【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

【永い夜が終わり逝く】

2009年01月31日 01時39分07秒 | 店の妓 ツネ嬢
 
 (画像はイメージ 無関係)



以前、此処(警察署、マッポ、管)で厄介になった時。取り調べ室では手錠ナンか嵌められなかった。
ズボンのベルトも取り上げられなかったし、況して今回みたいに足枷なんぞされなかった。


昔の取り調べ、今みたいにナニ(犯罪者の人権)やらの権利なんて無視されるのが当たり前だった。
だから足枷は被疑者の心を萎えさせ、管にたいして少しの反抗心も持たせないためなんだろう。
だけど自分が捕まった時、前みたいに手を焼かせたりせずナンの抵抗もしなかった。

タブン、目の前の取り調べ官の、個人的悪趣味なんだろうと想うことにした。

脚を組むこともできない前下がり座面の椅子に腰かけ、躯を動かせもできない不自由な身。
固まった躯じゅうの関節とゆぅ関節を微かに軋ませることしかできない。


小便がしたい。 今にも漏れそうだった。


眼の前の刑事、燻らす煙草の紫煙。何度も自分に向けて吹きかけてきた。


「スマンケド漏れますわ 」

「ナンがや 」

「ショウベン 」


「しょぉもないな、ホナ終わったる 」


吸いかけの煙草が飛んできた。避けることもできず胸に当たった。

クッソがぁ! 自分、胸で想うたけど情けなかった。

取り調べ初日が漸く終わった。



疵塗れの古いリノリウム貼りの廊下、黄色っぽい裸電灯で照らされていた。
今までに大勢の人が歩いたからだろう、所々捲れ汚く禿げてた。
自分、一目散に便所目がけ走り出したかった。
後ろからワイの腰に打たれた縛紐を掴ん歩く刑事。ワザとな感じでユックリと歩いた。
縄紐、振り切って走り出したかった。

焦る気持ちを見透かすように、「急がんでも(トイレは)逃げへんがな 」

ボケっ!クソダボ・・・・・・・


ナンとか男便器の前に辿り着く。
バンド締めていないのでチャック降ろさんでも手を放せばズボンが勝手に下がる。
落ちたズボン、足枷で引っ掛かり足首辺りで纏まった。

小便が切れ目もなく長々とぉ・・・・・
漸く間に合った安堵感から、想う存分に垂れ流せた。

コン時、垂れ流す自分の小便が、躯の中に僅かに残っていた肝心な温もり。
全部一緒に持って逝ってると感じていた。便器見下ろす視界に自然と涙が滲んだ。 


フト、垂れる小便、泪とオンナジなんやろかぁ。

想う情けなさは、情けなさでしかなかった。


辛抱にも、慰めにもならないもんやった。






【店の妓ツネ嬢】(10)

烈女

2009年01月30日 01時49分31秒 | 異次元世界 
  
 【十二所神社。別名お菊神社】



番長皿屋敷のお菊さん。男を試したバッカシに井戸にと。



ナンかぁ貞子ハン。 ぉイメージしますなぁ・・・・・悪夢。



ヨッパライ。コークハイ(死語)イッパイで、お陀仏。



   

群青 - 谷村新司  (Kamikaze attacks )

2009年01月26日 00時52分53秒 | 無くした世界 


(画像は兵庫県姫路市護国神社)


 【YouTube momotaro0055のチャンネル】 の映像 【群青-谷村新司】

をお手数ですが覗いてくださいな。



此の六分少々の映像を観てますと、終わり近くで涙が溢れてきました。

暫く止まりませんでした。


キット此の時代の若者は今の時代にはない、心に壮絶なお覚悟がお出来になる。

平和に慣れきった現代人が忘れてしまった何かをお持ちだったのでしょう。


平和な時代の者たちが、戦争の時代の事を色々と評価します。

だけど若者に限らず、男女をとわず、年齢をとわず、軍人も民間人も。

多くの方々が国と家族を守るためにお働きに為りました。









  


嘘事 (ウソゴト)

2009年01月23日 01時26分11秒 | 無くした世界 
   

(画像はイメージ 無関係)



