【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

【想いの世界】

2011年02月18日 02時06分55秒 | 無くした世界 

 

人が人の温もりぉ 心の底から求めるん

そないなん 必死なんと違うんかなぁ

 

きっと物言わぬ心が 駄目でもと

などと あきらめかけた時 絶対ぃ判ります

 

優しさが 人の心ぉ苦しめることもあるねん

応援が 背負う重さを増すんやで

 

遣る瀬ないほどの想いこみ

心ぉ 虐めるだけ

 

哀しみが 救いに為る時はぁ

後からの 判り合える物事

 

 

オヤスミナサイ 

 

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【優しい強面】

2011年02月09日 16時44分32秒 | 店の妓 ツネ嬢
    
【紅い髪の女ツネ嬢】(14)
 
 【○○さん】
 
何処かの金融屋(マチキン)の奥の院で胡坐をかき居座ってる。
デッカイ古金庫のヤツみたいな、部厚く重たい某事務所の扉。
其の扉をナンとか肩で押し閉め終わった時。
 
もぉぅ!ツクヅクやった。
 
此処には今回みたいな用件では、絶対二度と着たくないなぁ。
っと心底やった。
 
二階事務所から下まで降りる急傾斜な階段。
ひとサンが、ヤット通れるか如何かの狭い造りで、二階の狭い踊り場には
クソ重たい扉の上に黒色の傘を被った、薄暗い裸電球が吊るされているだけ。
他には明りとりの小窓もないから、暗い電燈を背に階段を下りる時。
背中で灯りを遮るので、ホンマニぃ足元が覗き難い暗さやった。
 
一階の道路に面したビル出入り口扉は、コノゴロ流行りのマンション風な白塗りの鉄扉。
扉の表と裏側の壁上には、今じゃぁ考えられない様なデッカイ監視カメラ。
 
何処かの団体と厄介な揉め事ナンカの時。
相手からカチコミ掛けられたトキ、簡単には登り難いよぉな急な造りの階段。
ナニかと騒動の絶えない、此処の事情がそないな造りをさせたんやろなぁ。
 
 
 
「ナン杯や?」
 
○○さん。注文してた珈琲をウエイトレスのネエチャンが
お淑やかな仕草でテーブルに置く前から、砂糖ポットの蓋ぁ開けていた。
 
「ぁ、イヤ、自分で容れますよってぇ」
「ぇえがな。ナン杯や」
 
「ホナ、二杯ですわぁ」
 
ホンマは自分。無糖派やったけど断れなかった。
 
「ワイ武闘派やさかいな、エネルギーを充填せなアカンさかいギョウサンや」
○○さん自分のカップにはナン杯も小匙、傾けていた。
 
嬉しそぉな面(ツラ)ぁしながら、茶色の珈琲専用砂糖。
此処の喫茶店に預けてる自分専用の、チョット大きめの珈琲カップに容れていた。
肉の厚い指先で摘まんだ小さな小匙、玩具みたいやった。
 
以前。他所で聴いた話では、若いコロの○○さん。今とは別な団体に所属してました。
其の当時。○○さん。ナニか不始末を遣らかし、団体事務所の方々に迫られたそぉです。
 
指ぃ詰めるんか、墨ぃ入れるかドッチやねん! 
ット。迫られたんやそぉです。
 
ッデ○○さんが選んだのは、刺青ぉ掘る方。
 
左人差し指の爪元から肘までの刺青。
小さな梵字の崩し文字で、ワイにはマッタク意味の判らないコトが
青黒い紺色に近い墨で指先から手首までは一行で掘られ、文字は手首を一周してた。
其処から肘までは服の袖に隠れていたので、観れなかった。
 
「ドナイしたんや、冷めるで。飲まんかいな」
「サッキはスンマヘン。おぉきにですわぁ」
「ナンや。もぉぅえぇがな。サッサト飲まんか」
 
 
○○さん。某団体系に所属してるけども、面構えはケッコウ穏やかでした。
背丈は普通だけど躯全体を、強い筋肉がコレでもか!っと包んでいた。
 
チョット観ぃは、普通の勤め人さんらと同じ雰囲気。
話し方、他の某団体系のような強面な悪ぶるコトもなかった。
普段から、ケッシテ偉そうにはしなかった。
  
「シンジ務所でお勤めして居らんさかい、お前に頼むしかないんや」
っと、この前、縄澤に頼み事言われた。先ず頭に浮かんだのが○○さんやった。
 
○○さんやったら、腹割って話したら判ってもらえる。想ぉた。
 
自分。夜の世界で長いコト生きてきたけど、極道だけは好かんかった。
大っ嫌い!っで、嫌いでキライデ仕方がなかった。
だけども、コノ○○さんは違いました。理由(ワケ)はイロイロありますんやけど。
 
