【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

不義な、蚊帳 の中。

2006年12月30日 01時50分13秒 | 幻想世界(お伽噺) 
   

 【 密通 】


夜の凍えさで、其処までもかと冷え切った、暗さな空気。
其れは、暗さで視えなかったけど、其処にはイッパイにぃ満ちていました。


真夏の 「 蚊帳 」 っを、真冬の寒い部屋の中に吊りました。

「その方が 雰囲気だよ、ふんいき 」

っと 以前、貴方がそう 仰ったから
だから今夜、蚊帳を吊り下げて お待ちしていました。


二畳の広さの、薄暗な電燈が燈る玄関から
古い木枠の引き戸が、表で舞う木枯らしで揺すられ
硝子が忙しなげに鳴る音、廊下を渡って此処まで聴こえて来ます。

「ヤッパリ 鍵を掛けてたほうが、音がしないのかなぁ ・ ・ ・ ・ 」

って、寝間で蚊帳を吊りながら、そぅ想いました。



蚊帳の中。

裸で真っ白な敷布の、真綿のお布団に 寝そべるわたくし
同じく 真綿の掛け布団、重たくわたくしに 圧し掛かり
わたくしが、少しでも動けば、裸の胸 擦ります。
其の時、思いもかけずな 胸から脳にの、小さな快楽っ!

わたくしの神経、感覚の鋭さが狭まり、刺さりました。
脳に鋭く、キリキリ! っと刺さりました。



外、凍ててます。

寒さが透き通らせる 星ある晴れた夜空から、粉雪々ぃ 降りて来ます。
触れなば冷たい 小さな白き柔らかさな雪、もしも降る音聴けるなら

 どんな音?
 其れから 解けるときの音、どんな音?

確かに、わたくしの胸の高鳴りと、同じ音でしょうか?
今から始まると願う、出来事の想像、乱れさせます 心を。
鼓動が静まればと、詰めてました息吐きます、溜め息の白さで。
仄かな白い靄影、暗い蚊帳天幕にとぉぅ 目指しぃ昇ります。

夜の黒さの中で、白さが暗さに溶け込む音、聴こえませんでした。
たぶんわたくしの吐く息、黒い静かさに溶け込むのに、馴染んでいますから

だから 音 しなかったんでしょうか?



密通しました。

寝屋の褥の中、淫猥な湿った空気の中で
あなたが息を、整えながら聞いてきました。

「 キっとぉぅ ・ ・ ・ ・、 かぁ? 」
「 !、・ ・ ・ ・ ぅん、かもぅ 」

わたくしは返事に迷い、言葉に詰まりました。

「かもぅって どぉぅよ! 」
「  ・ ・ ・ !・ ・  」

暫く、乱れた息を整える振りして、黙ってました。
言葉で応じれば、それからは済し崩しにぃ っと。
キッと、きっとぅ ・ ・ ・ ・ ・ きっとぅ !
黙ってる言い訳言葉、何にも頭に浮かんでこなかった !



不義の行為。

それっはぁ ようやくとぅ ですねぇ
済んで終わってしまえば、わたくしの、脳内世界のぉぅ
深い処の辺境な場所で、隠れ意識がぁ こぅ囁きぃ言いました。

「此んなものかなぁ? キッとぉ違うはずぅ、夫とぅはぁ ・ ・ ・ ・ 」 

貴方が、わたくしに与えようとして 求めてくる、如何しても!
っなぁ、熱さなぁ事をぅ 受け止めて共鳴しぃ、
激しくなぁ って振舞った、わたくしの震え続けた躯とは、裏腹でした。
醒めてしまいました。 わたくしの心は 。
少しも満たされることもなくぅ 想う限りには でしょう
此れから先にも 在りませんでしょう。

先ほどの 蚊帳の中の行為、わたくしの躯の何処かの芯
隠れて っと、わたくしも知らずに、芯をぅ火照らせてしまってました。
其の躯の芯、ゆっくりと 醒め始めてきてました。
粒の汗が流れてました、油な滑る肌の温みが、冷める時ぃとは違った
心の中の何かが消え去りながら、持って逝かれるようなぁ ・ ・ ・ ・ でした。

其れは、諦めな醒め方なんでしょぅ?