「アァッ! 出てったらえぇんやろ 」

勢い任せで吐いた言葉の重み。判らんかった。


「アンタ。本気なん?ソレ 」

「ボケッ! 」


背中で、後ろ足で蹴り閉めた安普請アパートの合板扉。

嵌め込んだ硝子が割れるかと。


軋む鉄の階段、踏んづけ降りる時。

部屋の中から瀬戸物が割れる音が続いてた。


冷たい雨に濡れながら駅前まで歩いた。


心がなぁ寒ぅてなぁ、チョビット後悔してましたわ。

途中。歩道橋の上で財布ぉ持ってこんかったのに気付いたけどなぁ。

今更。取りに帰る訳にもいかへんやろぉ。


ドナイしょぉ・・・・・ッテ。どないしょぉ。

自分。イッツマデモうだつの上がらんアホタレやった。



冬にぃ、家出したらアカンよぉ。計画的にぃ、しぃやぁ。



おやすみなさい





     

死に逝く心

2009年01月20日 01時18分53秒 | 店の妓 ツネ嬢
 
 (画像はイメージ 無関係)



【閉塞感】


四方を囲む壁には、ナンの装飾も施されてはいなかった。

コンクリ土間の真ん中に、犯罪者と取り調べる者が相対して向き合う机を置き、
部屋の隅、壁際に取り調べ記録用の机を置けば、イッパイいっぱいの室内。


空間を圧するように囲む壁には、マッタク味気ないほどナンの塗装も施されず、
荒れたコンクリ地肌が剥き出しだった。
其の飾りっ気もない壁が、今の自分の置かれている状況を見透かすように、
静かに、段々と、心が味わうように胸に迫ってくる。っかとな感覚に陥ってくる。

天井辺りに一つだけある小窓には、頑丈そうな太い鉄格子が嵌っていた。
部厚い窓硝子は金網入り。オマケニその上からご丁寧にも粗目の鉄網が。
歴代の徒が人たち(罪人、犯罪者、役立たず、ナラズ者)らは此処で、
折りたためないパイプ椅子に座らされる。
座面は前下がりで、座ると自然と滑り落ちそうになる。


鬼面な感じする容貌の刑事から、厳しく容赦ない追究で追い込まれる者。
俯きながら、諦め気分で周りを盗み観れば、何処にも逃げる事も叶わずと納得。
心萎えるしかなく、深まる心細さで滅多と遣られるしかないと。
徹底的に何処までもと堕とされそうな、殺伐風景なだけの取調室。

如何にもならない情けなさと悔しさで俯けば、ベルトを取り上げられたズボンがズリ落ちない様にと、
両手揃えてズボンの前を掴んだ手首をキツク締めるは、冷たき鉄輝きする金(カネ)の輪っ枷。
揃えた膝の下、便所スリッパ履く足首にも足枷が。
出かけた嘆きの溜息、奥歯噛んで押し殺した。


「ナニ思うてんねん?」


っと不意に、呟くような低い声で訊かれた。
上目づかいで机の向こう、中年刑事の頭のテッペン、白髪混じりな渦巻き視た。
疵だらけの小汚い取り調べ机に、広い肩幅で覆い被さるようにしながら、
ワイの調書を清書していた刑事、顔も上げずに再び訊いてきた。


「返事はぁ?」


頑丈そうな太い手指、爪を白っぽくさせ握るボールペン。
紙の上で滑りながら文字書く音、聴こえさせていた。


「ナンも想ぉてないですわ 」


刑事が顔を上げそうだったので眼を逸らし、刑事の肩越しに窓を見上げた。
外は真っ暗やった。其の黒色を眺めれば心に寒さが募る。
無性に小便がしたかった。ソロソロ我慢の限界に近かった。


「一服点けよか、なっ?」

「小便させてもらえませんやろか?」

「もぉ少しや、辛抱でけんか 」 


薄ら笑いしながら言いよった。自分だけ煙草を銜えた。
ハイライトの濃い紫煙ぉ、天井めがけ噴いた。
次は、ワイの顔に向けてやった。
小便を堪える必死な我慢の形相を観られるのが嫌で、俯いた。
胸の奥底で燃えるものが広がりだし、散々毒突いてました。


噛みしめる顎の筋肉、此れ以上なく固まった。


糞ダボがぁ~!ボケっ!薄ら弩アホのクソバカお頭テンテンオブラートロクデナシ
ブッサイクな顔しやがってクッソ生意気な根性無しがぁ~!!・・・・・・ハヨ(速く)死にクサランかいっ!
ボケ!滓っ!死にぞこない!厄病神・・・・・ッチ!

