【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

なんやねんなぁ もぉ~!

2006年06月27日 03時07分11秒 | 無くした世界 
   


わたしは お前の眼を、直視することも出来ずに、
銜えて点けたばかりの煙草の煙を、吐き出すついでみたいにして 聴きました。

「もぉあれから (別れてから) 四年目くらいかぁ ?っ なぁ? 」 っと。

 何故って? 

お前えが 余りにも、綺麗になっていたから。
どぉしようも無く わたしの胸の鼓動が でした。



あの時っ 別れの最後にお前が叫んだ 言葉っ

 「あんたぁあ~! 鈍感よぉお~! 」 っ! 

はね、今でも鈍感な私の耳の奥に 響き続けてるよ。
どぉぅして今、君はやさしそうに微笑んでいられるの?

なぁ何故?っ 私のぉ・・・・!っ

「茶ぁ しばかへんかぁ なぁ! 」  っのね、

無理強い決め誘いを、迷う素振りも無く受けたの?




「ぉ! ひっ久しぶりやなぁ!っ 」
「ぅんっ あそこの角からあなたに気付いてたよぉ 」
「ぇ!っ そっそぉなん? 」
「うんっ 右肩上がりの歩く姿勢の人って あんまりいないよねっ 」
「     ぅん 」

もぉ少しで、泣けそうになる言葉です。
だから私ぃ 息を呑んで我慢っ!


出逢ったのは 思いがけずに偶然でした。


観るからに重たい様な 黒っぽいドブ鼠色の雨雲 っが
濡れて立ち並ぶ高層ビル群の テッペンを覆う様に低く垂れ込む 梅雨空。
朝から降り続いていた雨が やっとの切れ間の薄暗い夕方頃 
店(倶楽部)の 今夜の仕込みをする為にの出勤途上で 
何時もの角を曲がって、俯き加減で歩いていたら 
見慣れていたヒールの高い赤い靴が 私の脚を蹴る様な感じで 足元にっ!

 雨水溜り弾いて 突き出し置かれました。 

今では随分昔みたいな 懐かしい想いの気持ちでした。
お前の誕生日にわたしが贈った 赤い靴ぅでした。


幸せそうで私ね、嬉しかった
けどね、心の何処かで何時かはっ って。
だからね、必死で笑顔っ 作っていたよっ!

 っで、君の言葉

「今でも 無理してるんだぁ! 」

恥ずかしかった。私ね ゼンゼン成長してないから
 あの頃から


真っ白いティカップ摘んだ細い指 赤いエナメル塗った爪
懐かしさで 横目で盗んで見詰めた。
長い洋モク吹かす仕草 眩しくって!っ

「どぉしてるのっ? 」

っと、聞かれて詰まったっ! 返事に
今でもって、言えなくって

「今でも あそこに居るのっ? 」
「ぅん 居るっ 何処にも往けないから 」
「そぉ  苦しくなかった ? 」

 思いがけない言葉っ!

「ぁあっ どないもぉないよぉ 」

何時かは、帰ってくるかも っとの 言葉を飲み込んで言ったぁ!



後から幾ら想い出そうとしてもね、此の時。
他になにを お前と話したか、 あんましぃ想いだせない。

 唯ぁ、お前がっ

「私っ 離婚したんよぉ ぇへ! 」

 明るく言った。

其れを聴いたわたしの心の底に 静かに何かが広がった

「 ゎたしねぇ明日ね 佐世保に帰るんよぉ 」
「ぇ! そぉなん? 」
「ぅんっ 帰るのっ 」
「 そぉかぁ    」
「    そぉ 」

わたしっ お前の顔。益々観れなかった。

「何時なん? 」
「ぇ? !っ 」
「何時ごろになん? 」
「  ぁ、あぁ! 始発に乗るんよぉ 朝ぁ早いからぁ起きれるかなぁ・・・・」
「そぉやなぁ 未だに苦手なんかぁ? 」
「ぅん 起き難いよぉ 」
「  そぉかぁ ちゃんと起きんとアカンでぇ なぁ 」
「ぅん 頑張ってみるなぁ 」
「   ぉぉ! 」

