<コンテストデビュー>
かなり昔のこととなってしまい全く覚えていないのですが、初めてコンテストに参加したのは
いつ頃だっただろうか?と思い、古くなっても未だに保管してある紙のログ帳を引っ張り出して
探してみました。
あっけなく見つかりました。ログの最初のページにあった。
1984年の6月に静岡市で50MHzで開局して、いきなり7月の6m and Down ContestでSSBで10qso。
これが初コンテスト参加で、ではDX Contestの初参加は、と探すとこれはだいぶ先になってからで
1988年の3月にARRL DX PH Contestに参加していてUSA局と同じく10qsoしていました。ちなみに
この年の秋にはWWPHにも参加したようです。もう全く覚えていません。
自分の場合は、コンテストで順位を競う意欲はありませんでした。沢山の局と交信数を増やした
いために手っ取り早く沢山交信できるコンテストに参加したのが最初でした。だから、いつまで
たってもコンテストスキルは身に付かないままで、そのまま社会人になり家庭を持ち、アマチュ
ア無線は生活の一番隅へ追いやる期間が続くようになりました。
それが競争を意識するようになったきっかけは、2009年に東マレーシアからCQ WW Contest PHに
出て2,470qsoをログイン出来た時だったと思います。パイルアップを浴びてコンテストに出る面
白みを知ったことが一番大きい。それ以来、可能な時は海外へ遠征してDXコンテストに参加し、
無理な時には自宅でDXコンテストに参加するようになりました。
相変わらずスキルは一向に上達しませんが、DXコンテストに参加することがアマチュア無線の面
白みの一つになっていると感じています。
<POHNPEI 2023を始めるにあたって>
今年も秋のDXシーズン最盛期に世界最大のお祭りCQ Worldwide DX Contestが開催されます。モー
ド別(SSB/CW/RTTYなど)に開催日時が異なり、今年(2023年)はSSBが10月28日~29日の48h、CWは
11月25日~26日の48hに開催されます。
時刻は世界標準時ですので日本で運用する場合は土曜朝の9:00スタート、月曜朝の9:00終了とな
ります。
私は今年(2023年)のCQ Worldwide DX Contest Phone(以降WWPH)にミクロネシア連邦のポナペから
V63CBのコールサインで参加します。自己満足で勝手に"POHNPEI 2023"と命名しました、笑。
百戦錬磨の方々には「今回もよろしくお願いします」とさせていただきますが、普段DXコンテスト
には縁が無い方にも沢山呼んでいただきたいと思っていますので、中途半端ですが超簡単なFAQを
書いてみました。
ここに書いた文章はライセンスフリーとします。ご自由にコピー、改版など加えて頂いて結構です。
私が未熟ゆえの誤りや言葉足らずの曲解もあるかと思いますし、他にもっと上手に書いてある説明
は既にあるのだから余計なことを書くな、というお叱りもあるかと思いますが、ご容赦ください。
<まずは参加してみようか>
これまでDXコンテストとは縁がなかったけどやってみたい、でもなんか敷居が高いし、専門的な知
識が無いと恥をかいたり迷惑かけたりネットでバカにされるんじゃないか、と最初は不安になりま
す。事前に規約を読むように言われても全部英語で書かれているし、規約に書かれていないけどそ
の筋では常識みたいなことは、実際に経験してみないとわからないこともあると思います。
特に初めて参加するコンテストであれば当然です。ましてや国内コンテストもやったことないと、当
たり前とされていることすら判らず、尻込みしてしまうのはやむを得ません。
どんな周波数、モードであれ普段アマチュア無線の運用を続けていくと、どこまで遠くと交信でき
たか、とかどれだけ沢山の局数と交信できたか等を他の局と比べてみたくなることがあります。自己
満足で済むこともあれば、SNS等で自慢したくなったり、それで得たQSLカードを集めて喜んだり、
趣味ですから競争があることは適度な刺激となって悪いことでは無いかと思います。
普段の競争は時間も場所も人それぞれマイペースでやっていくのですが、共通の土俵で同じ日の同
じ時間に競争してみる、それがコンテストというイベントです。もちろん免許資格に応じて条件の
格差があるわけですが、多くのコンテストでは出力別のカテゴリーに分かれて順位付けします。
自動車レースを一つのコースで様々な排気量の車が一斉に競争するイメージです。当然大排気量の高
性能な車が有利ですが、決してそれだけが勝ち負けを決めるわけでは無いところに電波伝搬ならでは
の面白みとコンテストルールの妙があります。
参加する動機は特になんだって構わないと思います。知り合いの人だけに応援で交信して参加する人
もいますし、普段やれなかった局とだけ交信したいから参加する人もいますし、生き甲斐のように
夢中で全力投球の人もいますし、半端ない資金と時間と労力を費やして参加する人もいます。
人それぞれで、そういう人達が一斉にオンエアーする無線の世界のお祭りと考えても良いかと思います。
お祭りだったら見てるだけより恥ずかしがらずに踊って楽しまなきゃ。
<DXコンテストってなに?>
全くコンテストの基礎知識が無い方向けですので、不安を感じることなくまずは参加できるように
ざっくりとした説明に留めています。
そもそも私はコンテスターではありませんので、詳しい方から色々指摘はあるかもしれませんが
ご容赦ください。(全く違うぞ!という誤りを見つけたら是非教えてください)
●コンテストってなんですか?
