【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

ヤッパリナァ 出テキタカァ!

2007年07月14日 09時20分00秒 | 大人の寓話
  


≪かぐや姫 追憶記≫

わたくしにはあのような災難が、わたくが一生涯かかっても
決してお返しできないほどの大恩ある、とても大切なお二方に
突然降りかかるなんて、想いもよりませんでした。

あのような出来事を、と或るお方が申してました。

「人の世の、一寸先は想えども解らずに、ただただ暗闇だけがぁ・・・・」

わたくしを善き心で慈しみ、育ててくださいましたお二人に
まさか、あのような御不幸が。

たぶんあのときはお二人で、わたくしを偲んでいてくださってたのでしょう。
心安らかなるお気持ちで、平安に星空を観ていましたのでしょうに。

まさかッ!まさかなんでしょう

わたくしにとって想い出深いあの家に、あんなんものが突き刺さゝった!
っと後から、事情がお分かりいたしました時には、わたくしにできることはただただ
お二方の無事を祈ることしかできませんでした。
遠く離れた異界に住まうわたくしめには、なにもお力にはなれません。

そのことが後々、わたくしには何時までも心苦しゅう御座いました。

 アラアラかしこ

       上記、騒動の後の事情聴衆の折、姫様記す。


そぉでしょぉ?誰があないなんがぁッ!・・・マ・ッタクゥ、想像もしてまへんがなッ!


 ≪ 其の参 ≫

爺様、姥様、お二人とも、秋の頃には見渡す限りのススキの原と為ろうかとな
青く細い葉っぱの萱が群生いたします原っぱに、呆然として立ち尽くしております。
家が燃え上がる炎の照り返しは、二人の皺深い顔を赤く染めていました。

まぁサッキ吹っ飛んでから萱の原ッパを、勢いよくゴロゴロゴロット転がってますからね
その折に散々鋭い萱の葉っぱで、何処もかしこも剥き出しだった皮膚を滅多切りッ!

顔も切り傷だらけッ!
そらぁ!火に照らされんでも、真っ赤になるで~!


天まで焦げよと燃え上がる炎柱と、赤く輝く無数の火の粉が混ざった黒煙。
その煙は暗闇上空で、闇に仄かな影絵のようになってモクモクト広がっています。

地上の燃えてる家の、その炎と黒煙の中から時折、デッカイ≪筒≫ッが見え隠れッ!
≪デッカイ筒≫は、表面が艶々(ツヤツヤ)で綺麗な薄緑色に輝いていました。
火に焙られてるにしては、なんともないようなぁ・・・・!

爺姥が突っ立っている萱の原ッパから観ると、≪デッカイ艶々筒≫は右に少々傾いてました。
傾いてる上側の方角は夜空の、例の幾つもの光が瞬いていた≪天の川≫辺り。

「なんやあれは?・・・・まさかぁ!ナァ・・・」

ット、爺チャンはなんとのぉその時に、お考えしましたそうな。
ッデここで爺チャン、姥様(ババサマ)が気になります、何処やッテ。
サッキ声がしてたから無事なのはお解りですけどなぁット。

萱の群生する原ッパの向こうの方で姥様、呆然と致しておりました。
ナニがナニやら解らずにでしょうか?それとも頭の線が一本切れてしまったのでしょうか?


「婆さんや、えらい事になったやんかなぁ!」

「ぇッ!ぁッ、おじぃさん・・・・」

「ありゃぁ、全部なんもかも炎上やなぁ!」

「炎上ッテ・・・・あんたぁ、わたしのこと心配せぇしませんのッ!」

「ぉ~!済まんスマン、どないや?」

「ハッ!あ~!たったそれだけですのん?」

「なんや?なんぞ言わなあかんのんか?」

「ぁ、あかんッテ・・・・・ィェ、、まぁ・・・」


いッつも元気な婆さま今は流石にね、大爆発で吹っ飛ばされた直後のせいか
どうにも、威勢いがぁ・・・ナイ!

可哀想にぃ姥様うなだれました。
そしてね、緊張して張り詰めていた気持ちが緩んだのか
急にね、ガックシっ!ッテ肩落としてしまいます。

心なしかなんとなくお顔の皺の溝も以前よりも深くなり
益々老け込んだよぅな感じが窺えます。


「婆さんや、そないに気ぃ落さんかてえぇがな、なそれよりどないや調子は?」

「ぅん、おぉきに、どぉもない想うけどもぅ 」

「ほんまかぁ?なんかフラフラしるでぇ? 」

「ぅん、なんかね頭ん中でね、色んな雑音が鳴ってますねん 」

「サッキの衝撃で打ち所でも悪かッテどこぞがイカレテもぅたんとチャンうんかぁ?」

「そやろかぁ?・・・・ホナ、チョットお調べしてみますぅ 」


ッデ姥様、落とした肩を上げ、曲がった腰を伸ばしキッチリ背筋も伸ばしハッタ。
血が滴る切り傷だらけの顎を上向け、切り傷イッパイの額を夜空を仰ぐようにしますとッ!

なんとッ!婆ぁのお目々がッ光りだしたッ!
シカモデッセ、目蓋を閉じてるのにやでッ!