お前との話し、何の蟠りも無くやった。


其の日の夜 わたしなぁ店で散々荒れたって。
理由は一つ 自分の不甲斐なさ。やった。

酒に逃げて酔い潰れ 目覚めれば店の暗いボックス席の下の 絨毯の上。
 酔脳が時間は? っと。
目の前に持ってきた腕時計 文字盤が夜光塗料で正午過ぎ っと。


涙ぁ 止め処も無くやった
声ぇ 幾ら堪えても 暗闇にぃ嗚咽の響きがぁ やった



暫くした或る日の 深夜 
店がハネテからアパートに帰ると 切れかけた蛍光灯瞬く階段下の

 錆びて赤色ペンキが剥げ掛けた 金属の郵便受けに葉書が

『 あほ! 馬鹿たい! 鈍感たい! 』

っと お前の怒り文字での 言葉が
続く文字言葉は 非難と責める言葉の羅列 
瞬く蛍光灯の下で葉書を読み続けると、葉書の端に
何かの雫が落ちて、濡れて乾いた様な 痕がぁ・・・・!っ

 言葉の裏が読めました。

文字言葉の最後に 『 迎えに来てください 』
 

 っと。





                      

未成年者お断り 【18禁っや!】

2006年06月25日 00時12分34秒 | 無くした世界 

  

 【 18歳未満お断り 】


っと、薄暗い裏路地の奥の 何処かの妖しげな雰囲気の
店の入り口扉に吊るされた木札に 黒墨文字で書かれている文字。


若い頃にですよ、何処にも持って往き場のない 自分の若さをですね 
どうする事も出来ずに一人持て余して、夜の盛り場に何かを求めて往きました。 

 するとっですよ

毒々しい原色ネオン看板が灯る店の 入り口付近には
大概よくこんなん書いて 吊るしたり貼ってありました。

 まぁねぇ、其れ見て色々想像致しましたよ。

きっとね、あんな事やこんな事やで~!
もっモシカしたら あれもかなぁ!

 ぅぅ! そぉかぁ! 
 ぇえ!っ まっまさかなぁ?

 っと、勝手に っね。

っで、わたしなんかよりもその道の経験豊富な先輩方や、
此れもわたしよりも随分と大人び 成熟している仲間の奴らが 面白がって
初心(うぶ、うぶでっせ)なわたしに面白がって 

 同じ事を笑いもって一様に仰います。

「あんな事も、こんな事かてなぁ・・・・ぅふ!っで、なぁ・・・!!」

  っと。

まぁ、話半分で聞いてましたけどね、其れでも興味津々っ!
想像いたしました。 色々と。

 でもねっ其れだけでした。

大人の世界の扉を開けて入る勇気もなく、ただ前を通り過ぎるだけでした。
其れが今じゃぁ、少々の事なんかぁじゃぁ

 なかなかにぃ動じません。



とある夏の、風も止まった蒸し暑い夕方。
月に一度の給料日の、仕事帰りの、馴染みの立ち呑み酒場の会話。

 しかも、土曜日でっせ。


此のお店、勿論 今みたいに涼しい冷房なんか効いてません。
入り口から奥まで、長ぁ~いカウンターだけの、
お気軽立ち寄り 呑み助専用の立ちんぼう飲み屋。
 
カウンターゆうても、長年の営業で白木の色もトックニぃ・・・
角なんか客が長年凭れ続けてますからね、丸くなってます。
表面には、煙草のこげ跡無数。
醤油か何かの染みぃ ギョウサン。
表面に刻まれた何かの傷痕ぉ 多数ドコロカ、模様か?っと勘違いするほど。

出し物は、鶏の手羽先やモモ焼き っと ドテ焼き。
他にも、店の親父が趣味でやってる魚釣り
 っの、獲物のお魚はんたち。
っと、オヤジはんの女将さんの 家庭料理モドキ。
串にさして焼いたり揚げたりして、喰えるものの殆どぉ・・・・!っ

など等ぉ・・・・・『要するに、何でも喰えるものならなぁ・・・ッギャ・!』

仕事帰りのお腹を空かせた時間で、若さゆえ仕事での体の疲れなんかっ!
其れでもぉね!っ。

 ナンデモカンデモ喰い気でイテマウぞ~!
 呑ませんかいっ、ナンデモカンデモ呑んだるぞ~!

