【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

妖精 ガ 愛撫

2007年04月26日 00時53分33秒 | 異次元世界 
  



此ノ晩 昔ノ出来事 語リマショウ
何故ナラバ 過ギ逝ク年月 忘却ォ育テテハ クレマセンデシタカラ



或る晩君は、男言葉でボクの背中に

「なぁ どうだったんだよぉぅ? 」 っと。

其の言い方、ナンだかボクには聴き慣れなくッテ、耳に馴染めなかった。

「どぅよ? 」

ボクは聴こえないふりして、聞き流しました。


君、今までそんな喋り方、致してましたか?


そのとき、仄暗い四畳半の部屋の空気、心の重さで眺めれば
黒曜石の表面みたいに、綺羅綺羅と艶黒く輝いてました。
二人、ボクと君。 何時もの普段の感じ じゃぁ無くなっていました。

夜に向けて、開け放たれた窓から、遠くの夜汽車の汽笛の音
二人の此の先を、なんだか暗示するように細く長く っと微か聴こえ。

暗さな夜の雨間近な匂い、音ナイ穏やかな微風に乗って
冷たい冷気と共に、部屋の中にと忍び入ります。

降るかもっと、雨の匂いに感づけば、二人の別離
明け方になると自然な感じで、遣って来るかと。 
湿気た空気が、そぉぅ醸し出していました。


「いつかまた 何処かで逢えるかなぁ 」
「 どぅして 逢いたい ? 」

「じゃぁ君は どぉよ 」
「ボクは どっちでも 」

「!・・・・・そぅなんだぁ 」

言葉の続き、傍にと近づく肌の温もりで、消え入りました。
部屋の暗さは、君の表情を隠していました。
男言葉が、君の心を物語っていたようなぁ・・・・・

っのかもっと、今では。

タブン此の時、暗い部屋の黒い空気の中を、童な顔の妖精が舞っていたかと。
視えぬけども、手で摑まえられないけれども、確かに小さな妖精たちが。
蜻蛉の羽みたいな、背中の小さな透明の羽、震わせて。


「ねぇ、何か聴こえたぁ? 」
「ナニ って? 」
「ブゥ~ッて 羽音みたいなぁなにかぁ 」
「虫が飛んできたんだろぅ 」

「ねぇ コッチぃ向いてよぉぅ 」


君の指、ボクの背骨にそって腰にと、微かなぞり。

ボクは眠たいフリして聞きました。


「明日はぁ 何時 ? 」 っと

そしたら気だるげに 君

「気が向いたらで いぃよぅ 」 って



「キップ ちゃんと買ってる ? 」
「・・・・・ヤッパリ 別れたいんだ 」
「そぉじゃないよ 」
「じゃぁ なんだよぉぅ 」

「・・・・・ 」


本心を口には出来ませんでした ≪今でも好きだよ≫ と。
無理にと言えば、喋れば、嘘が奔り出します。
何処までも、何処までも。
タブン、吐き通せない。

 嘘なんかッ!


背中に、二つの柔らかさな暖かさがッ!
そぉぅっと、押し付けられます。
そして、柔らかさな熱が、優しく背中全体にぃ!

背中の、飢えてた肌が憶えている
優しいぃ柔らか記憶。
今でも。


ボクの前にと伸びてきた君の腕、ボクの胸板、這いました。
掌の心地好い冷たさ、お腹までもと、這いました。
ボクの耳元で、小さな羽音が鳴りました。
微かに、掌が微かに、肌を這うように。

 羽音がね、微かに。


汗で湿った褥の、衣の磨れる音鳴らしボクは
君の方にと躯の向きを直すと、君がボクの唇に触れました。
生暖かな柔らかさな君の唇、迎えてきました。
妖精は、何かに怯えて逃げ惑いそうでした。

