【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

走る人 【 暗闇失踪 】

2007年02月17日 00時44分01秒 | 異次元世界 
  


ボクは走ってゆきます
何処か遠くで 何かが 見つかるかも


ボクは 走りながら視ます
心が 苦しいなぁ 黒い壁が在るんかなぁ

見えない出口は 心が寒い
ボクは 走ってゆきます


休みたい 何処かで
其処まで ボクは走ってゆきます

止まるのが 恐い
もお一度 走れるかなぁ 

休むのが 辛い
脚が 逃げれと 走りたがってるから



誰かと 擦れ違うのが いけないこと
誰かが 呼び止めるから だと



ボクは 走ってゆきます
止まるのが 恐いから

振り返るのが 振り返れればと
暗闇が 追いかけて 追いつこうかと



ボクは 走ってゆきます 



ボクは ボクから 走ってゆきます




   

止の心算がぁ ・ ・ ・ ・ ッ!

2007年02月03日 13時54分24秒 | 夜の時代 【深夜倶楽部】 
  



 【 なんでやぁ~! 】


夕方が近づくと 逃げ回る者の心は
漫ろ(ソゾロ)に為ってきます。

何時か 終わる時が来るかもぅ っと
想いながら眺める 沈みかけの太陽
暗い赤さで魅せながら 人の心を遣っ付けます。

此れでもか と



周りの キチガイマッハと並んで走る車の騒音
自分の中の 心細さを隠してくれていました。
キチガイマッハ 自分の股下で車体を小刻みに震わせ

 モット! アクセル回さんかぁ~! 

っと 人の言葉が話せるなら そぉ喋るかもなぁ
自分、そないに思いながらでした。

自分も、強く握ったアクセルは、こんな半端な開きじゃぁなく
捻り過ぎて、回らんくらいにしてやりたかった。
そしたら、今の行き詰った状況から抜け出せる

   ・ ・ ・ ・ っかもなぁ


「コウジ、もぉソロソロやで 」
「ぅん、そやな 」

肩越しに言われたので、肩越しに返事した。
進む道の先の方に、ボンから教えられた
縁取りのペンキも剥げかけた 古ぼけた看板が見えてきた。

「コウジ、あれ違うんかぁ? 」
「あれやな 」
「何処ぞにぃ トイレないかなぁ 」
「ナンや ビビッタんか 」
「アホッ! チョット冷えたさかいにや 」

マッハを惰性で走らせ、看板を遣り過ごした。
次の角に在る、ホームセンターの駐車場に
単車ぁ 突っ込ませた。


「なぁコウジ、居るやろかなぁ 」
「解からん、行ってみんと 」
「 ・ ・ ・ ・ 居ったらえぇんやけどなぁ 」
「そぉぅやな 」

自分、居ったらドナイする心算やねん っと
言わずもがななコトを、聞きそうやった。
自分の小便、濃い目の水割みたいな
烏龍茶のような 濃いぃ色やった。


路地の入り口辺りで、古い木の看板を見上げると
【 新和壮 】 っと 書いてあった。
看板、電信柱に勝手に括り付けたような感じヤッタ。

縁周りの赤も色褪せた 縦長木造看板
前もって、ボンが教えてくれてたから 自分らには判ったけど
書かれた文字は 長年の雨風に遣られていたので
ヨッポド気をつけて 睨んで視ない事には
何と書いてあるのか 判断できずに
タブン、通り過ぎてしまっていた。 

アパートの出入り口には 扉もなかった。
中を覗くと、通路には明り取りの窓もなく
傘もない裸電球の通路灯が 大きな間を開けて灯っていた。
通路の両側に、部屋の扉。 並んでる。
入って直ぐにの右手に、二階への階段。

二階にと、木の階段を ゆっくりと気をつけて踏んでも
枯れ木が擦れ合うよな 軋んだ音を発てる。
二階の廊下も、歩くと床板が靴の下で撓んで軋んだ。

「此処や 」
「・・・・ぅん 」

自分、部屋の扉の上の番号を見つけ
後ろの真二に 聞こえるくらいの小声で喋りました。
真二、ワイの背中を突っつきながら、微か言葉で耳元囁き

「なんや聴こえるやろ ! 」 っと。

「ぇ!・・・・・ 」
「なっ! 」

暫く部屋の中の様子を見てました。
二人で扉に、片方の耳をソバダテテでした。
誰かが何かを話したら 静かになり、同じ者が再び喋ったら静かに。
それが何回か繰り返されました。
静かさの合間に、何か鈍い音が混ざってる。

「なんや? 思う 」 っと問われて
「わからんわ 」 って返事して

振り返り見ると、真二、上着の懐に腕を突っ込んでいた。
ヤッパシぃ、遣るつもりかぁ ! 真二ぃ。
じゃぁ仕方ないかぁ! ・ ・ ・ ・ ・ 自分がぁ !
先にぃい! えぇえ~ぃい! いかんかぁあ~!!
っと、本気の覚悟を下腹でして 扉を叩いた。

中の話し声が止んだ。

「ワイが先や 」 っと

真二が後ろから 自分の肩を強く摑んだので
身を揺すって 真二の手を振り解いた。

「何方さんや? 」 中から

その声聞いたら わ!ッ っと驚いた。
自分の中でナンデや? って。
っで、直ぐに口から出た言葉が

「ボケ!ナニサラスねん 」
「ぇ?・・・・・! 」
「はよう (早く) 開けさらさんかい! 」

扉が少し開いたので、ノブを摑んで肩で押し開いた。
中に押し入ると、真っ暗やった。 部屋の中

「電気点けんか 」
「ハイぃ チョとまってんかぁ 」

明かりが点いたら、部屋の窓には
カーテンの代わりに毛布が吊られていた。

その下の、畳の上には、赤い血染めのパジャマ姿で
顔中を腫らして血だらけの男が 転がっていました。
部屋の中には、生臭な血の匂い、赤錆びた鉄の匂いが充満してた。
その中には、小便の匂いも混ざっていました。