覚悟なき制裁。

暫くした、或る日。 霙降る午後の事。
家の近くの 裏通り商店街の、と或る小さな喫茶店。

照明落とした、薄暗な店の奥で 二人は並んで座り、夫の目の前でした。
突然、夫がわたくしの耳ごと顳(こめかみ)を 殴りました。
わたくしの躯、吹っ飛んでました。 横に倒れるように!

わたくし其のまま、気が遠くなりかけてました。

叩かれた衝撃で、聴こえ難くなった耳の奥に、人の話し声が。
お店の従業員の わたくしも普段から良く知ってる、若い女性の方が
何かを語り掛けながら、助けようとして、抱き起そうとしてくれてました。

夫の声も、水の中で聴こえるようにぃ、でした。
怒りの昂りも、何も、籠もらない静かさで、夫が喋りました。

「お前は、こいつを殴った俺を許すのかぁ? 如何して座ったままで立たない 」

あの人は、何も喋りませんでした。
夫の、幾度もの問いに、答えようとはいたしません。

「お前達がした事の、けじめはどうする 」

返事の言葉は聞こえずに、お店の中、凄くぅ静かでした。
女性に抱かれたままで 見上げると、カウンターの中からマスターが
下に転がってるわたくしを、心配そうにぃ覗き込んでました。

あの人が、逃げようとしました。
夫が脚を通路に、脛で引っ掛かってあの人、派手にぃ転びます。
夫があの人の腹に、馬乗りになりました。
夫の背中、夫が振り下ろす腕の動きと共にぃ、揺れてました。
激しく何度も、何度も、揺れてました。

女性の方が、わたくしを放り出し、夫の激しく蠢く肩を摑もうと!
っすると、マスターが 女性に言い放ちました。

「止めとけ! 好きにさせれ!! 」

わたくしは、首を伸ばして観てしまいました。
あの人の 色褪せたジーンズの前が、ユックリトぅ濡れてくるのを。
黒い沁みのようにぃ、広がってきてました。
わたくしは、無様なあの人の、本性を観てますようなぁ ・ ・ ・ ・ !
そんなぁ・ ・ ・ ・ 、気ぃがしてきました。

時折、突っ張るように、もがく様にぃ
動いていました、あの人のスラリとした 両脚。
急に、動かなくなりました。

夫の肩も、背中も動きを止めました。
其のまま暫くは、夫は腹に跨ったまま 項垂れていました。

ゆっくりとぅ、腹から降りた夫が立ち上がり、此方に。
横たわる、わたくしの傍に。

夫の顔、天井の照明のお陰で表情は影になり、解らなかった。
でもねぇ、上から降ってきた雫でぇ夫がぁ ・ ・ ・ ・ !
わたくしの額に、幾つもぅ 降って堕ちて来ました。


わたくしの、想いも由らなかった、悔やみの想いでしょうかねぇ。
涙が顔をぅ打った時にぃ、恥ずかしさがでしたよぉぅ!
夫っと自分にぃたいしてのぅ、恥ずかしさがですねぇ、芽生えてきてましたぁ!
夫がしゃがんでくれて、膝ついて、語りかけてくれました。

「じゃぁ、帰ろうかぁ 」 って

わたくしは、わっ! って啼き声をぅ!

涙がですね、玉になってですよぅ!
ポロポロ! って、湧き出るって、初めて此の時にぃ、見知ったぁ!
っと夫が後日ぅ、わたくしに言いました。


店の外に出ると、霙が未だぁ 曇った空からね、降ってきていました。
霙の冷たさ、気持ちが良かったんですよ。
あの日の夜の、出来事の時ぃ以上にぃ、気持ちが良かったんですよ!

