【 rare metal 】

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トワイライト 【ヨルノフカミ】

2010年01月25日 22時04分18秒 | 幻想世界(お伽噺) 

  

  (写真はイメージ 無関係)





【夜の深海】ヨルノフカミ



ある初夏の日の とある穏やかな宵


遥かな遠くから梅雨が明け 夏が始まる合図のような雷の音(ライノネ)

時折 稲妻の雷光が夜陰に瞬き光ります 

遠くの黒い影絵で観える山々の稜線 刹那で観えます

其の山にかゝる雨雲 仄かに輝き闇夜に浮き上ります



夜風にて笹浪が たゆたうように揺れる竹薮から

空蝉が鳴く様な 地虫どもの騒々しい声々

夜更けての忘れ暇には 時折に 竹薮奥に巣くう青鷺の群れから 

物の怪な化鳥がぁ 喚き啼く様な鳴き声が聞こへます



濃密にと湿気た夜に開け放たれし 縁側の履き出し窓

ただ 暗闇に穿かれたが如く 空いてるだけ


黄色き輝きの蝋燭瞬く 薄闇の部屋に蚊帳が架かっています



密かな闇に潜めた言葉 儘に音ナイ吐息が混ざります
 
滑った唇からは細い息 限りにと音も無く吐き出されました

蚊帳が穏やかに吹き込む風で 揺れました

暗闇に蚊取り線香の赤の点 ジットな密かなさで点で輝く



組み伏せられながら息ぉ潜め 縁側の奥を覗けば

庭の暗闇の芯から 夜更けの何かゞ足音もなく訪ねてきます



人がナニ気に気づきました 主(ヌシ)は首をもたげ振り返しました



其処に視へるは何も無い 透き通る様な黒い闇の壁

伸びた首筋に 黄色き光に照らされし汗の筋 

蝋燭が汗肌ぉ 滑る様に光らせていました



何かゞです 蚊帳の外でナニかゞ蠢きます

そ奴が心の中ぉ覗きます 交わる者の



愛の意識の想いの世界を 貪ります



聴こえます 速いふたつの呼吸の音(ネ)が

堪へても堪えきれない気持の想いもです


濡れた吐息になってます


ふたつの流れし汗肌の混じり合う感じが 部屋の隅々に篭ります

秘めたる艶は 蚊帳の中で激しくと舞っています



蒸せるように暑き闇 隠し事で萌えさせるは情炎です 



脳裏に鮮烈な真白き光りが瞬き 目蓋の裏底に紅蓮の輝き

逢瀬な歓喜の荒なす海 汗に塗れた身体を深くと沈めます



突然 夜の音が無くなります 悉くと

そして繰り返します 幾度も 幾度も 何度でも


蚊帳の中には 漠とした静寂が襲います




夜が明けるのは もう少し後です

意識は深いまゝ 堕ちたまゝでしょう



我はみずからと溺れました





 

 (映像は物語のイメージ 無関係)





大人が話しました




バイバイ
 



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