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5.XV遠征に関して(現地編 -設備構築)

2015年11月02日 00時03分05秒 | 海外運用

 コンテスト開始前日の金曜日は終日準備で使えたが、前半でライセンス発給受けて、後半でアンテナ
を建てるので結構忙しかった。

 まず、朝は08:00AMにBac Ai氏の自宅まで来てくれ、とメールで案内が来ていたので、探す時間を含めて
07:30にホテルを出た。住所からするとホテルからBac Ai氏の自宅は近く徒歩5分くらいのはずだ。歩いて
行くとおそらくこの辺のはず、という辺まで来て、周りを見渡すと建物上に建ったトライバンダーを発見。
間違いない、ここだ。しかし、そこへはどうやって入るのかが判らない。住所は番地に11Bisとされているから
フランス表記の2号館とか別館のニュアンスのはずだ。で、元の11番地へ行き、立派な鉄の扉の門の前で
どうしようか悩んでいると、丁度隣の店舗から若い男性が出てきたので「この住所を探しているがここで
いいのか?」と英語で質問したら、「うーん、多分ここでいいんじゃないかな」と日本語で返事された。
驚いて訊くと、すしバーをベトナムでやるために日本にしばらくいた、とのこと。


 昨晩覚えた通り、扉の端の方に呼び鈴があったので鳴らすが出てこない。さっきのすしバーの男性はまだ
うろうろしてたので「出てこないよ」「電話はわかるか?」「わかるよ、ここ」「待て、かけてみよう」
で、男性からベトナム語でペラペラ会話してもらうと、目出度くその扉の奥からBac Ai氏が杖を突きながら
歩いて出てこられた。初アイボールだ。すしバーの男性に礼を言って、Bac Ai氏と挨拶し家の中へ案内された。
入口入ってすぐに接客の椅子とテーブルがあり、そこで15分ほどお話しした。途中Bac Ai氏の奥さんも出て
こられて挨拶。「では、そろそろ行こうか」と促されBac Ai氏宅を一緒に出た。家の前の大通りでタクシー
を拾いRadio Frequency Centerへ向かう。5km程離れているとのことで、しばしホーチミン郊外の風景を眺め
ながらタクシーに揺られる。

 近代的な高層ビルが近づいてきた。どうもそれが目的地らしい。タクシーはその高層ビルのすぐ横にある
建物の玄関前で止まった。玄関から若い男性職員がクルマに走ってきてBac Ai氏が降りるのをドアを開けて
迎える。自分は反対側から自分で降りた。ビルに入ってもBac Ai氏が歩くと職員が「これはどうもどうも」
みたいな雰囲気でBac Ai氏を迎えている。どうやらBac Ai氏はかなりの立場の様だと知る。


 広い部屋に通され、そこには女性担当官とその周りの事務員が数名、すべて女性だ。男は警備員などで
いるが殆どフラフラしているだけで働いているのは女性ばかりだ。Bac Ai氏が自分を紹介しベトナム語で
女性担当官といろいろ喋る。内容は全く分からないが、雰囲気的には女性が何か言うと、Bac Ai氏が「まあ
判ったが、これを早く進めてくれ」のやり取りの雰囲気。女性が眉間にしわ寄せて喋って、Bac Aiが諭して
女性が苦笑いする、この繰り返し。自分のライセンス以外にも沢山発行待ちのものが束になっていてBac Ai
氏は自分のライセンス以外にも2通貰っていた。


 パスポートの原本で本人確認され、フィーの支払いをし、受け取り台帳に自筆でサインして無事受領した。
正味30分ほど。すべてBac Ai氏にお任せでただ当人として立ち会ったのみ。自分一人では無理だ。
外へ出ると行きのタクシーが待っていたので再びタクシーに乗りホテルへ戻ってもらった。降りる前に無事
ライセンスを受け取ってたいへん親切にしていただいたお礼に日本から持ってきたお土産の箸を渡した。
「何か困ったらいいに来い」と言ってもらって一旦Bac Ai氏と別れた。

 無事ライセンスを発行して貰ったお祝いにホテルの傍の喫茶店QUAN27で一人祝い。こちらのお店は基本的に
客席は路上で、プラスチックのテーブルに風呂の椅子くらいの低い椅子だ。メニューも無い。取り合えず空いて
いる席に座ると店員がやってくるのでIce Coffeeを頼むとMilkを入れるか入れないか訊かれるので入れると。
ジョッキで出てきた。一口飲む、滅茶苦茶美味い!とにかく濃くて香りが強くてロースト香が深い。入って
いるのは練乳の様な濃いミルクだ。さすが世界的なコーヒー産地だけある。場所の雰囲気を差し引いても
スタバより絶対こっちのほうが美味い。おまけに安い。すっかり気に入った。気に入ったついでに従業員の
お兄ちゃんに写真撮ってくれ、と撮ってもらった。


 気を良くしてホテルへ戻り、早速ワイシャツから作業用のTシャツに着替え、機材をもって屋上へ運ぶ。
何度かに分けて階段を往復していると、屋上に従業員のおばちゃんが来ていた。そして「ここは使ってはダメ
だ。ここから出ていきなさい」としかめっ面で言う。「予約の時から屋上を使わせてもらうことは申し出て
いる」「いや、ダメだ。すぐにやめなさい」と押し問答となった。はいそうですか、と言うわけにはいかない
ので「私はここへアンテナを建てるために日本から来ているのだ」「NGUYEN Bac Ai氏からこの屋上を使うよ
うに言われているのだ」と伝えると「ボスが午後に戻るのでそこでボスに話せ」となった。


