【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

 「F」 っと、 踊り妓 。

2007年01月05日 14時56分32秒 |  【 踊り妓 】   
  


今夜 わたしのぅ お脳が真っ当ぅなら
酒精で 意識が痺れる事もなくなればぁ
想いもかけない言葉もぅ 浮かびません。


呑んで眠った明くる日ぃ。

目覚めて暫くしたら 蘇る虚憶えな記憶の中で
自分が吐いた言葉に 自分で驚いてしまう事が
多々 おます。

酔って物事を考えると、日ごろ使わない脳内神経がぁ 蠢くぅようでっせぇ。
まあぁ~、普段わぁ、眠っていた一種の狂気の部分が
目醒めるんでしょうかなぁ?

自分で後から幾ら考えても
「こないな事ぉぅ 幾らなんでも言わへんやろぉ! 」
っなぁ、ぐらい。 喋っていますねぇ~!




雨模様の 夜更けの繁華街。

一昔前の古い木造家屋と、雨の筋が何度も乾いて痕になり、外壁にぃ!
ウス汚れたビル肌のぅ 雑居ビル っが遺された裏通り
表の魚町(トトマチ)通りの南の筋 塩町通りぃやぁ~!

雨で濡れた道路にぃ、飲み屋の電飾看板が、切れ目無く並ぶぅ
其処の通りから 北に細い路地を入って、奥で突き当たるとぅ

 スナック 【 ボギィー 】 っがありました。


白ペンキ塗りの扉を肩で開けると、直ぐに煙草の紫煙 顔を舐めます。
漂うモクの煙掻き混ぜ、L字のカウンタァー前に陣取る
いつもの顔の、見知った常連客に詫びながら、割り込み座った。

「どしたん? 今夜わぁ早じまい したんかぁ? 」 オシボリ差し出しながらママ
「いぃやぁ~、サボりぃ 」 昔から仕事が嫌いな、某倶楽部のぅ チィ~フ
「なんやぁ、なんかぁあったんかぁ? 」 此処の常連さんで、チィ~フの友達の F。
「ないでぇ、なんもぅ 」


安モンの紙の座布団(コースター)にぃ、いつもの白 Wで。
ファッショングラスに浮かんだ氷、マドラーでステアーされ、回って踊ってる
少し眺めて、まるでショット(グラス)で遣るようにぃ、一気にぃ!

「なんや、エライ今夜はぁ 走るんやなぁ ! 」 F。
「 ・ ・ ・ ・ あかんのんかぁ! 」
「 ・ ・ ・ ・ ママぁ、お代わりしたってかぁ、ワイにつけといて、えぇで~ 」
「わるいなぁ ・ ・ ・ 」
「えぇがなぁ・ ・ ・ ・ 」

Fの横顔、何かを堪えてるみたいやった。


生(き)のウイスキーに浮かんだ、大き目の氷の塊ぃ、わざとぅ
露肌になったグラスと遊んで、鳴らすようにぃ、ママが置いてくれた。
其れぇ、鎮座する間もなく、持ち上げたら半開きなぁ唇にぃ付け
再びぃ、 一息にぃ!

喉の道がぁ、冷たさの熱さで焼けながら、琥珀色がぁ堕ちて逝きますぅ!
イッショニ口に含んだ 氷ぃ、噛んで砕き飲み込んだ。
冷たさが、熱さをもって逝きながら、喉を過ぎたら、咳が出そうにぃ

 グッ !・ ・ ・ ・ ・ 堪えたっ!


 店にぃ流れる歌わぁ 歌謡曲。
 ド演歌。

此処で決まって呑む酒わぁ、亀の甲羅のようなぁ角瓶のぅウイスキー。
チョット、小銭もちなら 「達磨」
ほんまに銭ッコぅ無いって、正直にぃ言えば 此の店
黙ってショット(Wのショットグラス)でぇ、ホワイトぅ 出してくれるぅ!


Fが、急に顔を!寄せてきた。 小声で喋ってきた。

「なぁ、この子なぁ、踊ってるねん 」 耳元で囁くけど、酒精も匂う。
「なんやぁ? それ? 」
「ほらぁ、この前教えたやろおぅ、舞台踊りぃ 」
「ぉほっ! ・ ・ ・ ぉぅ、この娘(こ)がぁ~? 」
「おぅぉ、そやでぇ! この娘ぅやねん ミサコはん言うねん 」
「あんたらぁ、なにぃこそこそぅ 言うてるんやぁ~! 」

煙草の煙、窄めた唇からぁ吐き出しぃ お喋りのミサコはん

「あぁ、なんでもないわな、みぃはん、こいつ倶楽部Rのチィ~フはん 」
「へぇ~! あっこの? ふぅ~ん 」
「ふぅ~んわぁ、ないやろぉ! 挨拶せいやぁ 」
「あっ! みさこいいますぅ、よろしゅうぅ 」
「うん、お初やねぇ 」
「おやすみですのん? 」
「いぃやぁ、サボりやねん 」
「あっ点けたげる 」

上手に細い指で、マッチ擦りはるぅ!
左掌でぇ赤い火ぃを覆って、点けてくれた。
硫黄の焼ける味ぃと 初っ端の煙ぃ、深く胸に吸い込んだ。

「踊ってるんやて? 」
「ぇっ! 聴いたんぅねぇ、あんたぁ言わんでええのにぃ! 」
「えぇやんかぁ、こいつになぁ気にぃせんでもえぇねんでぇ 」
「うん。 そないにぃ気ぃにせんでええよぉ 」
「ほんまぁ? 」
「ええわいなぁ! なんで、気にするねん? 」
「ほれ、なぁ~! 言うてくれてるがなぁ 」

「うん、おおきにいぃですぅ! 」


暫らく、世間話で会話の濁しぃ。
Fはん、ビヤカップの冷酒(ひやさけ)から 焼酎お湯わりにぃ。
みさはん、煙草を肴にぃ連続ビィ~ル呑みぃ。
わい、最初からズゥ~ット、ホワイトロック。


「なぁ?チィ~フぅ、どこぞにぃええ妓ぅ、おらん? 」

此処のママ、ロックお代わり作って小声ぇ。

「どないしたん? 」 自分、つられて小声。
「あの妓なぁ、逃げたんえぇ 」
「お休み違うんかぁ? 」
「違うがな!っ ほらぁ、ようぅ来てたやろぉ、青果のいっちゃん、あいつとやがなぁ~!もぉ! 」
「いっちゃん、市場に居らんへんかったん、逃げたさかいかぁ? 」
「そやねん!うちぃ女の妓ぅ、おらんようにしてもてなぁ!ほんまにお腹だちなんよぉ! 」
「うん、ほんなら気にかけてるさかいになぁ 」
「うん、お願いねぇ!此れぇうちの奢り、ゆっくり呑んでってええでぇ 」

伝票指先でぇ摘んで、他の客相手しにぃ離れた。



眠たいです。 そろそろ寝ます。
多分少しぃ、ホンマニ少しぃ~
絶対少しぃしかぁ、呑んでませんねん。
そやからぁ~、話のぅ続きぃ
股ぁ、できると思いぃますねん。


 おやすみなさいねぇ~



    


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