 やった~!

わたしはね、此処の名物の 鶏のモモ焼き。好きでした。
刻んだ大蒜タップリ擦り付けて、オマケニ摩り下ろしたんも乗っけて
濃い粗塩降り掛けましてなぁ、炭火で焦げ目がつくほど焙ったのん
ジュウジュウいうてるん、前歯で噛み裂きもって喰いますねん。

 堪らんっ!

 かったですよぉ~! 

頬張った熱い肉を噛み、快く味わいっ!
其処を冷たいビールで咽喉の奥にでっせ グハッっと流し込みますんやぁ~!


っで、お友達と・・・・(まぁ、今のところはチョッとお上品にぃっでっせ)。
此の汗まみれの暑い中、ギョウサンの呑んべ~ドモでイッパイの
ほんまに繁盛しているお店の 奥から少し手前の、
わたしらの定位置ともゆうべき場所で、
肩窄ませ寄せて、無言でお互いの獲物に喰い付いてます。

頬張り喰っちゃぁ、其れを酒と一緒に 自分たちの胃の腑に落とし込みます。


「かっきゃん お前なぁ何でもしたらえぇんやっ 」

っと、お友達の藤田君(仮名)が 呑み喰いに一息つき
右手の甲で脂ぎった口元 拭きもって言います。

「なっなんでもって なんやねんっ! 」

突然っ言われたので、口に含んだばっかしのビール
無理やり呑み込んでお返事。わてがね。

「そやからなっ いっぺん覚悟決めてやったらええんやっ ったくぅ! 」

 っとね、言われますとアキマヘン。

わたいの、負けん気根性に火が点きます。
 (点かんでもえぇのんになぁ~!)
っで、勢いで麦泡酒ガブガブ呑み捲くり

まぁねぇ、此の侭ぁ、突っ走ったらえぇんやけどもねぇ。
何分にも此の頃はね、わたい、未だまだお酒にいっつもヤラレッパナシぃ!
だから、意気地なしなぁ かっきゃん って言われっぱなしでした。

 ぇぇ、はいはいっ !


当時ですね、此の街の国鉄の駅の直ぐ西側 踏み切りの傍にですよ。
『番外地』 っといいまして、住宅地図にも載ってない地域がありました。
番地も無く、元々の呼び名も無く、多分国鉄の土地をやね
戦後のドサクサで不法占拠しての っ事かなぁ? やろかねぇ。

 だから 『 番外地 』。

其処にね、小さな小屋を棟続きで並べた様な建物とも言いようの無いような
呑み屋が 十軒ちかく並んでいましたよ。

っで、其の近くの此れまた私鉄電車の高架が 国鉄の本線を跨いでいますねん
其のガード下の、車の排気ガスで黒くクスンダ赤提灯をね
ぶら下げた呑み屋さんが お話の舞台でした。


クダラナイお話でしたねっ
お付き合い感謝致しますよぉ~!
ほんまに、おぉきにでっせっ。

このごろですね、わたしねっ 少し気が弱くなったみたいですねん。
人生って、あんまし長生きせん方が えぇ事もぉあるんかなぁ~?
っと、っね。 つくづくナニやらかなぁ~! って。

 
おやすみなさい




          

あららぁ~! 改め ぅぅ~! でっせ。ハイっ

2006年06月23日 02時29分36秒 | 無くした世界 


  
 お久しぶりです


ここ数日 何気にボオぉ~ っとしておりました。  
じ~の字です。はい

 お酒の量は、ここんとこ可也控えています。はい



っで、わたしが若い頃の 随分古い話になりますけど
悪友たちとね、競争した事が。
誰が一番 声をかけられるかって。

 女のコに。



とある某有名観光地の 某アーケード商店街の 「某」 マンモス喫茶店。
 (当時はね、奥行きがあって広い店内やったら、マンモスって・・・)

  ・・・歳バレバレ!