そぉぅ、明日の何かに。 
憶えています事でしょうか、明日の、あの時まで。


いつものっと、戯れな慣れが、指で遊びました。
ボクの肌は、敏感に為ってきています。
君のせいで。

君の心は、熟れには着いて来ていません。
不惑な、ボクのせいで。

意識の中で妖精、何かに怯えていました。
逃げ惑うように、空中を輪舞する羽音、ボクの耳にと届きました。
ボクは其の音、耳で眺めてから、怯えの甘さを、コヨナク味わっていました。


「見送りにぃ 来ないんだ 」
「ぅん 忙しいんだよ 」
「そぉぅ 」


君の、ボクの背中に廻した腕の圧迫、強く為った。
ボクの背中で、妖精たちが蠢いてました。
汗交じりの皮膚感覚、鋭きまでのぅ熱感覚。

這いずり廻る、むず痒い程な快楽と、無限なと堕ち逝く失望感。
ドッチ着かずな、もどかしさ、深まる堕落感。
嘘が凄くな感じで、二人の仲にぃ入ってきていました。


窓の中に観得るは、降る雨の、稲妻に染まって輝く暖簾な雨筋。
窓の敷居乗り越え、冷たき冷気塊、二人が同衾し繋がってる褥までもとぅ。

 汗が冷やされてきます。

冷たさぉ凌ぐ為にと二人 モット! っと抱き合いました。

幾つかの妖精、激しき愛撫に酔って、疲れて羽が止まってしまいました。
雨は、通り雨。 愛撫は一夜の物語。
ポトリ っと、堕ちてしまいました。

ポトリ って、堕ちてから、悔やみな物が胸のなかで
限りなく広がってきました。


地面濡らす雨音、羽音を殺しました。



「着てくれないってぇ ! 」
「泣くなよ 時間が空いたからなぁ 」
「・・・・ついでなんだぁ 」
「ぅん 仕方がないだろぅ 」

「嬉しいよぉぅ ! 」


列車の窓辺に置いた、ボクの手の甲、君、優しげにぃ撫でてくれてたぁ !
発車のベルの響き、駅舎中にぃ渡りました時。
ボクの手の甲に、濡れた君の頬、押し付けられてた。 



ボクは此の時、初めて知りました。

寂しさは 頭の中の意識が憶えるんじゃぁなく
胸の中で、強烈にぃ感じるんだぁ !
悔しさも、同じようにぃ、胸の中なんだぁ !

 っと。


遠のく列車、見送りながら想いました。
もぉぅ、妖精もぅ、何ッ処かにぃ逝ってしまうなぁ

 って。




      

街角

2007年04月21日 02時53分43秒 | 異次元世界 











夜の街を 歩きたい
深夜なら もっといぃ
夜は 人を優しくさせるから

人ごみに 溶け込んでみたい
目立たないように毎日 過ごしていたいから

欲をかかず 何も求めず
唯 穏やかに 生きられるなら


街角に 燈る灯りは 儚さげ
わたしの心 寂しいから 
脳の意識で何も っと求めずとも 心が餓えていました 

だからそぉぅ 視えました



寒さな晩なら なおいぃ

意識 冴えるから
眠れなくなるから
期待が 薄れるから

諦めが 迫るから


歩く時 摺り足
前屈み 肩窄めて

呟くは なにか
知らぬげなふりして なにか



人と擦れ違う時 肩が触れたらいぃ
知らぬ人に 謝れるから
知らない人に 喋れるから

そしたら 何もかもが 煌めくことも在るかもと
何もかも 綺麗に見えましょうかと

何処かの 知らない街を歩きたい
何かを捜しながら 独りで街を歩きたい


雨降る 夜明け間近に
傘なく俯いて 肩を窄めて
濡れて 歩きたい

心 穏やかげに


去った人 何処かに っと
捜し求めながら 



雨は 夜を 悲しさ模様に濡らしました





  

