茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記26年12月15日「膝が痛くて歩けない?」

2014-12-15 07:03:43 | 日記

朝晩の冷え込みが強くなると膝痛の患者さんが増える傾向があります。先日も「膝が痛くて歩けない。」と言う方から問い合わせの電話を頂きました。

以前から足が痺れていて、先月から症状が悪化して歩くことが出来ず。病院で膝のレントゲンを撮影したが異常はなかった言うのです。

念のため「ヘルニアの持病をお持ちですか?」とお訊ねすると、長年の腰痛持ちで病院で治療を受けたそうですが病院では『慢性化して治らない。』と言われたそうです。

電話では詳しくは分かりませんので来院して診察すると、足先から膝まで冷たく、筋肉が硬く凝っており血流が悪い事が分かります。

更に詳しく診察すると痛むのは膝の後面の内部と下腿の脛骨神経支配の筋肉(大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋)上殿神経支配の大腿筋膜張筋であることが分かりました。

背部を診察し脊柱を拝見すると腰椎から仙骨(L4~S1)の生理曲線が失われ脊柱の突起が手に触れることが出来ず、椎間が詰まった感じがします。

 

膝関節の後面の内部は坐骨神経が走行しており脛骨神経は坐骨神経の枝で脊柱のL4~S3から神経根が出ています。

また上殿神経は脊柱のL4~S1から神経根が出ています。

坐骨神経と上殿神経は何れも仙骨神経叢(L4~S4)に属する神経で脊柱の異常が神経根を圧迫して症状が出ている様です。

大本の原因が腰のヘルニアにあるのであれば膝のレントゲンを撮っても異常は分かりません。

病院で「腰は診てもらいましたか?」と伺うと、『腰に触っても呉れませんでした。』との事です。

以前もそのような事を言われた患者さんが居られましたが、当院としては「?」と思ってしまいます。

治療法としては先ず腎虚証で「本治法」を行い、「標治法」で仙骨神経叢と上殿神経と坐骨神経の走行上に鍼をして、最後に腰陽関に箱灸後L4~S1上にビワの葉温灸をして終了としましたが、治療を終えると「少し良くなりました。」との事です。

膝痛は腰が原因であることがあります。膝痛の場合は腰を丁寧に診察することが必要です。

慢性化したヘルニアを治療するには少し時間がかかります。

 

 


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