このお店、当時としてはケッコウ お洒落な雰囲気のサテンでした。
此処でお茶してはる人 タイガイみなさん気取ってましたね。
男も女も着てる服は流行(ハヤリ)の服着てました。
ポップス系LPレコードジャケットの 表紙のマネの様なね。

 吸ってる煙草は当然 洋モク

外国の当時の 映画スター真似、唇の端でカッコつけて咥え
チビチビ煙を吐き出してましたなぁ~。
男の髪はロン毛で、服装は平凡パンチ風かプレイボ~イ風の ドチラカデ決め
女の方は ファション雑誌その侭の ミニスカと髪の毛盛り上げセット頭。
まっ 非常に言い難いけど、そんなん似合いな方 滅多とぉ・・・はいっ
ぁっ! ファション雑誌の【ANAN】【NONO】なんて出始めでした。

 っで、交わす会話は他愛も無い お喋り囀り

店内ぃ 空気の入れ替え換気なんて
ちぃっとも 考えていない様な店の作りのせいか?ぁ
此れでよくも火災報知器が作動しないもんだよなぁ~! 
っな、お煙草お煙濃密モクモクやぁ~! 状態。
暫く其処に居て、外の通りに出て、着てる服の匂いを嗅いだら、

 モクがぁ~! でした

此れで良くもまぁ あんさん
人の燻製がでけへんもんですねん!。ったく。


「ぉぃ、あっこの娘、どんなんやぁ」

片手でジッポの蓋を開け閉めさせる音
カチャカチャいわせもって 世間の世渡り先輩 Dさんが。

「何処っ?」

未だ世間の未熟者の若者 阿保ぉ・・・がぁ

「ほれ 今ウエイターが出てきたとこの前の席や 」
「・・・ぁ~! 先輩ぃあんなん趣味ぃ・・・かぁ? 」
「はぁ?~ 趣味ぃ・・・。アホかっ そんなんちゃうわい、
     お前にお似合いやから声かけれるかっ、ちゅうてんねん 」
「ぇ、ボクが? 」
「ぼっぼくぅ~! って コラ殺すぞっ気色悪いこと言うなっ! ボケッ~!! 」

    「・・・・・」 なんやねんっ!もぉ~!!!

「行ってみぃ こんなん慣れやさかいになぁ 」 っと、お友達A君。
「そやで~ なれやぁ よぉ声かけれんかぁ? 」 って、お友達B君。
「ごちゃごちゃ言うてんと はよぉ行ってみんかぁ 」 先輩格Cさん。


って・・・、お店の奥の、目線の高さの衝立で仕切られてる席で
ナニやらの謀議ぃ噛ましてます。 ワルどもが。

 イッパシの つもりのガキどもがね。

衝立から煙の向こうを覗こうとして 首を伸ばしながら煙を通して覗きます。
 アチラこちらをね。
獲物を求めましてね 悪童どもがね、集まってですよ。


「じゃぁ・・・」
「お!ヤル気になったんかぁ 」 先輩格Cさん
「頑張れやぁ 」 友達B君
「討ち死にはあかんぞ~ なぁ? 」 友達A君


それぞれが応援口調なるも、ニヤツイテます。お顔が・・・・。
(わたし心で泣きもって 阿保タレれめ~!・・・・馬鹿ぁ~!)


もぉね、テーブルとテーブルの間の通路がね、限りなく広々って。
自分が ほんまに小さく感じられます。
周りの人さんの話し声が どっか遠くで話してる様な。
なのに、アット言う間に到着いたしました
目指す女の子の席に・・・・。あんなに遠かったのにやで~! 


「・・・・ぅん?」
「・・・・ぇ?」

っと 周りと同じ様にお煙草吹かしもって 
賑やかしでお話していた 向かい合ってる娘? っが二人
こちらを見てね。


『なになん?この人・・・。まぁ まぁあっ まさかぁ~! 』

って、二匹。ぁ、ぃや、お二人。っが。お目眼で会話しもってね。
間違いなくね・・・。多分ねぇ!

   ☆ピンポ~ン!☆☆ケケ、
 ケケケェケケ~ はい、其のマサカヤやで~!

