ぼくは いたち。
ある日、たくさんのなかまがいるばしょから、
ここにつれられてきた。
ハンモック
トイレ
ごはん
おみず。
それが、ぼくのぜんぶ。
ぼくがすむことになった、てつでできたあみのはこのぜんぶ。
あつい日も、
さむい日も、
かぜのつよい日も、
あめがふる日も、
ぼくはずっとはこのなか。
なんかいもなんかいも
あさと、よるをすごして、
いつのまにかぼくのからだがおおきくなっても、
おなじはこのなか。
ごはんたべて
うんちして
ねむる。
ぼくのいちにちは、こうしておわる。
だれも、ぼくを、みない。
だれも、ぼくを、さわらない。
はこのなかはせますぎて
あるくこともできないから、
ぼくは、
あるきかたをわすれてしまった。
だれもぼくにさわらないから、
あったかいがどんなものか、
どんなきもちなのかわすれてしまった。
ぼくは、じぶんが、
どんなすがたかわすれちゃった。
なんでぼくは
ひとりぼっちなんだろう。
なんでだれも
さわってくれないんだろう。
ぼくは、
いきてる?
いきしてる?
ある日、ぼくをみたしらない人が、
めからおみずをこぼした。
おみずをこぼしながら、
ぼくにいった。
「かわいそうに。うちにおいで?」
ぼくにむけられた、
はじめての、め。
ぼくにさしだされた、
はじめての、て。
ぼくは、めからおみずをこぼしたひとの
おうちにいくことにした。
いままでごはんをくれてたひとは、
おわかれのときになっても、
ぼくを、さわらなかった。
めからおみずをこぼしたひとのおうちには、
にょろにょろながいのがふたりいて、
ぼくに「いっしょにあそぼ」っていったけど、
ぼくは、
あそぶが
わからない。
にょろにょろながいのに
「きみのなまえは、なんていうの?」
そうきかれたけど、
ぼくは、
なまえを
もっていない。
ぼくは
こわくて
どうしたらいいかわからなくて
ふたりをいっぱいかんじゃった。
めからおみずをこぼしたひとは、
こまったかおをして、
また、めからみずをこぼしながら、てをさしだした。
そのても
かんじゃった。
にょろにょろとなかよくなりたいけど、
こわくてこわくてどうしようもなくて、
ぎゅってかんじゃうんだ。
めからおみずをこぼすひとのてはやさしいのに、
こわくてこわくてどうしようもなくて、
ぎゅってかんじゃうんだ。
ぼくのめからも
おみずが
ながれた。
いっしょにあそびたい。
いっしょにねんねしたい。
いっしょに
いっしょに
いっしょに・・・・・・
でも、どうしていいかわからない。
こわくてこわくてたまわらなくて、
だめだとおもってるのに
ぎゅってかんじゃうんだ。
こわいと
さみしい。
それが、ぼくのせかいの、
ぜんぶだったから。
ある日、めからおみずをこぼしたひとが、
わらってるひとに、
ぼくをわたした。
また、めからおみずをこぼしながら。
わらってるひとは、
こわくてかたまってるぼくをみて、
もっとわらった。
こわくててをかんだら、
もっともっとわらった。
わらって
ぼくを
だっこした。
だっこは
こわい。
でも
あったかい。
ぼくは
おててがあったかいって
はじめてしったんだ。
ぼくは、
いきてるんだね。
いきてていいんだね。
わらってるひとは
ぼくになまえをくれました。
うまれてはじめてもらったなまえは、
きれいで、
きらきらしてて、
あったかかったよ。

ある日、たくさんのなかまがいるばしょから、
ここにつれられてきた。
ハンモック
トイレ
ごはん
おみず。
それが、ぼくのぜんぶ。
ぼくがすむことになった、てつでできたあみのはこのぜんぶ。
あつい日も、
さむい日も、
かぜのつよい日も、
あめがふる日も、
ぼくはずっとはこのなか。
なんかいもなんかいも
あさと、よるをすごして、
いつのまにかぼくのからだがおおきくなっても、
おなじはこのなか。
ごはんたべて
うんちして
ねむる。
ぼくのいちにちは、こうしておわる。
だれも、ぼくを、みない。
だれも、ぼくを、さわらない。
はこのなかはせますぎて
あるくこともできないから、
ぼくは、
あるきかたをわすれてしまった。
だれもぼくにさわらないから、
あったかいがどんなものか、
どんなきもちなのかわすれてしまった。
ぼくは、じぶんが、
どんなすがたかわすれちゃった。
なんでぼくは
ひとりぼっちなんだろう。
なんでだれも
さわってくれないんだろう。
ぼくは、
いきてる?
いきしてる?
ある日、ぼくをみたしらない人が、
めからおみずをこぼした。
おみずをこぼしながら、
ぼくにいった。
「かわいそうに。うちにおいで?」
ぼくにむけられた、
はじめての、め。
ぼくにさしだされた、
はじめての、て。
ぼくは、めからおみずをこぼしたひとの
おうちにいくことにした。
いままでごはんをくれてたひとは、
おわかれのときになっても、
ぼくを、さわらなかった。
めからおみずをこぼしたひとのおうちには、
にょろにょろながいのがふたりいて、
ぼくに「いっしょにあそぼ」っていったけど、
ぼくは、
あそぶが
わからない。
にょろにょろながいのに
「きみのなまえは、なんていうの?」
そうきかれたけど、
ぼくは、
なまえを
もっていない。
ぼくは
こわくて
どうしたらいいかわからなくて
ふたりをいっぱいかんじゃった。
めからおみずをこぼしたひとは、
こまったかおをして、
また、めからみずをこぼしながら、てをさしだした。
そのても
かんじゃった。
にょろにょろとなかよくなりたいけど、
こわくてこわくてどうしようもなくて、
ぎゅってかんじゃうんだ。
めからおみずをこぼすひとのてはやさしいのに、
こわくてこわくてどうしようもなくて、
ぎゅってかんじゃうんだ。
ぼくのめからも
おみずが
ながれた。
いっしょにあそびたい。
いっしょにねんねしたい。
いっしょに
いっしょに
いっしょに・・・・・・
でも、どうしていいかわからない。
こわくてこわくてたまわらなくて、
だめだとおもってるのに
ぎゅってかんじゃうんだ。
こわいと
さみしい。
それが、ぼくのせかいの、
ぜんぶだったから。
ある日、めからおみずをこぼしたひとが、
わらってるひとに、
ぼくをわたした。
また、めからおみずをこぼしながら。
わらってるひとは、
こわくてかたまってるぼくをみて、
もっとわらった。
こわくててをかんだら、
もっともっとわらった。
わらって
ぼくを
だっこした。
だっこは
こわい。
でも
あったかい。
ぼくは
おててがあったかいって
はじめてしったんだ。
ぼくは、
いきてるんだね。
いきてていいんだね。
わらってるひとは
ぼくになまえをくれました。
うまれてはじめてもらったなまえは、
きれいで、
きらきらしてて、
あったかかったよ。
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