遠方から東洋医学的な考え方による「不妊治療」を受けに患者さんがお見えになりました。
お話を伺うと東洋医学的な考え方で「不妊症」の治療を行う治療院はとても少ないのだそうです。
鍼とお灸を使用して治療しても、現代西洋医学的な発想に基づいて鍼灸治療を行えば、これは西洋医学的な鍼灸です。
では東洋医学的な鍼灸とは?
東洋的な発想に基づいた鍼灸治療とは「気の概念」を基盤に置いた治療法であり、「気と陰陽」と言う観点から人体を捉える医学が東洋医学です。
当院では「積聚治療」と言う治療法を使用して「不妊症」の治療を行うのですが、「積聚治療」では人体を気の総体、組織の違いを気の重層構造としてとらえ、また病を気の偏りや滞りとして、治療とはその状態を補正する事と考えます。
「不妊症」」の原因は「冷え」と「お血」であることが多いのですが。この場合の「冷え」とは「冷え症」の「冷え」とは意味が異なります。
「冷え」とは先天的、後天的な様々な原因から人体に生じる「生命力の低下」であり根源的な病因と考えます。
ここで言う「冷え」とは「精気の虚」や四診で判断できる「虚」を「冷え」と表現するもので、単に温度感覚的な冷たいという内容に留まらず「陰の気の虚」「精気の虚」を含めた概念なのです。
もちろん自覚的・他覚的な冷たい感覚も含みますので「冷え症」も「冷え」の一つの症状でありますが、その背後に「陰気の虚」「精気の虚」があり、それを「冷え」と表現します。
鍼灸治療する事により体の「陰陽バランス」を調え、気血を動かし冷えを取ることにより母胎を妊娠し易い状態に改善することが、当院の不妊治療の方針です。
当院では刺さない鍼による「積聚治療」により「冷え」を取る全身治療を行っておりますので、鍼灸による不妊治療を受けて見たいと思われる方は一度お試しください。