コン時に想いつく限りの悪態やった。



小便。限りなくと漏れそうやった。

我慢もぉ・・・・心が想いっクソっ!死にそぉやった。





【店の妓ツネ嬢】(9)

束の間

2009年01月19日 03時32分03秒 | 無くした世界 
  

(画像はイメージ 無関係)



自分の大昔ぃ。 ホンマニ貧乏やったなぁ・・・・・



「ぁんたぁ お米がぁないよぉぅ 」

ッテ、同棲してました女がぁ、言いよった。



「ゴメンなぁ、ワイが甲斐性ないバッカシになぁ、苦労させてゴメンなぁ 」


「うぅんいぃのぉ、アンタと居れたらいぃんよぉ 」



ッデ、翌日ぅ、仕事から帰ったらぁ、女にナンもカンも持っていかれてもたわ。

二人で貯めてた貯金通帳もなぁ、キッチリ引き出されてもて残高0円ヤッタ。

スッカラカンでぇ、半分に千切られてました。


 
人が、憎いと想うたん。初めてやったなぁ。



元気にしてるんかなぁ。 アイツぅ・・・・・・





  

マリンピア神戸

2009年01月15日 02時46分12秒 | メタルのお話し 
 

【黄昏】






「ぉとぉさんぅ、キレイだよぉ~!」

「ぅん。えぇやろぉ~!」





マァ・・・・・まぁ年をギョウサン重ねてきますとぉ。

今まで気にもしないでアンマシ、眼に入らなかった風景がねぇ・・・・・。








ッデ、此処。以前にも想っていましたが、ケッコウ地雷がなぁ・・・・・


「ぉとおさんぅ、アリガトゥ~!」


ッテ・・・・・マァえっかぁ、喜んでるしぃ。




  

  

【郷愁を肴に】 

2009年01月11日 02時44分12秒 | 店の妓 ツネ嬢
  
(画像はイメージ 無関係)



あの頃のことを時々想いだします。

夜中に、独りで酒ぇ呑んでる時に懐かしく想いだす、古い物事。
其の郷愁の味が、ケッコウ、えぇ酒の肴になりますねん。


嫉妬からの、痴情な縺れる出来事は、
トコトン突き詰め裏切られるまではぁ、治まらんもんやと。
今になって想い返しても、つくづくとそんな風に感じます。
そやけど、もぉいちどあの時に戻れゝば、あの時と同じように繰り返せと言われゝば。

タブン、もぉいちど繰り返すと想う。

タブンやけどな。 タブン。



【心寒々(ココロサムザム)】


ツネ、ボン、ワイらの足元の雪解け泥水に、
物好きにも躯ぁ丸め無様に寝ッ転んだ、不始末男。
泥水の冷たさに凍え、顔面蒼白にし躯と色ない唇小刻みに震えさせていた。

自分、男の後頭部近くで蹲踞し言いました。


「コラっ!もぉ判ったやろ、ダボが!」

下目がけて吐く、自分の言葉息が白っぽく視えた。

「ナッナンがや、ワイがナンしたちゅうねんっ!」

ワイの白息、消える間もなく地面からの、絶え絶えな息言葉と交差した。


男が後ろのワイに、無理にと首をひねり顔を向けようとしたら、
鼻血が止まらず顎先から血球ぉ滴らせるボンに、濡れた髪の毛ぇ掴まれた。

ボン、男の逆訊き無視し、泥水塗れの髪の毛ぇ毟り採る勢いで頭ぁ揺すった。
ツネ、細めた眼ぇで無表情な顔し、見下ろしてました。

「ツネ、どないや、コンくらいで堪えたったら?」

ツネ、応えないで大きく肩で息をし、腰を捻りながら右脚を後ろに。
ゴール目指しサッカーボール蹴る勢いで右足の爪先、男の股間に減り込ませた。

男の躯、痙攣しながら尚更丸まった。

悲鳴なんか出んくらい、痛いんやろなぁ。

ット、ワイが想像してたらツネ、返す尖がった靴先、髪を掴まれモガク男の顔面にと。
男の唇が内側にと隠れ、靴先銜えさせたままにし、暫く動かなかった。


「どぉなん、アンタが好きな口に突っ込んでしゃぶらされる気持ちぃ?」


聴きたくもない言葉だったので自分、雪を降ろす雲を見上げた。
濃い灰色の雲から、小粒な黒い影がイッパイ降ってきていた。


ツネの細い足首、男の濡れて震える指が這い、掴んだ。
掴まれた黒色ストッキングに泥水が染み込み、黒の色に深みが増した。

自分、眺めながら煙草を吸いたいと。

ワイ、煙草を求めて無意識にコートのポケット弄った。
ボン、男の髪のけ掴んだ右手を、左手に持ち替え、
顔を上向け顎先と、鼻の下を擦り、鼻血塗れの手ぉ懐に突っ込んだ。
潰れかけて捩れた煙草のパッケ取り出し、ワイの方に向けてきた。

