【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

水晶ぅのぉ 雨ぇ~!

2007年01月07日 03時09分19秒 |  【 踊り妓 】   
【 踊り妓 】 ですねん。
 つづき、ですねん。     



ボチボチっとぉぅ、騒いでた客ぅ、連れだって帰ります。
煙草の紫煙揺らして流れてた、有線の音量ぅ絞った演歌ぁ
聴き易ぅなってますぅ。


隣のオッチャン、ほんまにぃお酒、強いっわ!
幾らでも、ナンボでも呑める みたいやねん!
それに、態度が始めと変わりまへん。

 まいった参ったぁ!


おっちゃん、わいがぁ白呑んでるって聞いたら、言いますねん。

「そないなぁ安い酒、呑んだらアカン!これ呑めばええねん! 」
「えぇですわぁ、これがわいにぃ合ってるさかいにぃ 」
「なにゆうとんねん、遠慮せんでええから、これ呑んで! 」
「チィフゥ、頂きんかぁヘネシィ 」
「ママぁなに言うてますんやぁ、もぉ呑めんわぁ 」
「若いモンがぁ、アカン! 呑まんとオッチャン切れるでぇ! 」
「キッキレルってそないなぁ! ・ ・ ・ ・ッチ! 」
「そこの、姐さんもぉぅ呑みぃ 」
「うちぃですかぁ? 」 友人Fの背中擦って言いましたぁ。
「そや、呑んでんかぁ 」
「ありがとぉぅ、そんならぁ頂きますぅ 」

半分冗談脅しの飲ませ方。
接待慣れした遣り口ぃ。 オッチャン援護のぉママ。
今夜ぁ ・ ・ ・ ・ 、なぁんかぁオカシイねん?

「ねぇ~!チィフゥさんぅ、観に来てくれへんのんぅ? 」
「ぅん。 堪忍してぇなぁ 」
「そうなんかぁ、ダメとねぇ ・ ・ ・ ・  」

みぃハン、サッギで弾んでた声ぇ、落としてた。
隣のぅおっちゃん、其れおぅ見咎めてぇ ワイぃ睨みますぅ!
おっちゃんの唇ぅ  無言で開いてナニやらぁ・・・・ぁ!

動きがぁ!ボケっ!ッテェ ・ ・ ・ ッケ!


「姐さん、踊りの発表会でもあるんかぁ? 」

 中年オヤジのぅ猫撫で声でっせ! ッケ!

「いえぇ、そないにぃ いいのとぉ違ぅとぉ 」
「ならぁ、なんやねん? 」
「チョットぉ、もぉええやろぉ! 」
「ええやろおぅってママ、わしが聴いたらアカンのんかぁ? 」
「なにもアカンって、言ってないぃ・・・ナに、この妓の踊り。 見たいん? 」
「あぁ~!ぁ観たいでぇ。 わしかてなぁ、寄せんかいなぁ 」
「観るなゆうてないわぁ、もぉ~! 」
「じゃぁ、ええなっ、いつあるんやぁ? 」
「いつって、いっつでもぉ、明日でもしてますとぉ~! 」

言いながらみさこぅ、酔っても変わらんかった顔色がぁ、段々赤みが差してきた。
其れ視てたママさん、気負って何か言いたそうやなぁ?

「ワカッタ!ほんなら明日、もぉ~ぉ今日やけどねぇ、夕方の四時に此処、来て 」
「えぇ!今日かぁ?またぁ早いなぁ!ママぁ~! 」
「ぅん。 あんさんがぁ言い出したことやさかいになぁ 」
「仕事早ぁにぃ済ませて くるがぁなぁ 」
「うん、そないして 」
「あんたぁ、あんたもぉ来なぁ、アカンデぇ! 」 っと、ワイにぃ!
「えぇ~! なんでぇわいもなん? 」
「あんたぁ、Fの友達やないねんかぁ? 」
「っ、と、友達やぁ 」
「そんならぁ来(き)ぃ!来なぁアカン! 」

それで、話しがお決まり。!
うっもぉ、すっもぉ無い。! 


演歌が消えた店の中ぁ、換気扇が働いてる音してた。
冷蔵庫のぅ音もぉ ・ ・ ・ ・、 其れでもぅ静かで妙な雰囲気。
店の妓がぁ、ギョウサン詰まった営業用のゴミ袋提げて
カウンタァ~潜って出てきた。
其れぇ取り上げて、外にぃ出て行こうとしたら
カウンターの隅で、売り上げ伝票勘定してたママぁ
伝票、手提げ金庫に突っ込んで、慌ててスツールから降りぃ着いてくる。


「雨降ってるさかいにぃ、何で来るねん 」
「ぅん、ええやんかぁ。 たまぁ~にぃ、お姉さんとぅ歩くんもええやろおぉ 」
「冗談なぁ、きっついねん! 」
「なぁ、Fのん知ってるんやろぉ? 」
「 ぇ! ・ ・ ・ あぁ、知ってるでぇ ・ ・ ・ ・ 」
「なにおぉぅやぁ? 」
「なにって ・ ・ ・、わかるわなぁ!  」
「そうかぁ、ならぁええけどなあぁ~  」


其れからぁ、お互いぃ黙って街角のぅ、ゴミ袋のぅ集積場まで歩きぃ
わいぃ提げてたぁ袋ぅ、ギョウサン積まれたぁゴミ袋のぅ
山の上ぇ目掛けて、放り投げたぁ!
袋ぅ、天辺に落ちてぇ転げて落ちて、途中で止まった。

其れをぉぅ小雨の中ぁ、二人ぃ無言で観てた。
店に戻る間も、二人ぃ、なぁ~んもぅ喋らんかった。


細い肩のぉぅ、ママぁの赤いぃ髪の毛
小雨のぅ雫ぅ、イッパイぃくっ付いてた!
其れにぃ、通りすがりの車のぅヘッドライトぅ当たりぃ
綺羅綺羅って光って輝きぃ、水晶の粒みたいでぇ、綺麗やったぁ~!


ママぁのぅ、細いぃ肩紐のぅ真っ白なぁドレスのぅ、後姿ぁ!
降る雨がぁ霧雨に変わって、小粒なぁ液体ぃギョウサンくっついた
剥き出しの細い肩ぁ視てたらぁ ・ ・ ・ ・ ・ タブンぅ
ママぁの心の中にもぅ、自分と同じでぇ、雨垂れぇ!
ギョウサンぅやろうかなぁ? っと、想っていたらぁ!

ママぁ 急に立ち止りぃ振り返った。

「アンタもかぁ? 」 って、ママぁ!


車のぅ、ヘッドライトに照らされた、其の眼ぇ
雨以外のもので濡れてぇ 光ってましたぁ~!




  


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