話せば、自分が夜勤めの駆け出しの頃まで遡りますさかいな。
止めときます。
 
自分、あの当時の此の時。
今ぁ白状しますんやけどホンマは最初から、○○さんと話がしたかった。
だけど一応。先に社長に話を通しとかんと、後で○○さんの顔が立たないだろうと。
若しかして勝手に巧くいくと想い描いてる心算の、コレから先の計画。
其れがヤヤッコシぃなったり、イラン方向に進んだ時ぃの布石です。
 
 
まぁ、タブンどころか結局は、極めつけのドツボに陥ったり、嵌ったりするんやろぉけどなぁ。
 
 
 
【紅い髪の女ツネ嬢】(14)
   
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嘘の始まり

2011年02月03日 20時35分02秒 | 店の妓 ツネ嬢
 
  
【戯言語り】 
    
眼の前のテーブル越しに坐る、某事務所の社長さん。
物憂いような調子で喋ってきた。
 
 
「儂にぃ、ナニせぇゆうとるんやぁ?」
「そやからサッキ言いましたんや。頼みますさかい怒らんといて下さいぃ・・・・・」
 
ット言い終わらない内に、虚勢を張ってる自分の背後にヒトが迫るのを感じた。
 
瞬間的に身が竦む想いがし、後ろを振り返りそぅになった。
無理にと堪えタブン、ナニが起こるかと判っていたので、備えた。
 
座ってるソファの、独り椅子の背が大きな音発て、蹴られた。
椅子ごと眼前のテーブルに倒れそうになった。
咄嗟な感じでテーブルの硝子天板に両の手を突き、堪えた。
 
「止めとけやぁ」
社長の口調、呟くよぉな静かな物言いやった。
 
椅子は元に戻ったけど、前屈みの態勢で髪の毛を掴まれた。
両腕以外の身体から力を抜いてたので、簡単に上向かせられた。
 
「そやけど社長、糞みたいなんゆぅてますんやでッ!コンボケっがぁ!」
ワイの顔に、痰モドキの唾吐きもって喚いた。
 
部屋の真ん中を仕切ってる衝立の向こう側で
幾つもの椅子が駆られる音と、人が立ち上がる音がした。
 
髪を掴んだ手に尚更力が加わり、顔面を硝子の天板に向かって突っ込まれた。
支えていた腕の力が抜けた。硝子の天板に載った大きなクリスタル灰皿が迫った。
 
「すなや(ヤメロ)!」
 
瞑っていた瞼を開けると、知らずに無理にと顔を背けていたので、左眼ギリギリで止まっていた。
コナイナ近くで物を観るのはぁ、久々やなぁ。ット。
 
掴まれた髪の毛が一度揺すられて放された。
ユックリト、テーブルに突いてた腕を戻し、椅子に坐り直した。
首を横向け、神棚が祭られている事務所の、壁際のパイプ椅子に坐ってるヒトに言いました。
 
「○○さん、ぉおきにですわぁ!」
 
「えぇがなチィフ」
靴先に鉄板が仕込まれた安全靴に、古い歯ブラシで靴墨を擦りつけながらやった。 
 
 
「ホレ、頼んだで」
 
髪を掴んでいた若い衆に安全靴をつきだした。
若い衆、押し頂くような仕草で受け取った。 
 
「社長ぉ、ワイが後は訊いたったら宜しいぃやろか」
「ソナイせぇや、○○チャンのゆぅこと、よぉぅ訊いたるんやで」
 
「判りました、ソナイします」
軽く頷きもってやった。
 
「チィフ、来いや」
出入り口の部厚い扉に向かう背中や肩。堅そうな筋肉太りしてた。
 
「社長さん、今日は要らんコトゆうてもぉて、済みませんでした。堪忍してくださいッ!」
自分、膝の皿にぃ、額がクッツクほどのお辞儀をしました。
 
重たい扉を開けるとき。もぉぅ!優しすぎる位の声が背中で聴こえました。
 
「何時でも遊びにぃ来ぃやぁ」
 
 
倶楽部の飲み代。附けの集金以外じゃぁ、着たくもない場所やった。
 
あの時ぃ、部屋を仕切ってる大きな衝立の向こうと
隣の部屋じゃぁ、イッタイ何人が待機してたんやろぉ。 
 
 
二階からの階段降りる時、心で一段ゴトに、毒吐きモッテ踏みましたわ。
 
縄澤の糞ダボがぁ~ッ!
 
ッテ、イッパイぃ!
 
 
 
【紅い髪の女ツネ嬢】(13)
 

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