(画像はイメージ)
in summer warmth of the winter
永い夜には 秘密がいっぱい御座います
キッと其れは 隠れ想いだからなんです
などと 無理にと宥めすかす己の騒ぐ心の内なるものだからです
其処に棲まはし人の無意識な静謐さは 暗さが静かに照らし支配する
凍れる真冬の夜の帳の向こうから 隠れ音の如くにして
聴こへてこないものでしょうから 確かめたげなとあなたには
我儘想いが聞こえてくるからなんでしょう
もの想いに耽る夜に 届かぬはずの音が聴こへ空耳かなぁと
外は暗い夜 真冬の縁側に吊しゝ瀬戸物風鈴ひとつ 緩き木枯らし風に震へ鳴き
一度だけ 幽かに一度だけ
春が桜を咲かせば 夜に愛で
梅雨が雨を撒けば 相合傘で濡れ
夏が暑さなもので包めば 汗がでふたりは互いに嘗めあい
秋には高きところの空気乾き 赤き夕陽は鮮やかに燃えて観へましょう
再びの冬 閉ざすものと隠すのもは何処(イズコ)に
「ぁんたぁ 寒いよぉぅ 」
慣れで同衾せし女の小声 瞑る瞼の心が目覚めぬからと知らぬふり
「夕べ 寒くなかったのぉ 」
「なにが寒い 暑さなばかりの晩に 」
「うちは なんで寒がりなんかなぁ 」
想いつくものが 胸の中で仄かに去来しては隠れました
秋の深まりを待つときは 何もかもと 何処までもと
暑さが寒さな心想いをいたしましょう
なぜならば 冷へ冷へな肌の寒さを感じるから
言はねども 聴こへてくることもあるかと
横に添い寝せしは 白き着物の死人だから
視へぬはずのものが 背撫で感じることもあるから
異界の者棲みしは 賽ノ河原の向こう側なれども
掛け布団などなき夏の褥にも 底なしな凍へるものが
後ろより おんぶされるかと寄り添ってきましょう
己の腕枕は死人だから静かに離され 脂な汗にまみれし肌蹴た胸には
白き透きとおりたる細き指が 撫でて這いましょう
冷たさな指先で触れられるゝは 誘いに参り始めたる叶わぬと想う心
「誘ってるのにぃ 」
ッ! イッ居ないはずのものが 声まで掛けられるなどとは ぁぁ!
寝返り打ちて声の主を観れば 暗き晩に溶け込むかとな
半透明のされこうべ(髑髏)寄り添い いたしておりました
我の背中に 永久(トワ)にと
寝不足招きな暑さナ夜には キット何処かで声なく笑うものがいましょう
ホナ、バイバイ
in summer warmth of the winter
永い夜には 秘密がいっぱい御座います
キッと其れは 隠れ想いだからなんです
などと 無理にと宥めすかす己の騒ぐ心の内なるものだからです
其処に棲まはし人の無意識な静謐さは 暗さが静かに照らし支配する
凍れる真冬の夜の帳の向こうから 隠れ音の如くにして
聴こへてこないものでしょうから 確かめたげなとあなたには
我儘想いが聞こえてくるからなんでしょう
もの想いに耽る夜に 届かぬはずの音が聴こへ空耳かなぁと
外は暗い夜 真冬の縁側に吊しゝ瀬戸物風鈴ひとつ 緩き木枯らし風に震へ鳴き
一度だけ 幽かに一度だけ
春が桜を咲かせば 夜に愛で
梅雨が雨を撒けば 相合傘で濡れ
夏が暑さなもので包めば 汗がでふたりは互いに嘗めあい
秋には高きところの空気乾き 赤き夕陽は鮮やかに燃えて観へましょう
再びの冬 閉ざすものと隠すのもは何処(イズコ)に
「ぁんたぁ 寒いよぉぅ 」
慣れで同衾せし女の小声 瞑る瞼の心が目覚めぬからと知らぬふり
「夕べ 寒くなかったのぉ 」
「なにが寒い 暑さなばかりの晩に 」
「うちは なんで寒がりなんかなぁ 」
想いつくものが 胸の中で仄かに去来しては隠れました
秋の深まりを待つときは 何もかもと 何処までもと
暑さが寒さな心想いをいたしましょう
なぜならば 冷へ冷へな肌の寒さを感じるから
言はねども 聴こへてくることもあるかと
横に添い寝せしは 白き着物の死人だから
視へぬはずのものが 背撫で感じることもあるから
異界の者棲みしは 賽ノ河原の向こう側なれども
掛け布団などなき夏の褥にも 底なしな凍へるものが
後ろより おんぶされるかと寄り添ってきましょう
己の腕枕は死人だから静かに離され 脂な汗にまみれし肌蹴た胸には
白き透きとおりたる細き指が 撫でて這いましょう
冷たさな指先で触れられるゝは 誘いに参り始めたる叶わぬと想う心
「誘ってるのにぃ 」
ッ! イッ居ないはずのものが 声まで掛けられるなどとは ぁぁ!
寝返り打ちて声の主を観れば 暗き晩に溶け込むかとな
半透明のされこうべ(髑髏)寄り添い いたしておりました
我の背中に 永久(トワ)にと
寝不足招きな暑さナ夜には キット何処かで声なく笑うものがいましょう
ホナ、バイバイ