わたくしの心。 満たされました。

其れからですねぇ、男の方の見苦しき態度ぅ
若しもですけどねぇ、殺められてもぅ当然でしょう。
っともね、想いましたんですよぅ !


蚊帳は、明くる日に庭で、一人で燃やしました。
燃え焦げたようなぁ黒い煙ぃ、雪雲をですね、目指しましてですよぅ。
静かにぃ、音もなくぅ、揚がって逝きましたぁ!


雪の花びらが、消えかけた火の傍で蹲る わたくしの背中にぃ
いつまでもぅ! 降ってきていましたよぅ



 

 ヒトヨ ・・・・ 一夜

2006年12月09日 14時17分11秒 | 幻想世界(お伽噺) 
   
 

【 春の文章 】



夜の あの時の時間は
ぼくらにはぁ 無限にはって
其処には在りませんでした

 短かった


此の間まで他人なぁ 行きずりの二人
互いのぅ 想いの限りを抱いてのぅ
人目をぅ憚る 夜更けのぅ 逢引ぃ


やっと っと なぁ貴女との
短きぃ刹那なぁ 逢瀬時間 濃密にぃ凝縮されます
だから互いにぃ 引き合うようにぃ 希あう為にぃ
熱くぅ 随分なぁ持余してたぁ 想い肌
眠りない限りなきぃ 情の交わしが待っています
何かのぅ 塊みたいな其の時がね 続けばね
如何して 時の流れは速すぎて 短いのかなぁ !



妄想紡ぎで臨みました
終わりなきかとぅ 願いながらなぁ
永い夜にぃ 朝は来ないものかとぅ

ぼく達ぃ二人ともぅ
限りなくと 何時までもっとぅ 深まりました
冬の真っ黒夜の底 寒さ凌ぎに互いにぃ 気持ちをぅ暖め通わせ 
心が啼く哀しみぃ 堪えたかったぁ・・・・ずぅ っとぅ ! 


普段から 泊まり客など通し上げない
鄙びた古色静かさが支配する 和室二間部屋
可也なぁ古くから詰まったままのぅ 淀んだ昔の空気
男と女 為さぬ仲の二人のぅ執念 想い深間なぁ黒色熱情にぃ・・・!

互いにぃ流す汗 濡れてぇ暗闇で朧気にぃ 仄かにぃ 輝くぅ肉体
永久にかとぅ 重ねる永き時間をもって逝きぃ 果てる事無くぅ 睦みあいます
互いのぅ 想う心が深く絡み合い 二人を何かがぁ 包み隠そうとぅ
逝きつく先 互いにぃ無理にと考えずにぃ・・・・何処までかなぁ ?
ダけどぅ ・・・・目映い朝は来ますよぉぅ
必ずにぃ 止めようもなくぅ遣って来ますよぉぅ


貴女はぁ そぉぅ 
暗さで覗けない呟き声でぇ 言いました
 だから・・・・・ぁ !
貴女との 闇の二人世界にぃ モシもぅ留まりたければ
思い切ってな 心中しかぁ・・・・ かなぁ?
闇にぃ 堕ちるぅ覚悟さえぇ・・・・ !

済し崩しにぃ 為らなければぁ


明かり落とした 暗い中 
男と女の加減なきかとぉぅ 吐き出すようにぃ 交わすぅ性が生臭くぅ匂ってぇ
どうにもぅ隠し様が 無いぃ 此の部屋の障子の向こう側
冬の夜の外 サッパリとぅ 中庭に降る雪も観えない
静まった旅館の奥の部屋 暗さなぁ 隠微な快楽にぃ耽るぅ・・・・!

