と言う方から問い合わせの電話を頂きました。

以前から足が痺れていて、先月から症状が悪化して歩くことが出来ず。病院で膝のレントゲンを撮影したが異常はなかった言うのです。

念のため「ヘルニアの持病をお持ちですか?」とお訊ねすると、長年の腰痛持ちで病院で治療を受けたそうですが病院では『慢性化して治らない。』と言われたそうです。

電話では詳しくは分かりませんので来院して診察すると、足先から膝まで冷たく、筋肉が硬く凝っており血流が悪い事が分かります。

更に詳しく診察すると痛むのは膝の後面の内部と下腿の脛骨神経支配の筋肉(大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋)上殿神経支配の大腿筋膜張筋であることが分かりました。

背部を診察し脊柱を拝見すると腰椎から仙骨(L4~S1)の生理曲線が失われ脊柱の突起が手に触れることが出来ず、椎間が詰まった感じがします。

 

膝関節の後面の内部は坐骨神経が走行しており脛骨神経は坐骨神経の枝で脊柱のL4~S3から神経根が出ています。

また上殿神経は脊柱のL4~S1から神経根が出ています。

坐骨神経と上殿神経は何れも仙骨神経叢(L4~S4)に属する神経で脊柱の異常が神経根を圧迫して症状が出ている様です。

大本の原因が腰のヘルニアにあるのであれば膝のレントゲンを撮っても異常は分かりません。

病院で「腰は診てもらいましたか?」と伺うと、『腰に触っても呉れませんでした。』との事です。

以前もそのような事を言われた患者さんが居られましたが、当院としては「?」と思ってしまいます。

治療法としては先ず腎虚証で「本治法」を行い、「標治法」で仙骨神経叢と上殿神経と坐骨神経の走行上に鍼をして、最後に腰陽関に箱灸後L4~S1上にビワの葉温灸をして終了としましたが、治療を終えると「少し良くなりました。」との事です。

膝痛は腰が原因であることがあります。膝痛の場合は腰を丁寧に診察することが必要です。

慢性化したヘルニアを治療するには少し時間がかかります。

 

 


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壽堂日記26年12月14日「鍼灸治療+ビワの葉温灸の効果は?」

2014-12-14 07:56:27 | 日記

ことぶき堂鍼灸院では「鍼灸治療+ビワの葉温灸」の治療を行っております。

患者さんのご家族から『ビワの葉温灸を受けさせたいのですがどの様な治療をしていますか?』とのお問い合わせを頂くことがあります。

「ビワの葉温灸」と書きましたが、当院では「電気式のビワの葉温灸器」、ビワの生葉を使用し棒灸を使用した「ビワの葉灸」ビワの生葉を使用した「ビワの葉温こんにゃく湿布」の三種類の「ビワの葉療法」を行っています。

件数的には全体治療後にビワの生葉を使用した「ビワの葉温こんにゃく療法」を受けられる患者さんが多数を占めます。

それには理由があります。最初に鍼を使用し「全体治療」で虚している臓の「気」を補うのですが、当院の接触鍼を主体とした治療を受けると肌の層理(=毛穴)が開きます。

「ビワの葉こんにゃく温湿布」はビワの葉が肌に直接触れる面積が大きく、またお灸ほど熱くない為、点では無く面で開いた毛穴から「ビワの生葉」の有効成分が熱によってじんわりと体内深く浸透します。

温める部位は「腎臓」「肝臓」が多いですが疼痛緩和の場合は痛みや凝りがある場所にも行います。

当治療院では腰痛・坐骨神経痛・肩こりから前立腺肥大・前立腺炎・膀胱炎など幅広い症状の方に鍼灸と「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用した治療を行います。

びわの葉の薬効は科学的にも、下記のような効果確認されています。

①白血球の活動を活発にし、免疫力を高める
②赤血球や血小板などの血液成分の働きが旺盛になる
③血液を弱アルカリ性にする
④グローミューを再生・強化する

グローミューというのは、動脈と静脈を結んでいる毛細血管のバイパスの役割をするもので、全身のいたるところに存在し、このグローミューがしっかりとしていることで、血行が良くなり体の隅々まで酸素を送り、組織のガス交換を促進させ、新陳代謝を活発にさせます。

生活習慣の乱れやストレス、老化などでこのグローミューが萎縮したり消失したりすると、血行が妨げられて、体全体の代謝活動が損なわれ色々な病気が発生する下地を作ることになります。

当治療院では鍼灸治療で体全体の「気」の流れを調え、「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用することで自律神経系や内分泌系(ホルモン系)を調整し、体内活動を活性化してストレスに対する抵抗力を強め自己免疫力を高める治療を行っております。


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