此の世の果ての快楽 蟹淵池

2007年04月06日 02時17分08秒 | 異次元世界 
【 コノヨノハテノ カイラク ガンブチイケ 】  



此の世の果てとゆうのは 何処かに在るのでしょうか
其処は 人が何かを想い願えば 叶えられるのでしょうか



此の国の果てが 海に面して切り立った断崖なら
星無い晩に 其の絶壁の淵に佇み 眼を閉じて
心の暗闇を 覗いてみましょう

あなたの心の暗闇から 忸怩たる声 漏れ聴こえましたら
閉じてた眼を開け 夜の闇の 吸い込まれるような
濃縮された暗さの向こう 覗きましょう

荒磯に 荒波激しく弾け散る時 潮の中の夜光虫
幽鬼ナ青色輝き するのでしょうか
其れは 幽玄な黄泉世界に 「おいでぇ・・・・ 」 って
青く輝いて 招いてくれるのでしょうか

あなたは 断崖の其処から 此の身をッと投げます
刹那な 生き死の狭間な空間に 堕ちて飛べるなら
潮の中にと最後まで 意識は途切れない儘

わたしと共に 堕ち逝けるでしょうか


暗き深海の深間が 望んで捜す果てなら
黒色潮流渦巻く 海の深き処の海溝まで
独りで沈んで見せましょう

「ぇッ! 溺れても知りませんよ 何故ッ? 」 ッと?

如何にもぅ・・・・・今更 おかしなことを お言いで


ナに思う夜に 透明水晶を砕いて 無数の欠片にし
暗き静かな庭に巻き散らし 蝋燭を一灯 燈しましょう
吐く息を堪へて 息苦しさで指先震えながら マッチを擦って 

そしたら 蝋燭反射で闇ナ庭に
星屑輝く 宙 が出没


無数の星々が 瞬き輝く空の高みが 果てなッ? と言うのなら
わたしたちは 願っても望んでも 哀しいけれど往けません

ぼくは 翼を 持たないから
あなたは 心を 持たないから 

なら 如何しても 二人揃って星の世界に逝けません


闇夜の中を 音無く歩く死人さん
歩く事は 魂だけなら楽でしょう 
何故なら 仄かな蒼きに燃える燐光
霊魂其の物 冷たいねぇ って輝きますから

ふわふわ ふわふわ 漂い歩き


賽の河原の向こう側 其処が果てなんでしょうか
地獄旅行しましょうか 地獄巡行為さりましょうか
誘うのは 死招きなお迎えさん

おいで って何回も 何回も


音無く流れる三途の川 何処から何処まで流れ逝く

無音ナ上流には 何が
暗さ透かして望む下流には 何が
果てから果てにと 何処までもって流れるの

何方か教えて下さいな

其処が 果てだよと

  
人を前から捉えずに 斜めから
足音殺します 観得ぬ明日が怖くって
静かに土踏む ソロリ歩きは 平家蟹の横歩き
琵琶法師 一際に 掻き鳴らします

果てを見詰よと


二人が望んで 初めて同衾した夜
後から思えば 瞬く如くナ 其の時間
コッソリ 昔の人が 覗いてましたそうな

小さき和船 船尾の櫓が
確かに漕がぬのに 揺れました

悪い鬼が 船底の水垢に浸かり 幼子抱いて啼き狂うた女々(メメ)に
弱気赤子 潮に儘よと浸けませ っと目強(メシ)いましたから

女々 膝が浸かった水垢の向こう側覗き
異次元ナ 決して往けぬ世界を眺め 驚きましたから
船 揺れました 狂気が招いた幻覚 恐ろしげなぁ・・・・・!

早く此の苦しめから 逃れたい


琵琶の音 ベンベン ベンベン 鳴り止まず
一想いの其の時から 耳に刻まれました


潮水の底に 二匹の蟹が戯れ合うがの如くに
揃って横に歩きながら 遊んでいましょうか
鋏を振っているのは 此方にと 招いてるのでしょうか


何も考えず 何も持たず
何も 何も なにも なんでしょうか 

逝く時は 何も

心は空っぽなんでしょうか


二人 願わずに気づけば
潮水満々たる 蟹淵池の 暗き底

其処で 快楽貪り



挟みが 開いて閉じて カチカチカチカチ
何回も開いて閉じて カチカチカチ



 カチカチカチ