「ぁ、あのぉ、此処ぉ座ってもいいかなぁ?」 初心者若葉マーク君がね
「・・・・・なんで?」 目指す相手じゃぁ無いほうが
「・・・・・」・・・・!   

目指す相手の娘の方ぉ 向こうの壁見ながら煙を吹いてます。断続的にね。
 まるで漫画の蒸気機関車やった。
笑いもってでしょうから吐き出す煙が、断続的なんやろねぇ!


「なんで、あんたが此処に座るん?」 目指す娘とチャウ方がぁ!
「な、なんでって、座ったらあかんのんかなぁ?」
 (こ奴は、トン(豚)ちゃんパンダかぁ~!)

ぁ!当時のお化粧がね、お目眼の周りを あんがい濃い目にしてましたからね。それで
まぁなぁ、この娘ぉ真ん丸顔でぇお肌ピチピチ・・・・要するに お太ってます。
可也見た目もハッキリと、十分に!っ絶対間違い様もなく!・・・っ。えぇ
ミニスカから覗く 無理やりポーズで組んでるお身脚。っが!
 履いてはるストッキングの網目がね、
ほんまなら思わず脱がしたくなるっ、ぁ、ぃぇ!・・・キレイな網目でしょうにね。
このトンめの足は華奢過ぎる程の細さでぇぇ?・・・パッチパチですからね、
開いて伸びてまぁ、マルデ粗目の魚網の様なぁ!!
それも遠洋漁業の延縄漁用のなぁ~!・・・・って。はい

 目指す娘がねこの時。どぉゆう訳か言いますねん。笑いもって。


「立ってへんとぉ、座ればぁ・・・クぅクク、ク九九ぅ81・・・」 わぁ、言うてまへん。
「お座りっ」 って・・・・。わいは、かわいいワン仔かぁ?・・・でへへへ!
「ぇ、えぇんかぁ!おぉきになぁ 」
(わぁ~!ビギナ~ズラックやぁ~!)

っで 「なっなんでわたしの横やねんぅ!」 っとトンが。

わいかてイヤや。
そやけど目指す娘の横は、もっと違う意味で?緊張しますがな!

「なになん? 」 目指す娘が
「ぁ、ぇ、ぅ、ぅん。さ、さっきからなぁ、向こうで観てたら可愛い子が居るなぁって」
「えっ!わぁ~!うちらをぉヒッカケニきたんぅ! 」 トンがぁ~!
「ぁ!っそぉやないんやぁ!・・・」 (ぅぅ、ぅ~あんたとちゃうぅ・・・)
「じゃぁ、なんですかぁ?」 目指す娘ぉ
「ぇ~! わたしぃあんたみたいなん、タイプやのにぃ~!」 トン・・・・
(ま、真逆ぁ~!)
「あっ! お似合いですやんかぁ二人ぃ~!」 って、なっ!なに言うねん!! あんさん!

 事故やぁ~!!!


まぁ、結局。ドウにも成りませんでした。
その方が良かったかも。
どう観てもわたしよりも数段歳上の女に
わたしぃ 持ってかれそうになってましたからね。

「コッチ向いてる人たち、あんたのお友達なん? 」
「ぁ、ぁ~そぉやけどぉ・・・・」・・・(頼むからぁ、腕放してぇ~!)
「ご紹介してくれないのぉ 」 って、トンがぁ~あ!
「じゃぁ、私。帰りますからお姉さん、あの事ぉよろしくね~! 」

 (ぁ~!なんで此れ置いてお帰りするんやぁ~!・・・・ギュって握りすぎぃ腕痛ぃ~!)


この後ね、暫くね。みんなから貰った
わたいに付いた渾名が 『モテモテ君』 でしたんやぁ~!

  

   教訓:災いは、決して福には成りません
     ぅぅぅ、ぅぅうううぅぅぅ!!