・・・・・コレってなになん?

目蓋の皮膚を透過して輝くなぁ、お光ものッテいったい何なん?
ほんでね、家が燃え上がるメラメラって音、辺りにしてますけども
耳を澄まして聞けば婆様、なにやら小声でお呟きしてますねん。
どっかで聞き覚えがあるなぁって想えば、ぁ~!あれかぁ!

婆ぁまるで、念仏を口の中だけで唱えてるようなぁ・・・・・!

まッコト不思議なッ!婆ぁじゃぁ~!


「ぁ~あッ!全部焼けてしもうたわッ!」

っと爺チャン、想わずに溜め息混じりでね、オシャッタ。
なんだか事務的っとゆうか調査してるってな感じで、仔細に焼け跡を見て廻ってるけど
爺チャンの切り傷だらけの顔は怒ってますネンッ!非常にッ!

ケッコウ御見事なる怒り肩ッ!

≪ナンで股、よりによって儂(ワシ)の家にこんなもんが落下してくるんやッ!ボケッ!・・・≫

っがぁッテね、お怒りデッセ。

解るなぁ、イヤほんまにデッセ、平和な暮らしがねイッペンに悪夢。
いまだに廃材が燻って白い煙が揚がってる焼け跡の真ん中に
おっ立ってますねん、男根がッ! ぁッ!・・・・・スマンケド【】の断り見てね。


【誠に相済まんことに、ここ最近色々と事情がありまして、ワタクシ少々お疲れ状態
 だからね、頭の中と指先がね、チョット違うことしてるみたいなんですよ。
 「又」や「また」なんかが「股」って、「○」が「○」ッテなってたりいたしてます
 これは作者のわたくしの妄想なんかじゃ決して御座いません。単純なるミスですよ
 疲れてるからの、勘違いミスですよ。お願いやから見逃して、ぅッ!じゃぁなくって
 見過ごしてくださいな、お願いやからね。 】


「婆さん、まだなんかぁ・・・・?」

っと、原ッパの婆ぁを観たらいまだに、夜の空に顔向けたままですねん。
瞑ったお目々ぇ光らせてね、天の川の方角に面を向けはってますねん。
吹き始めた穏やかな風に乗ってね、姥様が口の中で唱えはってる念仏唸り
聞き取れますよぉ。

ット、その念仏唸り以外の何かが聴こえたかぁ?

っと爺チャン、聴こえた方角コッチかなぁ?って想い、振り返りますと
≪馬鹿が戦車でやってきた≫ッテなぁ日本映画が昔あったなぁ、懐かしいわぁ~!

ッテなぁ関係なく、何かがおッきな声挙げながら、近づいて着てますネン?

次作爺さん、ありゃぁなんや?こないな夜更けた時間に、イッタイもぅなんやねんッ?
そりゃぁそうですねん、アンサン。もぅコレ以上なんかが起こると

≪堪らん、止めてッ!、煩いがな、困るワイッ!アホかッ!ぼけッ!≫

ッテ色々と悪態ついてますと、段々と近づいてきますねん。
災厄が、ッテゆうかぁ、災難、ッかなぁ?


「ジッちゃん、なんかぁおましたんかぁ? ぅひッ!」
(おじぃちゃん、何かがありましたんですか、ねぇ?)

ッテ声、爺様の上のほうから聴こえます。見上げれば馬鹿デッカイ図ぅ体ッ!、躯ッ!

「ぁ、ィヤ、まぁなぁ・・・・」

「バッちゃん、あげなとこで、アホちゃうんかぁ?」
(おばあさん、どうしてあんな所でボォ~ってしてるのかなぁ?)

「・・・・・ッデ、御用は?」

ット、随分とツレナイお言葉、ジッちゃんオッシャッタ。

「ジちゃん火事やろぅ村中大騒ぎやでぇ、そやからワイに見てこいってゆうねん 」

「観たならもぅ、帰りッ」

「ぁ~!モット居たいわぁ!」

「アカンッ!帰れッ!」

「居たいッ!居りたいッ!居たかとッ!居ッたるわいッいぃ~!」 ッテ、駄々捏ねハッタ

・・・!≪ゲボッ!≫!・・・・

ジッちゃん握り締めた拳骨、眼の前のデッカイ図体が裸の上から着てはる
前掛けの、金文字で≪金≫ッテ書いてる真ん中に減り込ませてハッタッ!

「モットなぁ、痛かことしたろか?もっと痛ぁにぃ為りとうなかったら、帰れッ!」

ッデ、ジッちゃん拳を手前に引き出しながら想ったさ

「こんなんじゃぁコ奴は参らんやろなぁ?」ット

このまま、おとなしゅうに帰り腐らんやろなぁ・・・・ッケ!
なんせコイツは、≪鉞 金太郎 : マサカリキンタロウ≫の、なれの果てやもんなぁ~!

ぅぅぅ~!ナンで今夜は、ワイの所にバッカシ不運が重なるんやぁ~!



ッテね、可哀想にお爺様。

大変お嘆きしました。ットさぁ~!



中編の前編、此処まで。

≪其の四≫にへと、つづく。