こんな
嘘ばかりの人生
逃げたいのに
逃げられない
生まれる前に
裏道の駄菓子屋で買った
聖者の仮面が
顔に貼りついて
とれないのだ
憧れの視線を投げる
人々の目玉から
黄金の薔薇の葛が生えて
おれをがんじがらめに
縛るのだ
嘘なのに
すべては嘘なのに
みんなが俺を指さして
叫ぶのだ
見ろ あれが
真の聖者だと
虹色の幸運が
珠玉のように
次々と降ってくる
奇跡の勇者だと
苦しい 逃げたい
だが今更
全部嘘でしたなどと
言えるわけがない
愛のない
真空の湯に
首まで浸かりながら
一生この糞芝居を
続けるしかないのか