【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

 赤い夜 ・・・・【夜の赤に染まる 雪女】 改め

2006年07月04日 03時25分19秒 | 幻想世界(お伽噺) 
  


男はいつも気侭でした だから女の心は あてなく揺れ続けます
男が 自分とは違う世界に往ってしまった っと気づかないままなら 
此の世の果てまでもと 二人はと 想い続けます 
なのに何故 何処かに 何処とも知れずに消えて逝く

 二人の世界


わたしが嫁いだのは あなたがわたしに夢見させる
陰無い心の 無垢の世界

心の闇の底に 冬の世界が巡って来ると 硬く決して無くならないとの想い 
冷たさで融けて逝きます 

想いが影にならないのなら 無くなり様がないでしょう
其の想いが厳寒の真冬の炎 天の月から降る蒼光の焔なら

女の研ぎ澄まされた心に芽生えます 小さな焔が

女が常にと願い想う情念 男の虚ろぎな騙しの情愛 
共に決して混ざることなく焼かれます 意識の醒めた冷たい炎で

意識のいつの間にかの擦れ違い 慣れで重なる心 
褥は劫火を燃やす炉になって 氷の冷たき情念を隠し
消えかけた熾火が再びの焔の様に 女と男が気づかない間に 

 チロチロっと 鎌首持ち上げた生蛇の口から覗く
 赤き舌の如く 燃え始めます



街一番の高層マンション っのベランダで 激しく吹く風を堪えて見渡すと 
真夏でも溶けぬ白い雪を頂く青い山脈 驚くほど近くに感じられます 
夜風が吹き込む様にと開け放たれた 大きな一枚硝子の窓に 

 日陰とりの 竹簾

湿気を帯び始めた風 空中に小さく鳴らします
金色(こんじき)の風鈴 リンと 一度だけ
吊り下げた赤い小さな短冊 微かに揺れて

 闇夜に小さく響きました


零時を過ぎた真夜中の 雨降る合図 稲光
もう直ぐにも雨がと 吹き込む風に湿り気が 

女の肌に冷たさが それでも流れる汗
男の肌に 欲する汗が止め処なく 

男が 激しく求める女の唇 
女が 意識を焦がして首を捻って 逃げます

女のなに想おう肌 冷たい汗肌に男の垂れる汗 
男の熱持つ汗と混ざり合い


冷たい焔の炎の心が 決めさせます 絶てと
女の噛み締めた唇を割って 差し込まれた熱い舌
滑る歯茎を擽り思わず緩んだ歯の隙間から 女の前歯の裏に

 女の意識が 嗚呼と
 

氷の世界に組み伏せられし女の躯 求め来る男の首に回したる
細き哀しき艶の腕 

夏には光り輝く綺麗な湖水の 真冬の白く凍れる湖面のように固まりました

 男の躯 胸に引き寄せ想いを絶つために



 嗚咽を堪えて開いた上下の前歯 
 差し込まれた柔らかさを噛み裂き 合わさりました



激しき雷光 闇夜を照らして奔ります 刹那の同時に雷鳴 幾度も
キツク瞑った目蓋裏 瞳の奥に稲妻の 光の残像遺し轟き音 
其れ 何かの物音隠します 部屋の気持がっです 

 隠されます 

一人になってしまった命の遣り取りの 雰囲気がです

 隠されます


暗がりで女 闇を梳く様に立ち上がると また風が
竹簾が振られ揺れます 烈風で
濡れた髪もです 風が梳き乱れさせます

雨が 降り続けます
轟と成る雨音と共に


夜の暗さの中に 仄かに汗光りの肌影 
露な乳房の影の胸に 血の赤い雫 
細い顎から滴り落ちました 柔き膨らみ谷間に


無限かと 幾度も瞬く稲妻光り 部屋の情景切り取ります 
まるで連続して光り瞬く ストロボライト
稲妻の 瞬く刹那刹那で落ちる赤血玉 瞬く光りで空中に留まりながら落ちます
赤い粒の雪か っとの様に落ち続けます


突風が 部屋に
白壁に描かれる血飛沫模様の 雪景色
吹かれる風に揺れもせず 赤き景色の前に立つ
一糸纏わぬ 凍える夏の夜の 女


蒸せる夏の夜の 赤く凍りつく血化粧 赤く熱い冬の雪女
裏切りを許さぬ 赤く凍える雪女

 情愛の情けで 男を苦しませずにと

 氷の心が泣いていました 何故にと



裸の肌に降る 慰め雨
涙が雨と混じって 

 ベランダから 



夏の終わりの夜 最後に 再びの雷鳴
雷光が想いの部屋を光りで満たして 隠しました

光りが醒めると 誰も居なくなっています 
一つの骸を残して



 誰も