一言で言えば「決まった時間とルールの下でより沢山の局と交信しその得点を争う競技」です。
大抵のコンテストは、合法にアマチュア無線局を開設している方なら誰でも自由に参加することが出来ます。
特に改まって事前のエントリー申請などは不要なものが殆どです(おそらく無いと思います)。
開催される日時に交信さえすれば参加となります。結果が後日公開されますので、そこで自分の順位を知る
ためにはコンテスト終了後にログの提出が必要となります。
コンテストってなんですか?をちゃんとした文章で読んでみたい方はwikipediaの
コンテスト (アマチュア無線)
やJARLサイトのコンテストに関する箇所などを一読ください。
●DXコンテストってなんですか?
たくさん開催されているコンテストのうちで、交信相手を日本国内に限ることなく世界中を対象にするのが
DXコンテストです。国内との交信が得点になるコンテストもありますが、主な交信相手は海外局となります。
日本の団体が主催しているDX Contestもありますが(All ASIA、JIDXなど)、多くは海外団体が主催のものとなり
ルールやコンテスト主催WEBサイトは英語です。主要DXコンテストでは日本語サイトも割と充実しています。
●何を基準に競争の順位を決めるのですか?
得点が多い局が勝ちとなります。
得点は多くのコンテストでは1交信ごとの得点×マルチプライヤで計算します。マルチプライヤは略して"マルチ"と呼ばれます。
ここから以降は、コンテストごとにルールは異なり全て書けませんので、WWPHについて記載します。
●1交信ごとの得点はどうやって決まるのですか?
1) 同じエンティティ同士の交信 = 0点
2) 違うエンティティで同じ大陸種別の局との交信 = 1点
3) 違うエンティティで違う大陸種別の局との交信 = 3点
です。
国内同士の交信は点数は0点ですがエンティティとゾーンのマルチとしてはカウント出来るので最低1局分は
得点UPに有効です。
ちなみにJD1(小笠原、南鳥島)は日本であっても別エンティティ、別ゾーン、別大陸種別となりますのでDXと
同じ扱いになります。
●エンティティってなんですか?
国をイメージした単位のことですが一般的な国の概念とは少しだけ異なります。無線の特性と一部歴史的な
経緯が反映された単位となります。一言では説明しきれないので、DXCC Entity Listが示す単位だと思えば
大外しすることはありません。コンテスト用のログシステムを使えばエンティティは自動的に判定してくれ
るので利用をお勧めします。
ARRL DXCC Entitiy ListとWorked All Europe(WAE)に準じていますが、一部IG9などWWPHでは別マルチとして
カウントできる場所があります。
●CQ Zoneってなんですか?
地球上を地域ごとに分割した単位をゾーンと呼びます。CQ ZoneとITU Zoneの2種類があり、WWPHでは米国の
CQ magazine社がWorked All Zone(WAZ)で定義したCQ Zoneを用います。CQ Zoneは地球を40分割したもので
日本のZone numberは25となります。※小笠原、南鳥島は27です。
●大陸種別ってなんですか?
世界を北米(NA),南米(SA),アジア(AS),オセアニア(OC),アフリカ(AF),欧州(EU)に分けた単位です。
全てのエンティティは、いずれかの大陸種別が決まっています。
日本はアジア(AS)です。※小笠原、南鳥島はオセアニア(OC)です。
●マルチプライヤってなんですか?
局数の競争だけでは単純すぎるので、コンテストごとに局ごとの種類の条件が設定されています。
WWPHでは”交信したCQ Zone数”と"交信したエンティティ数"がマルチプライヤとなります。
ゲットすれば更に得点が倍!のボーナスポイントだと捉えれば良いです。
●得点はどうやって計算するのですか?
1交信ごとの得点(Oor1or3)の総和×(Zoneマルチ数+エンティティマルチ数)が得点となります。
従って、世界中と広くあまねく沢山の局数と交信することが得点を上げるためには必要です。
それを叶えるための戦略がDX Contestの醍醐味の一つと言えます。
●同じ局と何度も交信しても良いのですか?
同じバンドでは1回のみが有効ですが、バンドが異なれば各1回ずつ有効です。
うっかり2回目で呼ぶと"QSO before !!"と言われるか無視されるか、いちいち説明が面倒なので重複交信されるか、
だと思います。
●コンテスト期間中に違う場所から運用して良いのですか?
駄目です。例えば初日と二日目で運用する場所を変える様な行為は認められていません。
●ルールを違反するとバレることはありますか?
ゴルフと同じで基本的に自己申告がベースの紳士ルールです。趣味でズルしても満足できないと思います。
違反の牽制とは主旨が異なりますが、ログを提出すると提出されたログ通しの突合を行い、ミスコピーや
虚偽と見られる架空の交信は減点となります。
●CQ Worldwide DX Contestの規約本文はどこで見ることが出来ますか?
日本語版が下記にあります。カントリーという言葉が使われていますがエンティティと同じ意味です。
Rules The 2023 CQ World-Wide DX Contest