っで、部屋の真ん中の暗い電燈の下で
右手に 特製匕首を持ち提げた 見習い若ボンが!
背筋を伸ばして姿勢もいい、綺麗な立ち姿で
お立ちに為ってました。


「二人ともぅ 遅すぎやぁ~! 」


ボンが何かに酩酊寸前のような、感じの声で!
自分、思わずに右の平手で ボンの頬を打ちました。

「痛ぁ~! なんでやねん! 」 血の匂いに酔ってるボンが
「アホッ! 勝手なことしくさってからに 」 ボンの目を覚ませる為に自分が
「お前!ッ ナンで此処に居るんや 」

っと真二が、おかぁハンから頂いてた、切っ先鋭い得物を握り締め
此の場に出遅れて、腹立たしげに言うた。


自分、此れで何度目の

「なんでや?」

って 聞いたんかなぁ? 想ぅたっ!





夜の中で秘めやかに 深くと耽ります

2007年02月01日 01時58分36秒 | 幻想世界(お伽噺) 




今夜は 大人の秘め事の
お話しを いたしましょう



いつも想うは 知らずな人



闇に潜んで小声で

「其れは如何して 」 っと 囁かれ

判らず任せで噤んでしまった 暗き深海の 二枚貝の唇
何故にと どうしても喋れなければ お人形なんでしょうか

唯の 抱かれるだけの 



呑み下す 物の数だけ 酒精で遣られ
揺れ続ける 酩酊眩暈の果て
海原迷いし 重きな鉛で造れし 船の如きな

 脳内妄想世界

其処は 何方も往けない
わたくしだけの 叶わぬ夢想 紡ぎ場所
何時でも逃げて 隠れて堕ちて
深く眠れる 奥暗い水垢溜まった 船の底

時には 普通な 大人な人
成熟な 大人の秘め事 願望意識感覚
心の何処かで 秘めやかに 蠢くからでしょうか



或る日の とある或る日の 晩のこと
秘め事 望んで 少し汗ばんで 
いつからと 揺れる心隠す 艶な肌
 
想いの丈だけ湿気た 晩 事情は情事
限りにと終われば もぉぅ済んだこと



気だるげな 夜をはむ(喰う)ような 宵
闇を透かして 聴こえていました

遥か遠くな彼方から 梅雨が明け
夏が始まる合図のような 雷(ライ)の音(ネ)
時折 稲妻閃光 夜陰に瞬き 奔ります

遠くに望む 向こう側
仄かに光る雷雲 黒き山の峰影
闇夜に 浮き上がらせます

目蓋見開き 眺め視れば
刹那で 窺え視得ました



竹藪に 流れ吹く風
笹の 群れ影
たゆたうように 揺らします

暗黒な 笹の浪揺れる 竹藪
耳 限りにと澄ませば 季節外れな空蝉
煩く鳴き騒ぐよな 地虫どもの 声々
眠れぬ夜更けの 忘れ暇には 時折に
竹藪 奥に巣喰う 隠れ青鷺(アオサギ)の群れ 

化ケ鳥 喚き啼くよな
甲高き悲鳴音 此処まで



濃密な 重たく湿気た 夜
開け放たれし 縁側履き出し窓
ただ暗闇に 穿つように空いているだけ

蝋燭 消えるかと瞬く 薄闇の褥部屋
蚊帳吊られ 架かっています

秘めやかな闇に 小声で潜めた 呟き言葉
懸命な 堪えし吐息 混ざります 

息 細く絞りでと 音も無く
切れ切れに 吐き出されました



穏やかに流れ込む風 蚊帳 揺らしました
暗闇に 蚊遣り線香の赤 小さな点で輝いてます

縁側の 暗闇の芯から 夜更けの何かが
視えぬ何かが 訪ねてきます


人が 何げに気づきました
首をもたげて 振り返ります
其処に視えまするゝは 何も無い
透き通ります様な 闇の黒壁

捻り伸ばした 首筋に
黄色き蝋燭の火に 照らされし
汗の濡れ筋 二つ
滑るように 光って視えます


何かがです
蚊帳の外で 蠢いています

覗きます 蚊帳の中を
交わる愛の意識 想いの世界
悉く 覗かれました

音がします 速い呼吸の連続音



堪え切れない 気持の想い
濡れた吐息に 為ってます
二人の汗 混ざる感じ
部屋に篭ります

隠微な 匂いと共に

秘めたる 秘め事 艶隠し

闇に吊るせし 蚊帳の中
激しく 舞っています



萌えるのは情炎です 

脳裏に 満月の蒼い光り 
きつく瞑った 目蓋の底裏
覗けるは 紅い輝き 何時までも永く

永久に (トワニ) までもと


歓喜の 荒なす海
汗に塗れた 冷たき躯
底深く 深く沈めます



情けに溺れ 深間に堕ちますると

夜の音が 無くなります
わざとで 悉くにです


快楽惚けた耳には なにも
確かに何も 聴こえません



夜が明けるのが もう少しです
意識は 深い侭でしょう

溺れました



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