今日は勤務先の小学校の卒業式でした。
普段よりも格段にドレスアップした6年生たちは、一層大人びて見えました。一人一人壇上に呼ばれて卒業証書を受け取る姿はみんな立派で、感慨深いものがありました。
終盤になると、昨今恒例化している『呼びかけ』というものが始まりました。よく聞かれる、
「初めて学校の門をくぐったとき〜!」
などと全員で唱和するあれです。
緊張からか所々途切れがちになりながらも何とか呼びかけが終わると、『旅立ちの日に』の合唱が始まりました。今まで彼らが一所懸命に練習してきた歌は素晴らしい出来栄えで、思わず目頭が熱くなりました。
式が終わって卒業生が拍手に包まれながら会場から去っていくと、言いようのない寂しさが押し寄せてきました。個人的にかなり濃密に関わってきた子たちだっただけに、その寂しさは想像以上でした。
一度教室へ戻っていった子どもたちが、記念撮影のために会場に再び姿を現しました。私はその様子を遠くから眺めていたのですが、撮影を終えた何人かの支援級の子が
「先生!」
と言って駆け寄ってきたのです。
そのうちの一人は、目を真っ赤にして抱きついてきました。ちょっと驚きましたが、かなり手がかかった分特に濃密に関わってきた子だったので、こちらもグッときてしまいました。
それでも、我々個別支援員には会場の片付け等の雑務がありましたから、少しだけ話をしてから
「元気でな!」
と伝えて親御さんの元に向かわせました。本当ならもう少し別れを惜しみたいところでしたが、我々個別支援員はあくまで日陰の身ですから、そうした場面は担任の先生たちに回してあげなければならないのです。
全ての作業を終えてから退勤して小田原駅に向かったのですが、そのまま帰る前に小田原城址公園に寄り道していくことにしました。本丸広場に着くと
『旅立ちの日に』で歌われた広い大空が美しく広がっていました。
ベンチに座って青い空を眺めていたら、いつの間にか涙が止まらなくなってしまっていました。白髪頭のオッサンが天守閣を眺めながら泣いている姿は、傍から見たらさぞかし不気味だったことでしょう…。
帰宅した後も、心にポッカリと穴が空いてしまったような虚無感は埋まりませんでした。それでも明日はまた学校勤務がありますから、在校生たちのためにも今日は早く休もうと思います。