                      

心は裏腹でした

2006年06月15日 02時07分01秒 | 夜の時代 【深夜倶楽部】 
   


 【 迷惑 】           


おかぁはんの店の裏通りから 車の止まる音がして、クラクションが短く一度
暫くして、開け放たれていた裏口から おかぁはんの顔が。

「あんたぁ 若社長はんにアンジョウ言うといたからなぁ 」

 自分 おかぁはんと入れ違いに 外に。

出掛けに 「 ぅんっ おぉきに 」 っと。 


路地裏道 真夜中暗さが宵の口のケバさ 隠していました。
其処に、ヘッドライトの灯りを消し停車している 独逸製高級セダン 
夜の暗さの中でもボディの輝き、艶めいていました。

場末の路地裏に
獰猛な獣が蹲る様に、場違いな感じっで 停まっていました。

自分近づくと 運転席のブラックフイルム貼られた窓 
微かなモーター音と共に下がります。

 自分、窓から首ぃ突っ込む様にして 小声で言いました。

「たいしょお(大将) こないなぁ晩い時間に無理言うてぇ すいません
 カンニンっでっせ 」

「気にすなっ あいつにはよぉ世話になってるさかいになっ ええっ 」

 酒屋の若大将 囁き喋りの息に酒臭さがでした。

「おぉきにですっ 」

パジャマ姿の酒類問屋の若大将 助手席から鰐革手提げ鞄取りあげ
中かを手探りで某ブランド物のキーホルダー 指に引っ掛け取り出し 
鍵を外して此方に差し出しました、倉庫のシャッターの鍵を

自分受け取りましたっ 摑まれました!っ 手首をっ! 
蒼白い顔の若旦那 受ける印象からは想像出来ない様な力で、
自分の手首 強く握ってきました。

「真二はんにぃゆうてなっ 我慢しぃやぁって 」

 自分の手首っ 無理やり上下に揺すられっ でした。

「はい 伝えますわぁ 」

 嘘ぉ 言いました

「はよう往ったりぃ 」
「ホンマにおぉきにでっせぇ 」

「あっ!シャッターなっ電動やけどなっチョッと重いけどガンバって自分で開けやっ 
 電気入れると大きな軋みぃするさかいにな 近所のんが間違ぁて警察に泥棒やって
 言うさかいにな 手で開けた方がええでっ 」

「はいっ そぉしますぅ ホンマにおぉきにぃ~! 」


車っ 灯りを消したまま静かに裏通りを表道まで 
ブレーキランプが一瞬 輝き 右に曲がって視えなくなりなった。


「おかぁはんっ 今度真二から連絡あったら 倉庫で待ってるゆうてなぁ 」
「  うんっ、ちゃんと言うとくっ・・・・・こぉちゃん、ごめんなぁ 」
「ぇえよぉ 忘れんとゆうてなぁ 」

自分っ 酔っ払いたかったです。
けどぉ、街のアッチコッチから聞こえるパトカーの狂った様な 甲高い鳴き声
其れが 自分を追い立てる様に聴こえ 今宵始まる出来事への想いが

 自分の背中を 押しました。


『 今夜ぁ なんで皆はんワイの事ぉ 名前で呼ぶねんっ ックッソォ! 』

 叫びたいのを堪えて 夜の空 振り仰げば

   月ぃ 銀色でした。


 今夜 自分の心ぉ メッキリ老けてました

      

  
此の少し前 酒類問屋の大旦那におかぁはん、夜分に無理な事を電話で言ってます。
 
『今までの付き合いやろぉ・・・・・うちの真ちゃんなぁ・・・・ほんでなっ
  どっかに匿えるとこぉないやろかぁ・・・・ 』

自分 茶碗酒ぇ呷りたいのを我慢しぃ 聞き耳立てていました。

押し殺した囁き声で 「ぇ! 息子はん 来てくれますんかぁ! 」 って、おかぁはん。



自分っ 茶碗酒呷りながら
『ぁ!っ また迷惑が生まれるなぁ・・・ 』 っと。 でした





                           

夜の暗さがぁ

2006年06月04日 11時17分18秒 | 夜の時代 【深夜倶楽部】 
  

 【 おかぁはん 】

おかぁはんの店の硝子戸 深夜の此の時間 
キッチリと内側から鍵が掛かり、堅く閉じられてました。

見慣れた黄ばんだ吊るしカーテン 中の灯りで明るかった。
だから戸を叩きました 出来るだけ静かに。
直ぐにでした、カーテンに人の影が浮き上がり揺れ 狭く開いた隙間が。
外を窺うように覗こうと狭く開いたところから 射る様な鋭い眼差しが

