落合監督の３文を、どうやって理解したらいいのか。そこには落合さんの決意があるとしか思えない。

いつもは長いことしゃべる中日ドラゴンズ監督の落合さん。
でも、２日前の１０月１９日。
今季ナゴヤドーム最終戦の後の、監督発言は、短かかった。

『 長い間お世話になりました。選手はこれからも優勝に向かってグランドで戦い続けます。どうかみなさんの温かい目、心を持って選手を見守ってやってください。そして全国のドラゴンズファンのみなさん、ありがとうございました。 』

時間にしてわずか５１秒。
その間にも、落合さんが、息をとめて、息を吸っての、唇を舐めるとの無言の時も、１５秒ほど。
一体なぜこのような短いスピーチで終わったのか。

私の期待を蹴散らせて、見事なまでに短かなスピーチ。

心に引っかかりがある。
そう私の心には、解き放たれない引っかかりがある。

＜引っかかりの其の一＞
なぜ、セントラル・リーグでの優勝、ましてや連覇達成を言葉にしないのか？

＜引っかかりの其の二＞
なぜ、連覇達成したことへの、ファンへの感謝の言葉がないのか？

＜引っかかりの其の三＞
なぜ、１１月２日から始まるクライマックスで日本シリーズへ立ち上がり、そしてその後に到達する念願の 「 完全優勝日本一に勝つ 」 宣言がないのか？

以下は、私なりの解釈。
苦しんで苦しんで、ここまで到着しました。

其の一から、其の三の引っかかりまで、いずれも落合さんは、もう前夜横浜スタジアムでは述べていること。
ぅぅ～～ん、でも名古屋地区のファンとして寂しいですね。
ナゴヤドームでも大勢のファンの前で直接話して欲しかったなぁ。

次に、これまで、私が直接その場で聞いた落合さんの言葉を並べます。

落合さんの２回目のセントラル優勝の２００６年１１月３日の久屋大通公園 “ 光の広場 ” でのスピーチ。
この時は、セントラル優勝を決めるも、日本一は２回目も逃した後でした。

『 一昨年、今年と口惜しい思いをした。でも考え方を変えた。ドラゴンズは益々強くなって、２連覇、３連覇、４連覇をしたい。 』

そして翌年の２００７年１１月１７日での日本一優勝パレードでの落合さん。

『 やっとここまで来れました。去年は日本一を逃し喜んでいいものやら、悲しいものか分からなかった。五輪アジア予選強化合宿で、今日ここにいない５選手のためにも、来年も頑張ります。 』

更には、昨年２０１０年１１月２０日の “ 光の広場 ” での優勝報告会＆応援感謝パレード。

『 我々はまだ中日ドラゴンズがなし得ない連覇っていうものをクリアして来年は自分らの手で本当の意味での日本シリーズを勝って日本一を味わいたいと思います。来年、今年以上に選手はがんばってくれると思います。私もがんばります。どうかみなさん、温かいご声援を来年以降よろしくお願いいたします。 』

これまでの落合さんのお話は、いずれも具体的にされています。

でも１０月１９日の今季ナゴヤドーム最終戦の後の発言は、短かかった。
一番不明瞭なのは、 『 選手はこれからも優勝に向かってグランドで戦い続けます 』 の件の “ 優勝 ” 。
この “ 優勝 ” とは、今季の日本シリーズを指すのか、あるいは、その日以降ドラゴンズが目標とする全ての “ 優勝 ” を指すのか。

総括します。
こころならずも、世の中では退任というけれど、ドラゴンズの親会社の中日新聞取締役会で決議された解任 （ と、私は思っています ）。
（ 正式には、 “ 契約期間終了、かつ再契約をしない ” ということでしょうが、まだまだ落合さんの指揮で、３連覇、４連覇をみたいと思うのが１ファンである私の心情です ）
ファンの入りが少ない。
親会社としては、なにがあってもやはり収益がより大きくプラスでないといけないと判断したのか。

そんな時でも、落合さん、８年間のドラゴンズの監督の任を総括して、自分が育てた選手、そうあの選手にこの選手。いっぱいいます。みんなの力で、今年の日本一はもちろん、来年も、再来年も、自分のためにチームのために、みんな全力を挙げて戦ってくれというメッセージではないかと。
そして、何よりも落合さんが言いたかったのが、 『 ファンの目と心が、私をここまで一生懸命にさせてくれた 』 と。

落合さん、ありがとう。
我々ドラゴンズファンを、こんなにも熱くしてくれて、こんなにもいい思いをさせてくれて。
決して弱くはないと私は思うドラゴンズ。
でも底力は感じることができなかった私のドラゴンズ。

でもでも落合さん、あなたの８年で、ドラゴンズは、本当に変わりました。

（ 写真は、昨年の 「 優勝報告会 ＆ 応援感謝パレード 」 で、報告を済ませた後のパレード出発前、べっぴんアナウンサーのインタビューに、ちょっと照れてる落合監督 ）