クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

シンプルな画材で精魂込めて描きこまれた 「 素描展 」 の作品は、どれも素晴らしいものばかりでした

2014年03月03日 17時15分58秒 | 美術展
新居俊浩さんの 「 通り道 」 。
毎日通る道で新居さんのことをいつも迎えてくれる石仏なんでしょうか。
3段の台座の上の立ち姿の仏さまは、前掛けの奥で両手を合わせ、頭巾を目深にかぶったお顔からのぞく眼差しからは、穏やかで静謐な気が溢れ出ています。
玉石状の小石をたくさん含んだコンクリートの台座を真ん中に、その上下にはコンクリートだけで作られた台座が挟んでいます。
丹念な作りには、この仏さまを発願し、寄進し、造顕に関与したたくさんの人々の心意気が強く感じられます。

宮岡瑞樹さんの 「 枯れ落ち葉の肖像 」 。
“ 肖像 ” というタイトルを付けた宮岡さんの意気込みが画面全体に描きこまれています。
線と面が、濃淡、大小、強弱のリズムが、画面の隅々にまで描き表わされています。
細部の力強い描写が、全体としての心地よい描写に繋がっています。

倉田明佳さんの 「 祖父 」 。
今回の展示のメインビジュアルともなっている祖父像。
横を向いた祖父の人格が、倉田さんのいっぱいの愛情によって描かれています。
髪の毛1本1本の、まつげの1本1本の質感が、倉田さんとお祖父ちゃんの心の通いを言い表しています。

昨日まで愛知芸術文化センター地下2階のアートスペースXで開催された 「 素描展 」 。
シンプルな画材で精魂込めて描きこまれた作品は、どれも素晴らしいものばかりでした。
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