微かなぁ貴女のぅ 小さな嗚呼ぅ・・・!っ


暗闇廊下の冷たき床板 二人ぃ 爪先立ちで歩けば
思いもしなかった 甲高いぃ! 木の軋み音ぅ・・・・!!ぅ

 「 ぎぎぎ!っ 」 っと 

暗きぃ 廊下の果てまでもぅ 聞き届いたかとぅ !
貴女がぁ 先程ぉぅ ぼくの責めでのぅ堪えでとぅ
随分なぁ 堪え切れずなぁ 食い縛った奥歯のぅ軋みかとぅ
嗚咽似の如きなぁ おまえのぅ 今にもぅ絶え絶えなぁ
細きぃなぁ 啼きますようなぁ 息ぃつかいぃ

 闇に 流れ聴こえまするぅ


艶混じりなのでぇ もしもぅ 見えればぁ !
切れ切れにぃ吐く息ぃ 真っ赤色でしたぁ
たった一度っ切りっと 言い訳思いでぇ・・・・!
タッタ一人ならばぁ っと想う情が 萌えますかなぁ!

想いのぅ 幻ぃ影ぇでしたぁ !

暗闇でなぁ 耳ぃ欹てますぅっかなぁ・・・・!


二人ぃ 今夜のぅ一夜をぅ 必ずにぃ 聞き漏らしたくなくってですよぅ
二人のぅ 激しきぃ熱情がぁ ! っと っですよぅ
互いに流るるまかせなぁ 汗ぇ混じりぃのぉぅ
つるり っと滑りますよなぁ 濡れ肌ぁ
クッツクようにぃ ピッタリとぅ 重ねながらなぁ
皮膚ぅ快楽感覚肌ぁ以外のぅ 想い出感覚記憶でぇ
此の世の果てまでっと 憶えていたくってなぁ
耳が焦ってなぁ 聞き漏らしましょうかとぉぅ!


深夜の 明かり灯さぬぅ 浴場のぅ
大筆書きのぅ 朱色文字で女湯と 紺色暖簾架かった
湯露滴り流れ任せなぁ 白色曇り硝子引き戸の向こうからぁ
お前様がぁ かけ湯いたしまするぅ

「 ざあぁ・・・ぉざざっざぁ・・・! 」

っなぁ 湯水音
静かなぁ 暗さが広がり支配の中ぁ 飛沫音ぅ!
幾度もぅ

「 ざあぁぉぅ・・・・ざざぁぉっ ざざざ・・・! 」 


周りの暗闇がぁ 音ぅ 吸いぃ喰いますよぅ!
暗さ色な中のぅ 「 暗闇妖精 」 さんぅ
キッと っ欲しがりまするぅ・・・・!
其の妖精 隠れ耽るよなぁ 大人の夜な隠微さで
二人が知らずにぃ育み育てたる 暗闇ぃ 妖精でしたなぁ !


暗がりのぅ 床板軋む廊下で 湯上り浴衣姿の貴女の後ろを歩けば
闇に 居座ってた鄙びた匂い 消えました !
冷たき液体なようなぁ 淀んだ空気に漂う
貴女の洗い髪の芳しきぃ 綺麗なぁ いぃ匂いぃがぁ・・・・ !
手探りで 木造ぃ階段登る時ぃ 
ぼくの 尤も好きなぁ 貴女の湯上りのぅ 躯の匂いぃ嗅ぎました
視得ぬはずの目前にぃ 貴女が階段登ってましたから 

何も思わずぅ ぼくはぁ無意識にぃ 階段手摺を摑んでた両腕上げ
貴女の ふくよかな尻ぃ 摑みそうでした
ぁ! って気づきました
無理やり気持ちで 腕 下げました

貴女のぅ 声無きぃ驚き悲鳴 闇の向こうからぁ
キッと聴こえてきましたでしょうにぃ
チョットぅ 残念気分で階段をぅ 登りましたぁ・・・・!


二階の 人気無い廊下進んで 寝間に
再びぃ帰りました



夜 終われば短い夜
未だぁ 明け方まで続きます !




【 春画 】 っが、在るなら
【 春文 】 っも、在ってもいぃかとぅ・・・・駄目かなぁ?