パッケに付いた血ぃ気にせず、縒れた煙草を引き抜こうとしてたらツネに言われた。

「○○チャンぅ、ウチもおくれんかぁ 」

ナニかに (タブン血の匂い) 酩酊してるような、囁き声やった。


三本、ナンとか折れないようにと抜き採り、
一本づつ真っ直ぐにしながら銜えさせてやった。
ワイ、ボン、ツネの順で、ジッポで火を点けた。

ツネ、長いこと一本足で上手に立っていました。
薄く口を開き、煙を吐いてました。


「ぁんたがコウテ(買って)くれたコレ(ヒール)、美味しいやろ?」


恐ろしいほどの静かな物言いやったけど、隠し憎しみ物言いでした。
だがら容赦なく減り込ませた靴先。揺すってました。
口を塞がれた男、泣きながらツネの足首掴み鼻の穴で呻いてた。
ワイ涙ぁは、あないにギョウサン溢れ出るもんかぁ。ット、少しぃ関心して観てました。

靴先、引き抜くと、赤い歯茎肉がクッ付いた前歯が幾本か出てきた。


門の辺りから人の気配がしたので振り向いた。
誰かがブロック塀の向こうの地面蹴りながら走る音がし、遠のいてゆく。
冬の日暮は素早くて、薄暗さの中、重たそうな雪雲が空を覆っていた。
次第にぃ粉雪、ギョウサン音なく舞だしてきた。


あの場を支配してた、其々の遣る瀬ない人の気持ち。
観る白っぽい降るものでナカナカにと。隠しようがなく、なかなかにと。

自分、此の侭何処かに逝ってしまいたかたん、今でも憶えてます。


遠くから聴こえてくる踏み切り警鐘の乱打音と混じり、
幾つもの近づく警察車両のサイレン音。


ブロック塀の上から、パトの回転灯が突き出て観えたら、門から勢いよく侵入してきた。
急ブレーキで回転止めたタイヤが、濡れた地面削りながら急停止。

警察車両、後から後から何台も湧いてきていました。


パトの回転灯、フラッシュライトみたいに粉雪照らしてた。
照らされた粉雪、空中で静止し、赤い粒に為って浮かんでた。
ワイ、あないな綺麗な赤い色の粉雪観たん初めてやった。

ワイらさんにん、互いの赤い光が舐める顔、見合いました。
三つの覚悟し燻らす紫煙、舞う白い粉雪で地面にと降りました。


自分、両腕を警官に抑えられ、膝の後ろを蹴られ脚を折られた。
濡れた地面に膝まづかされると、背中を踏まれ前屈みで泥の中にと。
背中の痛みを奥歯噛みしめ堪えるとき、泥を噛む歯応えがした。

冷たい泥水の味が舌の上に広がった。


終わったなぁ。 漸くぅ・・・・・・・ッチ!






【店の妓ツネ嬢】(8)

And night to laugh (そして笑う夜)

2009年01月08日 03時43分56秒 | 大人の寓話
  









「ナァナァ、今年ってなぁ。巧いこといく年なんかなぁ?」 ッテ、ボンクラ亭主が。

ッデ、「オトォサン次第なんと違うのぉ 」 ット、よぉぅでけた嫁ッコが。




「ァハッ ぁははははっ、ソッそやな。そぉやわなぁ・・・・・」

 (ゥゥゥッウッぇ~んぅ!・・・泣くわぁ~!・・・ヤッパシなぁ )

   
  

La ragazza di Bube(ブーベの恋人)

2009年01月05日 00時33分46秒 | 無くした世界 
(画像はイメージ 無関係)


La ragazza di Bube(ブーベの恋人)



悲恋


随分な大昔、ナニもかもホッタラカシにし、此の伊太利亜映画を観に往きました。

女優【クラウディア カルディナーレ】さんに心がね、イチコロにされたから。


当時、伊太利亜映画の全盛期でした。

他にもイッパイ上映されてたなぁ。