クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

山翡翠に魅せられた加藤貞治さんは、類まれなフォトハンター

2014年03月08日 19時43分34秒 | 写真展
『 一番気に入ってるのは、4年前に撮ったその写真。こんな瞬間はめったに撮れるものではない。この写真を超えるものは撮れていない。 』 と、写真家加藤貞治さんは静かに語ります。
“ その ” 写真には、獲物の魚を嘴にしっかりと銜え、水面から翔び立った瞬間の、水玉状の水しぶきを無数に従えた山翡翠 ( ヤマセミ : ブッポウソウ目カワセミ科 ) の姿が写っています。
朝早くからブラインドに囲まれて自らの姿は消し、山翡翠の出現を待つ写真家。
写真家の前に現れる山翡翠は、写真家によって計算しつくされた背景をバックに瞬時にカメラの写角を横切ることでしょう。
素晴らしい根気と愛情と技術が重ね合わさることによって写し撮ることができる傑作だと思います。
そういった傑作をも超えた作品を作りたいという写真家の執念には、いや情念でしょうか、ただただ感服するのみです。

私が一番感銘を受けたのは、山翡翠が画角いっぱいには収まらないほどの写真。
『 2.5メータの至近距離に山翡翠が来てくれた。もうこんなことはないだろう。 』 と、写真家自らの心臓の鼓動が、山翡翠に聞こえて驚かすのではないかと思ったという写真。

写真家は更に語ります。
『 目がポイント。目がきれいに写ってないのは、鳥の写真でない。 』
そして、 『 鳥の生態を知っている人から、 “ よくこんなシーンが撮れましたね。 ” と、言われるのは嬉しい。 』 と。

会場に並ぶ写真の全てが山翡翠の生きる力をいかんなく捕らえて表現しています。
写真が単なる紙ではなく、今まさに写真を目の当たりにする者の視界には、鮮やかに写しとめられた山翡翠の生態が生のままの姿で飛び込んできます。
写真という表現媒体の凄みを感じる作品です。

「 第弐回 加藤貞治 写真展 」 は、明日の9日(日)まで一宮市尾西歴史民俗資料館で開催されます。
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活力溢れる米寿の画家を見習わなくっちゃ

2014年03月08日 10時00分17秒 | 美術展
一昨日は、今年米寿を迎えられるという富永敏之さんの絵画展 「 米寿の花 」 を見てきました。
私の前を3人の方がちょうど入場するところで、会場は賑わっています。

花や風景の油彩画が壁面を飾っています。
モクレンやバラ、ボタンなどが、しっとりとした赤系の色で描かれています。

暫く会場内で作品を観ていると、隣接している喫茶店 「 炭火焙煎珈琲 さぶりな 」 のマスターが入って来て、 『 すみません、画家は今日はもう帰りました。自転車で40分かかるということですから。 』 と教えてくれました。

いやぁ、それにしても活力がみなぎっていますね。
私より二回りも年上ですが富永さんは自転車。
私も自転車ならギャラリーまで40分ぐらいですが、風の強さにめげて車で行きました。

絵画展 「 米寿の花 」 は、一宮市浅野駒寄のギャラリー葵で3月16日(日)まで開催中です。
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