【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

妹 アイツ

2009年04月22日 12時24分24秒 | 【A short sword】



(冗談事)



「にぃヤン。半年ぃ吸ぅんやめたらなぁ、ウチがご褒美ぉあげるよぉ」

「ナンヤねん褒美ぃって?」

「ウチがなぁ、にぃヤンのなぁ、奥さんになったげる」


「そぉか、嫁ぇになぁ・・・・ッテ!オマエぇ。 ドッ!ドアホッ!ワイらきょうだいやぞ。ボケッ!」


冗談だよぉ~!っと舌を見せながら急にソッポを向き、台所に駆け込んだ。

アイツの頬。ホンノリ赤らんでいたようなぁ・・・・・


此の時から自分。妹をナンだか意識するようになりました。
それまではアイツは未だ子供なんだとばかり。


自分の心。チョット戸惑いました。
アイツが言い訳しよった「冗談」の言葉に、自分の感情が動いたことが。


その時まで、他所の女と付き合った経験が無いわけじゃぁ・・・・・



暫くしたある日。

禁煙をやり遂げられるかどうか、アンマシ自信はなかったが。
一応止めてみて、ニコチンの禁断症状がドンナものか様子をみるかぁ・・・・・・っと。


「なぁ、ココんとこぅ吸うてないやんかぁ、なぁにいヤン?」

「ナンがや?」

「身ぃぉ固める気ぃになったん?」

「ナンがやねん?」

「ソロソロなんとチャウのぉ?」

「ミィぉ・・ッテ?・・・・・ぇッ! ボッボ゛ケッ!ナニゆうとんやっ!ドぁホっ!」



自分は一人息子だったので兄弟は居なかった。
だからオフクロが亡くなり、自分が大人になって親父が再婚したとき。
その連れ合いにクッツイテきたのが妹やった。

妹は女としての対象じゃなく、ホンマニ可愛ぃかった。

心の中で、子連れと再婚してくれた親父に、感謝しきれんくらいやった。

死んだオフクロには悪いと想ってたけど、自分も、タブン親父も毎日が幸せだった。
 



はたしはアノ頃。

義理な関係の人でも他人サンでも、好きな人らと関はれることで

イッパイ、心がイッパイ慰められていました。





(dosu2)20090422

A short sword 

2009年04月19日 01時41分22秒 | 【A short sword】
 
  (画像はイメージ)



【ドス】



(約束事)


嘘でも約束事はぁ。交わした相手がぁ・・・・・・




 もぉすぐ 冬が終わるころだった


最初に憶えたのは、安アパートで独り寝し、夜更けて目覚めた時。
少し開けてる窓から聴こえてくる自分が棲んでる街の、夜の喧騒。

次に憶えたのは、夜に身動きもせず聴く街の喧騒音に被せるようにだった。
遠くから微かに聴こえる、夜汽車の永くと弾くよぅな汽笛の音(ネ)。
獄舎の天井近く、小さな明かり採り窓から窺える星明かり。

今でも時々。あの頃の星の光景や、聴こえてきていた音を夢に観ます。



あの晩は、まだ寒さが募る夜半過ぎにしては妙に、穏やかな風が舞っていた。

思わぬ長い時間シャガミ込んだ窮屈な姿勢だった。折った脚の膝から下は痺れかけていた。
サッギで革靴の冷たさを感じていた足指。冷たさの代わりにダイブ前から痛痒さを覚え始めていた。
効果はなかったが、隙間ない靴の中でナンとか足指を動かそうとしていた。
だけど今は少しでも動かそうとすると、微かな痺れを伴った痛みが踝から膝の裏にと奔る。

こんなことならと、靴下を何枚か重ね履いてくればよかったと。
後悔する気持ちが少し心の中に湧くから尚更寒さが。
幾度も、もぉぅ諦めようかと。限界かと萎えそうになる胸の辛抱。
そぉ想う気持ちを、アイツを亡くした悔しさを込めた想いで鎮めてた。



懐に物騒な得物を忍ばせてた。

目指す相手を物陰で隠れ待つに身では、今は蹲り我慢するしかなかった。
静かに心を凍らせてた。ジッと耐え辛抱するしかなかった。
だけどタダ大事をと、キット叶えてやると想う待つ身の辛さが募ってた。


寒空ナ夜風が何処かから漂ってくると、嗅ぎたくもない紫煙の匂いが。
其の匂い嗅げば、アイツと吸わぬと約束していたエンた(煙草)。今は無性に吸いたい。
苛立ちながら小便を我慢する神経に、遅い時の流れが粘るように纏いつく。

時の流れ、遣る瀬無いほどと緩慢に経過する。
ノロマな時の刻み、覚悟してた筈の想いを蔑ろにしようとし、締め付けてくる。


腕時計が壊れてるのかと、文字盤を闇に透かし幾度となく覗く。
暗さを覗けば、儚く緑色に輝く夜光数字。
緑の秒針、黒い文字盤を翳めるように確かに動いてた。
感覚が。ユックリと時の過ぎ往く感覚が、遅さで求めるものは諦めろと。

叶わずとも時を戻せるのならばと。
モシモそぉうできるのなら、あの時まで戻してほしかった。

想いの中に、悔やむものが次々と溢れ巡り来る。
それが脳裏にキリキリと鋭く爪を立て、騒がしく掻きまわしながらだった。


あの時の自分。待つ身の手持無沙汰で如何しようもなかった。
只タダ辛抱し、無性に煙草を燻らせたかった。


老いる今までに、幾度となく想いだしてきました。

ナニも懐かしぃものなんか伴わず。

幾度となくブリ返すものは、モドカシサだった。




いつも其の都度心が深くと沈み、泣き喚きたかった。








(dosu1)20090419