 会ったこともないボスの好意を期待してもしょうがないので先手を打つことにした。Bac Ai氏の自宅へ
歩いて行き、先ほど覚えた入り方で勝手に中へ入ると丁度Bac Ai氏がおり「どうした?」「一つ問題だ。
従業員の女性が屋上を使うなと言ってきかない。あのホテルのボスは知り合いか?」するとBac Ai氏すぐに
その場でボスの携帯へ電話しベトナム語で話し出した。するとそこへ、自分と同じように入口から勝手に
入ってくる外国人が一人。Bac Ai氏は電話中なので、自分が「アマチュア無線やるのか?」と訊くと
「VK6LCだ」「おー、俺はJJ2CJBだ」と偶然のアイボール。彼は3W2HCMを今日まで運用してきて、終えて
帰るとのこと。相手もアマチュアと判ると会話が弾む。ここのところのコンディションは「NAもEUも悪い
コンディションで全体にpoorだ。JAくらいは大丈夫だが、それでもいつも以上にコンディションは悪い」とのこと。
そんな話をしている間にBac Ai氏電話を終え「もう大丈夫だ。屋上に立てるのに問題はない」とのこと。
せっかく3人会ったのだからと誘い記念写真を撮った。


 別れてホテルへ再び戻ると、ボスが既にいた。阿藤快に似た人だ。自分の部屋へさっきのおばちゃんと一緒に
来て「おまえがMikiか」「そうだ」「許可証を出せ」今朝貰ったばかりのライセンス証を出す。運用場所に
自分のホテルの住所が書かれているのを見てボスは「コピーを一枚取る」。おそらくライセンスの住所がこの
ホテルの住所でなければ一発で断られただろう。自分のホテルの住所であることを確認し「お前は屋上にアンテナを
建ててよいぞ」と笑いながら言ってくれた。
その時の彼の言葉「You can DO it」がその口調と共に記憶に残った。阿藤快は結構いい人だった。


遅れた分を取り戻すべく早速工事を開始し、最初に挟み込み金具で基台を設ける。ところが壁の厚みが金具の
最大幅より大きく入らない。ちょっとブルーになった。しかし昨年の企業視察で建設業界の方が言っていた
ことを思い出し、ベトナムの建築基準は滅茶苦茶だ。ひょっとしたら、と厚みを調べると案の定場所によって
厚みにムラがある、笑。ギリギリ金具を押し込めるくらいの厚みの場所を見つけ、必然的にそこが建てる場所に
決定。アンテナ自体は毎度おなじみのHF6Vだ。組み立てには悩まないので、床に座ってネジ絞めたり組立てて
いるとボスが見に来た。


 「どうだ。問題は無いか」あんたが一番問題だったんですけど・・・と顔に出さずに「大丈夫です。ありがとう」
すると「こいつに必要なことがあったら手伝わせてくれ」と20歳くらいの若い男を置いていった。正直自分で
やったほうが早いのだが、折角なのでお兄ちゃんにも「はいそっち持ってくれる?」と付き合ってもらった。
すると驚いたことにBac Ai氏がホテルの屋上へ陣中見舞いにやってきた。お客さんだらけではっきり言って
邪魔だが(笑)たかがバーチカルアンテナ1本建てるのに、大の大人が集まってくるのは不思議と面白い。
Bac Ai氏はさすがにアマチュア無線家なのでHF6Vの構造などを興味深く観察していた。またアンテナアナライザ
AA-30の機能にも興味がある様子だった。だいぶ日が傾きだしていたが、自分がネジを締めたりロープを曳いたり
している横でBac Ai氏が「これはいくらした?」「うーん確か300USD位だったかなあ」なんて会話しながら
作業だった。もやっとした蒸し暑い中で、海外の普通のホテルの屋上でアンテナを建てる、不思議な時間だったが
すごく楽しい時間で、今回の遠征を楽しいと感じた理由の大半はこの辺にあった。


 同軸は屋上から2つ下の階まで屋外を引っ張った。最初にクレモナロープに重りをつけて下の窓へ飛ばし
部屋の窓からロープを掴み、曳けたらそれに沿わせて同軸を引き回す。途中にホテルのネオンがあったので
回避したりして35mとなった。今回はこれが結構必要だろうと予想していたので40mと10mを持っていった。


 ステーを張って「Finish」となった頃には薄暗くなり、かつ雨がポツポツし始めたので一旦終了。Bac Ai氏も
「じゃあね」と帰宅された。試しに部屋で15mを聴いてみる。SWRが高く2.0以上あるのでリニア使うとエラーに
なるのでベアフットで。Twitterで15m出ること書いたらJE2EHP堤さんがすぐ呼んでくれたので少し会話。その
後KG2A/KH2福田さんも聞こえていたのでお声かけ。喉も乾いたし腹も減ったし、と言うことで雨の中外へ出て
続きの調整は明朝やることにした。

 コンテストの点数を考えれば無理してでも今夜中に調整すべきだが、今日一日いろんなことがあり過ぎて
疲れたのと興奮したのと安心したのと、いろいろな気持ちが複雑かつ大量に交錯し、ビール飲んだら横になる
なりすぐに寝てしまった。

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