 此方を睨み 閉じられました。

暫くして再び開いた隙間 メモ用紙が現れ黒色マジックで書き殴り文字

 『裏から 』 っと。

冷たい木枯らしみたいな旋風 吹き荒れる路地裏に回る時も聞こえていました。
パトカーのサイレンの音、其処ら中から湧いていました。 
雑居ビルのネオンや飲み屋の赤提灯 其れに路上の置き看板も消え
人気の無くなった路地裏 
薄暗さと、ゴミ集積場のナイロン袋から出る生ゴミの匂い

 辺りにイッパイ でした。



「真ちゃん さっき来てたっ 」

っと、差し出してくれはったコップ酒 自分一気しました。 

「っで 今何処やっ 」
「あれ渡したでっ 」
「ぅん それはえぇっ けどっ何処やねん 」
「誰にも言うなってっ 」

 自分空のコップ カウンターに叩きつけ怒鳴りました。

「何処やっ言うてるんやっ! 言わんかいっ! 」 っと。
「   ぇ! 」
「おかあはんっ 何処やってっ! 」
「 何処って ぁんたぁ ! 」

おかぁはんっこっちの瞳ぃ 引きっ攣った目ん玉で睨みつけてきた。
コッチも睨み返す。お互いっ引くに引けなくなった。
自分っ あかんっシマッタ っと想ったら おかぁはんの目尻に涙染みが
っと思ったら直ぐに溢れ出しました 瞬きしない眼に。

 尋常ではない程に。
 
「おかぁさんぅごめんなぁ! 堪忍やでぇ! 」
「・・・・ぅうんっ えぇ!よぉ 」
「キツぅゆうてゴメンなぁ! 」
 
 自分っ 初めて見ました
 
強くて逞しい気丈夫な女の人のぉ 弱い姿を。
自分っ 悔やみました。 阿保でした。

おかぁはん頬濡らす涙も拭かんと カウンターに置いてた一升瓶の首掴み 
自分が手に持っていた空のコップに 傾けてくれます。
コップの縁で 細かく震える瓶の首 カチカチと音がでした。
自分 ナミナミト注がれた酒ぇ零さない様にして スツールにオトナシク座りました。

カウンターの中に戻ったおかぁはん
おでん鍋の載ってる瓦斯台の火 点けもって聞いてきます。

「あんたぁ お腹空いたかぁ 」 っと
自分言います 「うんっ 見繕うてかぁ 」 っと

おかぁはん 鍋の蓋取ろうとして手を伸ばした時 
 割烹着の前身ごろ襟 開きました。
其処に 胸にきつく巻いてる白い晒 覗き視えます。
けどっ、観える筈のものがっ! 視えませんでした。
 
「真二に渡したんかぁ 」 っと、喚きたいのを堪えて 静かに聴きました
「渡したよぉ そいでえぇんやろぉ 」
「 ・・・・あぁ、えぇっ 」
「なんやっ? どないしたん? 」
「おかぁはん、真二っ 何処や! 」
「もぉえぇやんかっ あんたが気にせんかてなっ 」
「おかぁはん、命ぃ渡してどないするんや? なぁ! 」
「 えっ! 命ぃ? 」
「  おかぁはん、胸の包丁ぉ何で渡したん? なぁ! 」

おかぁはんっ 何かを言いかけたら鳴りました。

 カウンターの隅の 公衆赤電話のベル音が

店の中の空気ぃ 急に密度が薄くなりました。
自分、薄過ぎる空気で息がぁ!


自分 おかぁはんよりも早く受話器 掴みました。

「おかぁはん、こぉじぃ来たかぁ? 」

真二の声 落ち着き払っていました。 
でもね、微かに悲しみが込められていました。

 随分とね


自分、思わずに 「兄貴ぃ 」 っと言いそうでした

だけどぉそぉ言ったら 真二と自分の二人共ぉ 
もぉ 後戻りが出来そうに無いので
 必死で堪えました

 涙もぉ 奥歯 噛締めてぇ堪えました