【神戸モザイク】
港の船着き場の直ぐ傍に在ります。
此処から素敵な【遊覧船】に乗れます。
船出し海から陸をと望めば、瀬戸内海は播磨灘に面した神戸の街並みと、六甲の山々が眺められます。
西方の沖合には、明石と四国を繋ぐ明石海峡大橋も遠くに窺えます。
先日、数十年ぶりに船に乗りました。
昔乗った船は、戦時の混乱期に貨物船の消耗が、日本軍が予想もしていないほど激しく
困り果てた軍部が大慌てで量産した、マッタク人の居住性など考慮されていない
粗製乱造された戦時急造船を、戦後になってお国が民間に払い下げ
民間企業の船会社が、私が生まれた島と本土間の連絡船に使用した船でした。
今回のような短い時間の乗船でも、海を眺めながらケーキを頂けるような
観光目的で乗れるような豪華な船じゃぁなかった。
主に貨物の運搬が目的で、ついでに人もといった感じでした。
戦時中、重油などの燃料は軍艦が使用し、戦時急造の小さな船などは石炭が主たる燃料でした。
だから航海中は煙突から、黒煙がモクモクと吐き出される石炭燃料の蒸気機関が船の動力源でした。
乗船しますと、船室とは名ばかりで、殆ど剥きだし状態。
風向きしだいでは煤煙で顔が煤け、下船するまで石炭が燃える刺激臭がしていました。
本当に小な船で、船足も遅く、少しの波でも大揺れしていました。
生まれて初めて乗った船が、小さな連絡船。
最後に生まれた島を出る時に乗った船も、おなじ連絡船。
最上階のデッキにでれば勿論、石炭が燃える臭いなんかいたしません。
爽やかな初秋の海の匂いがしていました。
顔も煤煙なんかで黒くはならず、気持よく午後の柔らかな陽が浴びれました。
なんだかね、昔の出来事を、もう一度やり直してるみたいな想いに駆られました。
其れもね、贅沢な心持にされて、でした。
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